BioShock
part39-73~87,89
- 73 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:49:29 ID:p3aRTYL70
- Bioshock行きます。遅くなってすみません。
始めにお断りしておきますと、
このゲームはPCとXBox360のマルチプラットフォームで、
Xbox360にのみ日本語版が発売されています。
自分はPC版に有志製作の日本語化Modを入れてプレイしたので、
固有名詞のカタカナ表記やセリフの表現にXbox360日本語版との食い違いがある可能性があります。
また、登場人物のセリフに編集を加えてあることをお断りしておきます。
- 74 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:50:12 ID:p3aRTYL70
- 時は1960年。主人公の乗った旅客機が大西洋上に墜落するところから物語は始まる。
海に墜落した飛行機から脱出した主人公は、
すぐ近くに灯台のある小さな島があることに気づき、上陸した。
灯台に入り、中の下り階段を降りてゆくと、
そこには潜水球(規定のコースをたどる潜水装置)が。
とりあえず乗り込んで起動レバーを倒してみると、潜水球は真下に沈みはじめた。
海中を眺めていると突然ブラインドが下がり、ニュース映画の上映が始まった。
男がなにやら演説を始めた。
その男、アンドリュー・ライアンは既存の社会が個の存在を軽視していることに不満を抱き、
科学の粋を集めて海底都市「ラプチャー」(『歓喜』)を建造、
理想の社会を築き上げたのだという。
映画が終わると窓が開いた。
外は摩天楼をそのまま海底に持ってきたような海底都市だった。
ネオンの明かりの中を鯨や大王イカが泳いでいく。
ラプチャーへようこそ、というゲートをくぐり、潜水球はビルの中へ到着。
だが、中は真っ暗でほとんど何も見えない。
潜水球のすぐ前に男と女がいて、男の方が弱弱しく命乞いをしている。
しかし、女…といっても頭部が異様に膨れている、普通の人間ではない…は
何のためらいも見せずに鎌のような武器を振るって男を斬り殺した。
さらに、女は獣じみた絶叫とともに潜水球めがけて鎌を叩きつけてきたが、
外壁が破れて激しい漏電が起きた為に逃げていった。
何がどうなっているのか分からず、潜水球の中に立ちすくんでいると、ラジオから声がした。
「中の人、ラジオを手に取っていただけないかな? それを持って外に出るんだ。
私はアトラス。君には生き延びて欲しい。もっと上の階層に案内する。」
- 75 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:51:12 ID:p3aRTYL70
- 潜水球の外に出ると、そこは空港を思わせる建物だったが、
中はめちゃくちゃに荒れ果て、照明もほとんど機能していない。
そこら中に死体が転がり、凶暴な人間達がうろついている。
主人公は否応なしに戦いに巻き込まれていく。
建物の一画に"Gatherer's Garden"(蒐集者の庭)なる店があった。
壊れかけた自販機から赤い液体の入った注射器が出ている。
主人公がこれを自分に注射すると、肉体に変化が生じ、手から電撃を放てるようになった。
これはプラスミド、人間の遺伝子を改変させる薬品だ。
これを注射すれば念力発火やテレキネシスのような人工的な超能力を得ることができる。
海底都市ラプチャーは密かに高度な科学技術文化を築いていた。
注射一本で遺伝子を書き換えるプラスミド、
自律飛行して侵入者を攻撃するセキュリティボット(不恰好なラジコンヘリのような代物)、
全自動で怪我の治療をしてくれるヒールステーションなどなど…。
