バハムートラグーン>>1-608・688~694・738~739・785~789・873~876。2-7~15・70~74・76~77・111~118・180~183・221~223・267~269・271~276
608 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:03/11/2403:04ID:fsIsyMma俺もバハラグの感想を書こうとしたのだが、ヨヨのせいで上手く書けない…あれだけ回想シーンで主人公と相思相愛だったのに、頑張って助けたら敵国の将軍とくっつくんだもんなぁ
とりあえず、あらすじだけ。空への制覇(この世界は大地が無く、空といくつかの浮遊大陸「ラグーン」だけ)を掲げるグランベロス帝国サウザー皇帝。その圧倒的な力の前に大国カーナは滅亡の危機にあった。カーナ戦竜隊隊長クロスナイト「ビュウ」は善戦するが、世代交代が行われたばかりの竜と騎士達では勝利することはできなかった。国王は殺され、王女「ヨヨ」は「ドラグナー(神竜と語る能力)」を欲したサイザーに囚われてしまう。それから数年が過ぎ、グランベロス帝国は空の制覇を成し遂げていた。そんななか、わすれさられた辺境のラグーン孤島テードにカーナ騎士団の生きのこりを中心とした反乱軍が結成されたのである。
688名前:バハムートラグーン 世界観説明投稿日:03/11/2520:34ID:TQ4tfLe6オレルスという世界が、このゲームの舞台となる場所。空のみが無限に続き、その中にラグーンという島が点々と浮かぶ世界です。人は幾つかの大きなラグーンに国家を構え、ドラゴンを主な交通手段として生活していました。
こんな幻想的な世界においても、人は我々の世界と変わらぬ愚民揃い。例によって、国家間でつまらない戦争を繰り返していました。
戦争の際、特に重要視されたのは、ベロスというラグーンから派遣される傭兵たち。ベロスはオレルスでも高層に位置しており、空気は薄いし、大地は貧しいしで、作物は実らない、家畜は肥えない、鉱山資源も皆無の三重苦。輸出できるものと言えば、そんなサバイバルな環境で培われた国民の、頑丈な身体のみ。ベロス産の屈強な傭兵たちは各国に高額で派遣され、各地でベロス人同士の殺し合いが繰り広げられました。
そんな現状を憂いて革命を起こし、ベロスを乗っ取って皇帝に成り上がったのが、元傭兵のサウザーという男。彼によってベロス国は、グランベロス帝国に生まれ変わり、オレルスの全国家に戦争をしかけました。その動機は、戦争が二度と起きない世界を作りたかったから。「オレルス全体が一つの国になれば、もう戦争は起きない」と、サウザーは考えたのです。
689名前:バハムートラグーン 序章~4章投稿日:03/11/2520:47ID:TQ4tfLe6諸国が次々に落とされグランベロス領となる中、最後に残った国はカーナ王国。ここの王族には代々ドラグナー(召喚士のようなもん)の力が宿っており、普通のドラゴンより数段でかく力もビッグな、神竜というドラゴンを操れます。その神竜のうちの一匹が、ここカーナの守護竜バハムート。神殿で眠っているこいつが王様の力で起きれば、帝国軍も敵じゃないらしいんですが、現国王は才能がなかったらしく、いっこうに目覚めてくれません。カーナ名物の戦竜隊(調教したドラゴンと共に戦う軍隊)も、世代交代の時期だったのか人・竜共にLV1ばかりで、使い物にならない事この上なしです。結果、帝国軍に完膚無きまでにボコられ王様は死亡。その娘であるヨヨ王女は拉致されてしまいました。
僅かに残った王国軍はカーナを逃げだし、離れ小島テードにアジトを建設。各国の解放と、ヨヨの救出を目的とした反乱軍を結成しました。時は流れ、余所の国からも同志が集まり、そこそこの人数が集まった反乱軍は、元戦竜隊長のビュウを中心に、活動を開始しました。手始めに、元はカーナの戦艦だったファーレンハイトを帝国から奪還。それに乗って、緑豊かなラグーン「キャンベル」の解放へ向かいます。
690名前:バハムートラグーン 主人公とヒロイン章投稿日:03/11/2520:48ID:TQ4tfLe6ここでちょっと脱線。主人公であるビュウは、ヨヨ王女とは幼馴染みで、ちょっと甘酸っぱい思い出があります。その内容はビュウの愛竜に乗って城を抜け出し、「サラマンダー(愛竜の名)、とってもはやいね」「落ちそうで怖いからつかまっていい?」等、甘い言葉を交わしつつ、「思い出の教会」という名の教会の前に到着。「ここに二人で入ると、将来両思いになれるんだって。二人で入ってみようか?」と王女に誘われた(結局入りませんでしたが)というもの。友情以上恋愛未満の、ささやかな青春の一こまです。
ビュウ隊長の反乱軍内での立場は、リーダーとは名ばかりの雑用係で、他人の恋路の手伝いを頼まれたり、愚痴を聞かされたり、ホモジジイに尻を触られたりと、心底ストレスの溜まる職場環境なのですが、そんな苦境の中にある彼を、この思い出が支えていたのかもしれません(推定)
691名前:バハムートラグーン 5章~7章投稿日:03/11/2520:53ID:TQ4tfLe6で、キャンベルに来ていたサウザーを追って、とある森へ入っていった反乱軍が見たものは、神竜ヴァリトラ。カーナのバハムートと同じ生き物。そして、その前に立っているヨヨとサウザー。そして、サウザーの無二の親友にして忠臣、パルパレオス将軍。以下、要約するとこんな流れ。
皇帝「ドラグナーの血を引いてるんだから、これを目覚めさせて下さい」王女「無理です」皇帝「では反乱軍の所へ帰っていいですよ」王女「わかりました(皇帝に背中を向け、反乱軍の方へ)」皇帝「隙ありいっ!(王女の背中に向けて剣をバッサリ)」
ここでヨヨが斬られて死んでいればよかったんですが、そうもいきませんでした。パル公が、何故かヨヨを突き飛ばしたからです。そのおかげでサウザーの剣は宙をかすめ、ヨヨは無傷。卑怯な手に怒った反乱軍、サウザーに挑みかかるも返り討ち。ビュウがサウザーに殺されかけた瞬間、ヨヨの力が覚醒。神竜が目覚めてサウザーをたたきのめします。パル公がサウザーを抱えて、自分のドラゴンに乗って逃げた為、サウザーにとどめはさせませんでしたが、ヨヨは無事反乱軍のもとへ帰ってくることができました。……でもヨヨは何だかうかない顔をしています。神竜を操る力の覚醒に怯えているのでしょうか。そういえばさっき、皇帝のところから反乱軍のところへ歩いていく際、しきりにパル公の方をチラチラ見ていたんですがアレは何だったんでしょう。疑問に思いつつ、ひとまず安堵に胸をなで下ろす反乱軍でした。次はキャンベルの解放です。
692 名前:バハムートラグーン 7章投稿日:03/11/2520:59ID:TQ4tfLe6ヨヨが召喚できるようになった神竜ヴァリトラがバカ強だったことも手伝い、反乱軍はキャンベルを帝国から解放できました。しかし反乱軍が首都へ凱旋すると、キャンベル国民はあからさまに迷惑そうで、「帝国が怒って復讐に来たらどうしてくれる」「余計な波風立てやがって」「占領されたままの方がよかった」「解放してくれなんて頼んだ覚えはない」など、ぶちぶち文句を言うばかり。帝国に忠誠を示すべく地下牢に引きこもっているキャンベル女王も、「あなた達に話すことは何もない」と酷なリアクション。
その上ヨヨは、体内の神竜が暴れて苦しいらしくあまり相手をしてくれないし、(注:神竜の肉体は化石化しており、そこから魂だけを取り出して召喚士の心の中に間借りさせることで召喚可能になる)怒鳴るしか能のない石頭の上司は、民家を占領して商売を始め、キャンベル国民の反乱軍に対する好感度をますます下げているしで、なんだかやるせない気持ちになった(推定)ビュウ隊長。城下町で詐欺にひっかかりかけている弟分を助けたりしながら船に帰ろうとしていると、「待ってください!」突如、牢屋から出てきた女王が、『神竜の伝説』を反乱軍に教えてくれました。
693 名前:バハムートラグーン 7章投稿日:03/11/2521:00ID:TQ4tfLe6実は、ヨヨが帝国にさらわれることになったのは、この女王が原因でした。この人はヨヨの親戚で、カーナ王族の出身です。ゆえにカーナに伝わる「神竜の伝説」を知っており、それをサウザーに教えてしまっていました。伝説の内容は、「神竜の力を持つ者は新しい時代の扉を開くけど、心の弱い奴が力を持ったら空から災いが降ってくる」というもの。これを聞いたサウザーは、自分が神竜の力を手にして時代の扉を開きたくなったらしく、神竜の力を操れる、ドラグナーの血を引く者……ヨヨをさらい、手始めにキャンベルで発見された神竜ヴァリトラを目覚めさせようとここへ連れてきていたという事情です。女王が最後に、反乱軍にも「神竜の伝説」を教えてくれたのは、そんな前科からくる罪悪感に駆られた結果だった模様。反乱軍を見送った後、おのが罪状を振り返り「国民を守るためには仕方なかった」と苦悩しつつ、また牢屋へひきこもりに行く女王なのでした。
694 名前:バハムートラグーン 7章投稿日:03/11/2521:03ID:TQ4tfLe6一方、ノストラダムスのアンゴルモア大王降臨予告並に抽象的な「神竜の伝説」の読解に頭を痛めつつ(推定)ビュウ隊長が船に帰ると、先ほど詐欺にひっかかりかけていた弟分ビッケバッケが、船内で怪しい毒茸を養殖栽培していました。どうやら、先日立ち寄ったヴァリトラの森でこの毒茸を拾ったようです。
