落語天女真紅
「あなたがここにいるなんて珍しいわね」
「あらぁ私がいて悪いのぉ?」
「すっ水銀燈が図書室にいるです!?」
「本当だ」
「なんでぇあなたちもいるのよぉ」
「私もいるかしら」
「雛も~」
「これはどうゆうことなのだわ?」
「僕は手紙を貰って」
「……あなたも?」
「ばっ薔薇水晶いつからそこにいたですか」
「……最初から」
「あなたもって事は薔薇水晶も?」
「……コクリ」
「カナもかしら」
「なんて手紙なの見せなさい」
「どれどれぇ、放課後図書室で待ってるって私のもそうよ」
「私も? もしかして」
「みんな同じ手紙を?」
「蒼星石それは私の台詞なのだわ」
「分けがわからねーです」
その時地震が薔薇学園を飲み込んだ
短い揺れだったが図書室の本棚がいくつか倒れていた
「驚いたのだわ」
「……凄かった」
「みんな大丈夫?」
蒼星石が声をかけたが金糸雀と雛苺が机の下で脅えていた
「情けねーですね」
「あらぁあれは何ぃ?」
水銀燈が指を差したのは倒れた本棚の後ろ
壁に洞窟のような入口が見える
「なんだろ?」
「分からねーです」
「……行ってみよう」
「薔薇水晶本気ぃ!?」
「……うん」
「そうね、行ってみましょう」
「危ないよ」
「大丈夫が、私にはくんくんが着いているわ」
真紅の顔は好奇心に満ち溢れていた
「それが不安なんですよ」
「ジュン紅茶を煎れてちょうだい」
「はいはい」
「゙はい゙は一回よ」
「分かったよ」
仕方ないという様な態度をとりながらも
何時ものように紅茶を煎れてきた
「ほらよ」
「ありがとう、そうだわ、ジュン今日はお菓子を持ってきたのよ食べる?」
「何を持ってきたんだ?」
「チョコレートよ」
そう言いながら鞄からチョコレートを取り出した
「……どこで買ったんだ?」
「どうして?」
「……何か……形が」
やっぱり変だったか
「なら食べなくていいのだわ」
「そんなこと言ってないだろ、貰うよ」
真紅はジュンの顔を見て味を確認した
「!? うまいよ」
「本気?」
「ああ、見た目は悪いけど味は最高だよ」
「そう、なら頂くわ」
「何だよそれ、俺は毒味か?」
「さあ?」
「?」
このチョコレートは
ジュンが一番最初に食べてもらわなきゃ駄目なのだわ
だって本命は貴方なの!だから
世界史のじかん・・・
T「ところでトリノオリンピックが始まったのは皆しってるな?
あー…水銀燈、どこの国かは解るよな?」
水「は~い、イタリア~ンで~す」
T「その通りだ。…じゃあ真紅、イタリアのどの辺かは知ってるか?」
真「イタリア北西部なのだわ、機械工業が発達していて
人口は約100万人って所ね」
T「おー詳しいな…じゃぁ…」
J「真紅凄いな」
真「当然よ。イタリアには子供の頃住んでいたの」
J「へー…初耳だな」
J「ふぁ、眠い・・・」
紅「おはよう」
J「あ、おはよ」
紅「また私の部屋で寝てたのね」
J「姉ちゃん、それ俺の牛乳」
紅「いいじゃない、どっちでも」
J「ねえ、手つないで登校するのは・・・」
紅「嫌?」
J「別に」
紅「体操服貸してくれない?」
J「いいけど、色違うぞ」
紅「ばれなきゃいいのよ」
J「やれやれ、腹減った。弁当出して~」
紅「はい。あ、箸一膳しかないわ」
シーン・・・
J・紅「――まだ~言わないで~~」
紅「すーすー・・・」
J「肩にもたれて寝られると目立つんだが・・・」
紅「ジュン、紅茶を入れて頂戴」
J「今入れたとこ」
紅「また私のベッドで寝て・・・まあいいか」
時刻は6:00
流石にこの季節になると外が暗くなってきた
今日は珍しくまだ学校にいる
八人囲まれてはいるが……
「で、どれにするのだわ?」
七人にチョコレートを貰ったらまでは良かったが……
ことの発端は柏葉が
「手作りだよ」
「それってまさか……」
「……うん」
「ジュン君!! 僕も本命だよ」
「あらぁ私もよぉ」
「私も……ですよ」
「カナだって本命かしら」
「本命? うにゅ~なんか分かんないけど雛も本命なの~」
「……イモリ」
「ジュン、チョコレートを選ぶのだわ」
そんなことを言われても、どれを選んでもろくな事には……
「俺には選べないよ」
「それはどういう事です?」
「……八股?」
「そうなのジュン君?」
「ちっ違うよ」
「桜田君、素直に言ってくれていいよ」
窓からさす微かな夕陽
八人の熱い視線
微かな甘い香り
バレンタインってかんな日だったっけ?
