?「う…こ、ここは??」
辺りは暗闇。目を懲らすとかすかな光り、周りを何度も見渡す。
?「どうやらここが薔薇学園らしい。」
…遂に辿り着いた…
?「(とりあえずやるべき事をしよう。)」
そう思い学園の窓をこじ開け中に入る。
目指す場所は事務所だ。
?「(…これでよし…と、)」
編入手続きの紙を元に戻す?「(…後は明日になれば…)」
と、ふと彼はあることに気付く。
?「(どこで寝よう…」)
仕方なくその辺をぶらつく事にした。時刻は分からないが恐らく九時頃だろう。静かな静かな夜の路地。
と、そこへ眼鏡の少年がぶつくさと小言を吐きながら歩いてきた。
ジ「買い物ぐらい自分で行けよ、ったく。」
どうやら誰かのお使いらしい。おもむろに声を掛ける
?「すいません、今日は〇〇年の〇月〇日ですよね?」
ジ「えぇそうですけど何か?(うわ、すごい美形だ…でも何だろう…何かが…?」
?「(ほ、本当に辿り着いたんだ!!)い、いえなんでもないです」
ジ「?(うーん何なんだろう…)」
互いに暫らく沈黙が続く。?「(そ、そうだ!忘れてた!)あ、あのーすいませんが実は今晩、かくかくじかじかで訳あって寝床がないんです。もしよければ一晩泊めて頂けないでしょうか?」
ジ「え、あ!うーん…」
少し考え込んだが彼はすぐに
ジ「別にいいよ、うちでよければ」
?「ほ、本当ですか!!よかった、本当に助かります!!」
ジ「あ、それと僕の名前は桜田ジュン。君の名前は?見たところ年はあんまり離れてなさそうだけど?」
?「私の名前は…」
ジ「へー。?さんて、同い年なんだ。最近越してきたの?」
?「え、ええ、まあ…」
ジ「?、学校は?」
?「…一応薔薇学ですね…」
ジ「一応?まぁいいや。て事は同じクラスになるかもね。あ、ここ僕ん家だからどうぞ上がって」
?「…おじゃましまーす。」
突然の来客にジュンの姉は大慌てだった。
しかしジュンが彼が友達であることと事情を説明すると
ジ「かくかくじかじか」
の「それは大変ねー。それにしても…」
?「?」
の「(美形…!お、お姉ちゃん惚れちゃったかも(///))」
そこからのノリの?へのお持て成しはすごいものだった。
ジ「なにやってんだか…」
?「ふぁーぁ。結局夕飯までいただいてしまった。おまけに風呂も使わせてもらえるなんて…」
ここは桜田家の両親の部屋。普段使われる事はないが、基本的に来客の為にちゃんと使えるようにされている。
?「(桜田さんには今度しっかりとしたお礼をしないとな。)」
時刻は十一時を過ぎている。寝るにはいい時間帯だ。
?「(さて明日は学園でやらないといけないことが沢山あるから早く寝ないと。)」
―そうやらなければいけない―
―俺はあることをするために未来からやってきた―
―
―一つは時空の乱れを正しくする事。もう一つは―
?「(もう寝よっと。明日になれば嫌というほど解るだろう」
そう。嫌というほど
翌朝ジュンが両親の部屋を訪れると彼はすでにいなかった。
ジ「おはよう、姉ちゃん。?さんは?」
ノ「あら、おはようジュンくん。?くんなら編入のことで色々あるから先にでていったわ」
ジ「ふーん。で、朝からこの料理の品数は何?」
ノ「てへ☆ちょっと作りすぎちゃったかな♪」
ジ「何がてへ☆だよ!!どこぞの宮廷料理かよ!?」
薔薇学園教室―
ジ「おはよー」
「おはよー」
挨拶を交わす。
ジ「(う、食い過ぎた。)」
自分の席に着くと程なく水銀燈が寄ってきた。
水「ねぇ、知ってるぅ?今日うちのクラスに転入生が入ってくるんだって。」
ジ「知ってるよ。しかも男で美形だよ。」
水「え、どうして知ってるの?」
と水銀燈がジュンに聞こうとすると
べ「なにぃぃぃぃ!!それは本当か!!!JUM!!」
ジ「うん、そうだよ」
べ「な、なんてこった…転入生のフラグキタコレと思いきやここからが本当(ry
ジ「(はいはい)」
梅「皆ー、席に着けー。笹塚はいつものあれな。」
「起立ー礼」
梅「皆に転入生を紹介するぞー。入ってこーい」
?「失礼します。」
梅「本来ならもう一人転入する予定だったんだが今日は来れないそうだ。」
ジ「(もう一人?)」
梅「じゃあ名前の紹介を。」
?「はい。本日から皆様と同じ学び舎で生活させていただく―」
―未来からの転入生の―
「トランクスといいます!」
「