そして、それらを維持するための奇妙なシステムが存在していた。
小さな劇場の天井裏に出た時、アトラスが静かな声で連絡してきた。
「気をつけろ…少しの間、武器をしまっていただけないかな?」
「下に小さな女の子がいるだろう? だが、だまされるな。彼女は『リトルシスター』だ。
何者かがいたいけな少女を化け物に変えてしまった…」
小さな女の子が床にかがみこんで童謡を歌っている。
歌いながら、巨大な注射器を何度も何度も死体に突き刺している。
「彼女はアダムを集めている。アダムというのは遺伝子に関連した物質だ。
この街を動かしている。皆が必要とし、皆が欲しがる…」
一人の男が現れ、リトルシスターに襲い掛かった。
だが、彼女が金切り声を上げると、古風な潜水服を思わせるロボットのようなものが現れた。
「それ」は右手のドリルで男を串刺しにし、窓ガラスに頭から叩き込んだ。
「あれが『ビッグダディ』だ。リトルシスターがアダムを運び、ビッグダディが彼女を守る。」
二人が連れ立って出て行ったのを確認して、別の出口から劇場を出る。
アダムは肉体の急激な回復と変容を可能にする。
これは万能の治療薬であるとともに、プラスミドによる肉体改変の母体となるものだった。
だがその乱用は依存症を引き起こし、
プラスミドの力と相まって人を人ではないものにしてしまった。
彼らはスプライサー(「遺伝子を組み替えた者」の意味)と呼ばれている。
- 76 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:52:56 ID:p3aRTYL70
- 物を頼む時だけは「~していただけないかな?」(Would you kindly ~ ?)と
丁寧な口調で話すラジオの男、アトラスはラプチャーからの脱出を目論んでいるらしい。
彼の家族は「ネプチューン・バウンティ」にある潜水艦に隠れているというので、
一緒に脱出すべくスプライサーと戦いながら「ネプチューン・バウンティ」へ向かう。
だが、突然警報が鳴り響くと「ネプチューン・バウンティ」へのゲートが閉じ、
さらに小さな部屋に閉じ込められてしまった。
壁に映像が映し出される。
帽子を目深にかぶって顔を隠した男がなにやら語りかけてきたが、
主人公をCIAかKGBの工作員だと決め付けた上で
「だがこのアンドリュー・ライアンは政府の脅しに屈するようなヤワな文化人ではないのだ」
などと勝手なことを一方的に嘯いただけだった。
結局アトラスが遠隔操作で出口を開けてくれた。
主人公は「メディカルパビリオン」地区へ入った。
ここは複数の病院の集合体らしく、手回しのいいことに火葬場まである。
アトラスによるとここにはネプチューン・バウンティへの緊急移動手段があるそうなので、探索を開始。
探索の結果、緊急アクセスの表示が付いた潜水球を発見したが、
起動するにはここの主任であるステインマン博士の鍵が必要らしい。
この建物も今までの場所と同様に荒れ果てているが、
いたる所が血塗れの上に、床や壁に血文字が書かれていたり、
顔写真を切り刻んで福笑いみたいにしたポスターが張ってあったりで、
どうもステインマンというのはとんでもない男のようだ。
残されていた記録によると、彼は美容外科が専門らしいが、
何でもアダムを彼の施術に取り込むことで「肉体を粘土のように」扱えるようになったので、
人体を(自分自身のも含めて)キャンバスにしてピカソを目指しているらしい。
ステインマンを探して病院の一番奥の手術室へ行くと、
手術台にかがみこんで女性の死体を切り刻んでいるお医者様とご対面。
「こいつをどうすればいいんだ、アフロディテ? こいつがじっとしててくれないんだ!
美しくしてやりたいのに、いつだってうまくいかない!
あれは太り過ぎ! これは背が高過ぎ! こっちは左右に整い過ぎ!
