『 桜の花びら舞う季節、出会いと別れが交錯する時間。
それは、桜の花びらと時を過ごしているようなそんな時間...』
の「ご飯よー」
J「あぁ、今行くよ。」
の「明日は終業式ね。JUM君も無事、進級できてお姉ちゃん嬉しい (ToT)」
J「大げさな、何もなく事無いだろ。」
の「そうだっ、JUM君に大切な話しをしないと。」
J(もう泣き止んだのかよ)
の「実はね!明日から・・・」
次の日、JUMは気分がのらなかった。
登校途中
紅「JUM おはよう」
J「おはよう」
紅「何か悩み事」
真紅は観察力が鋭いわけではない明らかにJUM態度そのものがいつもと違う。
J「あぁ、いやなんでもない」
紅「そう」
真紅は気にはしているのだがそれを表に出そうとはしない。特にJUMには。
そのまま並んで歩く。いつもならJUMの方から少しは話しかけるのだが...
校門の近くまで来たとき後ろから
銀「JUM おはよぉ♪~」
J「おはよう」
紅「おはよう 水銀燈」
銀「あらぁJUM、釣れないわねぇ、乳酸菌とってないしょ~」
と言ってJUMの腕にしがみ付く。いつもならここで
「いきなりくっつくな」とJUMが言い真紅が「ちょっと私の下僕にかってな事
しないでっ!」となるのだが、この日に限ってはJUMからの反応が無い。
流石の水銀燈も少し心配になり、腕は組んだままだがいつものようなデレデレした
感じではいられなくなった。
銀「どうかしたのぉ?」
JUMには聞こえていないのだろうか?何か考え事をしている感じでもある。
教室に着くと
ソワソワしている翠星石、蒼星石が既に来ていた。
読者も分かっていると思うが翠星石がソワソワしているのはいつもの事である。
翠「チ、チビ人間 おはようです!」
蒼「真紅、水銀燈 おはよう!」
紅「二人共、おはよう!」
銀「おはやよぉ!」
JUMは何も言わず自分の席に座る。
翠「何々ですあの態度は、翠星石が折角挨拶してやってるというのに」
口は悪いが少ししょげている。
紅「翠星石、今はそっとしておきなさい。何か考え事があるのだわ」
皆さんも経験したことがあるであろう。終業式で校長の話が長い。
薔薇学の終業式も又同じである。
銀「はぁ~ 長いはねぇ」(小声)
翠「校長の話はつまらいですぅ」(小声)
大抵の人は同じ意見であろう。この時、時間を感じていなかったのが一人だけ。
JUMである。未だ自分の中で考え込んでいる。
いや、もう一人いた、真紅である。
真紅は考え込んでいるJUMを見て顔には出さないものの何か力になって
あげなければと考えていた。
紅(別にJUMが気になっているわけではなくて。)
紅(私が気にしているのは単にJUMは私の下僕なのだから当然の事よ。)
意味の分からない思考を張り巡らしていた。
無事、終業式が終わり
教室に戻ったが未だJUMは考え込んでいる。
痺れを切らしたのか水銀燈、はじめに口を開いた。
銀「JUM、一人で悩まないでぇ」
それを聞き。
紅「JUM あなたは私の下僕なのだから何時までも悩んでいないで主人に言いなさい」
翠「まったくチビ人間は直ぐそうやって一人で悩むです!」
蒼「JUM君 僕たち皆心配してるんだよ」
雛「ヒナも」
金(ちょっと出遅れたかしら~)
J「みんな!」
皆の言葉によりJUMは意を決したようだ。
J「実は・・・・」
J「実は、姉ちゃん遠い親戚の家に行くんだ。正確にはもう行ったけど」
紅「それって...」
しばらくの間、沈黙が続いた。
沈黙を破ったのはJUM本人だった。
J「あっ、でも大丈夫。慣れれば、こう見えても器用なんだ料理とかも覚えるよ」
精一杯笑って見せた。
しかし、乙女達にはそれが作り笑いだと分かっていた。
皆、JUMを心配している。また、昔のようになるのでは、それだけが頭をよぎる。