紅「JUM、紅茶を淹れなさい」
J「えー・・・?紅茶くらい自分で淹れられるじゃないか」
紅「あら、姉である私に口答えするのかしら?貴方も偉くなったわね?」
僕には姉ちゃんがいる、顔は美人だと言えるが、もの凄い我侭・・・と言うより女王様みたいな感じだ。
J「はいはい・・・、淹れてきますよ、真紅お姉様」
紅「はい、は一回でいいのだわ」
J「はーい・・・」
昔は大人しい感じの女の子、ただ僕に凄い甘えてくる姉だったが、いつの間にかあんな女王様気質になっていた。
別に嫌ってわけではない、ただちょっと姉弟っぽくなくて寂しいとは思う。
J「お待たせ真紅姉ちゃん、淹れてきたよ」
紅「遅いわ、もっと早くしなさい」
J「仕方ないじゃないか、これでも急いだんだし」
紅「言い訳しないの、私の弟ならそれぐらいできて当たり前よ」
J「こんな姉を持つ弟は大変だよなぁ・・・」
紅「聞こえてるわよ」
J「でもさぁ、毎日毎日こんな召使いみたいな扱いだったら愚痴も言いたくなるよ」
真紅姉ちゃんの態度に思わず反抗してしまう。
紅「あら、JUMは私の家来である事が不満なの?」
J「別に不満とかそういうのじゃないけど・・・」
紅「なら何も問題ないじゃないの」
J「うーん・・・」
数時間前から、僕の部屋に入り浸る真紅姉ちゃんに疑問をぶつけることにした。
J「ねえ、真紅姉ちゃん」
紅「何かしら?」
J「何時からだっけ?今みたいな主従関係みたいなのができたの」
紅「・・・忘れたのだわ」
そっけない、というより何か隠してる・・・?
J「確か三年前だっけな、それまで甘えん坊だった真紅姉ちゃんがさ、いきなり冷たくなって」
紅「・・・・・・」
J「最初はすっげー寂しかった、姉ちゃんに嫌われたのかとも思ったよ?」
紅「そんな事は・・・」
J「うん、分かってる。何だかんだで今もずっと傍に居てくれてるし」
紅「JUM・・・」
J「僕は真紅姉ちゃんが好きだから、どんな形でも姉ちゃんの傍に居られたらそれでいいし」
ぽふ
雑誌を置いた真紅姉ちゃんが肩にもたれ掛ってくる。
紅「三年前ね、ある日クラスの女子が言ったのだわ、「弟とばっかりベタベタしてて気持ち悪い」って・・・」
あまり思い出したく無い事なのだろう、姉ちゃんの顔が曇る。
紅「とても悔しかったのだわ、だから私はムキになって貴方を召使いのように扱うようになった」
J「ふぅ・・・、何だよ・・・そんな程度の事で僕は今までこんな生活強いられてたのか・・・」
僕の返答に姉ちゃんの顔がさらに曇る。
J「だってそうじゃないか、僕は姉ちゃんの事が好き、姉ちゃんが僕の事が好きなら他人がどう思おうと関係ないじゃないか」
紅「JUM・・・」
J「それに、そんな事言われたからってこの扱いは飛躍しすぎでしょ・・・」
思わず苦笑を浮かべる。
紅「ありがとう、JUM。 そしてごめんなさい・・・」
J「いいって、僕も嫌だったわけじゃないんだしさ」
紅「フフ・・・、私は貴方の姉であれてとても幸せなのだわ・・・」
久しぶりに見た真紅姉ちゃんの笑顔、そんな幸せそうな笑顔に僕の心は吸い込まれる気がした。
Fin
紅「ねえ、ジュン・・・・・」
ジ「どうした?くんくんのDVDなら洗濯のりの部屋、ってかいきなり人の部屋に来るな。」
紅「構わないじゃない、幼なじみなのだから少しくらい気を使いなさい。それより話は別よ。」
ジ「幼なじみにかこつけて命令する幼なじみは見た事ないですけど・・・・んで何?」
真「もしも・・・もしもよ?その・・・私が誰かと付き合うとしたら・・・ジュンはどう思うかしら?」
ジ「ん?ま~・・・・そりゃあ、応援してやるよ。幼なじみだしな。」
紅「そ・・・そうじゃなくて!・・・ジュンは・・・私を・・・あの・・・」
ジ「??何だよ、はっきり言えよ。」
紅「し、知らないのだわ!くんくんのDVD借りて行くわよ!」
ジ「はいはい・・・・」
紅「ふんっ!」
バタン
ジ「・・・・変なやつ。」
真紅「JUM、今日は家に来るの?」