ビッケバッケはビュウの舎弟トリオのうちの1人で、残る二人の名はラッシュ&トゥルース。三人は、元はカーナの下町で珍走していた宿無しDQNトリオで、今でこそビュウに拾われ、カーナのナイトとして更正したものの、戦争が終わったら帰る家がありません。「茸を売って、お金を貯めて、三人で一緒に住める家を買いたい」と健気なことを言うビッケバッケ。「そんな毒茸、誰も買わないから金貯まらないよ絶対」という酷な真実を告げることができなかった兄貴分ビュウは、弟分の為、大量に茸を買い込んではせっせとドラゴンの餌にすることになります。
738名前:バハムートラグーン 8~11章投稿日:03/11/2619:25ID:w42MY7/x帝国の放った竜の群れに襲われたりしながらも、反乱軍が次についたラグーンは、水の国マハール。ここで活躍する仲間が、元マハール騎士団隊長のタイチョー(本名)さん。彼はここマハールで、かつて自分の妻を殺したケフカもどきの帝国将軍を倒して敵討ちを果たしたり、虹のかかる橋でその妻の霊に再開したりするのですが、どんなにシリアスな場面でも、彼の名前が気になって微妙に感動しきれない(推定)ビュウ隊長。というか、タイチョーの陰に隠れて完全に目立たないビュウ隊長(一応主人公)が不憫でなりません。
マハールはキャンベルに比べ、わりと帝国に反発している国風らしく、何人かのマハール戦士が反乱軍に入ってくれたりもしました。それはいいんですが、そうやって仲間に入った奴の中に好色一代男が1人いて、こいつがレーシングラグーンに匹敵する臭い台詞を連発しながらナンパや覗きに精を出すせいで、反乱軍からはタダでさえあってないような緊迫感が更に失せました。なぜにこんな連中ばかり仲間になるのでしょう。ビュウ隊長の心労は増えるばかりです。ともあれケフカもどきを追い出し、マハールを解放。反乱軍一行は民家に一泊しました。
739 名前:バハムートラグーン 11章投稿日:03/11/2619:41ID:w42MY7/xそして朝。目覚めたら、仲間(性別男)と何故か同じベッドで寝ていたビュウ隊長。この仲間の名前はグンソー(本名)。彼は名前の通り、タイチョーの部下で、インキンか何かに感染しているのか、常に身体をボリボリ掻いています。自分もインキンをうつされてやしないかと、軽く鬱が入った(推定)ビュウ隊長が外に出ると、近所の池では、先述の好色一代男が、覗きの最中に足を滑らせて溺れていたり、タコ釣りをしていたビッケバッケに間違って釣り上げられていたり、昨晩ヨヨに酒を飲ましてナニしようとした前科で仲間に怒られたりしています。
さて帝国を追い払った反乱軍。出発の前に、マハール湖底にある神殿に寄り道していくことになりました。昨夜ヨヨ王女が、夢の中でその神殿から神竜のメッセージを受信したからです。
神殿で二匹目の神竜リヴァイアサンを目覚めさせたヨヨ。「神竜達は怒っている。悲しんでいる。わからない」そんなことを語るヨヨ。ひとまず「神竜達の心も人間のそれと同じなんだ」という結論を出して、反乱軍はマハールを発ちます。
785名前:バハムートラグーン 帝国側の動向投稿日:03/11/2720:24ID:jr6gNg6hさて、神竜の力を得る鍵であるヨヨを反乱軍にとられてしまったサウザー。しかし彼は、以前から神竜を護衛している魔物達と通じていました。彼等の力で、サウザーはヨヨを用いず、自らが神竜の力を得ようとします。
この関係は、魔物の側からもちかけられたもののようです。「神竜の力を知る者 新たなる時代の扉を開く 心弱き者 天空より災いを招く」神竜を守る魔物達も、この伝説で言われる「新たなる時代の扉」を開きたがっていました。とはいえ自分達は魔物だから神竜の力を得られない。ドラグナーの子孫ヨヨも、どうも「心弱き者」っぽくてアテにならない。そこで、ちょうど神竜の力を欲しがっており、心も強そうなサウザーに取引をもちかけたのです。神竜の心を見せてやるから、時代の扉を開いてくれ、と。
恐らくこの取引を最終手段に確保していたからこそ、サウザーはあっさりとヨヨを手放したのでしょう。パル公の居ぬ間に、こっそりベッドから這い出るサウザー。(彼はキャンベルでヴァリトラにのされて以来ベッドに寝たきりでした)魔物達のもとへ向かいます。
786名前:バハムートラグーン 帝国側の動向投稿日:03/11/2720:31ID:jr6gNg6h今回ターゲットとなった神竜は、グランベロス内に秘密裏に保護されている神竜ヒューベリオン。魔物達の力で、サウザーはこの竜の心を覗きます。が、ヴァリトラやリヴァイアサンと同様、こいつの心にも怒りや憎しみが渦巻いていました。なんか魔物に護衛されてる所といい、怒りや憎しみや悲しみしか頭にないらしい所といい、神竜どもは神というより悪魔に近い気がしますがどうなんでしょう。このヒューベリオンも紫色のサソリがニタニタ笑っているようなキモイ外見で、ちっとも神っぽくないですし。
小一時間後パル公に発見・保護されたサウザーは、一命は取り留めたものの意識不明の重体でした。ヴァリトラの力で弱っていた心身が、更にヒューベリオンの激情に晒された結果です。ちなみに現在サウザーの直属の部下のほとんどは、サウザーを殺し自分が皇帝になろうと企む男グドルフ氏の派閥に入っており、上っ面で忠誠を装いつつも、内心はサウザーが倒れたことにほくほく顔。ただでさえ反乱軍のせいで乱れている帝国の秩序は、指導者を失い更なる混乱の渦に。なお魔物はサウザーを見捨てて逃げた模様。神竜の心を受け止められない奴は心弱き者だから、彼等にとって用は無いらしいです。
787名前:バハムートラグーン 帝国側の動向投稿日:03/11/2720:32ID:jr6gNg6hしかしここまでして神竜の力を得ようとして、サウザーは何がしたかったんでしょうか。反乱軍が動きだす以前、オレルス全体が帝国だった頃は、「神竜の力が後ろ盾になれば、自分が作ったオレルスの平和は確固たるものになる」と考え、神竜の力を欲していたのかもしれません。反乱軍が活動している今現在は、「反乱軍がヨヨの神竜召喚を得た今、対抗できるのは同じ神竜の力だけ」と考え、取引に出たのかもしれません。が、これまでの口ぶりから察すると、どうもそういった動機は後付のようです。単にサウザーという男は、ロマンと聞くと追わずにいられない性分で、オレルス統一という夢を果たしたら、今度は神竜の伝説が気になりだした模様。それは別にいいんですが、反乱軍の活動も盛んで自国の秩序が乱れつつある昨今、一国の主として、もう少し己の健康状態を顧みて行動できないものでしょうか。皇帝代理として仕事に追われるパル公が不憫です。
788 名前:バハムートラグーン 12章投稿日:03/11/2720:36ID:jr6gNg6h場所は変わって反乱軍旗艦ファーレンハイト。石頭の上司マテライトの提案で、ビュウは帝国にスパイを送ることに。スパイ候補を何人か連れてきておいて、誰を送るかの選べとビュウに言います。「スパイ候補の諸君!もし選ばれても、恨むならビュウを恨むように……」……どうやら憎まれ役になるのが嫌だった模様。昔も今も、ヨヨとのふれあいをこいつに邪魔されっぱなしのビュウ隊長は、以前(>692参照)キャンベルの民家にてこいつのサイン入り武器防具を押し売りされた恨みも手伝って(推定)スパイ候補達をさしおいて「マテライト、お前が行け」と命令。(ここは選択肢になっており他のスパイ候補も選べますが、全ルートを紹介すると長くなる為割愛)
しかしマテライトはこれを拒否し、普段パシリに使っているタイチョーを代打に指名。かくてドラゴンに乗って、帝国へ特攻させられるタイチョー。彼の死んだ奥さんは草場の影で泣いてないのでしょうか。
789 名前:バハムートラグーン 12章投稿日:03/11/2720:39ID:jr6gNg6hさて、首尾良く帝国に潜入したタイチョーが帰還。サウザー派とグドルフ派による帝国の内部分裂、サウザーが神竜の心を知ったことなど、帝国で得た情報を語ります。取引の事実を知らない反乱軍は「ヨヨもいないのにどうやって神竜の心を?」と首をかしげますが、空飛ぶアンモナイト(帝国の生物兵器)がタイチョーを尾行してやってきたので、考える暇もなく戦闘に。
ちなみに戦闘後、タイチョーはビュウとヨヨだけに、パル公からの伝言をこっそり教えてくれます。パル公は彼をスパイと見抜きつつも気づかぬふりをして、ヨヨへの伝言を託した模様。
「お前が旅先でヨヨに会ったら伝えてくれ、私はお前を忘れる、と……。」 byパル公ビュウ隊長の心に、黒い疑惑の雲が広がるのでした。
873名前:バハムートラグーン 14~15章投稿日:03/11/2919:36ID:HNuQNRgl次なる解放先へ向け飛び続けるファーレンハイト。あくる夜、男部屋で、ビュウの舎弟のラッシュ&トゥルースが寝付けずに話し合っています。実は二人は、先日立ち寄ったマハールの奔放快活な国風に衝撃を受け、感情豊かなマハールの民と、幼い頃から戦うことしか知らなかった自分達との落差に、漠然と劣等感を感じていたのでした。「自分たちは自由が欲しいのかもしれない……」修学旅行生の夜の告白会のごとき会話が繰り広げられるそのすぐ近くでは、タイチョー(マハール出身)とインキン野郎のグンソー(一応マハール出身)が、何故か、1 つ の ベ ッ ド で 寝 て ま す 。こんな人等に劣等感を抱く必要はないと思うのですが、なにぶんラッシュとトゥルースは思春期なので仕方ありません。
