幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘

幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘

part47-99~104,106,108


99 :幻想水滸外伝:2009/09/06(日) 17:20:50 ID:K6sI3imC0
幻水外伝Vol.2の投下行きます。

外伝2はデュナン統一戦争(幻水2で描かれた戦争)が終わって三ヶ月、
というタイミングから始まります。
同盟軍、というのは幻水2で主人公が率いていた軍のこと。

100 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:24:17 ID:K6sI3imC0
【Episode1 誇り】
ハイランド方面を避けてティントからグラスランドに入ったナッシュ。
カレリア砦を目指す途中、立ち寄った村は雪融けの宴の真っ最中だった。
リィナたち旅芸人の一座に捕まってナイフ投げの的台にされたりする。

その宴の中、突然村に騎馬の一隊が襲撃をかけてくる。居合わせたギジム
ロウエン・コウユウの言葉から、彼らが “炎の運び手” を名乗る賊だと知る。
リィナ・アイリ・ボルガンらに村人の避難を任せ、やはり居合わせたカミュー
マイクロトフとギジムらとも協力して、賊を退かせる事には成功するものの
頭領らしい仮面の男の炎の魔法から村の女性を庇ったカミューが負傷。
カミューとは既知だったらしいその女性・マキの家で手当てを受ける事に。

ようやく人心地ついた所で村の異変に気付くナッシュたち。
マキの家にやってきた村長は、そこにいた面々に、同盟軍がどの面下げて
やってきたのか、と問う。家の外に詰め掛けた村人もみな非難を口にする。
半年ほど前、同盟軍を名乗る集団がやってきて略奪を働いた。この祭りも
なんとかしてようやく漕ぎ付けたものだったのに。
愕然とする旧都市同盟軍の面々。
だが、だからと言って盗賊に目をつけられた村を見捨てる事もできない。

村長は元々 “炎の運び手” に貢物を差し出し、庇護を願うつもりでいたため
自ら使いを出し盗賊団を村の中心に招き入れ、仮面の男の前に平伏する。
だが仮面の男は村長を捕え、この程度の貢物だけではなく、この村に集まる
交易品の全てを差し出せと要求。村長に対して剣を抜く。
そこへ火炎弾を投げ込み、妨害するナッシュ。
逃げ出した村人たちの誘導を旅芸人ズに任せ、盗賊たちを分断して撃破。
通りすがりのギルバートの加勢を受けたりしつつ、やがて首領を追い詰め
倒すが、仮面を剥いだその素顔はカミューとマイクロトフの知るものだった。
元マチルダ騎士団、白騎士団長ゴルドーの右腕とも言われた男・クラント。
同盟軍がマチルダを攻め落とした際に落ち延び、グラスランドで盗賊の頭に
納まっていたのだ。先の戦いが産み落とした負の産物が、そこにあった。

村を守る事はできたが村人の意識までは変えられず、見送りはマキ一人。
ナッシュは彼女が村に居辛くなる事を心配し、見送りを断ろうとするが
マキは首を振る。同盟軍がしたのは略奪だけではない事を、いずれ皆も
解ってくれる。そういう戦い方があっても良いんじゃないでしょうか、と。

※半年前の略奪が、本当に同盟軍の部隊がやっちまったものなのか
  単に盗賊が同盟軍を騙っただけなのかについては言及されていない。

101 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:29:18 ID:K6sI3imC0
【Episode2 カレリア】
カレリアの前でナッシュは一人の女に声をかけられる。近衛隊時代の
先輩、三歳上の叔母でもあるレナ。潜入の前渡金を受け取っておいて
報告を送っていないので捕縛命令が出てる、という事でいきなり捕まる。

久々のカレリア砦の人員があまりに変わっている事に驚くナッシュ。
ナッシュの知る隊長や兵は殆どが留守らしく、砦は責任者代行である
南部地方軍の田舎貴族・バルジの下で運営されているという。
ナッシュはレナと引き離されて地下牢へぶち込まれ、レナは話が違うと
バルジに詰め寄る。彼曰く、状況が変わった。ナッシュの罪は前戦争で
友邦であるハイランド王国に不利益を働いた事による準反逆罪であり、
明朝に死刑と決まった。レナの言い分には全く聞く耳を持たない。

