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毎日新聞社:英文サイト問題の経緯
毎日新聞社
2008年7月20日

英文サイト問題の経緯

 ◇不適切記事 雑誌など翻訳

 「WaiWai」コラム記事は、MDNサイト上では01年4月から08年6月まで、原則として毎日、計2561本掲載された。

 毎週金曜日に掲載された関連コラム「The Face」346本と合わせると、計2907本になる。

 元の記事は、月刊誌、一般週刊誌、写真週刊誌、男性向け週刊誌、女性向け週刊誌、夕刊紙で約30種。

 掲載した原稿は基本的に、雑誌名を示し、表紙の写真を付した上で、導入部で記事全体を要約し、第2段落以降で元の記事を紹介するというスタイルを取っていた。原稿は1本あたり600語程度で、うち6〜8割が転載だった。

 掲載された記事には「料理、獣、悪徳とその愛好者」というタイトルで異常な性的嗜好(しこう)の話を取り上げたもの(07年9月)や、「古くから伝わる米の祭りでは、お肌に効果がある洗顔クリームが評判を呼んでいる」というタイトルで日本の伝統的な祭りを性的な話題に結びつけたもの(05年12月)などが含まれていた。エクアドルやベラルーシなど外国で日本人観光客が違法ツアーに参加しているという記事(03年7月)もあった。いずれも事実の裏付けもないまま翻訳して記事化していた。

 未成年者の性に関する記事などを不適切に取り上げたり、翻訳元に掲載されている数字を算出根拠などを明確にせずに使用して誤解を招いたり、数人の女性のコメントから成り立っている雑誌の記事を「日本人女性の間で増えている」といった表現で一般化するケースも確認した。

 また、防衛政策を美少女キャラクターが登場する漫画で紹介しているという月刊誌記事を07年7月に取り上げた際、導入部の防衛省の説明に「真珠湾攻撃と南京大虐殺で世界に名を知らしめた政府省庁の後継」と加筆したケースがあった。担当記者は「美少女とのギャップを浮かび上がらせるために書いた」と語った。

 著作物の翻訳や要約については、現在、発行元の出版社と対応を協議している。

 ◇遅れた削除、閉鎖

 今年5月下旬、ネット上の掲示板に、「WaiWai」に関するスレッド(特定の話題に関する投稿集)が立ち、「内容が低俗」「日本人が海外で誤解される」といった批判が寄せられた。

 また、同30日には、「WaiWai」に取り上げられた記事をめぐり、翻訳転載された月刊誌から抗議があった。

 高橋弘司編集部長は担当記者に確認の上、同31日に批判を受けている記事を削除し、不適切な記事が多いと考え、過去記事が閲覧できないようにする措置を講じた。その後、6月2日に雑誌編集部に謝罪した。

 ただ、「WaiWai」の掲載は、毎日新聞社の週刊誌「サンデー毎日」の記事を使って継続。高橋は「紙の時代から続く名物コラムだったので、定着読者がいるという認識があり、なかなかなくすという判断をできなかった」と説明する。

 上司である長谷川篤デジタルメディア局長(当時)は「6月2日に正式な報告があり、(WaiWaiに対して)苦情が来ていることを知った。WaiWaiのことはその時まで気に留めたことはなかった」と述べた。また、磯野彰彦デジタルメディア局次長(当時)も「5月中に高橋から報告を受けた記憶はあるが、重大なことだという認識がなかった」と話す。

 この後、6月20日にネット上のニュースサイトが「WaiWai」をめぐる問題を取り上げた。デジタルメディア局は21日に「WaiWai」を閉鎖。23日に不適切な内容だったことを認める文章をMDNと日本語サイト「毎日jp」の両方に掲載した。さらに、毎日新聞とサイト上で同25日に「おわび」を、同28日には、担当記者らの処分と問題の経緯を掲載した。処分では、役員2人も対象とした。

 毎日新聞社は、了解を得ずに利用した出版社やエクアドル、ベラルーシ両大使館など迷惑をかけた関係者には説明と謝罪を続けている。

 おことわり

 「WaiWai」の掲載内容については、事実関係が不確かなうえ、読者に不快感を与えるだけでなく、雑誌発行元の出版社や記事中の関係者にご迷惑をお掛けすることになるので、詳細な説明は控えさせていただきます。

検索エンジンに反応―― 「メタタグ」に41語

 ◇外国人スタッフが指定 上司は把握せず

 MDNサイトの全ページに、検索エンジンに反応しやすいようプログラムに埋め込む「メタタグ」のキーワードが41語登録されていた。その中に「hentai(ヘンタイ)」「geisha(ゲイシャ)」「japanese girls(ジャパニーズガールズ)」という単語もあった。

 MDNの外国人スタッフが昨年8月、これらの単語をキーワードに指定して技術スタッフに伝えたメールが残っている。昨年10月の毎日新聞サイトのリニューアルに伴うものだった。この外国人スタッフは「忙しかったのでよく覚えていないが、私がつけたと思う」と証言。メタタグについても、担当者のみでやり取りがなされ、上司は把握していなかった。この外国人スタッフによると、「hentai」はここ5年ぐらい、英語圏ではアダルト系漫画・アニメを指す英単語として浸透していると解釈していた。

 また、毎日新聞の日本語サイトでは、コーナーごとに内容に応じた違うキーワードを付けているが、MDNサイトはニュースも「WaiWai」も、全コーナーのキーワードが同じだった。

 現在は、これら問題のあるキーワードは削除している。

◆WaiWai問題の経緯◆

89年10月    毎日デイリーニューズ(MDN)で、「WaiWai」の連載開始
96年10月    担当記者の試用期間開始(97年10月から特別嘱託記者)
01年 3月    MDNが休刊
    4月    MDNがウェブサイト上で再スタート、WaiWaiも再開
05年 4月    担当記者がMDN編集長に
07年10月    米国在住の読者からWaiWaiを批判するメール(英語)
08年 3月    国内の読者からWaiWaiを批判するメール(日本語)
    5月30日 月刊誌から記事の使用について抗議
     同31日 WaiWaiの一部記事を削除
    6月20日 ニュースサイトがWaiWaiの問題を取り上げる
     同21日 WaiWaiを閉鎖
     同23日 サイト上に経過説明とおわびを掲載
     同25日 本紙に経過説明とおわびを掲載
     同27日 担当記者を休職3カ月の懲戒処分。上司ら関係者も処分
     同28日 本紙に問題の経緯を掲載
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