「ジュン君」
「何?」
「はい、チョコレート」
「ありがとう、でも今日はどうしたんだ?」
「今日はバレンタインだよ」
「あっそっか、それにしても女子は大変だな」
「何で?」
「義理だってタダじゃないだろ」
「そうかな男の子も一緒じゃない?」
「そー言えばそうだな、ホワイトデーか……」
「期待してるよ」
「そんな期待されても」
「言っとくけどね、そのチョコレートはね……」
「……もしかしてお高い?」
「凄く、普通の人は食べられないよ」
「マジ!?」
蒼星石は嘘は言わないからな
「僕が愛情を込めて作ったんだから」
「えっ? それって」
「本命だよ、ホワイトデー期待してるよ」
それを言うと蒼星石は翠星石と一緒に帰っていった
ここで流れを無視して蒼星石
蒼「ふふっ、キミのためにケーキを作ってあげたんだよ。」
蒼「え、いらないの・・・?そんな・・・」
蒼「ぼく・・・ぼく・・・キミのことを思って一生懸命作ったのに・・・」
蒼「ひっぐ、ひぐ・・・。え・・・嘘・・・なの?」
蒼「も、もう・・・嘘なんかついて・・・。ほんとにいらないのかと思っちゃった・・・」
蒼「ふーんだ、今さら謝っても遅いよ」
蒼「そんなに食べたいの・・・しょうがないなぁ・・・」
蒼「ほら、僕の指・・・クリームだらけでしょ?舐めていいよ・・・」
J「ん、蒼星石?何やってんだ?一人で、そんなに指ベタベタで・・・」
蒼「!!」
蒼「・・・・うー。頭痛い・・・・・・」
ピピピピッピピピピッ
蒼「・・・・(37、9)・・・・熱がある・・・でも学校を休む訳には・・・
翠星石やお爺さん達にも迷惑かけたくないし・・・・」
翠「蒼星石~??学校行くですよぉ~!」
蒼「・・・うん・・・・今行く・・・」
~学校~
翠「皆ぁ~おはようですぅ!」
真「おはよう翠星石。」
雛「おはようなの~!」
金「おはようかしらぁ♪」
水「おはよう蒼星石!」
蒼「・・・・・おはよう・・・・」(苦笑)
水「?どうしたのぉ?」
蒼「・・・ううん・・・・何でも無いよ・・・・・!」
水「・・・そう・・・ならいいけど・・・・」
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪~授業全て終了~
J「蒼星石~?一緒に帰ろう!」
蒼「・・・・・・う・・・ん・・・・」
J「ん?どうした・・・・?何か顔赤いみたいだけど・・・?」
蒼「・・・ん・・・なんでも・・・・な・・い・・・・・」(ぐらっ)
どさ
J「おい!どうした?!蒼星石!!・・・ん・・・・熱い・・・・?」
J「・・こんなに熱いってことはコイツ無理して学校に・・・・?」
蒼「・・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
J「そんな事より早く保健室に連れて行かなきゃ!」
ダダダダダダダダッ!
J「先生!!蒼星星さんが熱で倒れたので手当てをお願いします!」
T「それは本当?!桜田君!早くベッドに寝かせて!・・・凄い熱ね・・・桜田君、体温計で熱を計ってもらえる?」
J「はい!!」
ピピピピッピピピピッ
J「39、7・・・・凄い熱だ・・・・」
T「う~ん。酷い熱ね・・・とりあえずしばらくは保健室で寝かせて起きましょう。」
J「はい。」
~2時間後~
蒼「・・・・すー・・すー・・・・」
T「ふぅ~要約落ち着いた見たいね・・・」
J「・・・良かった・・・熱もだいぶ下がったし・・・・」
水「ふあぁぁぁ。よく寝たわ!サッさと帰ろっと♪・・・・んお・・・?ジュン何やってるの・・・?」
J「しぃぃ――!!!蒼星石が起きるぅ!!」
水「・・・・??何が何だか・・・?」
『信じる心』
寒い冬の日。その日は天気予報が外れ、午後から雪が降り始めていた。
といっても、僕は天気予報なんて信じていない。だから傘も持ってきていた。
「さみい・・・。とっとと帰ろっと・・・」
隙間風が吹く廊下を歩きながら僕は呟いた。
玄関前にでると、どうやら天気予報を信じていた人が困っている様子だった。
そういえば、教室でも真紅たちが騒いでたっけ。
人の言うことを疑わずに信じるだけなんて馬鹿のすることだ。ざまあみろ。
「さて、うるさい奴らが来る前に帰るか」