利用されたと気付いたレナの密かな助けも得てナッシュは夜の内に脱獄。
装備品回収のために倉庫へ向かうが、そこにはこの砦に唯一残っていた
ベテラン兵(?)・ワンが居た。戦いの中でワンが訊ねてくる。
警備隊を抜けてどうするのか、何かやる事があるのか。
頷くナッシュに彼は言う。そいつはいいことだ、と。

俺は国を追われてここまで来た。もう戻る事はないだろう。だが本当は
あの国に残り、何かを成して死ぬべきだったんじゃないか。
自分は “終わってしまった” 人間だ、と言うワン。そしてこの警備隊は
自分のような、行き場も帰る場所も無くした人間でいっぱいだ、と。
「だが、お前には行くべき場所と、成すべきことと、帰るべき場所がある」
それは幸せな事なんだぜ。そう言ってワンは構えを解く。
朝一番で砦の警備を外され、グラスランドに入る事になっていたらしい。
時間切れとしてナッシュを見逃すワン。回収した装備品は全て丁寧に
整備・補充されていた。警備隊を抜けてクリスタルバレーを目指すなら
それなりの装備は必要だろう、と言ってワンは去っていった。

砦の門を越えた先でレナが待っていた。利用されたことを謝るレナだが、
気にしていない素振りのナッシュを見て苛立ちを露にする。
なぜ自分だけで全てを背負い込み、人を煙に巻いて去ろうとするのか。
「そのせいで、どれだけユーリが悲しんだか? ユーリの結婚式の前夜、
 お前がザジを斬ったあの夜から、どれだけ、ユーリが悲しんだか!!」
あの日の事を弁解はしない、と言うナッシュ。ただ、ザジが生きている事、
それがクリスタルバレーに戻る理由だ、とだけ告げて彼女と別れる。

※ワン=幻水3のジョーカー

102 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:35:51 ID:K6sI3imC0
【Episode3 はぐれ竜】
追っ手がかかることを考え、街道ではなく山道を選んだナッシュ。
立ち寄った村で同じクリスタルバレーを目指すハンフリー・フッチと、
フッチの連れる子竜のブライトと一緒になるが、その村は少し前から
山に住み着いたはぐれ竜の襲撃を受けるようになっていた。
ブライトの姿が村人を刺激してしまわないように、すぐに発とうとする
ハンフリーたちだが、そこへ丁度はぐれ竜の襲撃が重なってしまう。

居合わせたオウランの活躍ではぐれ竜を追い払うものの、村人たちは
怒りの矛先をブライトへ向けようとする。そこへ転がり込んでくるシーナ。
村の娘と遠乗りに行ったら、彼女が光に包まれて消えてしまったと言う。
場所は正にはぐれ竜の出没する東の山。オウランが竜退治を発案し、
ナッシュも 「使えそうだから」 という理由で参加させられる。
竜騎士見習だったため、魔物としてではなく相棒・友人として竜を見る
意識が強いフッチは乗り気にはなれない様子。

シーナが案内した洞窟の入口にブライトを待たせ、一行は洞窟の中で
はぐれ竜と相対する。過酷な環境の中で生きるせいか、竜洞の竜よりも
戦闘力の高いはぐれ竜に苦戦。村娘を浚った光にハンフリーが消され
シーナやオウランも消され、残ったのはナッシュとフッチのみ。フッチは
消えた皆を助けるために、とうとう竜を殺す覚悟をする。
ナッシュが竜の動きを止め、フッチが止めを刺そうとした丁度その時、
洞窟内にブライトが入ってきてしまう。思わず手を止めるフッチ。
ブライトははぐれ竜に対して声を上げ、はぐれ竜もそれに応える。
二匹の竜の声に応じるように、仲間たちを消した光が宙に集まっていく。
光の中には、広大な大地と空を数多くの竜が舞う異世界の光景。
その光と共にはぐれ竜の姿は消え、今まで竜の巣に襲撃をかけたまま
帰ってこなかった村人や、シーナの目の前で消えた村の娘、そして
ハンフリーやシーナ、オウランの姿が洞窟内に現れていた。

