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流れ星と箒星

(投稿者:フェイ)



「ん……っふぅ…」

少女は、くっ、と一つ伸びをして芝生へと寝転がった。
真っ青に気持ちよく晴れ上がった空に、時折鳥のような影が横切る。
彼女、アムはよく知っている。
あれは、自らと同じMAID―――そしてアムの所属する予定の、ルフトバッフェの空戦メード達だ。

「…………」

すっ、と再び横切る影。
空へ美しく残る白い筋――白い翼を持つ空戦メード達で構成された第一級戦闘小隊「白の部隊」だ。

(僕もあの中に)

手を伸ばしてみる。
直接触れられるわけではないが、それでも手を伸ばしたくなったのだ。
その、真っ白な――。

「素晴らしいな」
「…!」

横から声が聞こえ、慌てて起き上がる。
そこに立っていたのは、一人の少女。
赤い服を身にまとい、細く美しい黄金の髪を風が撫でるままにたなびかせる。
どこか不遜な、しかし見下される感覚よりも、誇らしく思えるような少女は、不適に笑ってウィンクを一つ。

(……シーア…!)
「すまんな、君。驚かせてしまったかな」

シーアは起き上がったアムの横へと腰掛ける。
そのまま、その横顔に注目するアムをちらりと見た後、空へと視線を向ける。

「あ。あの…」
「君は?」
「え? …あ、アム…です」
「アム? …ああ、確かララスン殿が言っていたな。君が新しく白の部隊に配属される…。私はシーア。想像通り、空戦メードだ」

当然、アムも聞かされていた。
通常の空戦メードに比べて三倍のスコアをたたき出すという、「赤の部隊」の隊長。
赤の箒星、レッド・バロン――シーア。

「…………」
「彼女達を見ていたのか。……いいな、彼女達は。私の翼の色とはまた違う…あれも素晴らしいものだよ。それに空もだ。そして、あの白さ」
「……好きなんですか、あの白」
「美しいものが嫌いな人がいるのかね」

確かにその通りだ、とアムは思い、再び空を見上げる。

「……綺麗な、そしていい眼をしているな」
「…そ、そうですか?」
「見えるのだろう? 彼女達が」

互いの顔を見ないままではあるが、一つ頷く。
それだけで理解してもらえたような気がして、心が通じ合った。

「…こうしていると、やはり信じられるものだな。人と人が通じ合うというのは」
「はい…貴方ともこうしてわかり合える」

また一騎、突出した空戦メードが、空に大きな弧を描く。
くるり、と宙を返ってみせた瞬間、その翼と共に、大きくスカートが翻った。
時が、止まる。



「ああ、アム………」
「………パンツが見える…!」





「何をしているお前達はああああっ!!!」





「ふ、ララスン殿。相変わらず息災そうで何より」
「お前達のお陰で胃に穴が開きそうだ…。というより何をいきなり意気投合してるお前達は!!」
「演習を眺めるには絶好のポイントだって、教えていただいたもので…」
「そうだ、演習を眺めるには、絶好のポイントだ! 誰が他の隊員達の下着をのぞけといった!!」
「ララスンさん…僕に『お前はシーアすら超えられるヤツだと思う』っていってくれたじゃないですか!!」
「どういう解釈をしたらそうなる!? そっちの意味で越えんでいい!!!」
「僕は……あの人に勝ちたい!!」
「だから勝つなといっているんだそしてシーアを指差すな!! そんな暇があるなら早めに合流して演習に参加してもらおうか!」
「ハハハ、なるほど、これは将来有望だなアム!」
「シーア……笑い事じゃないぞ…全く」
「アムの部隊参加はいいことだろう。ルフトバッフェがにぎやかになって良い」
「私の胃に対するストレスのかかり具合が倍になってくるんだがな…」
「三倍じゃないだけいいと思ってくれ」
「~~~~~っ」
「おっと、次は黒の部隊の番か…こちらも演習のはじめねばな」
「僕も戻って部隊の皆さんに挨拶をしないと」
「あ、こら! お前達、まだ話は終わってない!! 待て!!」



「………全く、手間のかかる生徒達だ!」


















「ところで、シーア」
「どうした、アム」
「……普段から赤い下着ですか?」
「…! …ふ、屈む一瞬で覗いていたとは…やるなアム。それでこそ…!」

「おまえ達は……っ!!」




おわれ







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