JUM「(キタ━━━( ´∀`)・ω・)゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!!) いいのか?もちろん行くよw」
真紅「そう、じゃあ帰りは買い物に付き合ってね」
JUM「HAHAHA!!!お易いご用さw」
真紅の家の前に着いた2人
JUM「(今日は久しぶりに・・・(;´Д`)ハアハア)」ガチャ
JUM「お邪魔しまーす(うはwwwwww誰もいないwwwwおkwwwwwwww)さ、さ、早く部屋に行こうよ」
真紅「(何焦ってるのかしら・・・?)」
1週間ぶりに真紅の部屋に入ったが、特に変わってることも無い
JUM「真紅・・・僕、もう我慢できないよ・・・」
真紅をいきなりベッドに押し倒すJUM
真紅「ちょっ・・・JUM!!?」
JUM「(;´Д`)ハアハア(;´Д`)ハアハア(;´Д`)ハアハア(;´Д`)ハアハア」
真紅「・・・・・・JUM?(キラーン」
JUM「ひっ!!!ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル」
しかし、怯えながらもJUMのナニは勃ってしまうw
真紅「あら、睨まれただけで勃っちゃうなんて変態さんね。主人として恥ずかしいわ・・・そんな子にはお仕置きが必要ね」
そう言ってズボンのジッパーを足で上手に外し、いきり立ったナニをトランクスの横から出して足で踏みつけ・・・
JUM「ハウッ!!! ;´Д`」
真紅「あら、あなたはこれを望んでいたのではないの?w」
JUMのナニの先端を指で刺激し、片足で根元の部分を擦りあげる
シュシュシュシュシュシュシュシュ
JUMの頭はもう真っ白で、快楽しか意識には無い
JUM「 (;´Д`)ハアハア 真紅、僕もう・・・」
真紅「あら、もうイクの?情けない僕ね」
そう言い放つと尿道を重点的に刺激する
JUM「あぁ・・・ウッ!!!ハァ━━━━━━
;´Д`━━━━━━ン!!!! 」
JUMは果てた。
真紅「もう・・・制服にかかったじゃないの・・・何とかなさい」
JUM「真紅・・・次は僕が・・・」
真紅「あら、ナニを勘違いしているの?これはお仕置きよ?続きなんてあるはず無いのだわ」
JUM「( ゚д゚)ポカーン」
真「一日早いけど、もらってほしいのだわ」
真「まぁ、うれしくて声も出ないのね?」
真「固まってないで食べてほしいのだわ!」
真「食べさせてですって?困った甘えんぼさんなのだわ♪(/////)はい、あ~ん。」
海苔「真紅ちゃん…くんくん人形汚しちゃだめよ?」
『真紅とバレンタイン』
今日はバレンタイン。真紅はジュンの机にチョコを仕込むため、朝早く登校しました。
幸いなことに教室は空で、真紅は上手くジュンの机にチョコを隠すことができました。
「…あとは、ジュンが気づいてくれれば成功ね」
そして数十分後…
翠星石が真紅に話しかけました。
「真紅、そこは翠星石の席です。何で座ってるですか」
「…え? だってここは私の席…」
「…はぁ。もう忘れたですか? 昨日席替えしたばっかりじゃねぇですか」
「!!!」
その日、真紅はベジータの誤解を解くために一日を費やしたという。
(ら、来年こそは…! 来年こそは……!!)
真紅は夕日に向かってリベンジを誓ったのでした。
くん「・・・わからない、僕に解けない謎があるなんて・・金田一君、
もうどうしたら良いのか分からないよ・・・」
一「大丈夫だってくんくん、一見すると完璧に見えるこの密室殺人にもきっと手掛かりはあるはずだ。
なのにこんなトコでアンタが落ちこんじゃ始まらないって。じっちゃんも言ってたぜ、
名探偵は何があっても諦めちゃ駄目なんだ。」
くん「金田一君・・・・そうだ、僕は名探偵、諦めたら駄目なんだ!ありがとう!君のお陰で自信を取り戻したよ!」
一「へへっ、んじゃ操作続行だ!この事件の犯人は絶対見つけだす・・・」
くん「ああ、必ず・・・」
くん「名探偵の名にかけて!!」
一「じっちゃんの名にかけて!!」
映画『くんくん探偵と金田一少年の事件簿』三月四日公開!皆、よろし~くんくんっ!