そう呟き、僕は上履きを外靴に履き替え、玄関を後にした。
白く染められ、いつもとは違う雰囲気を醸し出す街。
聞こえはいいが、所詮それだけ。
綺麗でもなんでもない。
そんなことを考えながら歩いていると、見覚えのある顔が屋根の下で佇んでいた。
「・・・蒼星石?」
「あ、JUMくん。こんなとこで会うなんて奇遇だね」
この声、この顔。確かに蒼星石だ。見ると、雪が彼女の体に積もっていた。
「傘・・・ないのか?」
「うん。天気予報で今日は一日中晴れるって言ってたから・・・。ここで雪が弱まるのを待ってたんだよ」
ああ、蒼星石もか。
疑わず、ただ信じる。
馬鹿がするようなことを、この蒼星石も。
「大変だな。この調子じゃ雪もこれから強くなるだろうし」
適当に相槌を打つ。
もちろん本当はなんとも思っていない。
いや、哀れみだけはあるか。
「それじゃ、僕はそろそろ行くよ。じゃあな」
「え・・・JUMくん・・・行っちゃうの?」
「ああ。蒼星石ももう帰ったほうがいいぞ。雪が強くなるだけだ」
嘘ではなかった。
雪は弱まる様子を見せず、逆に強くなっていた。
「もうちょっと一緒にいてほしいな・・・。もうちょっとすれば雪も弱まるかもしれないし・・・」
弱まる?この天候で?冗談言うな。
どこからこんな台詞がでてくるんだ。
全く、これだから馬鹿は。
「弱まるわけないって。今帰んないとほんとに大変だぞ?」
さすがに女の子に本音は言えない。
傷つけないように言葉を選び、発言する。
社交辞令、とでも言うべきだろうか。
「でも・・・僕、雪が弱まるって信じてるから。信じれば叶うことだってあるんだよ?」
蒼星石が答えた。
何も疑うことはないような、無邪気な笑顔で。
信じれば叶うだ?馬鹿を言うのも休み休みにしてほしい。
この世の中で、そんなことあるわけないじゃないか。
サンタの存在を信じた挙句、遅くまで待っていたら現れたのはだれだ?
ヒーローショーのヒーローに憧れて、控え室を覗いて見えたものはなんだ?
子どものころに、僕らは学んでいるはずだ。
それなのに、なぜ、彼女はこんなことを言えるんだ?
「そんなことあるわけないだろ。んじゃ、僕は帰るよ」
もう疲れた。
蒼星石から目を離し、帰ろうとする。
「・・・だめっ!」
蒼星石が叫んだ。
それと同時に、人肌を感じる僕の手。
それは紛れもなく、蒼星石の手だった。
僕は、そのあまりにも急な出来事に、ただ驚くばかりだった。
前を見れば、真っ赤な顔をした蒼星石。
手を見れば、綺麗で小さな蒼星石の手。
とても冷たい。けど、
温かい。
これまで一度も感じたことのない温かさだった。
とても心地よい。いつまでもこうしていたい。
そんな気持ちにさせてくれる温かさ。
そのまま、時間はただ過ぎるばかりだった。
・・・どれくらい時間が経っただろうか。
僕はある変化に気づいた。
「雪が・・・やんだ・・・」
信じられなかった。
それまで、しんしんと降り続いていたそれは、静かに降るのを止めていた。
と、突然蒼星石が顔を上げた。
「雪もやんで、JUMくんも待っててくれた・・・。ほらね?信じてれば、何でも叶うんだよ」
彼女が言った。
満面の笑顔を、僕に向けながら。
「それじゃ、僕は帰るね。ばいばい、JUMくん!」
そう言うと、蒼星石は帰っていった。
僕はその様子を見送ると暫く、その場に立ち止まっていた。
「信じることも、悪くはないかな」
白く染められ、いつもとは違う雰囲気を醸し出す街。
聞こえはいい。が、それだけではない。
僕の目には、とても綺麗に映るのだから。
-Fin-
蒼「ねえねえJUMくん、僕クッキー焼いたんだよ♪」
蒼「え、食べたい?んー、どうしよっかなあ・・・」
蒼「あはは、冗談だよ。そんなに悲しい顔しないで」
蒼「・・・JUMくんのために焼いたんだよ・・・。感謝してよねっ」
蒼「え、どこにあるのかって?ふふ、探してごらん」
蒼「分からない?もう、ここにあるじゃない、ここに・・・」
蒼「そう、下着の中だよ・・・。袋の中じゃ冷めちゃうからね・・・」
蒼「あっ、んんっ・・・。もう、焦らないで。ゆっくり取って?ねえ・・・」
真「次の身体測定は貴女よ。あら・・・、なぜ胸にクッキーなんか挟んでるの?」