こうなったら――何だ? 侵入者か! なんと醜い奴! 醜い醜い醜い! 」
いきなりトミーガン(ギャング御用達の短機関銃)をぶっ放してきた。
これはもう殺すしかあるまい。
- 77 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:56:04 ID:p3aRTYL70
- ステインマンの鍵を手に緊急用潜水球の場所へ戻る途中、
通路が崩壊して封鎖されていた場所に入れるようになった。
崩壊に巻き込まれた「ビッグダディ」が死んでいる。
無防備になったリトルシスターを殺してアダムを奪うように勧めるアトラス。
だが、そこに一人の女性が割って入った。
アトラスによると、その女性、テネンバウム博士こそが
元気な子供をリトルシスターという化け物に変えた人非人だそうだが…。
彼女は主人公に一つのプラスミドを与えた。
このプラスミドの力でリトルシスターを人間に戻すことが出来る。
生き残るにはアダムが必要だ、その化け物と自分の命とどっちが大事なんだと言い募るアトラスと、
人の心を失わないで、と頼むテネンバウム博士。
主人公は決断する。
(ここでリトルシスターを助けるか殺すかを選択する。
これから先もリトルシスターと出会うたびに同じ選択をする(無視も可能)。
この行動はエンディングに影響するので、ここでは全て助けたことに。)
テネンバウム博士にもらったプラスミドを発動させるべく、リトルシスターを捕まえる。
プラスミドを打った右手が輝き、リトルシスターを元の女の子に戻した。
彼女はお礼を言うと壁に空けられている小さな穴に潜り込んで出ていった。
「リトルシスター」が人間と違うところは、
ある種のナメクジ様の寄生生物を体内に住まわせていることだ。
この生物がアダムの貯蔵と精製を行っている。
よって、リトルシスターからアダムを最大限に入手したいならば、
彼女の腹をかっ捌いて「ナメクジ」をえぐり出し、生で丸ごといただかなければならないわけだ。
「君は甘い」というアトラスの言葉を聞き流しながら来た道を戻る途中、
ビッグダディと連れ立ったリトルシスターを発見。
これからは幸運は当てにできないので、
実力でビッグダディを排除してリトルシスターを人間に戻すことに。
分厚い装甲に身を固め、すさまじい突進と強力なドリルで主人公を追い詰めるビッグダディに対して、
電撃や徹甲弾を投入して戦い、これを倒した。
死体に取りすがって泣きじゃくるリトルシスターを捕まえて強制的に人間に戻し、アダムを分けてもらう。
- 78 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:58:16 ID:p3aRTYL70
- 今度は鍵があるので無事に潜水球を起動。
行き先はネプチューン・バウンティ。
「海神の恵み」というだけに、この建物は漁港の役割を果たしていたようだ。
アトラスの家族は「フォンテーン水産」に停留している潜水艦に隠れているそうなので、
スプライサーやビッグダディと戦いつつフォンテーン水産に向かう。
フォンテーン水産の入り口にたどり着いたが、ドアが閉まっている。
ノックしてみるとのぞき窓が開き、溶接用マスクで防御した老人が顔をのぞかせた。
入れて欲しければ調査用カメラを手に入れて来い、と言う。
承諾すると、お前がフォンテーンの手下だったら棺おけに詰めてやるなどと
わめき散らしながらのぞき窓を閉めてしまった。
ラジオ越しに会話を聞いていたアトラスがはき捨てる。
「いい年こいて幽霊におびえてやがる。
フォンテーンは何ヶ月も前に死んでる。誰でも知ってることだ。
それなのにそこここで彼の影に脅かされる…ライアンですらな。気にせず行ってくれ。」
老人…ピーチ爺さんは漁師の傍ら密輸業者をしていたようだ。
フランク・フォンテーンは彼ら密輸業者の元締めであり、狡猾で冷酷な男だった。
彼はテネンバウム博士が発見したアダムに真っ先に目をつけ、
ラプチャーに遺伝子産業を誕生させた。
そして、瞬く間に成長した遺伝子産業を牛耳ることで巨大な組織と力を作り上げたのだ。
フォンテーンに脅威を感じたライアンは自らも遺伝子産業に乗り出すとともに、
彼を物理的に排除することを決断した。
ライアンの放った刺客に追い詰められたフォンテーンはピストルで自殺したというが…
波止場の管理人室でカメラ(撮影するだけで対象のDNAを解析できる優れモノ)を入手。
フォンテーン水産へ戻るとピーチ爺さんが扉を開けてくれたが、
今度は武器を置いて入って来いと言ってきた。
しかも当人はこっちが武器を置いている間にさっさと奥に行ってしまった。
後を追っていくと、急に激しい霧で視界を塞がれ、猛烈な攻撃にさらされた。
先頭に立っているのはピーチ爺さんだ。
こっちをフォンテーンの手先だと思い込んだらしい。何がそんな誤解を招いたのか…?
爺と手下どもをプラスミドのパワーで撃滅した上で武器を取り戻す。
潜水艦まであと少しだ。
あまり感情を見せないタイプのアトラスも妻子のことなどを楽しげに話してくる。
- 79 :Bioshock:2008/05/13(火)
00:59:39 ID:p3aRTYL70
- 潜水艦の停留場へ到着。
アトラスはもう着いているらしい。制御室のレバーで潜水艦のドアを開けてくれと頼んできた。
ところが、制御室に入ると同時にアンドリュー・ライアンからの通信が入った。
「お楽しみはもう十分だろう?