ジ「他の漫画とのコラボか、また味な真似を・・・」
紅「ジュン、前売券を買ってくれない?」
ジ「はいはい、どうせ言っても聞かないんでしょ。」
紅「ありがとう、ジュン。(でも、貴方とデートがしたいのもあるのよ?)」
ジ「・・・ん、なんか言ったか?」
紅「ふふっ・・・何でもないのだわ。」
ジ「??あっ・・・・そ。」
ジ「ええ~、付き合い始めて三ヵ月ですが真紅さんはチョコを僕にはくれないのですか?」
紅「は・・・恥ずかしいから私の家に来たらあげるのだわ。」
ジ「んじゃ喜んで行かせてもらうよ。」
真紅の家
ピンポーン
ジ「来たぞ~。」
紅「か、カギは開いてるから少ししてからお風呂場まで来てちょうだい」
ジ「???何で風呂場??」
紅「余計な詮索はしないのだわ!」
ジ「はいはい・・・」
数分後、風呂場
ジ「言われた通りぬしました~、入って良いですか~?」
紅「は・・入って。」
ジ「はいよ~。」
ガチャ
ジ「入りましたよ・・・・・っていいいいいぃぃぃぃぃ!!!!????」
紅「ぜ・・・全身チョコなのだわ・・・・チョコと一緒に私も・・・食べてちょうだい?」
ジ「マァァーーベラァァーースゥゥ!!!」
今日は二月十四日。
バレンタイン牧師の命日。
十字架に磔で、焼かれたとも、槍で貫かれたとも言われる。
理由は知らない。
その何世紀かあと。
日本のお菓子メーカーが『バレンタインデー』と称して、チョコの売り上げを稼ごうと画策し、
ものの見事に釣られた日本人。
一見バレンタイン牧師をバカにしてるとしか思えない。
そんな日。
でも僕は別にいいと思う。
一つだけ貰えたから。
義理だけど。
学校では朝からどこもかしこも、チョコレートの匂いで充満していた。
「カカオくせー」
ジュンはボソっとつぶやきながら校舎をブラブラする。
もしかしたら、義理のおこぼれにでもありつけるかもしれないからだ。
すると、隣の教室では早くも人だかりができていた。
「水銀燈おねえさまー!チョコもらってえー」
「俺にもくださいー!水銀燈さまー!」
その様子をジュンは廊下から眺めた。
「相変わらず水銀燈は男女共に人気だなあ・・・」
無理か。と思い、ジュンは足を進めた。
「ねえ!なんで蒼星石はいないのー!」
「蒼さまに渡しといてね!あんた姉貴でしょ!」
(うう・・・翠星石の試作のチョコを食わせまくって、のぼせて休みなんていえねーデス・・・)
蒼星石のクラスも人がたくさんいる。彼女は欠席らしい。
その点を翠星石が攻められている。
「去年はチョコいっぱい食わせられて、尿に糖が出たんだっけなあ・・・」
再検査は大変だったと思いながらジュンは足を進めた。
「ジュンー!!」
「お、雛苺!」
「あのねー。今日バレンタインでしょ?雛ね、チョコ一生懸命つくったんだけど、学校くるまえに落としちゃって・・・」
「あ、ああ。いいよ。おっけおっけ。気持ちだけ貰っとくよ。ちゃんとホワイトデーはお返しするからな」
ジュンは雛苺の頭を撫でてから、その場を離れた。
「去年は苺大福にチョコからませるなんて荒技やられて、下痢が止まらなかったからなあ」
おなかをさすりながら、ジュンは気ままに足を動かす。
「金糸雀は・・・べジータと一緒だもんな」
「薔薇水晶は・・・いないか」
結局一つも貰えなかった。
帰宅すると、リビングではくんくん探偵が上映されていた。
「んふふー。ネコさんー。犯人はー、ぁなたですねぇー」
「さ、さすがくんくん!名推理だわ」
「ただいま、姉貴」
真紅はいつからいたの?という表情で、おかえり、といった。
「またくんくん探偵かよ。何回見れば気が済むんだよ・・・まったく」
「そういうあなたは、こんなに夜遅くまで粘ったのに、チョコは貰えなかったみたいね」
真紅は紅茶を飲みながら、ジュンの心の中を当ててみせる。
実際、ジュンは部活が終わるまで校内を徘徊していたし、バイト先のお好み焼き屋にも行ったりしていた。
「う・・・なんでわかるんだよ。そういう姉貴だって、チョコあげたのかよ?」
