銀「ジュン、パソコンの使い方教えてほしいんだけど…」
ジ「ああ、いいよ」
マウスにおいた水銀燈の手の上にジュンの手が重なる
銀「あ、ジュン…」
ジ「あ、ごめん…」
銀「ううん!全然かまわないよ。ジュンの手、あったかいから…」
薔薇「・・・水銀燈」
水銀「薔薇水晶?なぁに?女子の下駄箱はそっちでしょう?」
薔薇「・・・JUMの下駄箱に用があるの。」
水銀「あぁ~~、手紙でしょう?聞いてるわよ。」
薔薇「それじゃあ・・・」
水銀「・・・何の手紙かは知らないけどぉ、」
薔薇「・・・」
水銀「どうしてわざわざ下駄箱に入れるの?」
薔薇「・・・」
水銀「どうせ読まれずに捨てられるのにねぇ。」
薔薇「!!」
水銀「どうしたの?早く入れたら?」
薔薇「・・・それ、本当?」
水銀「さぁ?本人に聞いたら?」
薔薇「・・・聞けない。」
水銀(ちょっと、冗談きつかったかしら?)
薔薇「・・・じゃあ、私はJUMに何がしてあげられるの?」
水銀「あ、ちょっと。冗談よ。泣かないでよ。ちょっと意地悪しただけよぉ。」
薔薇「JUMは・・・ク゛ス、ク゛ス、お手紙、ク゛ス、欲しくなかったんだ・・・」
水銀「ちょ、あ~も~、来なさい。教室に行くわよ。」
薔薇「ク゛ス、ヒック」
ベジ「これからが本当の地獄だ・・・。」
朝、黒板にこんな事が書かれてた
”水銀燈 は ジャンク”
そりゃもう、黒板いっぱいいっぱいに
V「ジャンクが許されるのは小5年までだよねーww」
I「ってか、ジャンクとか存在するの?」
P「あいつまじきめぇwww」
皆ひそひそ私の方を向いて何か言い合ってる、こっちが向いたら顔をそらすのに、ね
勉強も出来、スポーツもそこそこ教師の受けも良い。
そんな私を快く思ってない者が居たって事だ、まあそういう事もあるのかな
水「嫌われてたんだわぁ、私ぃ・・」
今まで仲が良いと思っていたクラスメイトがあんな風に成るとは思わなかった。
お気に入りの高さの机は傷だらけ、まるで寄せ書きみたいになっている。
水「はぁ、なんかもう飽きちゃったわぁ・・」
水「鳥は自由ねぇ、私も飛べるかしらぁ・・」
J「探したぞ、うぬは何をやっておる」
フェンスを越えようとした私に声がかかった
水「(確か、同じクラスのジュンだったかしらぁ・・)」
水「ジュン君だったかしらぁ?あいにく、悪口には飽きたわぁ・・」
J「否!我が名はジュ王なり!」
J「それより、うぬは何故フェンスを越えようとしておる」
水「飽きちゃったのよぉ、そういう君も酷い有様よぉ?」
彼の顔はアザだらけ、服は破け汚れている
J「ふん、下でうぬを馬鹿にしている奴らが居てな、軽く蹴散らしてきた所よ!」
そんな事言っても、同じ体格した男子がクラスに少なくとも10人以上は居るのに
水「軽くってぇ、相当ぼろぼろよぉ?」
J「はっ、笑止!死斗星を突くだけよ、指一本で事足りるわ!」
とは言っても彼の両の拳はボロボロだった、どれだけ使えばあんな風になるのかしら
水「それより何かよぉ?」
J「うむ、駅前に”北斗七星”と言うカフェが出来たのだ、放課後一緒にいかぬか?」
水「アハハハ、それもいいかもねぇ。いいわぁ、放課後ねぇ楽しみにしてるわぁ」
J「鳥も楽ではないのだぞ、でわな」
水「・・・」
教室に帰ろう、とりあえず帰りの用意はしないと。ジュン君と放課後予定いれちゃったしね
男子がなにやら騒いでいる。
またいつものやつが始まったと、うんざりしつつも目を向ける。
やはり中心にベジータがいた。あのバカにつける薬はないと思う。
「男って、おばかさぁん。……あら?」
いつものやつは、"いつも"と様子が違っていた。
ベジータに掴みかかっているのは、陰気だがなぜか女子に人気のある、ジュンで――
私は、必死になる彼の顔に心を奪われていた。
その日の授業は、まったく頭に入らなかった。
あのときの彼を想う。
その表情には強烈なインパクトを受けたけれども、目に焼きついたという訳ではなく、頭の中ではひどく朧げだった。
何が私の心に残ったのか、自分でもよく分からない。