そのレバーを下げたら、私の敵になるというのはどういうことか分からせてやるぞ」
それにかまわずレバーを下げたが、いきなり火花が散って装置が壊れてしまった。
同時にものすごい数のスプライサーが現れ、アトラスに襲い掛かる。
アトラスは持ちこたえられず、退却するから合流してくれと伝えてきた。
急いで潜水艦の方へと降りたが間に合わず、無防備な潜水艦はスプライサーに爆破されてしまった。
アトラスの絶叫が響く。
アトラスは復讐の鬼と化した。
「いかにもライアンらしいじゃないか。あと少しってとこまで待った上で横からかっさらうんだ。
あの野郎を見つけて心臓をひっこぬいてやる…」
取り乱すアトラスに比べて、また通信してきたライアンは冷静そのものだ。
「暗殺者もかくやという腕前で忍び込んできた君が、今度はこそ泥のように逃げようとしている。
君は何者だ? CIAではないな。この謎に対処する方法は二つ、暴くか、消し去るか…」
なぜか彼はアトラスより主人公に関心があるらしい。
ラプチャーでは、隣接していない建物へ移動するための
全自動型潜水球のネットワーク「ラプチャー・メトロ」が人々の移動手段になっていた。
アトラスはライアンと対決するために、
「アルカディア」地区のラプチャー・メトロ・ステーションに向かった。
主人公もアルカディアへ向かう。
- 80 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:02:34 ID:p3aRTYL70
- 「アルカディア」は理想郷という名の通りに緑溢れる場所で、
酸素供給施設兼リゾート地だったらしい。
他の建物に比べれば荒廃の度合いも薄い。
スプライサーがうろつき、そこらに死体が転がっているのは同じだが…
主人公がラプチャー・メトロ・ステーションの前まで来たところ、
突然そこらじゅうから黄褐色のガスが噴き出し、警報が鳴り響いた。
ライアンが木を殺すガスをばら撒いたために、酸素濃度が低下し始めたのだ。
ラプチャー・メトロは緊急閉鎖され、アルカディアに閉じ込められてしまった。
アトラスにジュリー・ラングフォードという女性科学者の事を教えられ、研究所に向かう。
彼女はライアンの元恋人で、軍で枯葉剤の研究に携わっていたらしい。
彼女は海底都市に森を作るとともに、
薬物で植物を枯らすことで酸素の供給量を操作して、
酸素自体を(ライアンの)ビジネスの種にしていた。
だがその一方で、彼女は死にかけた植物を再生させる「ラザルス因子」を開発していたのだ。
研究所でジュリーと対面。
主人公の要請を受けた彼女は即座にラザルス因子の作成を開始する。
しかし、彼女はライアンに監視されていた。
「君の行動は契約違反だ」というライアンの言葉とともに
遠隔操作で実験室が封鎖され、高濃度のガスが噴き出した。
彼女は酸素を奪われ、もだえ苦しみながら息絶えた。
だが、彼女は今わの際にラザルス因子の製法を記した書類の在り処を示してくれた。
主人公はアルカディア中を走り回ってラザルス因子を原材料から調達し、
ライアンの妨害を退けてアルカディア中にばら撒く事に成功、森林(と自分)を救った。
復旧したラプチャー・メトロに乗り込み、主人公は「フォート・フロリック」へ。
- 81 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:02:56 ID:p3aRTYL70
- 「フォート・フロリック」(『お楽しみ砦』)は娯楽施設が集まっている建物らしい。
アトラスによると、ここを押さえているのはサンダー・コーエンという正真正銘の気違いらしいが、
ここにはメトロの乗り継ぎのために来ただけなのでさっさと次のステーションに向かう。
ところが、ステーションに着いた途端、無人の潜水球が勝手に出発してしまった。
音楽が鳴り響き、照明が輝く。同時にアトラスとの通信が途絶した。
「これでよし、と。ライアンとかアトラスみたいなうるさい連中にはさようなら、
そしてようこそ、サンダー・コーエンの夕べへ!」
どうやら付き合ってやらねばならないらしい。
コーエンは、「我が最高傑作」の完成を手伝ってくれたら
ライアンのところへ行かせてやってもいいと言ってきた。