胸の中をグサリと刺されたジュンにはそれがいっぱいいっぱいだった。
カチャリ、とカップを置く音がした。
「出来の悪い弟のことだもの。なんだってわかるわ。それに今年は私のお眼鏡にかなう男子はいなかったのよ・・・よって作ってないわ」
「あ、そ」
ジュンは適当に相槌を打つと自分の部屋に戻った。
「あーあ、チョコ・・・欲しかったなあ・・・」
机の上の時計に目をやる。
くんくん探偵オリジナル時計は、八時半を過ぎていた。
ふいに涙が、ホロリと落ちる。
「あ、あれ?なんで涙出てくるんだ?アホくさ・・・」
袖口で目をゴシゴシ擦っていると、ドアがノックされた。
「入るわよ・・・」
「姉貴」
「ふふ。ジュンが一人でメソメソしてることなんてお見通しなのよ。これでも飲んで落ち着きなさい」
真紅はジュンの机に大きめのマグカップを置いた。
「ココア?」
「そうよ。でもそれは砂糖やミルクの入っていない苦いココアだから、これを一緒に食べなさい」
机の上に小さな皿が置かれた。その上には、店で売っているチョコと遜色ない手作りのチョコが数個置かれていた。
「義理よ。ありがたくいただきなさい」
真紅は風呂に入るから、片しておきなさい。と言い残すとジュンの部屋から出て行った。
「ありがとう・・・姉貴・・・」
ジュンは心優しい姉に感謝すると、ココアを一口飲み、チョコを一つ頬張る。
「あれ・・・?このチョコとココア、なんか塩味がする」
もう一口ココアを飲む。今度は少し、塩が濃かった。
自分の涙のせいだと気づいたとき、苦笑してしまった。
台所に食器を片付けにいったとき、ジュンは己の目を疑った。
「・・・カカオかよ」
テーブルの上にはどこから仕入れたのか、カカオの実がまるごと一つ。それにたくさんの資料、レシピが置いてあった。
トントン。
「なに?女の子の風呂を堂々と覗くつもり?スケベね」
「いや・・・そのままでいいんだ。覗くつもりはないから」
シャワーの音が止まった。
「バレンタイン、ありがとう。俺、姉貴のこと、好きだから」
「・・・バカね」
再び、お湯がバスマットを叩く音がした。
今年は一つ貰えたな。
義理だったけど、自分の気持ちは本当だから、まあいっか。
『バレンタイン、ありがとう』 ~完~
何ともない休日の昼下がり、真紅はジュンの部屋に来て本を読んでいた。
ベッドに寝そべりながら 自分のベッドに腰掛ける真紅を見る。
部屋に差し込む光が両親が共にドイツ人である真紅の 白い肌と金色の髪を
きらりと照らす。と、真っ赤なシャツの裾とジーンズの間から
真紅の腰の地肌が覗いているのが見えた。イタズラ心が芽生える。
気付かれないように真紅の腰に手を伸ばし、指が触れるか触れないかの
絶妙な指づかいで真紅の背をすっと撫ぜあげる。
「きゃあ!!」
いきなりの刺激に驚いて持っていた本を落とす真紅。
「い、いきなり何をするのジュン!!」
服を押さえ、振り向き真っ赤な顔にふくらませてて抗議する真紅、
けど、それがまたかわいい。
「いやあ、ちょ~っとイタズラをね。」
「な・・!無礼よジュ・・・んんぅ!?」
最後まで言葉を言わせずにぎゅっと抱きしめる。真紅の柔らかい肌の感触が
シャツ越しに伝わってくる。
「は・・・離しなさい!!離すのだわジュン!!」
そう言いながら背中をドンドンと叩いてくる真紅、しかし気にせず耳元で
吹き掛けるように囁く。
「付き合ってるから良いだろ?・・・大好きだ真紅。」
「なっ!!・・・あ・・あ・・・うぅ・・・」
返答に困り、恥ずかしさで真紅がジュンの肩に顔を埋める。
拍子に金色の髪の間からうなじが見え、更にイタズラ心がくすぶられる。
無防備なその場所にキスをし、間髪いれずに濡れたそこに息を吹き掛ける。
「ひぁぁ!」
ぶるっと身体を震わせる真紅、涙目で抗議の視線を向けてくるが無視。
真紅を左手で抱きしめて、空いた右手を真紅の服の下に差し入れる。
真紅はスキンシップ全般に弱い、あえて弱く優しく、こしょばすように肌をまさぐる。