そんな青春を乗せて、ファーレンハイトは魔法王国ゴドラントに到着。ここは夜が長いという地域的特徴から、魔法文化が他ラグーンに比べ進んでおり、その維持のため、帝国からも自治を認められています。しかし優秀なウィザードやプリーストは帝国との戦争で死に絶え、帝国に反発する精力も勢力も残っておりません。そんなゴドラントにかわって反乱軍は死霊を操る帝国の魔女を追い払い、見事解放しました。
874名前:バハムートラグーン 14~15章投稿日:03/11/2919:39ID:HNuQNRglゴドラントの街に入るとなかなかの活気。ビュウ隊長も、顕微鏡の押し売りに間違えられたりしながらも、(聞き込み先の民家で仲間の好色男が「僕は君の心を、顕微鏡を覗くが如く透かし見ることができる」とかなんとかややこしい口説き文句で話に割り込んできたせい)そこそこの歓迎を受けます。しかしドラゴンを連れて来た途端、町民達は家にこもって出てこなくなってしまいました。「ドラゴンこわいよ~」「ドラゴンくさいよ~」と、家の奥から聞こえる悲鳴。ドラゴンは、カーナ以外のラグーンではそんなに見慣れられた生き物ではないので当然といえば当然のリアクションなんですが、そうと判っていてもやや凹む(推定)ビュウ隊長。
ふと見れば、船に何匹かいるプチデビル(死神の一種。あまりロクな性格をしていない)が、この街で別勢力と合流して、なおも増殖しています。「我々も死を運ぶ船(ファーレンハイトのことらしい)に乗るのだ!」と騒ぐ、新入りのプチデビ達。連中は死神なので、“死”に身近な場所に移動したがる習性があるのでしょう。自分達が戦争をしていて、まぎれもない殺人を犯しているのだと、こんな所で実感させられる反乱軍なのでした。町人は、厄介者のプチデビを連れて行って反乱軍を有り難がっていますが、反乱軍がそろそろ駄目人間引き取り所というか社会の掃き溜めと化しつつある気もしてきてビュウ隊長の心中は複雑だったかもしれません。
875名前:↑ 13~14章の間違いでした投稿日:03/11/2919:42ID:HNuQNRgl反乱軍がここで出会ったのは、プチデビだけではありません。死んだと思っていたカーナ騎士団の1人とも、期せずして再開できました。彼女は帝国軍の将軍に助けられ一命をとりとめ、ここへ渡ってきていたとのこと。「私を助けたのは……グランベロス名将、サスァ・パルパレオス」パル公は敵方の女性まで助ける紳士で、かつフルネームが微妙なことが判明。この女性も騎士団時代はまともっぽかったんですが、ファーレンハイトに来てからは本性が出たのか、ベッドの中でブツブツと「小娘(注:ヨヨのこと)め……」と呟く怖い人になるんですが、そんなことをこの時点では知るよしもなく、真人間の仲間が増えたと喜ぶ(推定)ビュウ隊長。
876名前:バハムートラグーン 13~14章投稿日:03/11/2919:45ID:HNuQNRglひとしきり再開を喜んだあと、ゴドラントのことわざジジイから、神竜に関する情報を入手する反乱軍。「鳥の姿を借りた竜 この地に眠る 怒りに溢れる鳥の竜 決して起こしてはならぬ」言い伝えによると今度の神竜も怒ってばかりいるようで、神竜は本当に、こんな連中しかいないんでしょうか。ともあれこの竜のいる洞窟へ向けて出撃。護衛の魔物を倒し、神竜を発見。この竜の名前はガルーダ。鳥の竜というか、どこからどう見ても、言い逃れようもない鳥です。爬虫類と鳥類は近いといいますが、これはいくらなんでも無理があると思う(推定)ビュウ隊長をよそに、ヨヨは交信して、ガルーダの精神を自分の中に。しかし2匹の神竜の怒りだけでも相当に苦しんできたヨヨは、ガルーダの怒りと憎しみに耐えきれず、「貴方達は何をそんなに怒っているの」と、反乱軍の総意を代表する質問を残して気絶してしまいます。帝国のサウザーのように。一行は、急いでファーレンハイトへ戻ることに。
7 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:07ID:wg+aV/PQテストでしばらく来れなくなるので、ちょっとまとめて書きます。前スレは容量オーバーだったので、こちらで。
サウザーから「ダフィラにも神竜がいるから来い。決着をつけよう」という手紙が来ました。時は真夜中。雷雲の中を通り、砂漠のラグーン、ダフィラへ向かうファーレンハイト。サウザーの手紙を前に、物思いにふける男が一人。この船のパイロット、ホーネットです。「クールで強くて長髪」という人気キャラ三原則を満たし、女受け良好な彼。しかし運悪くストーカー気質の女に好かれており、今宵もその女に物陰から監視されながら、真っ暗な船内のバーで1人、グラスを傾けていました。このバーは女部屋にあるんですが、何故かホーネットはお構いなしです。「神竜の怒りで倒れちまったんだ……ヨヨ王女は……神竜よ……なぜ苦しめる……何が憎いのだ……全てがか……」まさかストーカーに見られているとも知らず、真夜中の女部屋で『……』の多いポエムを展開する、変質者スレスレのホーネット。ポエムは白熱し、彼の過去に及びます。彼は元グランベロス傭兵でサウザーの戦友でした。ひとかどの剣士でありながら争いを嫌い、パイロットに転職したのです。その腕前はかつてのサウザーに「この空を統一する為にはお前の剣が必要」と協力を頼まれたほど。それを「空は誰の物にもならない」とポエムで拒否したホーネットは、親友と道を分かち今日に至っているのでした。
8 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:08 ID:wg+aV/PQ雷雲を抜けダフィラへ着いたものの、ヨヨは容態が悪く面会謝絶状態。「ヨヨ様のお部屋から苦しげな声がする」と、心配する仲間もいます。そんな病人を戦場へ出せる筈もなく、反乱軍はヨヨを欠いたまま帝国軍の前に。かつてヨヨと同じ病に倒れたサウザーが、そこにいました。ついでにパル公も。「いないのか?ヨヨ……」……なぜかパル公は残念そうです。砂嵐に苦戦しながら、砂漠の中で戦う反乱軍。言い忘れていましたが、反乱軍にはヨヨ以外にもう1人、神竜を呼べる人がいます。元カーナ参謀センダック。ビュウのケツをさわった挙げ句に「まろやか……」と感想を述べる乙女ジジイですが、性癖はアレでも魔導師として優秀なので、電波を傍受するようにしてヨヨの中の神竜を召喚できます。ヨヨはいないものの、彼が呼んだ新たな神竜(つか鳥)ガルーダの攻撃範囲は反則的に広く、ばたばた死んでゆく帝国軍。サウザーも病み上がりというかまだ病んでいてヘボです。サウザーとパルパレオスを追い払い、無事ダフィラ解放。
9 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:09 ID:wg+aV/PQ肝心の神竜の居場所を、サウザーは教えてくれませんでした。石頭の上司マテライトは、ビュウ達にその情報収集をまかせて、一足先にヨヨの様子を見にファーレンハイトに帰ってしまいます。「自分達だってヨヨ様の容態が気になるのに」とぶーたれる下っ端たち。このマテライトは元カーナ騎士で、今も昔もビュウの上司です。ヨヨを幼少時から守り続け、本当の娘のように溺愛しており、今回のように、ヨヨ以外の事柄をよくないがしろにします。また典型的な旧世代思考の持ち主で、若い衆に疎まれてばかりの頑固爺さんです。それが原因となってこの後また騒動が起きるのですが、ある意味その引き金となったのが、これからダフィラで起こる「革命」でした。
ダフィラ王都で情報収集するビュウ隊長。手がかりは見つかりません。町中で新聞を買ってみます……グンソーのインキンが悪化したことが書かれていました。こんなものに載るほど奴の病は深刻なのでしょうか。そんなどうでもいいニュースの数々の中、一つビュウ隊長の目にとまった記事が。「ビッケバッケの茸屋、バイトの店員が売り上げ盗み逃亡」彼には強く生きてほしいものです。
さて、いま王都では、町中の女性という女性が王宮へ強制連行されていました。スケベなダフィラ王は解放されるやいなや、さっそく帝国から禁止されていたハーレムを復活させたのです。嘆き悲しむ残された家族達の住居は粗末で、生活は苦しそうです。ダフィラは豊かな地下資源を輸出して生計をたてていたのですが、近年はそれが枯渇し国が貧しく、そのしわ寄せが全て平民へ来ているのでしょう。
10 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:10 ID:wg+aV/PQそんな荒廃したダフィラですが、平民もさすがに堪忍袋の緒が切れたらしく、街には密かにレジスタンスが潜んでいました。百戦錬磨の反乱軍戦士を味方につけようと、ビュウ達にも勧誘がやって来ます。「たった一晩でモテモテ男に!!自由革命団メンバー募集中。合言葉は『ボクも今日からモテモテ!!』」風俗店のチラシか、ライスチャームブレスレットの広告なみに胡散臭いです。ビュウの舎弟トリオ、ラッシュとトゥルースは割と乗り気ですが、ビッケバッケはダフィラの建築様式を見ることに夢中で、それどころじゃありません。「お金も貯まってきたし、そろそろどんな家にするか考えてる」……売り上げを持ち逃げされたことに、まだ気づいていないようです。ビッケバッケの前途を案じつつ(推定)革命団アジトのノレンをくぐるビュウ隊長。ただでさえ暑苦しい気候なのに男ばかりぎっしりいます。ムサいです。しかも「モテない」「モテたい」と叫ぶ男ばかり。ムサすぎます。革命したいのかモテたいのかどっちなんだお前等と呆れる(推定)ビュウ隊長に、革命団が「我々にはリーダーがいない。お前がなってくれ」と頼んできました。