その傑作とは、複雑な姿勢で絡み合う人物像が支える額に写真をはめ込むというもの。
像は良くできている…それもそのはず、これは人間を樹脂か何かで固めたものだ…
そして、はめ込む写真の被写体は4人の男の死体。
なるほど立派な気違いだ。
他にどうしようもないので4人の男の殺害に向かう。
主人公を「虫けら君」と呼び、
武器弾薬を送ってくれるかと思えばスプライサーの大群をけしかけてくる
コーエンの気違い行動を力でねじ伏せつつ、
ターゲット(これまた気違いばかり)を一人一人殺しては写真撮影。
4枚の写真をはめ込むと顔を真っ白にぬったくったコーエンが鳴り物入りで登場。
完成した作品が大層お気に召したらしく、もう行っていいとあっさり解放してくれた。
主人公はメトロに乗って「ヘファイストス」(鍛冶の神)へ、
目指すはライアン・インダストリーの社長室だ。
- 82 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:05:17 ID:p3aRTYL70
- 工業施設「ヘファイストス」にはすさまじい数の死体が転がり、
特に凶暴なスプライサーたちが跋扈していた。
ライアンのオフィス前のホールには壁に釘付けにされた死体がずらりと陳列されていた。
ライアンを倒そうとして果たせなかった人々だ。
その光景はまさに地獄だったが、
それを作り出した当人はラプチャーの再生を主人公に力強く語る。
ライアンは決して狂人ではなかった。
ただ、現実が彼の理想から剥離してしまった今、
なおも理想にしがみつく彼の行動は狂人と同じだった。
多くの死者がそれぞれのアプローチでライアンを倒そうと試みた形跡と記録があった。
主人公は人々の遺産を総合し、「EMP爆弾」を完成させた。
これを用いて大型地熱発電機を故障させることで、
ライアンのオフィスの扉を封鎖している特殊な電磁ロックを無力化した。
主人公はライアンのオフィス、ラプチャー中央管制室へ。
オフィスにてライアンと対面。彼は悠々とパターゴルフをしていた。
「暗殺者はわが最後の砦を攻略し、ついに私を殺害せんとやってきたわけだ。
…人と奴隷の違いは何か、君は知っているか?
財産や権力ではない。人は選ぶ。奴隷は従う。それだけだ。入りたまえ。
そこで止まっていただけないかな。」
主人公の体はぴたりと止まった。
「この言い回しに聞き覚えがあるだろう? 座っていただけないかな?!
立っていただけないかな?! 走れ! 止まれ! 回れ!」
主人公の体は言われたとおりの動作を繰り返す。
「君は家族がいると思っているだろうが、本当にそんなものはいたのか?
君は飛行機の事故でここに来たそうだが、それは本当に事故か?
誰かにハイジャックされたのではないか、それも人ならざるものによって…」
主人公は思い出した。飛行機に乗る前に「両親」に渡されたプレゼント。
そこには地図と一緒に 『この地点で飛行機を墜落させていただけないかな』 というメモが…。
ライアンは主人公にパターを手渡す。
「さあ、殺していただけないかな。」
パターがうなりを上げ、ライアンの顔を鮮血に染める。
「人は選ぶ、奴隷は従う! 殺せ、奴隷は従うのだ!」
ライアンは血みどろになって倒れた。
- 83 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:05:47 ID:p3aRTYL70
- アトラスからの通信が入った。
「奴の持っている遺伝子鍵を拾え。それをそこの制御装置に差し込んでいただけないかな。」
言われるままに体が動く。
「よくできました、と! ハッハハハハ…これでラプチャーは俺のものだ。
まあ君は気分のよい男だったからな、最後くらい正直に話すとしようか。
俺の名はフランク・フォンテーンだ。アトラスなんて男は最初からいなかったんだよ。
で、君は俺が「していただけないかな?」と言う度に
犬みたいに忠実にわめくように条件付けしてあったわけだ。
ありがとう、わが友よ。あの世でライアンによろしく言っておいてくれ。」
扉が閉鎖され、主人公は閉じ込められてしまった。
だが、しばらくして扉が開いた。そこには小さな女の子、人間に戻ったリトルシスターが。
「私についてきて!」 主人公は言われるままに走り出す。