数日後ナッシュは村を発つ。オウランやシーナは会う機会の無かった
オウランの雇い主の意向で既に村を発っていたが、ハンフリーとフッチ、
ブライトは竜退治から戻ったシーナが活躍を吹聴して回ったらしく、
いまだ英雄扱いから解放してもらえないようだった。

103 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:39:31 ID:K6sI3imC0
【Episode3 はぐれ竜】 補足
※竜は元々この世界の生き物ではなく、「翼と鱗の世界」と呼ばれる
  異世界の生き物が、時々この世界にやってきて卵を産んでいき、
  それが竜になると考えられている。
  はぐれ竜はその「翼と鱗の世界」へ帰ったらしい。

※最初の選択で分岐する裏ルートはナッシュがミリー&メグと一緒に
  ビッキーのテレポート誤爆連発に巻き込まれるという展開。
  登場するのは未来のトニー&ユズ&メグ、現在のバレリア&アニタ、
  現在のアップル&シーナ&オウラン、現在のミルイヒ&シモーヌ。
  &ヴァンサン&エスメラルダ、過去のローレライ&キリィ。
  コンバ特典で現在の2主&ジョウイ&ナナミ、現在の1主&カスミ。
  最終的にはちびビッキーの助けで元の場所に戻る。

表ルートでは出なかったオウランの雇い主がアップルだと裏で解る。
ちびビッキーが3で登場したちびビッキーと同一人物かどうかは不明。


OPムービーでは1主人公がはぐれ竜と戦って崖から落っこちてたような
気がしましたがそんなのは全くの気のせいで、平和に釣りしてます。
ミリーとメグとビッキーの三人娘がどっかの遺跡で日輪魔王か何かと
戦ってた気がするのも超気のせいです。

コンバした幻水2のデータでジョウイとナナミが生きてようが死んでようが
外伝2では幼馴染三人揃って旅してます(=bestED扱いになってる)
幻水2でセーブできる最後のタイミングがED分岐最終決定より前なので、
EDついては反映のしようがないんだと思われる。

104 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:44:26 ID:K6sI3imC0
【Episode4 最後の真実】
二日後にはクリスタルバレー、と言う所まで迫ってきたがザジは一向に
手を出してこない。訝るナッシュの元にレナがやってくる。彼女が言うには
ザジは潰れかけた神殿派地方貴族の家督を手に入れ、更に家長の死と
スキャンダル(ナッシュがザジを斬った事件)で凋落した民衆派の名家、
ラトキエ家の令嬢(ナッシュの妹・ユーリ)との婚約を発表したらしい。
ユーリはザジを信じた。あの事件の日、一体何があったのだと問うレナ。

父が死んだ時、ナッシュはその遺体の一部を吼え猛る声の組合での師
サウロ老に調べてもらっていた。結果は、組合の者だけが知る特殊な毒。
普通の医師には病死としか解らない、密かな毒殺だった。
そして妹の婚約者は、組合で黒い月と渾名される裏の顔を持っていた。
ユーリとザジの結婚前夜、ナッシュはザジを問い詰めた。
民衆派の中心にいるラトキエ家を、もう少しで乗っ取れた、と言うザジ。
その手に小型の銃が滑り込むのが見えた。ナッシュは双蛇剣を振るい、
ザジを斬った。ちょうど扉を開けて入ってきたユーリの目の前で。
ナッシュは妹に真実を告げずに去った。
「冷たい真実が、常にやわらかな嘘に勝るとは限らない。俺はそこまで
 強い人間じゃない」
レナはユーリの下へ戻っていく。お尋ね者になっている件は、ある御方に
頼んで握り潰してもらっているから気にするな、と言い置いて。