蒼「!!」
蒼星石のMDウォークマンにヤクルトをこぼした水銀燈。
水「……これはまずいわぁ…」
真「どうかしたの?水銀燈」
水「蒼星石のMDウォークマン、ぶっ壊しちゃったぁ」
真「あら?それは大変ね」
水「真紅、他人事だからって、冷静ねぇ」
真「大丈夫よ。蒼星石はめったに怒らないのだわ」
十分後
蒼「水銀燈、僕のMDウォークマン、返してくれる?」
水「それなんだけど…壊しちゃったぁ…」
蒼「ふぅ~ん。冗談は良いよ?早く返して」
水「…だから、あの…冗談じゃなくてぇ」
蒼「……早くしなよ?僕は暇じゃないんだ…」
一時間後
蒼「僕の持ち物を壊すなんて、調子に乗りすぎたようだね」
水「いやぁぁ、不慮の事故なのよぉ!やめてぇ!」
蒼「僕が良いって言うまで、声を出したらダメだよ?イクよ?」
水「むぐぅ!ん!」
僕には姉ちゃんが居る。
蒼「JUM君、話聞いてる?」
J「え? ごめん何だっけ?」
蒼「もう・・・、今日の帰り買い物に付き合って欲しいって事だよ」
J「ああ、荷物持ちって事?」
蒼「忙しいかな・・・?」
出た、蒼姉の意思とは別に勝手にに発動されるお願い光線。
普段は一見男にすら見えなくも無い蒼姉だが、内面的にはメチャクチャ女の子らしい。
J「いや、蒼姉への愛があるから、50kのダンベルだって持ってみせるぜ」
蒼「え・・・、愛って・・・」
J「いや・・・、そこは冗談だから」
どうも蒼姉は何事に対しても真っ向から受け止めてしまうらしい。
毎日無数に来る告白に関しても、一人一人断りを入れてるようだ。
蒼「あ、何だ冗談か・・・、ちょっと本気にしちゃったよ」
恥ずかしいことを平気で言うあたり、蒼姉は天然だった。
学校での蒼姉は女子生徒にもの凄い人気だ、人当たりの良さや、その外見のおかげだろう。
蒼「今日もまた知らない子に「私のお姉様になってください!」って言われたんだけど・・・」
J「また? 相変わらず蒼姉の人気は凄いね」
蒼「でも女の子ばっかりなんだよね・・・、僕そんなに女の子らしく無いのかなあ・・・」
確かに、らしいか、らしくないかで言えばはっきり言ってらしくない。
J「だって蒼姉って、あんまり着飾ったりしないじゃないか」
蒼「だってああいうのって、何だか好きじゃないって言うか・・・」
J「まあ、そればっかりは僕も良くわからないけど・・・、で、その告白はどうしたの?」
蒼「え? 勿論断ったけど?」
J「まあ、そりゃそうか・・・」
蒼姉がまずそんな告白を受け入れるわけがないが、万が一という事があるやも知れないので内心ホッとした。
蒼「僕はJUM君のお姉ちゃんだし、他の子の姉にはなれないしね」
やっぱり、蒼姉はなんだかズレている。
放課後、朝の約束通り二人で商店街に行く。
J「で、蒼姉は何を買うのさ」
蒼「うん、お米を買いたいんだけど、夕食の材料と一緒じゃ一人じゃ持てなくて」
J「こ、米・・・? それだけ?」
蒼「うん、何だと思ったの?」
J「いや、てっきり洋服とかでも買うのかなと」
蒼「服? 服なんて今あるので十分だし・・・」
やっぱりこういうトコが蒼姉が女の子っぽくない原因なんだろう。
J「まあいいや、着飾っていようが、いまいが、蒼姉は蒼姉だしな」
蒼「JUM君・・・」
J「よくよく考えたら、蒼姉が今より綺麗になって、男が近寄ってきたらシャクだし」
蒼「え? それって嫉妬?」
J「そうなのかな?ずっと一緒だったし、蒼姉が居なくなるなんて嫌だしな」
蒼「フフ、それなら大丈夫だよ」
J「どうして?」
蒼「僕が好きなのはJUM君だけだしね」
蒼姉は笑顔でそんな事を平然と言ってのける。
J「・・・ご生憎様、僕もだよ」
僕らはこんな姉弟。
~いつも脇役な男1の物語~
下校途中。バスを待つ彼女を見つけた
彼女の名前は蒼星石。
男1が思いを寄せている女の子
男1「あっ(ヤバイwww蒼星石wwwいつみてもかわいいなぁwww声かけようかな?)」
男1「(でもなぁ?ここで声かけて惚れられてもなぁwww)」
考えてる内に通り過ぎてしまった
男1「(あ~ぁ通り過ぎちゃったよ………でも、会えただけで満足www)」
次の日もこんな感じで
男1「(数学わかんねぇ………でも、蒼星石の事考えれば………!
