紅「風邪の人は先ず紅茶でうがいをする事を進めるのだわ!」
水「本当なのぉ?」
紅「知らないのだわ!」
水「・・・・まぁいいわぁ!風邪といったら桃の缶詰よね!」
紅「それで直るの?」
水「気持ちよぉ!き・も・ち♪」
紅「・・・・・」
薔薇「・・・リンゴ!はい、あーん!(/////)」
ジ「僕にはJ王!」
雛「ヒナには雛お~!」
ベ「俺はスーパーサイヤ人!」
薔薇「私・・・・・スタンド使い。」
銀「何よ何よ何よぉ~~!!あんた達だけ羨ましいぃ~!!私もそういうの欲しいぃ~~!!」
紅「水銀燈・・・・・」
男A「おい桜田、お前裁縫が趣味なんだって?」
男B「うはwwwマジ?」
男C「きめえ。男のくせに」
J「……(ばれた。人生オワタ\(^O^)/)」
ベ「待てお前ら!JUMは真紅や水銀燈たちの服を作ってんだぞ」
男A「な、なにいー!」
男B「それは羨まし…くなんかないぞ」
男C(尊敬するッス桜田さん)
キ「大変だお前たち!「ローゼンメイデン」はアナグラムだったんだよ」
ナ「どういうことだキバヤシ」
キ「ローゼンメイデンを並び替えると、メーン・ゼロ・イデン」
キ「メーンは男、ゼロは0、イデンは遺伝だ。男0遺伝」
タ「まさか、男0って…」
キ「皇室だよ!!」
一同「な、なんだってー!」
キ「男子が生まれないのは男0遺伝子のせいだったんだ」
ナ「一体、誰がそんなものを…」
キ「分からん。だが、天皇制廃止を目論む輩はたくさんいる」
タ「男0遺伝子が他の人々にも移ったらどうなるんです?」
キ「おそらく、人類は女性しかいなくなるだろう」
ナ「そんな夢みたいな話があるとはな…」
真「キバヤシは天才よ」
J「って何てもん見てんだよ…」
いばらの白兎
ある学校にラプラスという白兎がいました。
ラプラスは喉の渇きを潤すため、水銀燈を騙しました。
ラ「乳酸菌はヤクルトより牛乳に多く含まれているはずだ」
銀「なんですってえ、だったら確かめてみる?」
ラ「じゃあ僕が牛乳とヤクルトを飲んで確かめよう」
そう言って水銀燈のヤクルトを全て飲んでしまいました。
ラ「ははは、騙されたな水銀燈! おかげで喉は潤ったよ」
銀「きー、くやしい。ジャンクにしてあげるぅ」
ラ「え? うわ、ちょ、服脱がさないで。あ、そこだめ、くっ」
ラプラスは裸で授業を受ける羽目になりました。
そこへやってきたのは翠星石。
翠「可哀想な兎ですね。しゃあない、助けてやるかですぅ」
ラ「どうすればいいんですか。服は燃やされちゃったし」
翠「あれを股の間に挟んで、女の子のふりをすればいいのです」
ラ「なるほど。そうすれば変態じゃなく、可愛い女の子ですもんね」
翠「お前の裸に男どもはメロメロですよ、きっと」
ラ「ありがとう。そうするよ」
授業が始まりました。みんなラプラスを見て笑っています。
ラ「どうしてこんなことに」
蒼「君、騙されてるよ」
ラ「蒼星石さん、僕はどうすればいいんでしょう」
蒼「JUM君に頼めば5分で服を作ってくれるよ」
ラ「親切にありがとう。あなたのような人はきっと幸せになれます」
その後、JUMをゲットしたのは蒼星石だったという。おわり。
二人はアイ・ラブ・ユー
翠「やい」
爺「はあ。今日もかずきはJUM君のところか」
翠「やいジジイ」
爺「なんだい翠星石」
翠「おめえはいつもいつもかずきかずきって」
爺「ん?」
翠「せっかく翠星石がいてやってるですのに」
爺「……」
翠「なんでそんなに退屈そうにしてるですか。失礼ですぅ」
爺「わしは息子がほしかったんじゃ」
翠「だけど蒼星石も翠星石も女の子です!」
爺「わかっとるよ。じゃけんど……」
翠「ジジイは翠星石のこと嫌いですか?」
爺「もちろん好きじゃ」
翠「だったらもっと、楽しそうにしてほしいです」
爺「そうじゃな。わしが悪かった」
翠「ところで、この前真紅がですね~」
プルルル
爺「はいもしもし」
婆「お爺さん、驚かないでくださいね。子供ができましたよ」
爺「な、なに!本当か!今度こそ息子だといいなあ!」
水「あら…消しゴムがない…。」
真「これを使うといいのだわ…。」
水「ありがとう…真紅。」
ゴシゴシ…
水「ちょっと…逆に汚れちゃったわぁ…。」
梅「水銀燈~私語は慎め。笹塚、言わなくても分かってるな?」
水「…くすん…ノートは汚れるし…先生には叱られるし…。」
真「(ざまぁみろだわ…w)」
薔「…よくも…銀ねえさまを…。」