だが、乙女達の思考は極端な方向へと進み始めた。
銀(のりが居ないという事はあの家にJUMは一人だけ (/////))
翠(これ絶好のチャンスです。料理の出来ないJUMに翠星石の手料理を食べさせればです(/////))
紅(JUMを一人にする事はできないわ。一緒にいてJUMの心の支えになる必要があるのだわ(/////))
蒼(普段、男の子に見えるけど、ここで尽くす女の子をアピールすれば (///o///))
雛(JUMと一緒に うにゅーなの (〃⌒⌒))
金(やさしく、かわいくJUMは頂かしら~(/////))
この時JUMは思った。見てはいけないもの見てしまったと。
ここからは多少読者には分かりにくくなるかもしれない。
少しの間辛抱していただきたい。
何故なら同時刻で別の場所の内容を書くからだ。
雛苺(巴宅)
雛苺は終業式後の話を巴に話した。巴はやはりJUMの事をひどく心配した。
だが、
巴(と、いう事は 桜田君は今一人、桜田君は家事が出来ない)
-------------- 巴 妄想---------------
巴「JUMー ヒナー ご飯よー」
J・雛「はーい/なのー」
J「おっ うまそうだなー」
雛「モッモッ 巴はJUMが好きだから、巴は料理が上手なのー」
巴「まっ、この子ったら (/////)」
J「・・・(/////)」
---------------巴 妄想終了---------------
巴「えへへへへっっ」
雛「巴、顔真っ赤なの、お熱なの?」(よだれも出てるなの(^^;))
巴「こうしちゃいられない、ヒナお泊りの支度よ 桜田君の家に」
雛「はい、なのー」
こうして新たな参戦者が現れた。
水銀燈(メグ宅)
銀「メグぅー 今日からしばらく・・・」
モジモジしている水銀燈。恋愛に関していざとなると奥手になってしまう。
そんな水銀燈を何時も見ているメグだから
メ「JUM君ね!がばってね!」
銀「メグぅ~(/////) しばらくJUMの身の回りの面倒を見るつもり。いいかなぁ」
メ「水銀燈 あなたが大切に思っている人に一番してあげたい事をしなさい」
銀「ありがとうメグ」
そういって水銀燈はメグに抱きついた。
メグは何も言わず頭を撫でる。
薔「・・・・・(抱き)」
銀「ちょっと何やってるの」
薔「・・・・・・」
メ「薔薇水晶ちゃんは水銀燈がどこか行っちゃうのが嫌なのよね!」
薔(コクリ)
銀「薔薇水晶、私はどこにも行かないわよぉ」
薔「うそ・・・JUMのとこに行く」
銀「困ったはねぇ。薔薇水晶はJUMが嫌い?」
薔(フルフル)「でも、水銀燈を取るJUMは嫌い」
メ「そう、じゃぁ薔薇水晶ちゃんも一緒にいってらっしゃい」
銀「メグぅ~」
メ「大丈夫、薔薇水晶ちゃんも水銀燈を困らせないわ。ねー」
薔(コクリ)
銀「もう、しょうがない子!」
金糸雀(みっちゃん宅)
金「みっちゃ~ん、みっちゃ~ん」
み「カナ、なに?」
金「家事とか出来ないで困っている人がいたらどうするかしら?」
み「うーん、それが好きな人だったら身の回りの事をしてあげるかな。」
金「やっぱりそうなのかしら。そうに決まったのかしら」
み「カナ、そういう人いるんだ。」
金「みっ、みっちゃ~ん。何いってるかしら あはあはっ」
み「カナが好きな人に尽くす姿か~」
---------------みっちゃん 妄想中----------------------
金「あなた、はい、アーンかしら~」
?「恥ずかしいよ。いいよ。 (/////)」
金「恥ずかしくないかしら アーンかしら」
?「アーン」
金「おいしいかしら?」
?「おいしいよ (/////)」
金「ほんとっ かしらー(/////)」
?「今度はカナを食べたいな(/////)」