11 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:12 ID:wg+aV/PQとんだ他力本願野郎どもですが、これを引き受けるビュウ隊長。帝国だけ追い払って事後処理無しに逃げるのも無責任だし、なによりビュウにとってダフィラ王には、身近な恨みが数点ありました。
1 これまで行く先々に着いてきて反乱軍を助けてくれた旅のアイテム屋、 「戦場を駆ける商人」の奥さんが新婚早々ハーレムに拉致されていた。2 ダフィラ王はスケベジジイの分際で今亡きカーナ王のコスプレをしている (ビュウは元カーナ騎士)3 仲間の好色一代男が宮殿に「ハーレムに入れてくれ」と要請しており、 その為の賄賂がビュウの金で払われようとしていた。
3つ目は逆恨みに近い気もしますが、とにかくビュウの指示のもと、その日の夜に革命決行。王様は亡命しダフィラは自由国家に。さっそく王宮で歓迎の宴が夜通し開かれました。ハーレムに連れて行かれた若い女たちと、モテたいと騒ぐ革命軍が化学反応を起こし、色々とアレなこともあったのでしょう。そのどさくさに紛れ、ラッシュ&トゥルースがめでたく童貞喪失しました。……二人より見た目中身共に幼いビッケバッケが、既に非童貞だった事も判明しました。ビュウ隊長の驚愕はいかばかりだったでしょう。とりあえずダフィラ王家の古文書に神竜の居場所が書いてあったので、これを失敬します。
12 バハムートラグーン 15章 sage 03/12/01 14:13 ID:wg+aV/PQ革命が起きた次の朝、ファーレンハイトでヨヨが目覚めます。夢の中でダフィラの神竜からのメッセージを受信したのです。しかしマテライト達にパル公が倒されたことを聞かされ、何故か慌てるヨヨ。何故か悲しむヨヨ。しかしガルーダにパル公の幻覚を見せられ、説き伏せられ、ひとまず安心するヨヨ。
そんなヨヨを連れてマテライトが、ダフィラ首都に泊まっていたビュウ達と合流します。昨晩、自分たちの手によって変えた歴史(+童貞喪失)に興奮したトゥルースが、ダフィラで昨日革命が起きたことを語ろうとするものの、マテライトは「そんなことはどうでもいい。神竜はどこじゃ」と一蹴。思春期と反抗期の真っ只中にいるらしいラッシュはマジギレ寸前ですが、ビッケバッケだけは興味がない模様。内心、家を買う算段を進めていてそれどころじゃないのでしょう。
微妙に人間関係を軋ませつつ神殿に行き、魔物を倒す反乱軍。4匹目の神竜、地竜ユルムンガルドを目覚めさせます。自分を含め通算4匹の神竜を得たヨヨをドラグナーとして認めたのか、ユルムンガルドは神竜の過去をちょっとだけ話してくれます。彼によると、大昔、神竜はお互いにいがみあって戦争をしていたとのこと。しかし詳細は不明。とりあえず反乱軍はファーレンハイトに戻りました。
13 バハムートラグーン 17章 sage 03/12/01 14:15 ID:wg+aV/PQ↑すいません 12は16章の間違いでした
新たな神竜を受け入れ、なおも心身の負担が増したヨヨ。彼女の中では、第一回神竜会議が開催されていました。「『時代の扉』を開こう」と一人先走るユルムンガルドに、他神竜が質問しています。
Q なんでそんなに焦るの?(ガルーダ)A いいかげんヨヨが死にそうだからです(ユル)Q 他の神竜が揃わないと無理でしょ?(ヴァリトラ)A やったこともないのに無理とか言うな(ユル)Q バハムートがいないと自分たちの前科を償えないんじゃ?(リヴァイアサン)A そういうのは扉開いてからでいいじゃん(ユル)
心中でこんな会議された挙げ句「ドラグナーとして何か足りない」と勝手な評価まで下されたヨヨですが、依然として寝込んでいて、反論する気力もなさげです。そんなヨヨを心配げに見守るマテライトの所に、ラッシュからの伝言が。「お前なんかに任せてられない。俺達が反乱軍のリーダーになる」という勇ましい内容ですが、伝言役が「まにょー」とか「もにょー」とかしか喋れないプチデビルだったので、ちっとも伝わりませんでした。
14 バハムートラグーン 17章 sage 03/12/01 14:17 ID:wg+aV/PQ先日ダフィラで起こした革命にいたく感銘を受けたラッシュとトゥルースは、どうやら、反乱軍でも革命を起こしたくなったらしいです。で、反乱軍の実質的なリーダーであるビュウは、舎弟に下克上を起こされ、身柄を拘束されてしまいました。舎弟トリオの中で、ビッケバッケ一人が革命には無関心です。人間不信に陥っている最中で、それどころじゃないからです。ビッケバッケが商売をしていたことも、その目的が自分たちの家を買うためだということも、売り上げを盗まれ悲しんでいることもつゆ知らず、革命だと騒ぐラッシュ。普段ビュウがやっている雑用を代行してはしゃいでいます。すぐ横ではプチデビ達がリーダー格のプチデビをボコにして「革命ごっこ」と遊んでますが、ラッシュの行動は、なんかこれと大差ない気がしないでもありません。怒ったマテライトがラッシュ達のいる部屋へ来ますが、その刹那、ファーレンハイトが大揺れします。見るとオレルスの空が真っ二つに割れ、黒い亀裂が。これこそが伝説で語られる「新たなる時代の扉」の正体。ユルムンガルド達が力を合わせ、いま開こうとしているのです。衝撃で甲板へ放り出され、船から落ちそうになるラッシュ達を、マテライトが救出。ようやく双方和解しますが、亀裂から魔物が湧いてきて襲ってきたので、ゆっくり話す暇はありませんでした。
15 バハムートラグーン 17章 sage 03/12/01 14:21 ID:wg+aV/PQ亀裂から来た魔物は概して人に似ており、オレルスの魔物とは異質な雰囲気です。無責任なことに、これを呼んだ神竜たちにもこれらの正体が判らないとのこと。ことあるごとに自爆したがる神風特攻隊のようなこいつらと戦う反乱軍ですが、困った事に新しい神竜ユルムンガルドがちっとも役に立ちません。攻撃範囲は狭いし、地震で攻撃するから空飛んでる敵には無力だし、威力も半端です。なのにきっかり人の心身には負担をかけるんだから、ヨヨにとっては迷惑以外の何者でもなかったことでしょう。魔物を退けると、やはり4匹だけでは無理があったのか、それとも4匹が魔物に戸惑ったのか、扉は閉じ、空に平和が戻りました。しかしいくらかの魔物が、ファーレンハイトだけでなくオレルス各地に散らばったようです。
その頃、サウザーとパル公も、グランベロスから空の異変を見ていました。余命いくばくもないと自分でも悟り始めたサウザーは、パル公に最後の指示を下します。反乱軍と合流して、共に戦えと。「守ってやれ……お前の大切な女を」ちょっと待てや、おい。と、この場にビュウ隊長がいたら思ったかもしれません。
70 バハムートラグーン 17~18章 sage03/12/0413:41ID:R4LuBC6o戦争のないオレルスを作りたかったサウザー。しかし、自分を見舞いに来た子どもの言葉が思い浮かびます。「帝国の為に命を賭して戦う」と。自分は結局、戦争の連鎖しか、オレルスにもたらすことができなかったのだと悟った彼。パル公を見送った後、空を仰ぎ見ます。「空よ……空の光よ……お前に闇の深さが判るか……私は闇……そこにいる……闇の奥底に……」ホーネットと同じタイプのポエムです。類は友を呼ぶんでしょうか。これより、反乱軍の敵は帝国から、空の魔物へと徐々にシフトしていくことになります。
「心弱き者」のまねく「天空からの災い」である、各地に散らばった魔物たち。その調査の為、ドラゴンを偵察に出し、その帰りを待つファーレンハイト。その中で、いつものことですが、ビュウ隊長は困っていました。まず第一に、ダフィラで雇った暗殺者コンビのこと。この二人、元はダフィラ革命団に雇われていました。革命が終わったらプーになるというので、ビュウが反乱軍に拾ってあげたのですが、片方は、船内に殺した相手の墓をせっせとたてていて、たいへん通行の邪魔です。もう片方は、暗殺者のくせに母親へ手紙と仕送りを欠かさない孝行息子なのですが、友達ができないことを悩み、部屋の隅で1人笑顔の練習をしていて不気味です。また変なのを入れてしまったと後悔する(推定)ビュウ隊長。次に、弟分ビッケバッケが金を稼ぐ為、エロ本屋に手を染めてしまったこと。エロ本は茸より高いし、ドラゴンのエサとしても有効な為、自分が買ってやることでの彼への協力も容易になったのですが、エロ本を大量購入する自分の姿は傍目に見てどうなんだろうと悩む(推定)ビュウ隊長。悩んでいるうちにドラゴンが帰ってきて、空の偵察の結果を告げます。
71 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/04 13:42 ID:R4LuBC6o調査の結果によると、彼とヨヨの思い出の場所、その名もずばり「思い出の教会」が魔物に襲われているとのこと。教会を守ってくれ、と、ビュウに願うヨヨ。「沢山の恋人達の思い出があそこにあるの……」「私達も……そうだったね」そう。あの思い出を、魔物に汚されるわけにはいきません。それでなくても思い出の教会はカーナの由緒ある建築物。さっそく反乱軍は出撃します。