水銀燈・・・遅刻常習犯
真紅・・・原則10分前行動なので遅刻無し
雛苺・・・意外と几帳面なので時間どおりに来る
金糸雀・・・遅刻は無いが、帰りに寄り道しがちで帰るのが遅い
翠星石・・・寝坊をよくする
蒼星石・・・↑のせいでいつもギリギリ
薔薇水晶・・・血圧が上がらないときとブルーデイは遅刻する
JUN・・・基本的に遅刻しないが、水銀燈を迎えに行くと絶対遅刻する。
喫茶『エンジュ』のマターリな一日
はい皆さんこんにちは!私は喫茶『エンジュ』のマスター、槐(えんじゅ)です。
こちらは店員の白崎、ここエンジュは昼間は近所の奥様、子供連れたまに社会の底辺の皆様、夕方には下校途中の近所の薔薇学園の生徒が主な客層です・・・。
さてこんな平凡でマターリした喫茶『エンジュ』の一日をのんびり綴らせていただきます・・・。
喫茶『エンジュ』のマターリな一日
さて9:00営業開始です。ここからはマスターに代わりこの白崎が語り部をつとめます。先ず本日最初のお客さんのようです。
白崎「いらっしゃい・・・。」
細木「・・・あんた地獄に落ちるわよ。」
白崎「そ、それはどうも・・・。」
どうやら危ないお客さんのようです、この人は相手にしないでおきましょう。
みっちゃん「すいませーん!『店長のこだわり珈琲』一つください。」
白崎「はいかしこまりました。」
ちなみにこのお店の珈琲と紅茶は店長が選びに選び抜いたこだわりの素材を使っているのでお陰様で評価は高いです。
このお客様はみっちゃん、趣味の骨董人形好きが高じて家計が火の車というのが悩みの種の26歳独身(カード破産経験者)です。このお店の常連でもあります。
オセロット「すいません、この『本日のお勧め紅茶』を一つ」
ソリダス「あ、私もそれを・・・。」
白崎「はい、少々お待ちください・・・。」
オセロットさんに、ソリダスさんこの二人も常連です、オセロットさんはスーパー『ビッグ・ボス』の経営者、ソリダスさんはホテル『メタルギア』のそれぞれオーナーです。
仲はいいようですが・・・過去が謎に閉ざされていていまいち他人には踏み込めないところのある人達です。
さて次のお客さんがやってきたようです・・・。
BJ「席はあいてるかね?」
おや?見たことのない人です、黒いコートに全身を包んで顔には大きな傷・・・見るからに怪しい人・・・。
とりあえず席に案内しましょう。
オセロット「まったく近頃万引きがまた増えましてな・・・。」
ソリダス「お宅も大変ですね~、まあうちなんてホテルですから楽な物ですよハハハ。」
そうコレがいつもの喫茶「エンジュ」の日常です。さて・・・もうこんな時間、これからが騒がしくなりますよ。
真紅「席はある?」
水銀燈「ホント金糸雀ったらおばかさん・・・。」
金糸雀「カナは馬鹿じゃないかしら~!!」
雛苺「苺サンデー食べたいの~!!ジュン~、おごってなの~!!」
ジュン「自分で買え!!」
雛苺「祐一~!!」
ジュン「某エロゲのヒロインの真似したって駄目!!」
真紅「まったく騒がしい人達ね・・・。」
ようやく来たようです、薔薇学園の帰宅途中の生徒達・・・さて私もお決まりのあの台詞を言わなければ・・・。
白崎「笹塚君、店の外にたってなさい・・・。」
笹塚「え!?」
真「やっぱり紅茶はこのお店のが一番ね。」
ジュ「別にどこも変わんないとおもうけどな~・・・。」
真「あら、変わるわよ!」
水「フフフ・・・雛苺、苺サンデー何杯目~??」
雛「うゆ~食べ過ぎたの~・・・。」
蒼「あッ!?もうこんな時間!?おじいさんの夕食作らないと・・・。」
翠「ホントですまいったです~!!」
真「じゃあそろそろ行きましょうか?」
水「それじゃあまた明日学校でね~♪」
金「バイバイなのかしら~!!」
白崎「ふふふ♪」
こうしてにぎやかな時間も終わっていきます・・・。
翠「じゃあベジータ、支払いはヨロシクです~!!」
白崎「お会計5,310になります。」
ベ「くっ!!ここからが本当の地獄だ・・・。」
さてそうこうしているうちにもう閉店の時間です。店を閉め、マスターを残して店を出ます、すると・・・。
メグ「遅いよ、白崎さん。」
白崎「ああ、メグまっていてくれたのか・・・。」
彼女はメグ、僕の恋人です。
メグ「フフフ♪じゃあどこかに案内してくださいな♪」
白崎「では、今宵は貴女をホテル『メタルギア』までご案内・・・。」
メグ「ちゃんと最後までエスコートしてね!」