主人公はフォンテーンが作り出した対ライアン用の人間兵器だった。
ひそかに入手したライアンの遺伝子を元に、
遺伝子工学技術とアダムの利用によって短期間で受精卵から強健な肉体へと成長させ、
同時に偽の記憶や命令用のキーワード、武器の扱い方などを仕込む。
(ラプチャーには遺伝子を生体の外部から全自動で解析する技術があるため、
遺伝子そのものが住民票のような役割を果たす仕組みになっている。
ライアンの血族なら確実に「国民」と認識されるのだ)
そして密輸業者の手で一旦外部に出し、
出自が分からないように偶然を装ってラプチャーに戻らせた…
事はフォンテーンの期待通りに進んだ。
敗北を認めたライアンは(主人公を破壊できたにもかかわらず)己の誇りを保って死に、
用済みとなった主人公はその場に遺棄された。
だが、主人公を助け出した者がいた。
元リトルシスターの女の子たちと隠れ住んでいたテネンバウム博士だ。
彼女は隠れ家に主人公を連れて行き、いくつかの命令コードを解除してくれた。
その上で、主人公を作り出したスーチョンという科学者の事を聞かせてくれた。
彼の研究所に行けば、命令コードを完全に解除し、自由な意思を得ることができるかもしれない…
- 84 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:07:07 ID:p3aRTYL70
- 主人公はテネンバウムの隠れ家を出て高級住宅街「オリンパス・ヘイト」(オリュンポス山)へ。
だが、その行動はすぐにフォンテーンに察知されてしまった。
「さっさとビッグダディに踏み潰されていただけないかな?」と
命令を出すフォンテーンだが主人公は言うことを聞かない。
ならば、と心臓を止める命令コードで主人公を殺そうとしてきた。
こちらのコードは解除が完全ではなかったため、
主人公は激しい動悸をこらえながらスーチョン博士の住まいへ向かうことに。
スーチョンは遺伝工学技術の大家で、
フォンテーンの依頼によりテネンバウムと共同でリトルシスターや主人公を作り、
フォンテーンの(偽りの)死の後はライアンの下で働いていた。
ビッグダディを作り出したのも彼だった。
皮肉にも、彼はビッグダディにリトルシスターを守る本能を植えつける研究をしている際に
うっかりリトルシスターをぶってしまい、彼自身の作り出したビッグダディに殺されてしまったらしい。
スーチョンの住まいを調べた主人公は遺伝子薬品「ロット192」の存在を知る。
フォンテーンは人間兵器たる主人公をスーチョンに作らせた際に、
自分に対しても同じ兵器が使われることを恐れ、その制御を破る方法も同時に開発させたのだ。
主人公はフォンテーンの手下と戦いながら十分な量のロット192を集め、
ついにフォンテーンの呪縛から逃れた。
主人公が完全に自分の制御下を離れたことを知ったフォンテーンは恐怖を感じたらしく、
動揺を隠し切れない声で連絡してきた。
「『ポイント・プロメテウス』に来い、二人で談合しようじゃないか」という言葉を受け、
主人公はメトロに乗って「ポイント・プロメテウス」へ。
- 85 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:07:41 ID:p3aRTYL70
- 潜水球は「ポイント・プロメテウス」へついた。
目の前にはフォンテーンが、
と思ったらすさまじい怪力と念力発火能力を見せ付けて逃げていってしまった。
談合も何もあったものではない。
彼も相当なところまで自分の遺伝子を組み替えてしまったらしい。
フォンテーンは「ミュージアム」に逃げこんだ。
リトルシスターがその扉を開けることができるらしい
(よく見ると扉にペット用のような小さな出入口がある)ので、
テネンバウムの指導の下、ビッグダディに化けてリトルシスターをだます作戦に出る。
「ポイント・プロメテウス」は遺伝子科学の実験室兼展示場といった場所で、
リトルシスターやビッグダディの「生産」はここで行われていた。
主人公はビッグダディのスーツ、声、体臭までも身に付け、ビッグダディそのものに変身する。
テネンバウムが派遣したリトルシスターに道案内をしてもらう。
襲い掛かるスプライサーを排除し、向かう先はフォンテーンの潜んだ博物館。