しかしヨヨは内心で、ある日の出来事を回想していました。実は彼女、ビュウ以外にもう1人、他の男とあの教会を訪れていたのです。
72 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/04 13:43 ID:R4LuBC6o検証……ヨヨの甘酸っぱい恋の思い出くらべ
対象A ビュウ(カーナ王女時代に幼馴染みだった)対象B パル公(グランベロス捕虜時代に知り合う)
場面1 ドラゴンの上で Aの場合マテライトの追跡を振り切り、ドラゴンに乗る二人。ヨヨ「サラマンダー、とっても速いね!!」「ねえビュウ……もっと強く捕まってもいい?」
場面1 ドラゴンの上で Bの場合パル公「サウザー皇帝から外出許可が降りました。行きましょう」ヨヨ「(パル公のドラゴンに対し)サラマンダーより、ずっと速い!!」パル公「ヨヨ王女……そんなに捕まらなくても……」ヨヨ「ねえ、お願い。王女なんて呼ぶのはやめて……」
場面2 教会到着 Aの場合ヨヨ「この教会を二人きりで訪れた男と女は、将来必ず結ばれるんだって……二人で入ってみる?」「ウフフ……うそ……まだ早いよね……私達……」「でも大人になって、その時も私が今と同じ気持ちで思い出の教会に誘ったら、また一緒に来てくれる?」「……嘘でもいいから、約束して」
場面2 教会到着 Bの場合パル公「ここが思い出の場所なのか、ヨヨ」ヨヨ「ううん……思い出の場所なんかじゃない」「だって私達……これから始まるんですもの」(教会に入って行く二人)
73 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/04 13:45 ID:R4LuBC6oカーナへやってきたビュウと反乱軍。魔物に包囲された思い出の教会には、なぜかパル公が。なぜかたった1人で、魔物達と闘っています。なぜか教会を守る為に。ビュウ隊長はその理由も知らず、一緒に魔物と闘います。戦いの末、魔物の群れのボスを撃破。ボスは「アルタイルへ来い」と、聞き慣れぬ地名を残して死にました。
無事死守した思い出の教会へ反乱軍は行きます。そこには、精魂尽き果て倒れているパル公が。それに駆け寄るヨヨ。「ビュウと話がしたい。先に中で待っていてくれ」とパル公はヨヨに言います。「(パル公は)私の大切な人なの」と言い残し、教会の中へ入っていくヨヨ。「肩をかしてくれ」と、ビュウに協力を願い出るパル公。何が悲しくて自分の女を寝取った男に肩を貸して、その寝取られた女のとこへ連れていかにゃならんのだ、と、ビュウ隊長が思ったか思わなかったかは定かでありません。ともかく男二人も教会の中へ。
74 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/04 13:47 ID:R4LuBC6o「ビュウ、判るか? 失って初めて気づくものがある……。俺は1人の人を失った……忘れられなかった……だからこの教会に戻ってきた……止まった時を再び動かす為に……」こいつもポエムでした。ホーネットといいサウザーといい、類が友を呼んだのか、朱に交わって赤くなったのか。どっちなんでしょう。ポエムで横取り宣言を長々と続けるパル公に肩を貸し、ヨヨの元へ連れて行くビュウ。やがて教会の最奥、夕陽が透ける美しいステンドグラスの前に、ヨヨが立っています。ビュウの肩を離れ、ヨヨのもとへ歩いていくパル公。この時点で、パル公のポエムだけでも既にビュウには相当なダメージなんですが、傷口に塩を塗るようにヨヨまでが寝取られ宣言をします。ポエムで。
76 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/0413:56ID:R4LuBC6o「今までありがとうビュウ。でも子供の頃にはもう戻れないの。でもきっとそれはいい事なの。ビュウにとっても私にとっても」ポエムはいいから、パル公とくっつくに至った経緯を納得いくよう具体的に話していただきたいものです。
「今は判らなくてもきっと判る時が来るわ。ねぇビュウ。大人になるって悲しい事なの。誰かを傷つけ何かを失い……それに気づかなくなってしまう。段々と慣れていってしまう。明日が見えないっていうわ……でも本当に見えないのは自分の事……」ポエムはいいから(略
「見えるようになるのは何かしら……人の気持ち……思い……だから優しくなれる……誰かの為に……優しくなれる……」ポ(略
頬を赤らめて、祭壇へと歩いてゆくヨヨ。パル公と一緒に、恐らくはかつて、二人でここへ来た時のように。ステンドグラスの下、夕陽に照らされる一対の美男美女。それを背にして、教会を出るビュウ隊長。……もう一度、教会の中に入ってみるビュウ隊長。
グレイト。パル公とヨヨが世界一ピュアなキスをしていました。ティーダとユウナにも負けません。
77 バハムートラグーン 18章 sage 03/12/04 14:00 ID:R4LuBC6o大人になって誰かの為に優しくなれるようになったヨヨは、さしあたってパル公に優しくするようでした。少しでいいから、その十分の一でいいから、ビュウにも優しくしてもらいたいです。よりにもよって、かつての思い出の場所で、新しい男と力を合わせてフるなんてあんまりじゃないでしょうか。
余談。これを書いている自分は、バハムートラグーンを中古で購入したんですが、前の持ち主のデータは、ここ18章で止まっていました。悲しい実話です。
111 バハムートラグーン 19章 sage03/12/0515:03ID:WvGU3Cj7敵将軍パルパレオス突然の加入。しかも何故かヨヨと恋仲。何がどうなっているのかと混乱したまま、教会付近のカーナ城に身を寄せる反乱軍一行。マテライトは特に凹んでいます。大事なヨヨ様がビュウならまだしも、よりによってパル公の手に渡ったからです。彼に対してタイチョーが「戦争とは何か」という議題で大演説をぶっていると、カーナ駐屯の帝国軍がやってきて、城の周りをあっという間に包囲してしまいました。帝国が占領しているラグーンも、今やこのカーナだけ。反乱軍最後の戦いです。
ところでホモジジイのセンダックは、神竜の力だけでなく怒りまでもヨヨから傍受してしまいます。これまではさほどでもなかったのですが、今になって何故か受信感度が上がってしまったらしく、城壁のすきまでブルブルしています。「姫が幸せになったから……?神竜がわしのところに出てくるの。ジジイ……ジジイ……心弱きジジイ……って、わしをいたぶるの……」どうやらヨヨ王女は、神竜の激情に対抗しうる心の強さを徐々に身につけつつあるようです。多分パル公とのラブパワーによる結果でしょう。とばっちり食ったジジイも気の毒ですが、ビュウはもっと気の毒です。
112 バハムートラグーン 19章 sage 03/12/05 15:04 ID:WvGU3Cj7「各個撃破で戦線を張る!!私の指示通りにすれば勝てる!!」勝手に反乱軍の指揮系統を握っているパル公に若干の殺意を抱きつつ(推定)出撃するビュウ隊長。敵のボスは反サウザー派の悪徳政治家グドルフでした。サウザーは既に衰弱しきっているし、サウザー派の主力であるパル公はこちらに寝返ってしまったので、彼を邪魔だてするものはいなくなり、着々と権力を握りつつあるようです。こいつを殺せはしなかったものの追い払い、カーナからも帝国軍は消えました。キャンベル、マハール、ゴドラント、ダフィラ、そしてここカーナ。いまオレルスの全ての国が、グランベロス帝国から開放されたのです。おりしもドラゴン達が発情期に入ったので、カップルを一組つくり交配させるビュウ隊長。カーナ再興記念日はオレルス解放記念日であり、ドラゴン夫婦の結婚記念日にもなったのでした。その祝宴が、カーナ城で開かれます。
113 バハムートラグーン 19章 sage 03/12/05 15:07 ID:WvGU3Cj7ところでマテライトは以前、自分のサイン入り武器防具を売りさばいていましたが、あれは実は、カーナ城の修繕費を貯める為でした。由緒あるカーナ城は、帝国に滅ぼされた際、破壊されてボロボロになってしまっていたのです。大事なヨヨ様が即位する日に備え、その城を直すべくマテライトは懸命に金を貯め…………の筈だったんですが、何故かマテライトが直すまでもなく、城は新築同然の状態にリフォームされていました。なんでも昔、帝国がパル公の指揮のもと修繕しておいたそうです。なおも凹んだマテライトですが、その修繕費で代わりにドレスを買い、ヨヨにプレゼント。パル公の協力のもとそれを着込んだヨヨは、パル公にエスコートされしずしずと王座に。ヨヨが女王に即位し、神聖カーナ王国は復活しました。しかしグドルフが実権を握りつつある帝国は、領国を失っても反乱軍に戦いを仕掛けてくるであろうし、魔物と扉の謎も未解明です。オレルスはまだ、完全に平和ではありません。よって反乱軍はオレルス救世軍と名を改め、今後も戦いを続けることになったのでした。
救世軍誕生とカーナ再興を祝して、月夜の下でダンスを踊る反乱軍改め救世軍一行。しかしビュウ隊長はダンスの相手がおらず、あぶれてしまいます。もちろんヨヨはパル公と踊ってます。そりゃもう幸せそうに。さすがに気の毒に思ったのか、ビュウの愛竜サラマンダーが空から降りてきて、一緒に踊ってくれました。めでたしめでたし。