あれ?これわかるぞ!さすが蒼星石パゥワァーwww)」
また次の日も
蒼「ごめん。見えない………」
男2と話している時にどうやら邪魔でノートが取れないらしい
男1「あっごめん………(やったーwww声かけられちゃったよwwwやっぱり声もかわいいなぁwwww
もしかして俺に気があるかもwww)」
その次の日も
男1「今日は女子と合同でマラソンか………だるいなぁ
(ヤバイwwwwこれはヤバイwwwペースをあわせれば蒼星石の生足見たい放題www
キタコレwww……………待てよ?ここでカッコイイとこ見せれば
蒼星石は俺に惚れるんじゃ…………!!!フラグwwwwキタコレwwww)」
そんな男1は蒼星石とジュンが付き合ってる事は知らない
「・・・ごめん。」
十三夜月が空に澄み渡る。
二人の空間は、黒く、重い。
恋人の存在を告げられた。
「そう・・・。」
事実を否定するわけでもなく、ただ、静かに頷いた。
現実を認めた。唇は震えていたけれど。
「・・・そう・・・。」
目に宿るのは青い炎。
憎しみでも恨みでもなく、悲しみを宿した炎。
月を宿した銀のナイフは、
「やめろ!」
ジュンの体を深く刺した。
「…。約束したよね。」
蒼星石からの口からこぼれた言葉。
それは時間を遡る。
―詩―
―二人が出会ったころ―
その日の空は青く、明るく。
鼻歌を歌いながら、川辺を歩くジュン。
「わっ!」
ちょっとしたはずみに足を滑らせ、土手をすべり落ちた。
「いててて・・・。」
思ったより衝撃が強く、ダメージのでかいであろう腕を手で覆った。
「大丈夫?」
その声に振り向く。
そこにいたのは幼馴染の蒼星石。
ちょっとした事情で、少しの間逢う機会がなかった。
二人とも近所に住んでいたのは知っていたが。
「ああ、うん。」
立ち上がり、帰り道を一緒に歩く。
「…ありがとう。」
心配されたことにジュンは素直に感謝した。
「あはは、いいよ別に。助けたわけでもないから。」
屈託の無い笑顔。そして―
「…僕が守ってあげないとね。」
思わぬことをいわれた。
「え?…なんか納得いかないな・・。」
女性に守られるなんて。男としてのプライドが、という意味での発言。
それを察知していたというか、そういう返事が返ってくると思っていたらしい蒼星石。
くすくすと笑いながら返事を返してきた。
「やっぱり面白いね。…別に変な意味じゃなくて。僕が好きなだけだよ。」
「え?!」
突然の告白に動揺。
「むしろ君に守ってほしいな。」
―それから付き合いが始まった。
「覚えてるよね?。」
蒼星石が耳元でささやくのは、思い出の確認。
意識半分の相手へとかける言葉。
「ああ。」
短く帰ってきた返事。
幼馴染という位置。恋人にはなりきれなかったのだろう。
兄妹のような関係になっていた。
「…なのに。」
裏切りの代償は重たかった。
それはナイフの重さにかかるように。
「一番失いたくなかった。…いつ裏切られるのかって思って怖かった。」
震える言葉。ナイフを握る手にこぼれる涙。
「…ごめん。」
もう謝っても遅いのは、ジュンにはわかっていただろう。
目が合うことはない。
返り血を浴びた唇を重ねる。
「…。ずっと一緒にいたかった。」
何度も、何度もナイフで体を貫く。
血を浴びようとも、もう気にはならなかった。
恋人を打ち堕とすような詩を歌った。
きれいなソプラノの音は部屋に響く。
「愛する人を失った世界にはどんな色の花が咲くの?」
―どんな時でも一緒だったのに
―いつも支えあってきたのに
―終わりなんて。
蒼星石はぽつり、つぶやいた。
「寂しいよ。」
反響もしない部屋。
徐に真っ赤に染まる刃を自分の首に当てた。
目には光は宿していなかった。
「さようなら。」
鈍い音の後、部屋に紅がさらに少し広がった。
「…一緒に…いたかった。」
最後の後悔の言葉。殆ど声にはならなかった。
「ご・・めん・・・ね。」
既に目を閉じている相手を見て―自分も目を閉じた。