白崎「この白崎にお任せあれ・・・。」
では本日はこれにて、また明日・・・。
水「きゃぁっ!た、助けてぇっ」
暴「ゲヘヘ…その綺麗な銀髪を俺の(自主規制)してやるぜぇ!」
水「いや、誰かぁ!」
真「お待ちなさい!」
暴「ゲヘヘ…」 水「いやー!きゃー!」
真「待てっつの!」
暴「ゲヘヘ…」 水「キャー!キャー!」
真「ぐっ…仕方ない、勝手に進めるのだわ!おのれ暴漢め、私のいるこの街で犯z」
暴「ぬっ、何者だぁー」 真「気付くの遅ぇー!」
水「た、助けてぇ!真紅」
真「いいぇ、私の名前はミススカーレット!この街での犯罪は許さないのだわ!」
水「真紅、名前っ、名前っ!」 真「←!?」
ス「い、行くわよ暴漢!ブロンド・ドリル!」
暴「ぐあー!俺の(自主規制)覚えてろー!」
水「ありがとう真kくぁwせdrftg6hミススカーレット!助かったわ!」
真「礼には及ばないのだわ、また困ったら呼ぶのだわ」
水「真紅、名前っ、名前っ!」 真「←!?」
ス「さ、さらばなのだわー!」
J「ふ~・・・・・・・やっと終わった・・・・・」
紅「お疲れ様、ジュン、ありがとう」
翠「ありがとうです~」
J「しかし、まぁよくやり遂げれたな~・・・」
ここは薔薇学園2年A組の教室、真紅と翠星石が梅岡にクラスの資料のまとめを頼まれた。
ジュンが何か手伝おうか?と言ったので、手伝うことになって、今終わった所だ。
外はもう真っ暗だ。
翠「ハッ!!!!!もしや今日はくんくん探偵放送日では!?しくったですぅ、見逃してしまったですぅ・・・」
紅「フフフw翠星石はダメね、私はちゃんと時間通りに録画予約してきたわ」
J「・・・・僕の家のビデオデッキでな・・・」
翠「さすが真紅です!!早速帰って見るですぅ!!」
紅「そんなに急がなくてもくんくんは待ってくれるわw」
急ぎ足になる二人の後ろをジュンが行く。
J「・・・やっぱり僕の家に行くことになるのか・・・」
慣れてしまいそうな環境でただあきらめの呟きをする少年がいた・・・
IN 桜田宅
翠「さぁくんくん探偵の始まりですぅ」
翠星石がビデオデッキのリモコンを操作する。
紅「今週は確か"サイヤ人密室殺人事件 後半"のはずよ」
翠「あの王子が怪しかったですぅ」
紅「えぇ、私は最初からあのM字パゲは怪しいと思っていたわ」
・・・・・・・・・・・
エー、7時から放送予定の「くんくん探偵」は野球中継のため予定を一時間ずらして・・・・・
・・・・・・・・・・・
J「あちゃー」
翠「・・・・・・・・」
紅→ (・ロ :∵・∵.サラサラサラ・・・・
J+翠「真紅ぅぅぅぅぅぅ!!!!」
紅「くんくん探偵が・・・・くんくん探偵が・・・・・野球中継で・・・・・もう、私が生きる価値なんて・・・・」
翠「真紅!!落ち着けですぅ!!」
J「そ、そうだよ!!まだ他のやつが録画してるかもしれないじゃないか!!」
紅「・・・・・他の・・・そうね!!まだ希望があるはずよ!!くんくんも言っていたわ、"あきらめたらそこで試合終了だよ"って!!」
J「それは安西先生だよ」
紅「・・・・・・・・・・・・・兎に角!!誰かが録っているかもしれないわ!!今すぐ探しましょう!!」
J「え゙・・・・今から?」
紅「そうよ、今すぐしないと、くんくんは待っててくれないわ」
J(・・・・・・・・ツッコミがめんどいなぁ・・・・)
紅「蒼星石はどうかしら?」
翠「蒼星石はたぶんオジジと一緒に見ているからたぶん録ってないと思うですぅ」
オジジ「・・・・・・・ここで紐を通して、犯人は鍵をドアの中に入れる事が出来たんじゃとワシは思う」
蒼(・・・・・・・・・完璧な推理だ!!・・・)(((((・Д・)))ガクガクブルブル
紅「そう・・・・なら水銀燈なら録っているはずだわ!!」
水銀燈宅| λ)))..............テクテク|桜田宅
ピンポーン
水「はぁい・・・・・・あら真紅じゃない?それにジュンに翠星石も・・・・どうしたの?」
紅「水銀燈、単刀直入に言うわ。今日のくんくん探偵録ってない?」
水「えぇ、もちろん録ってるわよ?」
紅「なら、貸しt・・・」
水「けど、もうメグに貸したわ」
紅「そ、そんな・・・・」
水「・・・・・・けど、そうねぇ・・・・ねぇ、ジュンを一日私の下僕にしてくれたらメグに頼んで返してもらってもいいわよ?」
紅「・・・・・・・えぇ、いいわ。くんくんに比べたら・・・・」