腰の辺りからじっくりと撫で、ゆっくり、焦らすようにして上へ。
「うぁぁ!・・・んんッ!・・や・・やぁッ!」
柔肌をはいずる指のこそばゆい感触に敏感に反応し、腕の中で身体をよじらす真紅。
「あふっ・・・や・・・やめて・・・そこは・・・あぁ・・」
甘い、その喘ぎをもっと聞きたくて手の動きを激しくする。
抱きしめていた左手もシャツの中に入れて両手の指の腹でくびれを
押すようにしてさすり、おへその下あたりをつっとなぜあげる。
それだけで真紅の身体はピクンとはねる。
「やらしいな真紅。これだけで感じちゃうなんて・・・」
「あ・・・ち・・・違うのだわ・・・私はやらしくなんか・・・」
「そうなんだ・・・・それじゃ試してみよっか。」
そう言うとジュンは差し入れた右手を背中に回し、真紅のブラのホックに
手をかけ、そのまま片手で外した。
そしてゆっくりと胸の上までシャツをブラと一緒にたくしあげる。
「あっ・・・駄目よ・・・やめて・・・駄目ぇ・・・」
切なげに声を上げる真紅だが先程ので既に力が抜けているみたいで
まったく抵抗する様子はない。
服を胸の上までずらしあげると胸板に真紅の小ぶりな双乳が当たる感触がした。
見たい、そんな衝動に駆られて部屋にあった鏡の前まで移動し、
真紅を膝の上に乗せるようにして後ろから抱きしめる体勢に変えた。
鏡に映った真紅、服をたくしあげられた下は白人らしく陶磁器のように白い肌を
していて今は恥ずかしさでほんのりと桜色になった乳房の頂点には
それより一段と濃い色をした乳頭が座していた。
「うぅぅ・・・いじわるしないで・・・ジュン・・・」
そう言いながら胸を隠そうとする真紅、しかしそんな事はさせない。
「だ~め、いつも命令を聞いてんだから今日は僕の番だ。」
胸を隠そうとする真紅の手をどけ、こぶりながらも指を押し返す程に
弾力のある乳房に右手をそえ、左手では
真紅のジーンズのチャックを外し、中に手を侵入させた。
「んぁぁ!駄目ぇ・・・」
だけど無視、ジュンはわざと秘所にはすぐ手を伸ばさず、
柔かくも張りのあるふとももを優しく掴み、指で揉むようにしてこね、
桜色をした乳頭を人差し指と中指で挟んで転がし乳輪も指の間接で刺激する。
更には真紅を乗せた膝を、不規則なリズムで揺すって真紅の頭を振らせる。
ズッ、ストン、ズッ、ストンとピストン運動をするようにして
真紅の身体は上下に揺すぶられ、小ぶりな胸もそれに合わせて揺れる。
ジュンはその振動の合間にふとももの内側を秘所に向かって撫で、
指の間に挟んだ乳頭をきゅっと軽く潰してまた快感を真紅に与える。
「んっ!・・はぅぅっ!」
乳頭からきた痺れるような痛みが走った瞬間、首筋をびりびりと痺れるような
感覚が駆け巡り真紅は軽い絶頂を向かえた。
「う・・ふぅぅ・・はぁ・・・はぁ・・・あぁっ!?ひぎぃぃっ!!」
これで終わったと思った真紅だったが、ジュンは間を置かずにまた動きを再開させた。
絶え間無く続けられる官能の刺激、次第に真紅の目の焦点は
定まらなくなり、口の端からは涎が流れ始めた。
「んっ!んっ!んぁっ!・・・あっ!あっ!・・あぁ・・・うぁぁっ!」
絶頂冷めきらない官能でほてった身体に連続して与えられる振動と
絶え間無く乳首とふとももへの責めからの官能の刺激で、
真紅の頭は何度もふーっと意識が飛ぶような感覚に襲われたが
あと少しと言う所でいつもジュンの動きは止まってしまう。
「んぁっ!?あっ・・・はぁ・・・はぁ・・・な、何で止めるの・・・?」
耐え切れないと言った表情でジュンの顔を見る真紅。だけどジュンは
いじわるな笑みで真紅を見るだけで何も言わない。
そのジュンの微笑みで真紅は理解した。自分からおねだりをしないと、
ジュンはこのイきそうでもイけない生き地獄をずっと与え続ける気なのだ。
真紅の頭の中はジュンが積み重ねた官能の刺激のせいで
ほてりきり、とにかくイきたいという考えしか思い浮かばなかった。
「あ・・・あぁん・・・いや・・・ジュン・・・このままじゃ・・・ひぁぁ!