金「いやーん かしら~(/////)」
---------------みっちゃん 大暴走中----------------------
み「いやー カナーーーーーーー」
金「キャー みっちゃーん 摩擦熱ーーーー 」
翠星石/蒼星石(おじじの家)
蒼「翠星石、そんなに急がなくても」
翠「何いてやがるです。こうしてる間にもJUMに善からぬ気配が近づいてるです。」
蒼「善からぬって(^^;」
翠「大体、蒼星石だってあめぇですぅ」
蒼「何を突然。」
翠「大方、チビ人間に良い所見せようって魂胆 姉である翠星石はお見通しです!」
蒼「(/////)それは、その、そんな事言ったら翠星石だって」
翠「(/////)翠星石はだらしないチビ人間をこれ以下にしない為に料理を作りにいくだけですぅ」
蒼「料理ねぇ~」
翠「そ(/////////)れ。ml;お(/////////)」
蒼「はいはい」
翠「これも持っていくですぅ」
蒼「翠星石、布団はいらないよ!」
真紅は悩んでいた。
お茶一ついれられない、自分は彼の為に何が出来るのかを。
紅「はぁ~」
帰ってからというものの、ため息ばかりが出る自分にやるせない気持ちさえ沸いてきている。
最初は彼を心から支えられれば、一緒に居てあげられれば、などと考えていたが現実はそんなに甘くない。
こんなわがままな女の子より他の子を選ぶはずだわ。
胸だって小さいし、料理もできない、傲慢で高飛車で何一つ彼の為に出来ない女の子より
紅「はぁ~」
私は、私は 彼が・・・・
桜田宅に一番最初いや同着である
巴-雛苺
水銀燈-薔薇水晶
巴「あら、水銀燈さん どうしたの?」
銀「巴さんこそどうしたのかしらぁ~」
雛「巴、なんだかいつもと違うなの」
薔「・・・・・花火」
熱いひぶたが桜田宅で繰り広げられようとしていた。
そこにちょうど
雛「翠星石! 蒼星石!」
翠「ちっ、チビチビ苺(他にもいやがるです)」
蒼「やぁ、皆考える事は同じだね」
蒼星石のその一言で
巴「(///////)」
銀「(///////)」
翠「(///////)」
蒼「あれ、僕なにかいけない事いったかな;」
金糸雀はご機嫌であった。皆、JUMが好きな事は分かっていた。
例え最後に自分が選ばれなかったとしてもというのは少し言い過ぎたようである。
でも、好きな人に何か出来る自分がとても心地よかった。
JUMの家に向かう間、きっと皆来てるんだとか、特製卵焼きを作るんだとか
そんな事を考えている自分がとても心地よかった。
家の近くまで来たとき真紅が見えた。いつもの金糸雀ならエージェントのように
隠れるのだが今日は違う。真紅もきっとJUMが心配だと感じたからだ。
金「真紅じゃないかしら~」
紅「ヒィッ!」普段とは違う声を。
金「どうしたのかしら? JUMの家はもうすぐかしら~ 一緒に行くかしら~」
紅「私は・・・」
金糸雀と真紅はまったく逆の立場であった。
何かしてあげられる 金糸雀
自分には何ができるのか 真紅
まったく逆であった。そんな事に気づきもせず金糸雀は話しを続けた。
金「みっちゃんがね、自分の大切な人に(/////)てっ、言われたかしら~~」
それを聴いた瞬間、真紅は走り出した。
金「ちょっとーJUMの家は、こっちかしら~ 真紅どこにいくのかしら」
桜田宅玄関前、近所迷惑になりそうなところで金糸雀も合流。
J「おまえら、どうしたんだ?」
巴「雛苺に聞いたんだけど夕飯
翠「飯も作れないチビ人間の
銀「身の回りのお世話と
金「色々御世話にきたかし
J「いっぺんに話すな。まっ、とりあえず上がれよ」
蒼「お邪魔じゃなかったかな?」
J「いや、暇だったし リビングに行っててお茶入れてくるから」
お茶を煎れリビングに行くと
J(何だ、この雰囲気は...)