J「比べるな!!絶対にイヤだぞ!!」
翠「そうですぅ!!ジュンは渡さないですぅ!!」
紅「翠星石!!あなたまで!?」
水「あらそう?ならこの話しはなかった事にするわぁ、・・・・ジュン、いつでも私の下僕にしてあげるからねぇ」
J「/////お断りします/////」
λ)))..............トボトボ|水銀燈宅
紅「ジュンのせいでくんくん探偵が見れないじゃない!!」
J「人を売ってまで見たいか!?」
翠(真紅のくんくんファンぶりは最早神のレベルですぅ・・・・)
J「ん?アレは・・・・薔薇水晶?」
薔薇「あ・・・・ジュンに真紅に翠星石だww・・・・・」
紅「どうしたの?こんな時間に帰ってるなんて?」
薔薇「今日は・・・げんしけんで・・・みんなでカラオケ・・・・イェイww」
翠「ねぇ、薔薇水晶?今日のくんくん探偵録画してねぇですか?」
薔薇「くんくん探偵?・・・・・ごめん、今日のは録画してないの・・・」
紅「そう・・・ごめんなさいね、帰ってるところを呼び止めて」
桜田宅| λ)))..............スタスタスタ
薔薇「・・・・けど・・・・げんしけんの人たちなら・・・・あぁ・・・もう行っちゃった・・・」
のり「あ、おかえりなさぁーい」
J「ただいまー」
のり「あら、真紅ちゃん、はいこれ、くんくん探偵録っておいてあげたわよw」
紅「のり・・・・・あなたって人はほんとに・・・グスン・・・・」
J+翠(泣いてるぅぅぅぅ!!!!!?????)
のり「あらあらww」
くんくん「・・・・・・・ここで紐を通して、犯人は鍵をドアの中に入れる事が出来た!!それが出来たのはただ一人!!犯人はベジタブル、お前だ!!」
ネコ警部「さぁベジタブル、いっしょに署まで来てもらおうか?」
ベ「本当の地獄はこれからだ・・・」
fin
銀「止まんないthey♪ ジャンクなBeat Tonight♪」
金「つ~き~満つる夜に~♪ 金色になれ~♪」
蒼「輝くようなブルー♪ とろけるようなブルー♪」
真「な~にも恐れずに走れ~♪ し~んくのゴールまで~♪」
J「篭るだけでは何ができるといじける俺に教えてくれた♪」
巴「きっ~とどこかに答えある~♪ 生まれてきた答えが♪」
め「手首を流れる血をお前の身体に絡み付けると一瞬のうちによみがえる記憶に視界を閉ざされ笑いながら逃げていくお前の姿を見つめる傷付いた俺が立ってる~♪」
薔薇「バラバラに散らばる♪ 花びら、雫は紅~♪」
雛苺「外はまぶしすぎて♪ もう少し居させて♪」*曲名ストロベリータイム
翠「みこみこなーす♪ みこみこなーす♪ 生麦生米みこみこなーす♪」
『演奏会場にて』
ビーー
無機質なブザー音がそこに鳴り響く。
「この度は、ご来場いただきありがとうございます。」
続いて、女性の声でアナウンスが入る。
「お、始まるぞ。」
ジュンが遥か前方にある舞台へ目を向ける。
今日は、薔薇学園生徒による演奏会。雛苺と金糸雀が出演するというので、
ジュン達はこぞってその会場にやってきていた。
「どくです、水銀燈。蒼星石の隣は翠星石なのです!」
「あらぁ、反対側に座ればいいじゃない。」
何やら席のことでもめている三人。
水銀燈は蒼星石の隣を指差す。そこは席ではなく、通り道となる階段であった。
「きーーっ、そこは席じゃねぇです!」
「席は早い者勝ちよぉ?」
「す、翠星石…もうはじまるからとりあえず座って…」
水銀燈の肩越しに蒼星石がなだめる。
「あぅ…納得いかねぇです…」
翠星石はぶつぶついいながら水銀燈の隣へ腰掛けた。
「まったく、うるさいわね。もうすぐ演奏が始まるというのに、少しは静かにして欲しいものだわ。」
真紅がやれやれ、とため息をついた。
「演奏…はじまる…」
薔薇水晶の呟きと同時に、幕があがった。
「プログラムナンバー1、ピアノ、薔薇学園、雛苺、バイオリン、同、金糸雀。」
きらびやかなドレスに身を包んだ金糸雀と雛苺が楽譜を携えて舞台袖から優雅に歩いてきた。そう、優雅に。
「あ――」
ジュンが思わず声を漏らした。
ドテッ
同時に舞台では、ドレスの裾を踏みつけた雛苺が転んで額を打つ。
「うゆー、痛いのぉ…」
「ちょ、ちょっと雛苺。本番よ?歩き方まで練習したのに…ほんとにドジなのかしら。」
慌てて金糸雀が助け起こす。
客席からは失笑が漏れた。
(うー…雛苺の所為でいきなり台無しかしら…こうなったら金糸雀の演奏で黙らせるかしらー!)
