~高く高く~
薔薇「ここを・・・・こうして・・・」
彼女は糸や割り箸、紙など色々な物と苦戦していた
薔薇「駄目だった・・・・やっぱり出来そうにない・・・」
一通り形はそれらしくなってはいるが実用的に見ると今の出来ではお世辞にも大丈夫とは言えない代物が出来上がっている
薔薇「けど・・・これでやってみよう・・・・・」
薔薇水晶は「それ」をもって外へ飛び出した
彼女は必死に走りながらも「それ」に没頭していたが
薔薇「やっぱり・・・私一人じゃダメみたい・・・・・」
そこには不器用な自分を責めている女の子が一人何も無い平原でそんな結論に辿り着いていた
~それから数時間後~
ピンポーン
J「ん?誰だろう、今から昼食だってのに・・・・」
薔薇「JUN・・・・ちょっと手伝って欲しい・・・」
JUNを頼りに薔薇水晶は泣きべそをかきながらJUNの家の前のドアで立ち尽くしていた
J「いきなりどうしたんだよ」
薔薇水晶は先ほどまで自分で一人で作った「それ」をJUNの前に差し出し
薔薇「これ・・・ちゃんと出来るように手伝って欲しい・・・」
「それ」は最初とは違く、原型を留めては居なかったがJUNには「それ」が何であるかピンと思いついた
J「何だよ、それを作りたいのか・・・?」
薔薇水晶は小さくコクンと頷くとJUNに
薔薇「私じゃ・・・作るの苦手だから・・・JUNにお願いに来た・・」
JUNは困りながらもそんな必死な願いにただ引き受けるのみだった
J「よし、出来たぞ。これで多分大丈夫だろう」
最初に薔薇水晶が作ったものよりは形が出来ていた。
薔薇「うん・・・JUNありがと・・本当にありがと・・」
彼女は少しはにかみ、笑顔を見せながらもペコリと小さなお辞儀をした
J「それより・・・「それ」を上げるの俺も着いて行っていいか?」
薔薇「うん・・・JUNには一緒に来てほしい・・・一緒に作ってくれたから・・」
外はもう夕焼けに景色を赤く染めていた
J「薔薇水晶、転んで怪我なんてするなよ」
コクンと彼女は頷き「それ」を持ってただ走る。それは大きく空に浮き高く上っていった
J「おー、ちゃんと上がったなー」
薔薇水晶はニコニコしながら糸巻きを持って走っている
J「しかし凧上げかぁ・・・僕も小さい時にやってたな・・」
そんな薔薇水晶の嬉しそうな顔を見てJUNは昔を思い出していた
薔薇「JUN・・・ねぇ、高く上がったでしょ・・・・?」
夕焼けに包まれながら薔薇水晶は今までで一番いい笑顔をJUNに向けていた
~END~
~テスト2日目・第三限・国語~
第一問
次の漢字の読みを答えなさい
第七人形
薔(……)
ジ(……)
答案欄
薔【ダイダダドードゥ】
ジ【だいななにんぎょう】
ジュン「あのさ・・・」
薔「・・・??」
ジュン「その、ずっと俺のことつけまわしてるけれど。何か用?」
薔「・・・フルフル」
ジュン「じゃぁさ、いったい何なの?」
薔「・・・・散歩。天気もいいから」
ジュン「だったら、俺の跡つけなくてもいいよな」
薔「・・・あ・・・やっぱり嘘。・・・じゅん観察」
水「ねぇ、ジュ~ン。こんなところで独り言?水銀燈とおしゃべりしなぁい?」
ジュン「は?俺はそこの・・・あれ?いない・・・」
水「きっと疲れてるのよぉ。はい、ヤクルト。」
ジュン「そんなんじゃないって、いらないよ」
水「遠慮しないでいいのにぃ。なんだったら口移しでもいいわぁ」
ポカッ!
水「いったぁ~~い。何するのよぉ」
ジュン「何もしてないって。・・・なんだこれ。シュウマイの箱・・・」
薔「・・・ジュン・・・間一髪・・・」
真紅と薔薇水晶が戦っている時に一人の人物が突然現れる
じじいは猛ダッシュで薔薇水晶に近づきいきなり抱きつく
薔薇水晶「なに!こいつ、邪魔よ!」
真紅「危ないわ!そこをどきなさい!」
じじい「うおぉぉぉ!これ以上死ぬのはこの老いぼれだけで十分じゃぁぁ!」
そう言うとじじいはコートを脱ぎだす じじいの体には大量のダイナマイトが巻きつけてあった
薔薇水晶「まさか!自爆する気!?」
真紅「うそでしょ!?」
じじい「かずき 蒼星石今からお前たちの所へ行くからな・・・」
じじいダイナマイト着火 そして爆発
じじい「かぁずきぃ・・・」
薔薇水晶は紙一重でかわしていたが眼帯がとれていた
薔薇水晶「くそっこの死にかけのじじいがぁ!」
真紅「貴女!その眼は!」
そこで真紅が見たものは!?
次回へ続く