蒼「ははっ;」
いがみあっているわけでは無いのだが、居づらい
その均衡を破ったのは金糸雀だった。
金「そういえば先ほど真紅にあったかしら~」
金糸雀の話を一通り聞くと
J「なんだか気になるから、ちょっと、俺探してくるよ」
翠「真紅の事なんて放って置けばいいです。きっと直ぐに来るに決まってるです」
銀「そうよぉ~ JUM~♪」
J「でも、自分の悩みとか直ぐ隠すから」
巴「桜田君、私もいくよ」
J「柏葉は皆と晩飯作ってくれないかな。俺、昼から食べて無いから、翠星石も水銀燈も晩飯お願いな」
そういうと直ぐに出て行ってしまった。
翠「なんだかんだいっても真紅なのです」
銀「当の本人は悪気が無いところが憎めなのよねぇ」
巴「誰にでも優しくなれるから」
蒼「なんだか焼けちゃうなー」
翠・銀・巴「えっ」
蒼「(///////)」
金「はいはい、おしゃべりはそこまでかしら。さっさとご飯の支度よ」
翠「何故、チビが仕切るです。」
雛「うにゅー頼めばよかったなの」
薔「・・・・・(これで銀お姉さまは私のもの)」
JUM探しに行くといっていたが。当てがないわけではなかった。
J「あそこだな!」
J「真紅ぅ、やっぱり此処だったのか」
紅「JUM」
夕日を背に振り返った彼女は何処となくいつもとは違う雰囲気だった。
泣いていたのだろうか目は少し赤くなっていた。
J「金糸雀に聞いたら突然走って、
JUMの言葉を遮り真紅はJUMに話し掛けた
紅「JUM、やっぱり家事とか出来る女の子の方が彼女にしたい?」
J「えっ!そりゃぁ出来ないより出来る子の方が、、、」
紅「いろんな事を尽くしてくれる女の子の方がいい?」
J「俺は!」
J「俺は、俺は、良く分からない」
真紅の予想外の答えだった。
JUMは静かな口調で続けた。
J「そりゃ、出来ないより出来た方が良いし。尽くされたいとも思う」
J「でも、それって唯の主従関係と変わらない。恋愛ってもっとこう違うんじゃないか」
JUMの答えを聞いて真紅はクスクスと笑ったそして小声で
紅「ふっ、不思議ね。自分が悩んでいた事をこうもあっさり否定するんだから」
J「えっ、何か言ったか?」
紅「何でもないのだわ!さっ帰りましょ!」
J「えっ、ちょぉ 真紅ー」
家に戻ると僕にとっては一種の地獄であった。
ご飯の支度は整っていた。
金「JUM、この卵焼きはカナの特製かしら~、ほっぺたが落ちちゃうかしら~」
翠「チビ人間、こっちの煮物も食べるです。」
銀「はい、あーん♪」
巴「はい、雛苺 桜田君 ご飯お代わりは?」
雛「おいしいなのー」
紅「JUM、モテモテね!」
薔「・・・・・銀お姉さまの手料理(/////)」
数日後、、、
ここ数日の食事はJUMにとってもまんざらではなかった。
言ってみれば家族的な温かみを感じていたからだ。
その日の夕飯、
一同「いただきます/です/かしら」
?「ただいまー」
銀「え゛っ!」翠「ですぅ!」巴「・・・」金「かしら~」
の「あらあら、皆でご飯。JUM君ごめんね数日間留守にしてて」
J「あぁ、大丈夫だったよ」凄い気配を感じ振り返ると
銀「ちょっとぉー」巴「これは一体」翠「どういう事です??」
の「遠い親戚の叔父さんが入院しちゃって、それで私が看病にって 何かあったの」
J「あれ、言わなかったけ? あれ、あれ もしかしてこれからが本当の地獄?」
金・蒼「真紅は知っていたの?/かしら?」
紅「えぇ、知ってたわよ のりから聞いてたのだから」
あなたも言葉尻に惑わされぬようご用心。
えっ、私、気まぐれないたずら兎とでも言っておきましょう。
END