金糸雀はバイオリンを構えて、雛苺に目線を送った。
「…?あ、あれ、この楽譜、違うのぉ」
「えぇっ!?」
またも慌てて困惑する雛苺に駆け寄る金糸雀。
ジュンが額を押さえてため息をつく。その隣で、他の皆も同じような体勢でため息をついていた。
「ああ、うん、これ、これよ。なんで関係ない楽譜までもってきちゃうのかしら。」
「うゆ…ごめんなのー。でももう大丈夫なの!」
雛苺は両手をあげていつでも弾ける体勢になる。
金糸雀も定位置にもどって、バイオリンを構える。
まずは金糸雀のバイオリンのソロから、この曲は始まる。
一度雛苺に視線を送ると、雛苺はだまって頷いた。
それを合図に、金糸雀は弓をゆっくりと引いた。
キキーーーー!!
予想とはかけ離れた音が、目の前のマイクに拾われて会場中に響き渡る。
(やっちゃった…)
(やっちゃったわね…)
(やっちゃったですぅ…)
(金糸雀大丈夫かなぁ…)
(ふふ、おばかさぁん…)
(バイオリン…金糸雀だけに、かなりやな音…)
何故か薔薇水晶だけが、不適な笑みをこぼしていた。
(ま、まずいかしら…別の意味で客席を黙らせてしまったかしら…)
だが、金糸雀は気を取り直して、もう一度雛苺に目線を送る。
雛苺は少々困惑気味な顔をしながらも頷いた。
(落ち着くのよ…落ち着けば、うまくいくかしら)
バイオリンを構えたまま、一度深呼吸をし、再びゆっくりと弓を引いた。
(お…)
さっきとは打って変わって、バイオリン独特の、しかし心を惹きつけるような音が会場に響いた。
バイオリンソロから始まるこの曲は一つの物語を4つのパートに分割して演奏されるバイオリンとピアノの協奏曲だ。
やがて、バイオリンの音色に重なるように雛苺のピアノが入る。
時には会話をするように、時にはお互いを引き立てあって、演奏は流れていく。
(いい演奏は心に染み入るものだわ…ああ、紅茶が欲しい…!)
真紅の体が紅茶を欲しがってうずうずし始めた。
その隣で翠星石は早くも水銀燈の肩にもたれかかるようにして寝息を立て始めている。
水銀燈と蒼星石は何故か椅子の手もたせのところで手をつないで、時々見つめあっている。
(おまえら何しにきたんだよ…)
ずれかけた眼鏡の蔓を持ち直して、再び舞台を見る。
きゅっ
そこで手もたせのところに置いていた手を誰かが握る。
その方向には薔薇水晶しかいなかったはずだが…
というか薔薇水晶だった。薔薇水晶がジュンの手をきゅっと握り締めている。
(どうしたんだ…?)
不思議に思って薔薇水晶に小声で尋ねてみた。
「暗いから…ばれない…」
確かに舞台は明るいものの客席は薄暗く、それに位置的にも真紅方向の人間には見えないだろう。
(仕方ないか…)
薔薇水晶がこういう風に甘えて(?)来るのも珍しい事だったので、ジュンは薔薇水晶の手を優しく握り返した。
演奏は2部を終わって、3部へと移行した。
金糸雀の額に玉の汗が浮かんでいるのが遠くからでもわかる。
それだけ必死に演奏しているのだ。
だが――
蒼星石は水銀燈と肩を寄せ合って、翠星石は水銀燈にもたれかかって、真紅と薔薇水晶はジュンに寄りかかるように、寝息を立てていた。
薔薇水晶が寝始めたのでそっと手を離そうとしたが、寝ているにもかかわらず、手を離してくれそうもなかった。
かと思うと反対側では真紅が寝ぼけているのか腕を絡めてくる。
一見すると両手に花、であるが、ジュンは両方の手と肩を二人にロックされて、身動き一つ許されないような状況に置かれていた。
(なんで、僕が…こんな目に!)
