ジュンが失踪して一年…
水銀燈は一人悲しみ泣いていた
銀「ジュン…いったいどこにいってしまったの?ジュンに言ったよね、私。もしあなたがわたしに黙ってどこかに行ってしまったら。
たとえそこがこの世の果てでも、
地獄の底でもきっとあなたを見つけだす。
わたしにはそれしかないから。
それだけだから。…って言ったよね…ジュンに…逢いたいよぉ」
担任「えー明日5月14日に行われる…」
ジ「あれから…3ヶ月か…」
~回想~
水「一人なのぉ?」
ジ「!!?何だ水銀燈か」
水「何よぉ一緒にかえってあげようとしたのに」
ジ「別にいいよ」
水「その言い方はないでしょ」
ジ「はいはい」
水「それにしてもクネクネに曲がった変な道ねぇ直せばいいのにぃ」
ジ「そうか?あの山から見るとこの道もいい感じだぞ」
水「そうなの?連れてって」
ジ「一人で行けばいいだろ」
水「か弱い乙女一人に山を登れと言うのぉ?」
ジ「分かったよ、今度連れて行ってやるよ」
水「本当?約束よ」
ジ「今度な」
~回想中~
水「早くぅ」
ジ「そんな急ぐことないだろ?」
水「そんなんじゃお昼までにつかないよ」
水「到着ぅ……思ったより人がいっぱいね」
ジ「水銀燈こっち」
水「?」
水「ちょっと今崖に注意の看板が」
ジ「大丈夫だよ」
ジ「ほら着いたよ」
水「わぁ~凄い景色」
ジ「だろ?あんなところじゃ人や木が邪魔だからな」
水「でも少し怖いわぁ」
ギュッ
ジュンの裾を…手に触れないように…
ジ「ん?」
水「そうだお弁当つくってきたの食べよ」
ジ「それならさっきの所にでも戻るか」
水「景色がいいしここにしましょ」
ジ「そうか?怖いんじゃないのか?」
水「これくらい大丈夫よぉ」
水(ジュンがいるから…今はこのままでいたいから…)
~回想中~
ザーザザー
ジ「ここの砂さ夕方にこうやって落とすと」
水「きれぇ~」
水「あのさジュン…」
ジ「何?」
水「私さ看護師になろうと思うの」
ジ「そうなんだ」
水「それでね看護学校の入試に受かって…」
ジ「凄いじゃん」
水「そっそれでね私…引っ越すのぉ…」
ジ「え……」
水「これ……最初で最後のバレンタインチョコ」
タッタッタッ……
ジ「す……」
バレンタインに貰ったのはそれでだけではなかった
真「ジュンがにやけてるわね」
翠「カセットテープなんて古臭いのを使ってるです、きっと女の声でも入れて聞いてるです」
「あ…そ…の……卒業したら…会いに行くわぁ待ってなさいよぉ……ジュンが声を聞いてる私の気持も同じよぉ…愛してるぅ」
~fin~
J「水銀灯」
銀「ジュン。何か用かしら?」
J「携帯の電話帳があと1人で100人になるんだ」
銀「あらそう。凄いじゃない」
J「だから、番号とアドレス教えてくれ」
銀「ふん、好きにすればいいわ」
J「……これでよし、と。ありがとな」
銀「……」
To:水銀鐙
From:JUM
Title:no title
本文:お前に暗い顔は似合わないぞ。あんまり気にするなよ
銀「ジュン……」
銀「……ンフ、やっぱお子ちゃまね。どうせ、これが初めてだったんじゃないの?」
蒼「……くっ、水銀灯。いったいなにが目的なんだい」
銀「ンフフ、冷静ぶっちゃって……。お子ちゃまは自分が涙目なことにすら気付かないのかしら?」
蒼「…………っ」
チュッ
蒼「……んぐっ!?」
銀「フ゜ハッ ……ンフ、おいしいわぁ蒼星石」
蒼「……」
銀「悪いわね、あの餓鬼より先にもらっちゃって」
蒼「……!!」
銀「ククク……(やった!やっちゃった!!私ったら蒼星石の初キッス貰っちゃったじゃないのよもぅ!!たまんないわぁ!!)」
蒼「…………おじいさま……」
銀「そっち!?」
真「あら水銀灯。またヤクルトを飲んでるの?」
水「ふふ。ヤクルトはお腹にいいのよ。おばァかさん」
真「そうね。貴方にお腹はないものね」
水「・・・」
真「水銀燈。放課後に体育館裏に来なさい」
水「わ…わかったわよぉ…。そんな怖い顔しないでよぉ。」
放課後
水「な…何の用事なのよぉ…」
真「別に。ただあなたのその羽根が鬱陶しいから抜いてあげようと思って」
水「なっ…。やだぁ…っ!やめなさいよぉ…っ!」
真「ふん。こんなもの…ドブにでも捨ててやるわ。」
水「うっ…ぐっ…ひぐっ…。ひどいじゃないのぉ…」
真紅 「ちょっと水銀燈!私の机に羽根ぱらぱらこぼさないでくれる?」
水銀燈「あらごめんなさぁい。最近抜け毛がひどくって困ってるのよねぇ」
薔薇 「……」
翌日。
金糸雀 「ちょ、ちょっと水銀燈!あなたの机が大変な事になってるのかしら――っ!!」
水銀燈 「なぁに騒々しい……」
金糸雀「机の上に、カラスの…カラスの死体が山盛りで!!」
水銀燈「ひっ…………きゃあああああぁぁ―――っ!!!!!」
蒼星石 「誰の仕業か知らないけど…何て陰湿な!」
真紅 「そうね。……私でさえ腐ったヨーグルトを突っ込んで置く程度までしかできないっていうのに」
薔薇 (捕まえるの大変だった…)