114 バハムートラグーン 20章 sage 03/12/05 15:08 ID:WvGU3Cj7朝が来ました……ビュウ隊長はなぜか城門前で倒れていました。ヤケ酒でも飲み過ぎたのでしょうか。おかげで城門で暮らす孤児達に「僕たちの場所なんだからどいてくれ」と言われてしまいました。昔、孤児だった舎弟トリオが寝床として使っていたカーナ城門前は、今も同じように、こうして戦災孤児の寝床として活用されているのです。この子達が戦わずにすむよう、自分達が戦争を終わらせなければと決意するラッシュとトゥルース。ところでビッケバッケだけがいません。ビュウ隊長が捜すと、物影で泣いていました。話を聞くと、不動産屋に『毒茸で商売できるわけがない』と笑われたそうです。不動産屋、普通に正論言ってますが、それゆえ彼には一層こたえたのでしょう。なぐさめていると、城の中からマテライトが慌てて出てきました。神竜に怒りの矛先を向けられたセンダックが、衰弱して倒れてしまったそうです。同時に、ファーレンハイトに帝国の空中要塞が向かっているとの連絡も入り、てんやわんやでファーレンハイトに戻る救世軍一行。
倒れてしまったセンダックですが、自分が死んだ時のためにと遺書を書きました。まだセンダックが死んでないのにそれを開けて読むマテライト。「自分が死んだらビュウを艦長代理に」とありました(センダックはファーレンハイト艦長)まだセンダックが死んでないのに、この遺言を実行するマテライト。さすが元カーナ参謀と元カーナ重装兵団長で付き合いが長いだけあって、扱いに情け容赦がありません。かくてビュウ隊長は艦長代理になりました。とはいえ役目は相変わらず雑用係です。
115 バハムートラグーン 20章 sage 03/12/05 15:11 ID:WvGU3Cj7ビュウ艦長代理がファーレンハイトの甲板に行くと、ドラゴンの赤ちゃんが生まれていました。交配して一晩しかたっていません。早すぎます。驚愕するビュウ隊長ですが、ともあれこの赤ちゃんの人間ママになりました。ドラゴンの子供は、ドラゴンママとドラゴンパパの他に、生まれて初めて見た人を人間パパに。その次に見た人を人間ママと決めます。なんでビュウがママかというと、先にホーネットが赤ちゃんに会ってしまったからです。「俺も今日からパパか」とニヤつくホーネットパパの背中に、軽く殺意を抱く(推定)ビュウママ。女もとられ、愛竜の子の父親権もとられ、あまつさえ「ママ」というヤオイじみた称号を授かり、自分の明日はどっちなんだろうとビュウ隊長が考えて(推定)いるうちに、赤ちゃんが生まれて初めてのウンコを出しました。ふとビュウ隊長は、カーナに伝わる伝説を思い出します。『ドラゴンのウンコを食べた者……未来への扉を開く……』おもむろにウンコを手にとって味見してみるビュウ隊長…………………
…………なんか、ヨヨがこの男を捨ててパル公に走った理由がちょっと判りました。
116 バハムートラグーン 20章 sage 03/12/05 15:13 ID:WvGU3Cj7さて、ドラゴンのウンコをキメて未来の幻覚を見るビュウ隊長。彼の未来の姿はハゲジジイでした。カーナの神竜バハムートの幻覚が現れ、ハゲたビュウを背に乗せ飛んでゆきます。幻影の中のオレルスは空虚で、ラグーンも人も存在せず、ただ空だけが続いています。これがオレルスの未来なのでしょうか。「だけど自分は、ラグーンと人を見守りながらオレルスを飛びたい。お前(ビュウ)を背に乗せて」熱烈なプロポーズを残し、消えるバハムートの幻影。女にも子供にも髪にも恵まれないビュウ隊長ですが、何故か神竜には好かれました。それが彼にとって救いだったのか、余計なお世話だったのかは定かでありません。ともあれ、変えなくてはいけない未来を事前に(ウンコで)知ることができたビュウ隊長でした。
で、ドラゴンへのエサやりも終わったところで、接近しつつある帝国の空中要塞に向けて船を発進させたいのですが、ホーネットが赤ちゃんに夢中で船を動かしてくれません。艦長代理として、船を動かすビュウ隊長。操縦席には「ホーネットスペシャル」等、胡散臭いボタンが並んでいます。この船のパイロットに対して、殺意どころか不信感まで募ってきた(推定)ビュウ隊長が出撃ボタンを押すと、ファーレンハイトは空中要塞トラファルガーに向けて動き出しました。
117 バハムートラグーン 20章 sage 03/12/05 15:18 ID:WvGU3Cj7空中要塞トラファルガーは帝国の兵器の中でも、最大級のものです。オレルスが帝国に統一されて以来、サウザーが使用を禁じていたのですが、帝国も追いつめられており、奥の手として出したのでしょう。ここには神竜が乗っていて、この船は神竜パワーで動いているとのこと。その神竜はヒューベリオン。かつてサウザーを倒れさせたあの神竜です。救世軍は敵を蹴散らして奥へ行き、グドルフのいる部屋へ辿り着きます。
グドルフのいる部屋は、ヒューベリオンのいる部屋の手前にありました。どいつも怒ってばかりいる神竜達ですが、特にヒューベリオンの怒りは相当すさまじいらしく、みんなショックで倒れてしまいます。恐怖の余りセンダックが「ごめんなさい実は仮病でした」とカミングアウトしてますが、それを聞く余裕すらありません。なすすべもない救世軍を置いて、去ってゆくグドルフ。「グフフフフ……悪夢の神竜と共に空に沈め!!グッバイ!!」こいつもポエムでした。グランベロスは空気が薄いから、国民は頭が朦朧としてポエム病になるのかもしれません。今時グッバイはないだろとビュウ隊長が思っている(推定)と、奥の部屋からヒューベリオンが、自分の所へ来いとヨヨに要請してきました。扉を開けるヨヨ。ヨヨを止める仲間達。しかしヨヨは扉を閉ざし、扉ごしに別れの言葉を告げます。自分はこの神竜の怒りを受け止めきれず、死ぬのだと悟ったのでしょう。「パルパレオス……いつまでも貴方のそばにいたかった……」「マテライト……タイチョーさんと仲良くね……」「センダック……無理しないでゆっくりお休みして……」「みんなも元気でいて……」
それから、ちょっと間をおいて、思い出したように、もう一言。「ビュウ……ドラゴンのエサやり忘れないでね……」他に言うべきことはないのでしょうか。
118 バハムートラグーン 20章 sage 03/12/05 15:23 ID:WvGU3Cj7怒りを受け止めきれないと悟っているヨヨは、ならば生け贄になろうと、ヒューベリオンの前に身を投げ出します。しかし、そこへ助けに来た人がいました。サウザーです。彼は二人で協力してヒューベリオンを受け入れようと、ヨヨに提案しました。自分がヒューベリオンの怒りだけを受け止めるから、貴方は心だけ受け止めればいい、と。肉体を失い、心だけがヨヨへと入ってくるヒューベリオン。「心弱き者たち……我ら神竜を導くのだ……安らぎの地へ……。新たなる時代がそこに待つ……蘇る空の記憶……我ら神竜の時代……もう一度あの時代へ……」こいつもポエムでした。サウザーはヨヨの前に立ち、ポエム神竜の怒りを全て受け止め倒れてしまいます。彼が神竜の怒りに触れるのは、キャンベルのヴァリトラ、以前のヒューベリオン、そして今回で三回目です。さすがにそろそろ無理があったか、危篤状態になってしまったサウザーは、親友パル公たっての願いでファーレンハイトに運ばれることになりました。昨日の敵はなんとやらです。
180 バハムートラグーン 21章 sage 03/12/07 12:32 ID:QkrzOu4+ファーレンハイトに迎えられた半死半生のサウザー。彼とヨヨがお互いに、自分達の知る神竜の情報を組み合わせ、神竜達が怒っている原因を探ります。サウザーによると、ヒューベリオンの意識の中には、バハムートへの強い殺意がありました。ヨヨによれば、他の神竜達の怒りも、どうやらバハムートに向けられているようです。いろいろ話したのですが、サウザーは、最期に空を見たいと、パル公と共にテラスへ行きました。
神竜に負け、伝説に負け、新しい時代を見ることもなく死んでいく自分。その中には迷いや後悔や恐れがあった。自分は「心弱き者」だった。テラスでそう(ポエムで)語ったサウザーは、自分が死んだら空葬にしてくれと(ポエムで)言い残し、息絶えます。
サウザー「グランベロス帝国皇帝として最後の命令を言い渡s(バタッ)」パル公「サウザー、何か言ってくれ! 命令は!」サウザー「……泣くな」
最期までポエムでした。遺言通り、パル公によってサウザーの死体はファーレンハイトから遺棄され、オレルスの空を落ちてゆきます。いつか、どこか無人のラグーンに受け止められて、そこで人生をやりなおしたい。夢を追い続ける男サウザーの、それが最後の夢でした。無人島に受け止められる前に、ダフィラやキャンベルにひっかからないことを祈るばかりです。
181 バハムートラグーン 21章 sage 03/12/07 12:37 ID:QkrzOu4+さて、ヨヨがイタコになって、救世軍に神竜達の言葉を伝えてくれました。ヨヨの身体を借りて神竜が語ることには、「自分達の故郷アルタイルに連れていってくれれば、ヨヨの心の中から出てあげる」ということでした。そんな一方的な要求だけをつきつけ引っ込む神竜たち。ちなみにアルタイルとは、「扉」である空の亀裂の向こうにある世界のことでした。