もはやジュンすらも演奏を聞いては居なかった。
「みんなー、どうだったかしら?金糸雀達の演奏は。」
「ひなもがんばったのー。」
演奏が終わり、金糸雀と雛苺がジュン達の下へやってきた。
「とても素晴らしかったのだわ。」
と真紅。
「なかなかよかったですぅ。」
「うん、良く頑張ったね、二人とも!」
翠星石と蒼星石も称える。
「良く頑張ったほうじゃなぁい?」
「…がんばた…」
水銀燈と薔薇水晶も二人を褒め称えた。
(おまえら…よくそんな涼しい顔して…)
「ジュンはー?ジュンにも感想を聞いてみたいのー」
「そうね、金糸雀も聞きたいかしらー」
「いや、僕は…」
「むー、もしかして寝てたのぉ?」
「酷いのかしらー。みんなはちゃんと聞いててくれたのかしらー!」
雛苺が悲しそうな顔をし、金糸雀は怒り出す。
(じょ、冗談じゃない。聞いてなかったのはこいつらの方だぁっ!)
「まったく…ジュン、二人とも頑張ったのに聞いてあげなかったなんてかわいそうだわ。」
「だめねぇ…」
「これだからチビ人間は…」
「ジュン君…見損なったよ…」
「ジュン……ポッ」
薔薇水晶だけが何故か顔を赤くした。
「ちょ、おまえらー!」
ジュンの悲痛な叫び声が会場のロビーに木霊した。
『幼い頃から』
学校に来ると、毎日のように二人は喧嘩していた。見飽きたよ
と思うぐらい、二人は仲があまり良くない。
真「水銀燈、あなたは私の席に近寄らないで!」
水「真紅の方こそ、私の席に近寄らないでくださるぅ?」
雛「うにゅ~、あの二人、また喧嘩してるのぉ」
蒼「あの二人は、幼い頃からあんな感じだよ?」
雛「そうなのぉ?あの二人って、幼い頃どんな感じだったのぉ?」
蒼「う~ん、僕らがまだ、五歳だった頃よく公園で…」
晴れた昼下がり、そこは平和な公園。まだみんなが幼かった頃。
真「そこをどきなちゃい!あたちの砂場なのだわ」
水「おばかさぁん、ここはわたちが先に遊んでたから、真紅のじゃないも~ん」
真「何よ、下手くちょなお城作って!あたちの方が、上手いわ」
水「ピカソってちってるぅ?わたちはわざと、下手に作ってるのよぉ」
真「うるちゃい子ね!壊してあげるわ」
グシャグシャと、水銀燈のお城を破壊する真紅。
水「あぁ~、壊ちたわねぇ!もう怒ったわよぉ」
真「水銀燈は、この公園から出て行ってちょうらい!」
水「うるちゃい!真紅は、しんくじゃなくて、ちんくだわぁ!」
二人はつかみ合い、砂場でこかし合いを始める。そこに、双子が来る。
蒼「二人とも、喧嘩ちないでよ。ほら、銀ちゃんの好きなヤクルトだよ」
翠「みっともねぇーでちゅ!くんくん人形で遊ばせてあげるでちゅから、止めるでちゅ」
二人がそう言うと、二人は急におとなしくなった。幼い頃から、好きなものは変わらないようだ。
雛「ほえぇ~、二人は幼い頃からの、ライバルだったのぉ」
蒼「いつも、止めるのは僕達なんだけどね」
相変わらず、口論の止まない二人。
水「あんたは幼い頃からそうよ!私の可愛さに嫉妬しちゃって、みっともないわぁ」
真「な、なんですってぇ!このヤクルト星人!」
水「うるさい!うるさい!うるさぁい!私は宇宙人じゃなぁい!」
蒼「……二人とも、そろそろ静かにしてよ」
そう言って、くんくんキーホルダーと、ヤクルトを置く蒼星石。
真「今日のところは、くんくんが可愛いからここまでにしましょう」