私・・・・お・・・おかしく・・・なってしまうのだわ・・・お願い・・・最後まで・・・してぇ!」
そこでようやくジュンは真紅の秘所に手を伸ばした。そこは鏡で見てもわかる位に
ジーンズに染みができる程濡れていて、ジュンはそこでも焦らすように
濡れたジーンズの上から秘所をこする。
余りにもいじわるなジュンの動きに真紅はもう許してと懇願するように
ジュンを見つめる。ジュンはそれを見てニヤリと微笑み真紅の下着の中に手を入れた。
肩を上下させる程に息を荒げる真紅の下着はグッショリと濡れていて、
下着に手を入れた拍子にクチュという音を立てた。
ジュンは真紅の縦裂に人差し指を沿えゆっくりと上下にこすり始めた。
しかし、それでも縦裂の上にある蕾には触らず、真紅をいかせないように
ただひたすらに焦らせる。
がくがくと足を震わせ、絶頂が近いのが分かるが、ただただもて遊ぶ。
一度秘所を動かす手を止め、ジュンは力の抜けきった真紅の足からジーンズを
脱がせると膝の上に足を閉じられないようにして真紅をM字開脚させて乗せ、
見せ付けるように鏡の前に身体を動かした。
鏡には、はだけられた胸、ピンク色のかわいいリボンのついたパンツに
真紅自身の愛液で大きな染みをつけている姿が晒される。
「あぁ・・・いやぁ・・・こんなの見せないでぇ・・・」
真っ赤に紅潮した顔をいやいやするように振って掠れた声で喘ぐ真紅を鏡ごしに
楽しそうに見ながらジュンは真紅の下着の中にまた手を入れ、
ピッタリと閉じた淫唇に指を付けた。
「あ・・・はぁぁ!」
鏡の前での自分の痴態を嫌がりながらも嬌声をあげる真紅。
ジュンは優しく触れるか触れないかの動きでその襞肉を一枚一枚擦り上げる。
襞をかき割る度にジュプッジュプッと部屋の中に淫靡な水音が響く。
「あっ!あっ!んんっ!・・・はぁ・・はぁ・・・もう・・・じらさないでぇ!」
悲痛な真紅の喘ぎにさすがにやり過ぎたかとジュンはようやく、
真紅の濡れそぼった蜜壷に中指だけを入れて掻き回し始めた。
熱くどろどろになった肉の襞が指にべっとりと絡み付くのを感じながら、
ジュンは空いた親指で秘所の上にある蕾を優しく愛撫しつつ中指の腹で肉壁を擦る。
「んぁぁぁ!あっ!あっ!いやっ!ひぁああ!だめ!だめぇぇ!」
歓喜に酔いしれるように頭を振る真紅を見てジュンは更に、
膣の上側を擦る指の動きを速める。
「やぁぁぁっ!あぅぅ!はぁん!も・・・もう!私・・・おかし・・くぅぅっ!」
ジュッジュッジュッと、秘所から漏れる水音はより一層大きくなり、
キュッキュッと指を締め付ける膣の動きを感じ、ジュンは蕾を抓ると
中指をカギ状に曲げて肉壁に最後の刺激を与えた。
「あぁ!!ひっ・・・ひぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
瞬間頭の中が真っ白になり、弓なりに身体を反らせ絶頂の嬌声を上げた真紅、
身体をグッタリとさせ絶頂の痺れで後ろに倒れこみジュンの腕に抱えられる。
「あ・・・ふぁ・・・あ・・・はぁん・・」
「どうだ?気持ち良かったか真紅?」
「あ・・・ふぁ・・・ひ・・・ひもち・・・・ひょかった・・・のだわ・・・」
ヒクヒクと身体を震わせながら、呂律がまわらないままに
涎を口の端から垂らしつつトロンとした目でジュンの顔を見上げる真紅。
「なら今日は終わり、また今度な。」
「い・・・いじわる・・・ジュンは・・・まだ・・・なのに・・・」
「へえ・・・・まだしたいんだ真紅?」
「あ・・・・」
「どうして欲しいのかなぁ?やっぱ止めた方法が良いかなぁ?」
後ろから抱きしめ右手についた真紅の愛液を真紅の胸に塗り込みながら
覗きこむジュン、しかし真紅の答えはもうでてるはずだ。
真紅の口からその言葉が出るを待つジュン。
「して・・・ください・・・ジュンが・・・欲しいのだわ・・」
そうこなくっちゃ、ジュンは真紅をベッドに横に寝かせた。
『自転車』【雛苺と真紅4歳】