ここでサウザーとヨヨが語った伝説の解釈と、イタコヨヨの口から神竜たちが語った話を合わせて説明します。個々に説明していると、ややこしくて分かりにくいからです。まずサウザーが見たヒューベリオンの意識には、戦争と、それによって滅びたオレルスのビジョンがありました。恐らくは過去の、神竜戦争時代の記憶なのでしょう。しかし神竜達の怒りが治まらぬなら、過去の惨劇はそのまま未来で再現されてしまいます。5匹の神竜達が第二次神竜戦争を起こし、オレルスもろともバハムートを倒して、復讐を果たす。そして「扉」を開き、人もラグーンも死に絶え、滅びたオレルスをほっぽって、自分達は扉の向こうにある故郷アルタイルへ帰って幸せに暮らす。それこそが伝説で語られる「新たなる時代」なのかもしれません。ヨヨが神竜達の怒りを鎮めなければ、それは確実に訪れます。なお、「天空からの災い」であるアルタイルからの魔物は、神竜達の立てた上記のプランの中にもない予想外の事件です。もしかしたら神竜はただの身勝手なDQNなのかもしれないと思い始める(推定)ビュウ隊長。
182 バハムートラグーン 21章 sage 03/12/07 12:43 ID:QkrzOu4+1 神竜達の怒りを鎮め、オレルスの滅亡を回避する。2 アルタイルからやってくる謎の魔物達を倒し、オレルスに平和を。3 神竜達を故郷に帰してあげて、ヨヨと神竜に安泰を。
この3つが、今後の救世軍の目標となりました。しかしビュウ隊長やマテライト、センダックあたりの幹部陣はともかく、大半の救世軍メンバーは、これを知りません。というか聞いてくれません。「戦いが始まったらちゃんと働くから、今は自由にさせてくれ」と、昼寝や掃除やナンパやストーキングやイジメやインキンに精を出すばかりです。オレルスの存亡はこんな連中の手にかかっているのでした。
そして、救世軍は最後の神竜バハムートが眠る場所、カーナ神殿へやって来ました。神殿を守る魔物を倒し、バハムートの前に立つヨヨ。他神竜が一致団結して憎んでいるバハムートを招き入れたら、危惧している第二次神竜戦争が、オレルスではなくヨヨの心中で始まってしまうかもしれません。しかしヨヨは、神竜達が暴れ出しても押さえ込んでみせる、と言います。彼女も強くなりました(主にパル公のおかげで)目覚めたバハムートは、ヨヨに伝説の本当の意味を教えてくれます。「新たなる時代」とは、神竜が朽ちた肉体を取り戻し、真に復活することでやってくるものなのだと。復活した後で神竜達が、第二次神竜戦争を起こしてオレルスを滅ぼすか、人間と共存するのか、あるいはアルタイルへ帰るのか、どのような「新たなる時代」が訪れるのかは、まだ判りません。それは、ドラグナーであるヨヨが命運を握っています。
183 バハムートラグーン 21章 sage 03/12/07 12:44 ID:QkrzOu4+ヨヨは憎み合う神竜達の心を一つにまとめようと、彼等の心に働きかけます。はたして、それは成功しました。かくて、オレルスの全神竜がヨヨのもとに集結し、ヨヨはドラグナーとして完全に覚醒しました。戦闘時のグラフィックも幼い少女のものから、大人びた美しい女性のものへ変化しました。これもドラグナーとしての強い意志を得た、内面からの輝きによる変化なのでしょう。と思っていると、ビュウ隊長にこんなことを言う仲間が。
「最近ヨヨさまの部屋から苦しそうな声が聞こえてくるの。神竜のせいかなって思ったんだけど、ヨヨ様は神竜の怒りなんか、もうへっちゃらなんでしょ?一体なんなのかしらねえ」
これと、前後の状況を踏まえ考えると、どうやらヨヨは自室で、パル公とセックルに励んでいる模様。
……ドラグナー云々は関係なくて、単に、恋をすると女は綺麗になるという、ただそれだけの事なのかもしれません。
221 バハムートラグーン 22章 sage03/12/1015:45ID:/CV76w8lバハムートはヨヨに言います。「扉」を開けるには神竜が協力しあう必要があると。しかし他の神竜達は今まで自分勝手に生きてきて、協力しあった経験がありません。「協力って何?」と混乱しながらヨヨの導きでどうにか「扉」を開けました。心の底からDQNな連中です。そして再び空に亀裂が走ったのはいいんですが、その位置はよりによってグランベロスの上空。帝国との戦いは避けられない運命にあるようです。ちなみにそのころ帝国では、グドルフが行方不明のサウザーのかわりに名もない一兵卒を殺し、その死体を棺桶につめてサウザーの葬式を行っていました。
ところで、ドラグナーとして目覚めたヨヨは神竜達との力関係も変わったようで、神竜の心を自在に覗けるようにもなりました。そこから得た情報で、神竜戦争の真相を語ってくれます。
その昔、神竜たちはアルタイルから「扉」を通じてオレルスに来ました。当時(今も)バハムート以外の神竜は、幼く思慮の浅いガキだったので、自分達の強すぎる力を持て余し、いたずらに世界を破壊して生物を殺しました。暴走族が窓ガラスを割って、盗んだバイクで珍走するのと大差のない行動ですが、なにぶん普通の暴走族に比べスケールがでかすぎます。人間達は恐れおののきました。ガキ共はそれを見て楽しんでいたのです。
222 バハムートラグーン 22章 sage 03/12/10 15:48 ID:/CV76w8l1人だけ分別ある年頃だったバハムートはガキ共を止めようとしましたが、皆ガキなので言う事をききません。結果、神竜戦争が始まりました。神竜は、間違いなくオレルス最強の力です。ヨヨが一匹呼び出すだけで、何部隊もが壊滅します。しかも当時の神竜は肉体がありました。今と違って、魂だけ一時的に実体化したような生半可な代物ではありません。そんなのが同時に6匹も暴れたのだからたまったものではありません。当時のオレルスの荒廃ぶりは相当なものでした。
そんなある日、事件が起きました。開きっぱなしだったアルタイルへの「扉」が閉じたのです。犯人は謎です。恐らくはこれも、現在アルタイルから襲来している魔物と何か関連があるのでしょう。しかし当時のガキ共はそんなこと知る由もなく、バハムートがやったんだと短絡的に決めつけ、ホームシックでヤケクソになり、更に暴走しました。しかし神竜とて生き物。寿命があります。やがて神竜達は肉体が死に、化石になりました。が、実は当時はドラグナーだけでなく、全ての人間たちが、今のヨヨのように神竜と心を通わせ、その力を振るうことができたのです。肉体を失ったガキ共は、今度は人間達に力を分け与え、代理戦争をやらせました。自分達の力で争い合い、殺し合う人間達を見て喜びました。
責任を感じたバハムートは、自分の全身全霊を賭けて人と神竜の心を閉ざし、人間の神竜召喚を不可能にしました。恐らくはバハムートに信頼されていた人間だけが、もしもの時の為にと心を閉ざされなかったのでしょう。そしてそれが、カーナ王家の始祖となったのでしょう。以来、ガキ共は肉体も動かず、魂を実体化させてくれる人間もいないままで、延々バハムートを憎みながらくすぶりつづけ、カーナ王家のバハムートを除けば、神竜は幻の力となったのです。そして現在、ヨヨが生まれ、戦争をきっかけにサウザーが忘れられかけていた神竜の伝説を掘り出し、再び話が動き出したという事情です。
223 バハムートラグーン 22~24章 sage03/12/1015:54ID:/CV76w8lビュウ隊長の脳内で展開されていた(推定)「神竜DQN説」が推測から確信に変わった(推定)ところで、救世軍はグランベロスへ向かいました。ここを無視してアルタイルに行こうとしても、下から砲撃してきて危ないのからです。
包囲網を突破してグランベロス城に入ると、パル公がグドルフと差し違えようと単身奥へ進もうとします。彼はかつての神竜戦争と同様、くだらない理由で始まった今現在の戦争の責任を、グランベロス代表として救世軍の仲間に問われ、罪悪感に駆られていたのでした。しかし「死んで償える責任は何もない」というマテライトの言葉で思い直して引き返してきます。結局、救世軍は普通に戦ってグドルフを倒します。帝国は指導者を失い滅亡しました。誰も座る者のいなくなったグランベロス帝王の玉座の前で、「泣くな」とサウザーに言われていたのに泣き崩れるパル公。彼がサウザーの命令に反するのは、これで二度目です。ちなみに一度目は、かつてサウザーが背後から斬ろうとした標的をかばって、その命を救ってしまったことでした。ちなみにその標的であるヨヨは、今現在パル公のそばに立って優しく慰めています。
邪魔者がいなくなり安心してアルタイルへ行くと、そこには例の変な魔物が大量にいました。ボスを倒すと、「帰って来たのか」と、神竜を歓迎するような遺言を残して死にます。救世軍は未開の大地を手探りで進んでゆきました。
267 バハムートラグーン 25章 sage03/12/1222:45ID:VR5PnqZYアルタイルは常夜で、サイケな極彩色の霧が、満月と漆黒の雲にかぶさっているような鬱ワールドです。常に怒ってるし、魔物をはべらせてるし、こんな魔界じみた世界が故郷だし、DQNだし、やはり神竜は神というよか悪魔です。
そんな世界を歩いていると、ビュウ隊長の脳内に、何やら語りかけてくる謎の声が。ふられたショックで幻聴が聞こえてしまうほどに壊れてしまったのかと思いきや、単にアルタイル原住民からのテレパシーでした。すぐに本体も姿を見せます。救世軍の前に現れた原住民は、人身竜頭の生き物でした。名前はそのまんま「竜人」。彼等が言うには、自分たちは神竜の肉体のスペアなんだそうです。