水「…ヤクルトおいちぃ…。あ、明日こそ長年の決着をつけましょぉ」
真「ふん!望むところだわ」
水「ふん!ばぁーか」
幼い頃から、何も成長していない二人なのでした。
雛「…蒼星石は二人の扱いが、上手いのぉ」
蒼「まあ、これだけ一緒にいればね…」
本当は仲が良いのかな?雛苺と、蒼星石は二人を見て、そう思った。
…完。
最近、妹の顔がまともに見れない。
嫌いでもないし、気まずいわけでもないんだ。
むしろ、好きっていう感情のが強いと思う。
なんてゆーか、その・・・。
義妹で天然な上にムチムチボインなんす。
父さん母さん、義母さん。
俺らを二人残して、天国に逝ってしまうなんてそりゃないよ。
~『ちょいとお兄さん』~
風呂―。
それは一日の『アカ』を取るための休息所。
熱い湯船に浸かり、頭と体を洗って、鼻歌でも歌えば、もう気分がよい。
一般の人ならば。
桜田ジュン(16)にはそのような安息はない。
「お兄ちゃん!一緒にお風呂はいるのー!!」
今日もジュンの安息は破られた。
半ば呆れ顔で声のしたほうを見る。
「・・・雛苺。せめて前くらい隠せ」
「雛、お兄ちゃんになら見られても平気なのー!」
雛苺は体を隠そうともせずに、ジュンの居る湯船に入ってきた。
「えへへー。二人だとやっぱ少しきついのー」
(くッ・・・だめだだめだ。雛苺は妹ッ!よからぬことを考えては・・・)
雛苺がモゾモゾと動くたび、お互いの二の腕がくっつきあう。
柔らかい肌の感触が、ジュンにはきつかった。
「ねえお兄ちゃん!」
「?」
ジュンが振り向くと、雛苺が立った。
ジュンの目の前には、雛苺の苺畑が。
「////」
慌てて後ろを振り向くジュン。
(・・・)
湯船を出ると、ジュンは無言で体を洗い出す。
「あ、雛が体洗ってあげるのー」
雛苺はジュンから網を奪い取ると、泡を立てる。
そしてぎこちない手つきでジュンの体を洗う。
「うんしょ・・・うんしょ」
背中に当たる雛苺の胸。
(耐えろ。耐えろ。耐えろ。雛苺は妹。雛苺は妹)
「うゆ?なんか固いのー」
雛苺の手がジュンの体の前へいく。
「あッ!やめろ雛苺!やめ・・・アー!」
「お兄さんみこすりはんですって!?」
水銀燈は思わず立ち上がった。
弁当をついばんでいた。他の生徒たちは何事かと注目する。
「ちょっと水銀燈・・・」
真紅が水銀燈のスカートをくいくい引っ張る。
「ああ、ごめんなさい・・・。それでなんなのよ?雛苺」
「それでねー。そのあとお兄ちゃんは泡も落とさずに部屋へ逃げていったのー。なんでかな?」
雛苺のヤクルトが空になる。
「・・・それは、あれね。水銀燈」
「あれね。真紅」
(ねえ真紅。私もあなたもジュン先輩が好きでしょ。ここは・・・)
(そうね。それくらいの覚悟は必要ね・・・)
ヒソヒソ話しをする二人の鼻息が少しだけ荒い。
「?」
「私、ちょっとホーエンハイム先生ところいってくるね」
水銀燈はそういい残すと消えていった。
「ところで雛苺。物は相談なんだけど・・・」
「なんなの?・・・うんうん。ええ!?・・・わかったのー」
(向こう一週間の苺大福なんて安い出費だわ。ククク)
(あーあ、諸葛亮先生の仕事手伝ってたら、遅くなっちまったよ。雛苺、晩飯作っててくれるかなあ?)
「ただいまー」
玄関を開けると、いつもより靴が二つ多かった。
(ん?雛苺の友達か?)