……ひょっとしたら頬をつままれて醜く顔を歪めていたベジータかもしれない。
私の思考は、まとまる様子を見せなかった。
「ねぇ、めぐ。私、おかしくなっちゃったのかしら」
「水銀燈、それはきっと恋の始まりよ」
「……わからないわ。私、恋ってしたことがないから」
「誰だって最初はそうだわ。自分を見つめて、自分の気持ちをよく考えなさい」
「うん。ありがとう。……でも、もし恋だとしたら、私、どうしよう」
「心配することないわ。水銀燈はかわいいもの」
「違うの。彼、結構モテるから。それに、きっと真紅も彼が好きなんだわ。せっかく仲直りできたのに、私が彼を好きになったら、また……」
「水銀燈……。でも、あなたの気持ちはどうするの?」
「わからないわ。わからないのよ」
「……そうだ。ちょっと一曲歌いたくなったわ。歌っていいかしら?」
「好きにするといいわ」
「人を好きになる事に立ちすくむ理由はない
自分の激しさに初めて会う
愛し抜けば泣きながら神話にもなれるだろう
自分のずるさも初めて見る
寂しさが二人を繋ぐ唯一のものでも
ただ私の思いを ただ私の苦しみ…
どうか抱きしめて欲しい
忘れないでいて欲しい
行き場のないぬかるみに足をとられてる
誰か傷つけて生きて
いつか私も傷つくの
愛しても愛してもあなたを愛し足りない」
めぐの歌声を聴きながら、私はいつの間にか泣いていた。
流れる涙は、自分で止めることが出来ず、歌い終えためぐの胸の中で、私は赤子に戻っていた。
次の日は、学校を休んだ。
自分の気持ちを考える時間が欲しかった。それに――
泣き腫らした顔を、彼に見せるなんて考えられなかったから。
「ジュンくん」
「水銀燈、何か用か?」
「うん。ちょっといい?」
「いいよ。あ、そういえば昨日休んでたけど、大丈夫?」
「うん、もう平気よ。ありがとう」
「ん。で、用ってなんだ?」
「うん……。おととい、ベジータとケンカしてたでしょう?あの時……」
あの時から、あの瞬間から。
なぜだか分からないけど、どうしようもなく、
私は、ジュンが好き。
銀「ジュン…あのね…その…」
ジ「ん?何だよ水銀燈…」
銀「そのぉ…何ていうか…」
ジ「分からないよ、ハッキリ言ってくれないと」
銀「……うぅん…」
銀「ねぇくんくん、ジュンにアプローチしたいんだけどどうすればいいかしらぁ」
くん「そうだなぁ・・君に足りないのはそっけない態度だ」
銀「そっけない態度?」
くん「そうだ、男っていうのはデレデレしてるだけじゃだめなんだ」
銀「まぁ・・くんくんがいうなら・・」
くん「押してだめなら引いてみなってな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
J「水銀燈、一緒に昼飯食べない?真紅達といると落ち着かなくてww」
銀「なんであたしがあんたなんかといっしょに昼食をとらなきゃならないのよ」
ベ「おーいジュン、一緒に昼飯食おうぜwww」
J「おkwww無理言ってごめんな、水銀燈」
銀「でも、ジュンがどうしてもっていうなら・・・・ってちょwwwwww」
くん「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
べ「なんだこの殺気は」
水銀燈「何見てるのジュンく~ん」
JUM「なっなんだよ!何でもいいだろ」
水銀燈「ねぇ、それってラブレターなんじゃないのぉ?」
JUM「わ!勝手に見るなよ」
水銀燈「うふふ・・・誰からなのかしらねぇ~」
JUM「だっ・・・誰でも良いよ、こんなの」
水銀燈「そう・・・うふふ・・本当は真紅から欲しいくせにぃ」
JUM「ばっ・・・」
水銀燈「じゃあねぇ~ジュンくん」
JUM「一体なんなんだよ・・・クソっ・・・」
JUM「あれ?この手紙やけに語尾に~っていうの多いな」
JUM「もしかして・・・すいぎ・・」
水銀燈「紅くなっちゃってかぁ~わいぃ~」
JUM「いっいたのかよ!」
水銀燈「真紅ぅ、あなたまだ彼氏できてないんだって~?」
真紅「あら水銀燈。今日のあなたは唐突ね。」
水銀燈「あなたも、もう17歳のいい乙女なのよぉ?