テネンバウムのアドバイスを受け、リトルシスターから巨大な注射器を受け取る。
フォンテーンの体からアダムを吸い出すことで、
プラスミドによる肉体強化を無効化することができるはずだ。
- 86 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:08:06 ID:p3aRTYL70
- 大ホールの中央に巨大な機械が据えられており、フォンテーンはそこにつながれていた。
アダムを循環させるチューブや無数の注射器がその体を取り巻いている。
彼の肉体はブロンズ像のような筋骨隆々たる巨体に変わっていた。
身動きの取れないフォンテーンに襲い掛かり、巨大な注射器でアダムを吸い取る。
だが途中で跳ね飛ばされた。
機械から降りたフォンテーンを相手に銃弾とプラスミドのパワーを応酬する。
傷ついたフォンテーンは再び機械に戻り、アダムで傷を修復しはじめた。
もう一度注射器を突き立て、また跳ね飛ばされる。
また戦い、また注射器を刺し、また跳ね飛ばされ、また戦い…
だが、何度目かの時に主人公は床に叩きつけられ、身動きができなくなってしまう。
フォンテーンがゆっくりと歩み寄る。
「お前は俺の切り札だったが、同時に最も我が子に近い存在だった。
だからお前の背信行為には胸が痛む。
お前を作り上げたのはこの俺だ!
陸にも上げてやった、お前が何者で何ができるのか教えてやった、
お前が人生だと思ってたものだって俺が考えてやったものだ!
これを家族と呼ばないなら、一体何と…うおっ!?」
フォンテーンの首筋に注射器が突き刺さっていた。
いつの間にか集まっていたリトルシスターたちがフォンテーンに飛びついたのだ。
悲鳴を上げてよろめくフォンテーンに無数の注射器が襲い掛かる。
フォンテーンはすぐに動かなくなった。
リトルシスターの一人がフォンテーンの遺伝子鍵を主人公に差し出した。
主人公はラプチャーを手中に収めたのだ。
その彼が次に行ったことは、
人間に戻ったリトルシスターたちをつれて潜水球に乗り、地上へと向かうことだった。
そして、一人の人間として生きた彼が病院のベッドでその生を終えた時、
その傍らには別れを惜しむ女性達がいた。
彼が求めたもの、それは海底都市や超科学技術ではなく、本当の家族だったのである。
(リトルシスターを殺したことがある場合はエンディングが変化する。
主人公はラプチャーの新たな王としてスプライサーの軍団を組織し、
付近を航海していた戦略原潜を奪取、地上への覇権の拡大を目指す。)
- 87 :Bioshock:2008/05/13(火)
01:13:38 ID:p3aRTYL70
- 捕捉しますと、主人公にはジャックという名前があるのですが、
作中でもほとんど使われないことと主人公の生まれが生まれであることから
文中には記載しませんでした。
短くするとか言っておきながら長くてすみません。
以前予告したようにHalf-Life 2: Episode 2を書きます。こちらはすぐに終わる予定。
- 88 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/13(火)
09:54:08 ID:34GZiODR0
- おつー
- 89 :ゲーム好き名無しさん:2008/05/13(火)
12:28:20 ID:qPPtqCm10
-
>>87
お疲れ様です
ゲームがだから気に留めない、何故一般人である主人公が冒頭で躊躇せずに妙な注射を打ったり
武器や機械を使いこなせたりできるのかが、ライアンに操られるシーンで分かるのは斬新でした
同時にプレイヤー自身も操られていたと製作者に思い知らされるのも、良い意味で不快でした(?)
あと補足ですが、主人公はライアンと愛人の受精卵から作られたので、父親はライアンなんですよね
母親はフォンテーンに受精卵を渡した事がバレて、ライアンに殺されましたが
母親の死体のある部屋の前で、偽の母親の写真がフラッシュバックするのが何とも・・・
細かい解説は以下のサイトが参考になるかと思います
http://seiryu.cside.to/RPG/BioShock/BioShock-story.html
最終更新:2020年02月16日 23:39