神竜の寿命が尽きて肉体が死ぬ↓残された魂を竜人が受け入れる↓神竜復活 (д)ウマー
要はFF9のテラ人とジェノムのような関係でしょうか。空しい人生にも見えますが、竜人達は神竜復活こそが至上の喜びという価値観なので無問題です。これによって神竜は、死と誕生を繰り返して生きていくことができるのでした。神竜たちがアルタイルに帰れなくなった時に慌てた理由には、肉体のスペアが入手できないという危惧も含まれていたのかもしれません。実際、オレルスには竜人がいなかった為、神竜達は永らく化石のままで不毛な日常を強いられました。
268 バハムートラグーン 25章 sage 03/12/12 22:46 ID:VR5PnqZYで、救世軍はさっそく、ヨヨの中にいる神竜達の魂を彼等に受け入れてもらおうとします。しかし今いる竜人は、神竜になるには衰えすぎた老人と、神竜になるには未熟すぎる子供だけ。過疎化した農村じゃあるまいしと疑問に思う救世軍に、竜人が事情を話してくれました。
今現在、アルタイルはアレキサンダーという神竜が支配しています。かつてバハムート達がオレルスへ渡った際、一匹だけアルタイルに留まった神竜です。彼は他神竜に輪をかけたDQNで、アルタイルの独裁者になりたいという野望を抱いていました。だから「扉」を閉ざして、バハムート達をオレルスから戻れなくしてしまいました。あと年頃の竜人たちを拉致改造して、自分の手下にしたりもしました。その改造竜人が、アルタイルからオレルスに襲来してきた謎の魔物の正体です。真相を知ったDQN神竜達は、アレキサンダーの暴挙に(自分達を棚に上げて)またも怒り出しましたが、ヨヨはもう立派なドラグナーなので平気です。
269 バハムートラグーン 25~26章 sage03/12/1222:49ID:VR5PnqZYアルタイルの魔物と同様に、実はオレルスの魔物も、正体は神竜に改造された竜人でした。さっき、オレルスには竜人がいなかったと書きましたが、正確には「いなくなった」のです。神竜達がオレルスに来た当初、いくらかの竜人たちがそれに付き従っていました。しかし神竜戦争のおり、ガキ神竜たちがバハムートを復活させまいと、竜人を手下に改造してしまったのでした。だからオレルス各地にあった神竜の化石を、魔物達が護衛していたのでしょう。ともあれ、神竜はどっちの世界でも魔物の創造主だったわけです。本当にこいつらロクでもありません。
そんな中、ただ一匹、竜人たちに対して違う処置を施した神竜がバハムートでした。バハムートは「いつか空を飛んで、故郷へ帰れるように」と、竜人たちを、自分たち神竜によく似た生き物に変えました。それが、今オレルスに住むドラゴン達の祖先だったのです。
サラマンダーをはじめ、救世軍のドラゴン達は、アルタイルに来てから妙に騒いでいました。それもその筈。彼等は何代もの世代をこえ、故郷に戻ってこられた、幸運な竜人の子孫だったのです。老いた竜人が、彼等からビュウへのメッセージを、翻訳して伝えてくれました。「ア リ ガ ト」「ダ イ ス キ」
で、神竜達もヨヨの中から、「お前等、自分達の為に戦え」とムカつく激励を送ってくれます。あんたらもアリガトぐらい言えんのかと、ビュウ隊長は思ったとか思わなかったとか。
271 バハムートラグーン 26章 sage03/12/1222:52ID:VR5PnqZY行軍の末、救世軍はアレキサンダーの住まう神殿に到着しました。ここの中には、何人か改造されていない竜人もいる筈です。そうでなければ、アレキサンダー自身の復活が不可能だからです。突入する直前、マテライトがパル公に「一回あんたのことを殴らせろ」と言い出しました。昔、父とその娘の恋人との確執を描いた四畳半フォークソングがありましたが、あれの歌詞まんまな展開に慌てるヨヨ。ですが神殿が揺れ初めて否応なく戦闘開始。父と婿の決着は未遂に終わりました。諸悪の元凶アレキサンダーを退治する為、神竜達の復活とヨヨの解放の為、オレルスの平和の為、最後の戦いです。
護衛の改造竜人を成仏させ、ボスのアレキサンダーを倒すと、とらわれていた竜人達がワラワラ出てきました。が、倒したアレキサンダーの魂がそこらへんに漂っていた為に、その竜人達にアレキサンダーが憑依。見事に復活してしまいました。
272 バハムートラグーン 27章 sage 03/12/12 22:53 ID:VR5PnqZY何匹もの竜人をふんだんに使用して復活した新アレキサンダーは、首が4本の巨大な竜でした。なんとか倒しますが、残りの竜人に憑依してまた復活するのが目に見えています。その時、ヨヨが自分の心の中にアレキサンダーの魂を入れて、竜人へ憑依させないという作戦を提案しました。ヨヨのもとに集まって、力づけるように手をとる仲間たち。1人、遠巻きに見て参加しないビュウに、ヨヨが協力をあおぎます。「私、ビュウには嫌われてる……私がいる事でビュウを嫌な気分にさせてしまう……それは判っているの……」
判っとったんかい。
ともあれ、ポエムで説き伏せられ、しぶしぶ(推定)ヨヨのもとへ行くビュウ隊長。アレキサンダーの魂が、ヨヨの中に入ってきました。が、ヨヨの中に先住していた他神竜たちは、諸悪の根元を前に怒りが爆発。ずっと危惧し続けていた、ヨヨの心中での神竜戦争が始まってしまいます。止めようにも止められず、倒れたヨヨを囲んでオタオタする救世軍。そこに生き残った竜人たちが助けに来ました。
273 バハムートラグーン 27章 sage 03/12/12 22:55 ID:VR5PnqZY一匹づつ、神竜の魂がヨヨから出ていき、竜人の身体を借りて肉体を取り戻します。が、生き残った竜人は6人だけ。すなわち復活できたのはヴァリトラ、リヴァイアサン、ガルーダ、ユルムンガルド、ヒューベリオン、バハムート。ヨヨの心中での戦争が終わったのはいいんですが、肝心のアレキサンダーが置き去りになってしまいました。しかしヨヨは、自分はドラグナーなんだからどうってことないと起き上がります。
神殿から意気揚々と引き上げていく救世軍。パル公と一緒に去っていくヨヨ。1人とりのこされたビュウ隊長は、無事復活したバハムートに「フラれた事を気にせず前向きに生きろ」とかなんとか、実に余計なお世話を焼かれました。
ファーレンハイトがオレルスに戻ると、空の扉は閉じました。ようやく、平和が訪れたのです。オレルスと、そしてアルタイルに。
274 バハムートラグーン エンディング sage03/12/1222:56ID:VR5PnqZYオレルスの国々は、平和協定を結んで一つの国家となりました。戦争のない、一つの国家となったオレルス。それはかつてのサウザーの夢でもありました。
その後のオレルス1 パル公
「……グッバイ、サウザー……」彼はグランベロスにて、亡き友のベッドに向かってグッバイと言っていました。戦争を起こしておいて自分だけが幸せにはなれないと、彼はヨヨのもとを離れ、グランベロスへ戻ったのです。「……グッバイ、ヨヨ……」グドルフといいこいつといい、グランベロス人はグッバイが好きなんでしょうか。「……グッバイ、神竜の伝説……」パル公がポエムがてら色々なものにグッバイしていると、サウザーの起こした戦争に恨みを抱く帝国民がやって来て、彼を背後から刺殺。さっきグッバイを告げたばかりのサウザーに再会できそうなパル公でした。
275 バハムートラグーン エンディング sage03/12/1222:57ID:VR5PnqZYその後のオレルス2 舎弟トリオ
ところで、孤島テードを覚えていますでしょうか。かつての弱小反乱軍のアジトです。戦いが終わった後、マテライトとビュウは、舎弟トリオに、住人のいなくなったこのラグーンを家としてあげました。詐欺、給料持ち逃げ、エロ本屋稼業、不動産屋の入居拒否など、ビッケバッケの数々の苦労が、報われたのです。戦うしか能のない自分に劣等感を抱いていたラッシュとトゥルースも、「戦場を駆ける商人」の二代目として立派に就職できそうです。しかし平和になったオレルスに戦場はないんですが、これからどこを駆けるつもりなんでしょうか。
その後のオレルス3 カーナパル公がこの世からグッバイしたとはつゆ知らず、カーナ女王として働くヨヨ。彼女とセンダックがタッグを組んでアレキサンダーを呼び出せばオレルスは軽く滅びそうなんですが、そういう事件は特になく、いたって平和な王国です。マテライトは半隠居気味らしく、玉座の前に立ち、あの世のカーナ王に向けてヨヨやビュウの成長報告を続ける毎日。
その後のオレルス4 マハールタイチョーが王様になりました。隊長なのに王。
276 バハムートラグーン エンディング sage03/12/1223:02ID:VR5PnqZY復活した神竜たちは故郷アルタイルに留まりました。ただ一匹、バハムートを除いて。バハムートはオレルスに二度と争いが起きぬようにと、オレルスの守護竜になったのです。ビュウはバハムートの背に乗って、空から全てのラグーンを見張る役目につきました。かつてビュウがドラゴンのウンコを食べて見た幻覚の中で、バハムートが願った未来そのままに。
ビュウとバハムートに見守られ、繁栄するオレルス。いつしか、この世界はこう呼ばれるようになりました。
「バハムート・ラグーン」
糸冬了
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