彼氏を作ってもっと女を磨いたほうがいいんじゃない?」
真紅「別に、女を磨く方法は恋愛以外にも沢山あるわ、それに・・・
恋愛した回数だけが人間の価値だなんて、安っぽい価値観
抱きたくないの」
水銀燈「あら、強がり?」
真紅「いえ?単純に、私は恋人を必要としていないだけ。」
水銀燈「んふふふふ・・・あなた強がってるようにしか見えないわぁw
まあ、頑張りなさぁい。そうそう、桜田君なんていいんじゃなぁい?」
真紅「放っといて。私の勝手でしょ」
水銀燈「強がっちゃってw。じゃ、私はもう帰るわぁ。昇降口で彼氏が待ってるから」
水銀燈「貰っちゃった貰っちゃったあ 笹塚君の童貞貰っちゃった」
笹塚「うぐっ・・・ひぐっ・・・・」
水銀燈「あら、私とそんなにセックス出来たのが嬉しいの?笹塚くぅん」
笹塚「うっ・・・うっ・・・」
水銀燈「ねぇ、ささづk」笹塚「触るな!」
水銀燈「・・・あら・・・マジ泣き・・・?」
笹塚「ぼ・・・僕は結婚するまで童貞を貫くつもりだったんだ・・・。
少なくとも、初めてセックスする人は、僕が本気で
愛した人だと決めていたんだ・・・!
でも、僕が好きになった人は、みんな、どんどん僕から
離れて言ってしまう・・・
小学校時代、大好きだった桜木さんも、アナさんも・・・
どんどん僕を避けていってしまう・・・時には担任にまで
邪魔される始末だ・・・
うぐっ・・・しまいには、好きでも何でもないキミと、初めて
セックスする羽目にまでなってしまった・・・」
水銀燈「・・・ち・・・違・・・」笹塚「何が違うんだ!キミは面白半分に
僕の童貞を無理やり奪っただけなんだろ!何で赤の他人に
僕の信念を無理やり捻じ曲げられなければならないんだ!
・・・僕はこれから、どうすればいいんだ・・・!」
水銀燈「・・・ごめんなさい。・・・ご・・・ごえんなさい・・・」
水銀燈「・・・」
笹塚「・・・」
笹塚「もう・・・帰ろうよ。」
水銀燈「・・・」
笹塚「・・・ねぇ。水銀燈。聞いてもいい?」
水銀燈「・・・(無言で頷く)」
笹塚「水銀燈って、好きな人・・・彼氏とかいるの?」
水銀燈「・・・(無言で首を横に振る)」
笹塚「・・・えっと、あの・・・その・・・ぼ、僕・・・
水銀燈のこと、好きになってもいい?」
水銀燈「・・・!!」
笹塚「ていうか、むしろ付き合ってください。」
水銀燈「な・なんで!?」
笹塚「・・・なんていうか・・・さっきの水銀灯の泣き顔・・・すごく可愛かったから・・・」
水銀燈「・・・プッ・・・フフフフフフ・・・アハハハハハハハハハ
アハハハハッハハ!!」
笹塚「な、何が面白いんだよ!」
水銀燈「こんな小悪人形でよかったら。」
雛苺「水銀燈が笹塚君とラブラブだったなのー。」
真紅「知ってるわ。でも、私には関係なくてよ。」
雛苺「うぅー、ひな、恋とかってよくわからないのー。」
真紅「雛苺はまだ子供なのね。でも、直に気づくわ。人を恋する愛しさ、切なさ
それで傷つき、人は成長していくもの。私は、そうお父様に教わったわ。」
雛苺「ふーん・・・ひなよくわかんなーい」
真紅「今はそれでいいわ・・・焦って解る必要はないもの。
それじゃ私は帰るわ。お先に」
雛苺「また明日、なのー」
~昇降口~
JUM「おー真紅。今、丁度帰るところだったのか。」
真紅「下校時刻は皆同じでしょ?」
JUM「まあ、そりゃそうだよな。
・・・じゃあ、また明日。」
真紅「ちょっと待ってジュン!」
JUM「?」
真紅「・・・たまには一緒に帰らない?」