「おかえりーなのー」
台所から、声が聞こえる。ついでにいいにおいもする。
「おー。なんだ友達同士で一緒にごは・・・ブー!」
ジュンは目を何度も擦った。
もし彼の目が正常であれば、彼女らは、エプロンしかしてない。
「あら、ジュン先輩お帰りなさい」
「お帰りなさぃ♪セ ン パ イ」
水銀燈が近づいてきて、ジュンのカバンを奪う。彼女もエプロンしかしてない。
彼女の形の良い胸はエプロンにくっきり現れていた。
「うッ!真紅ちゃんに水銀燈ちゃん!一体なにやって・・・」
「見ればわかるでしょ?ごはん作ってるのよ」
背中からみると、なにも着てないように見える真紅に言われても、説得力は無い。
「いやそういうことじゃなくて・・・おい雛苺!説明しろ」
「うゆー。それは無理なのー」
「なんでだよ」
「まぁまぁ。もう出来ますからぁ。先輩はジュースでも飲んでて・・・」
言われるままにジュンは一服したあとに、食事をした。
その間、三人はずっとエプロン一つだったが。
うーん。なんか眠いなあ・・・」
ベッドにゴロンとジュンは寝転がった。
すると、とてつもなく体が思い感覚がする。
(あれ・・・なんだこれ?もう眠るのかな?それにしては意識がはっきり・・・)
ジュンの部屋の扉がゆっくりと開いた。
首を起こすと、やはり、三人だった。
風呂に入れと言ったにも関らず、三人の格好は食事の時のままであった。
「あれ?か、体が動かない・・・まさか、一杯盛ったな!?」
三人は不気味な笑いを浮かべる。
「ククク。ちょいとお兄さん・・・。私たちの気持ち。受け取ってね」
水銀燈は舌なめずりした。
~『ちょいとお兄さん』~ BAD END
続きが気になるか・・・
ならば、探せ
うぬが求める物が見つかるはずだ・・
『おでん戦争』
学校の帰り道、コンビニに寄る二人の女子高生。雛苺と金糸雀だ。
二人の目的は、寒い体を温めるため、おでんを買うこと。
一口食べると、体がどんどん温まっていく。
雛「やっぱりおでんは、ちくわが一番おいしいのぉ~」
金「いやいや、おでんと言えば、卵かしらぁ」
雛「卵は、喉につまるから嫌いなのぉ~。ちくわが一番なのぉ」
金「違うかしらぁ!卵が一番かしらぁ!」
雛「ちくわ!」
金「卵!」
言い争うと、きりがない。二人は、おでんの具は『ちくわ』『卵』
だとお互いに言い張った。決着がつかないので、次の日に学校で
みんなに聞くことにした。
次の日、学校に着くなり、二人は蒼星石に聞いた。
雛「蒼星石ぃ、おでんといえばちくわだよね?」
金「違うかしらぁ、卵かしらぁ」
蒼「…個人的には、その二つなら、ちくわかな…」
雛「ほらぁ!金糸雀の負けなのぉ!」
金「まだ負けてないかしら!他の人にも聞いてみるかしらぁ」
蒼「僕は一番を決める必要はないと思うけど…」
おでんNO1は、ちくわか!?卵か!?
次に二人は、真紅の意見を聞くことに。
真「あなた達、おでんと言えば、つくねに決まってるでしょ?」
雛「えぇ~?ちくわか、卵のどっちかで決めてほしいのぉ」
金「もちろん、真紅は卵派かしらぁ?」
真「…そうね、私も卵が好きだわ。でも、一番はつくねよ」
金「これで、まだ互角かしらぁ!」
雛「うにゅ~、次は、翠星石に聞いてみるのぉ」
翠星石は、二人の質問にすぐに答えた。
翠「そんなの、ちくわに決まってるです!」
雛「やったぁ!翠星石は雛の味方なのぉ~」
金「やっぱり、双子だから意見が同じなのかしらぁ…」
雛「雛が勝ったも同然なのぉ~。金糸雀の負けなのぉ」
金「ま、まだ聞いていない人が二人いるかしらぁ!」
翠「…どうでも良いですけど、それを決めてどうするんですか?」
現在、2対1でちくわが一歩リード。このまま、ちくわが
独走するのだろうか?
残りは水銀燈と、薔薇水晶。この二人が全てを決める。
おでんの一番は、ちくわか?卵か?二人は最後の二人に、聞いてみる。
水「…私はねぇ、ヤクルトが好き。きゃはっ」
金「ま、真面目に答えて欲しいかしらぁ。根本的にずれてるかしらぁ」
水「おでんでしょぉ?こんにゃくが、一番に決まってるでしょぉ?」
雛「うゆ~、ちくわか、卵のどっちかで決めて欲しいのぉ~」
水「……ちょっと待って、真剣に考えるからぁ」
水銀燈が考えている間に、薔薇水晶に聞いてみることにする。
薔薇「……残り汁が一番おいしい」
金「こ、これは新手の意見かしらぁ…。じゃなくて、卵とちくわで決めて
欲しいって、さっきも言ったかしらぁ」
薔薇「……おでん、食べたことない」
金「この人おかしいかしらぁ!さっきのは、なんだったのかしらぁ!?」
薔薇水晶の意見は、理解不能なので無効。
となると、キーマンは水銀燈になる。さあ、ちくわか?卵か?
水「私もちくわの方が、好きかも。その二つならだけどぉ」
雛「やったぁ!雛の大勝利なのぉ~!金糸雀の負けなのぉ~」
金「うぅぅ~、今回は負けを認めるかしらぁ…。でも次は負けないかしらぁ!」
おでん戦争は、静かに幕を閉じていった。でも、二人はコンビニの
おでんしか食べたことがないのでした…。
…完。