昼の公園、真紅を見つけた雛苺。
雛「ねぇ~!ちんくぅ~!!」
紅「ひないちご!『ちんく』じゃないの!!『ち・ん・く』!!」
4歳児は、やはり舌が回らないようだ。
雛「えぇ~?だから『ちんく』れしょ?」
紅「ちやうの~わたちは『ちんく』!!」
…不毛なやりとりである。
―10分後―
紅「…もぅ…で?どうかちたの?」
真紅が折れたように用件を聞いた。
雛「じてんしゃであそぶの~♪」
紅「ひないちごはじてんしゃがだいしゅきね。」
雛「ひなのヒナイチ号はしゅごいの~!!」
紅「じゃぁねぇ、おかし屋さんまでどらいぶしゅるのらわ♪」
真紅はそう言って後ろに座る。
雛「うんっ♪うにゅ~たべるの~♪じゃ、しゅっぱ~ちゅなの~♪」
公園を出て坂道を下る。
向かい風を感じながら…
流れる景色を見ながら…
二人はいつも一緒だった。
今?当然、今でも…
紅「雛苺!!遅刻するわ!急いで!!」
雛「あいあいさ~なの~!!ヒナイチ号は最速なの~!!」
ねぇ?二人は仲良しですから。
―おわり―
語り・森本オレ
J「あー、今日はねーちゃん朝練だった・・・遅刻するぅぅ!!!」
僕の姉、桜田のりは僕も通う私立薔薇学園ラクロス部の主将。家ではいつもドンくさいねーちゃんだけど、何故かラクロスだけは上手いんだ。
ってそんなこと言ってる場合じゃない!入学して3ヶ月、一応皆勤賞だ。遅刻するわけにはいかない。急げ!!!!!
ドンッ!!!
?「キャアッ!」J「うわっ!」
いてー・・・何だ?って女の子か・・・ってゆーか・・・純白(///)
?「!!!何を見ているの?人を突き飛ばして下着まで覗くなんて・・・日本人の雄は本当に下劣ね」
J「こ、これは不可抗力で・・・ってか大丈夫?」
?「えぇ・・・それより、あなた急いでたみたいだけど平気なの?」
!!!そうだ、遅刻のピンチだったんだ。担任のドラゴン梅岡は遅刻に厳しい。全くウザい教師だ
J「そうだった!本当にごめん!!!(ダッシュ」
それにしても可愛い娘だったな・・・名前なんて言うんだろう
キーンコーンカーンコーン
ぐあっ!!!間に合わなかった・・・orz まぁ急ぐに越したことはないか
後ろのドアから静かに入ってみる。あれ?梅岡がいないぞ。
ベジ「お前が遅刻とは珍しいな。まぁ今日は運がよかったなw」
J「?梅岡はどうしたんだ?」
ベジ「それがな、転校生が来るらしいんだ。帰国子女だってよ!!!」
笹「うはwwwwwwwwwwwwwwwおkwwwwwwwww」
ベジ「帰国子女ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
」
翠「本当に気色悪いやつらですぅ。雑音を出すなですぅ」
ベジ・笹「(´・ω・`)ショボーン」
梅「ほらお前ら席につけー!今日はお前らにいい知らせがある」
ベジ・笹「転校生キタ━━━( ´∀`)・ω・)
゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!!」
J「なんで俺こんな恥ずかしいやつらの友達やってるんだろう・・・」
梅「どっから情報を仕入れてるんだwまぁいいだろう。ほら、入りなさい」
ねえジュン?貴方って本当に鈍感だわ。私は貴方が好きなのに貴方はそれに全く気付いてくれない。
私の髪を触る事ができるのは貴方だけ
私の飲む紅茶を入れる事ができるのは貴方だけ
くんくんを撮ってくれるように頼めるのも貴方だけ
電車の中で肩を寄せられるのも貴方だけ
貴方だけにしかお願いはできないの。それなのに貴方は下僕だからって無理を言うなよなの一言だけ。
違うの、違うのよ。私は貴方を独占したくて言ってしまうの。ズルイ女だけど他の言い方ができないの。
私は貴方が好きって言えないの、だからこんな態度になっちゃうの。それを分かって頂戴?
そうしたら、その時私は素直になれる。貴方に想いが届いたその時私は貴方に言うわ。
桜田ジュン、私、真紅は貴方が好きです・・・・って