―言葉は自分を突き刺し
―自分をも射ち堕とした。
部屋に広がるのは―紅と思い出の詩―
そして――――
―詩―Fin
蒼「ちょっと…どこまでいくの?」
人気のない校舎裏、体操服姿の二人。
ジ「まぁ…この辺でいいか…。じゃぁぬいてくれるか?」
蒼「だ…ダメだよジュン君!?」
ジ「大丈夫さ。ほら。」蒼星石に優しく掴ませる。
蒼「や…硬くて…おっきくなってるよ…?」
ジ「ほら早く、時間ないぜ?」
蒼「そんな…急かさないでよ…んっ…」
きゅっと力を入れる。
ジ「おっ?いい感じ…。」
蒼「ジュン…君も……手伝って?」
ジ「仕方ないなぁ。」
蒼星石の後ろに回り手を前にまわす。
ジ「お…もうすぐだ…うぉっ!!!」
蒼「あっ!!!!」
………………………。
ジ「なかなかだったな。」
蒼「もぅ…硬いよ。ここ。」
ジ「仕方ないよ。誰も来ないんだから。」
蒼「じゃぁ、頑張って他のも抜いちゃおう!!」
ジ「『草抜き』めんどくせー!!」
~終い~
------------
放課後、日直日誌を書いてる淳。
そこへさも忘れものを取りに来た・と言う風な表情で蒼星石が入って来た。
暫しの雑談の後、照れ臭そうにこう言い出す。
蒼「淳・・・その、さ、昨日・・・チョコ何個貰った?」
J「え?あー・・・ブスのも入れたらチョコは7個。チョコと言えないのが1個」
蒼「そうなんだ・・・って、そのチョコと言えないのってやっぱり雛苺のかな?」
J「そうだよ、何かもう全体的な形がうにゅーって感じで、味は・・・」
蒼「でも7つも貰えて良かったね、淳。そんなに貰ったのなら僕のなんて要らないよね?」
寂しそうに笑って、それじゃと踵を返す蒼星石。
J「要る、要るって!昨日蒼星石だけくれなかっただろ?俺嫌われてるんだと思って」
蒼「だって君は皆から・・・チョコ貰ってて・・・。嬉しそうだったから、渡せなかったんだよ・・・。」
J「だ、そりゃ嬉しいって言うか嫌な顔する訳に行かないからで、俺は、その」
蒼「あはは、あんまり期待させないでよ。・・・はい、これ。一日遅れちゃってごめん」
今度こそ走り去る蒼星石。
ジ「ええ~、付き合い始めて三ヵ月ですが蒼はチョコを僕にはくれないのですか?」
蒼「一応は用意してるんだけど……学校では渡せないから…僕の家に来てくれるかな?」
ジ「んじゃ喜んで行かせてもらうよ。」
蒼星石の家
ピンポーン
ジ「来たぞ~。」
蒼「ごめんなさい…カギは開いてるからもうちょっとしたら風呂場まで来てくれるかな?」
ジ「???何で風呂場??」
蒼「うん…ちょっと…色々と…」
ジ「はいはい・・・」
数分後、風呂場
ジ「言われた通りぬしました~、入って良いですか~?」
蒼「ど、どうぞ…」
ジ「はいよ~。」
ガチャ
ジ「入りましたよ・・・・・っていいいいいぃぃぃぃぃ!!!!????」
蒼「ぜ・・・全身チョコなんだ・・・・チョコと一緒に僕も・・・食べてくれるかな……?」
ジ「………」
蒼「こ、こんな事してはしたないって思われるだろうけど……て欲しいんだ…君に……だめ?」
ジ「マァァーーベラァァーースゥゥ!!!」
蒼「はい、これどうぞ」
ジ「ん?チョコレートかい、かずき」
蒼「そうだよ」
ジ「ありがとなあ」
蒼「どういたしまして」
ジ「じゃけんど、チョコは女の子がくれるもんだよ」
蒼(クソじじい…)
蒼「お背中・・・流しますね・・・」
蒼「ご主人様の背中・・・おっきいですね・・・」
蒼「ふふ、くすぐったいんですか?」
蒼「ここらへんかなあ・・・。あっ、当たりですね♪」
蒼「ご、ごめんなさい・・・。そんなに怒るとは思わなかったもので・・・」
蒼「・・・えっ、ま、前も洗うんですか・・・?・・・分かりました」
蒼「うわぁ、こんなにおっきくなってる・・・」
蒼「そ、それじゃあ洗います・・・ね?」
翠「いつまで皿洗いやってるんですぅ?そんなにスポンジぼろぼろにしちゃって・・・」
蒼「!!」
大好きだ、蒼星石・・・。