クリスタルバレーに入る直前で刺客兼メッセンジャーに襲われる。
倒して手にした手紙には「本日夕刻、クロッツェオ教会にて待つ」の一言。
クリスタルバレー西部地区、三等市民が暮らすスラム内、廃墟と化した
教会でナッシュはザジと再会する。
建物内で待ち伏せていた子弟級ガンナーを一蹴し、ザジのいる屋上へ。
ザジは言う。ユーリに自分が生きている事を教えた。彼女は喜んでくれた。
「自分を残して死んでしまった愛する婚約者」 が生きていた事を。
彼女はザジを信じ、彼の言う事に従って館を移ったと言う。
ユーリを人質に取ったザジに左肩を撃たれて屋上から落下するナッシュ。

※神殿派:神官長ヒクサクによる絶対支配を支持する勢力。
  民衆派:神殿による神事と、民衆による統治を目指す勢力。

※ナッシュの指名手配を握り潰した「ある御方」=ササライの事。
  省略してるけどレナと話をしてるシーンがあります。

106 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:49:24 ID:K6sI3imC0
【Episode4 最後の真実】 続き
そのころ、レナがユーリの下へ訪れる。
レナは全ての真相をユーリに教えようとするが、ユーリはザジの正体を
知っていた。事件の後で、自分でも調べたのだと言う。
それでもザジが時折見せた悲しみと、ほんの時折の、うわべの物では
ない優しさが忘れられなかった、と言うユーリ。
だが、自分がここにいることでナッシュが不利になると知ったユーリは
常に身に付けていたカメオを外してレナに渡す。
「結局……私は……再び、愛した人たちを失うのね……」

教会の裏庭に逃れたナッシュの元に久々のドミンゲスが飛んで来る。
掴んでいるのはユーリのカメオ。レナがユーリの救出に成功したと知り
再びナッシュはザジと対峙する。

ザジは30年ほど前にハルモニアに征服され、三等市民へと落とされた
サナディアという国の出身だった。生まれた時から人とは見なされない
屈辱の日々を送り、敗者の悲哀を味わわされてきた。
だからこそ組合の門を叩き、ガンナーとなり、貴族の家督を手に入れ、
更に民衆派のラトキエ家の追放に成功すれば、組合の長老の椅子に
手が届く。やがては組合の実権を手に入れ、このハルモニアの裏の力
影の恐怖を独占する。
「私はお前達ハルモニア人から多くのものを奪ってやろう。多くのものを
 辱めてやろう! 多くのものを食いつぶしてやろう!!
 それが私の復讐……いや、私の野心だよ。わかるかい、ナッシュ。
 私の野心に、きみもユーリも食い潰されるのだ!!!」

108 :幻想水滸外伝Vol.2 クリスタルバレーの決闘:2009/09/06(日) 17:52:44 ID:K6sI3imC0
【Episode4 最後の真実】 続きの続き
だが、戦いの勝利を得たのはナッシュだった。
倒れるザジにナッシュは問い掛ける。
「もし三年前のあの晩、俺がお前を斬らなかったら、お前はユーリを……」
「……野心のためには女を愛する心など無駄以外の何物でもありません。
 所詮は偽りの愛ですよ……」

ザジは倒した。だがラトキエ家は元には戻らない。父母も、ユーリの心も。
この戦いで何かが変わったのだろうかと自問するナッシュの下に、レナが
やってくる。ユーリは安全な場所に移した、すぐ会うか? という彼女に
ユーリを頼む、と告げてナッシュはその場を後にする。
会う資格は無い。人殺しが誰かを慰めるなんて、許される事ではない。
EDの後、今日もドミンゲスと旅の空のナッシュの絵で終わり。

―see you later…



以上でVol.2も終わり。
この15年後が幻水3で、ナッシュはおっさんになって再登場となります。

ラストの絵は、それまでの選択肢の選び方で「晴々とした表情の絵」と
「後ろ姿の絵」のどちらかに分岐します。善良よりの選択をしていると
晴々絵になる感じ。

幻水3でのナッシュの立場を考えると、この後でレナに連れ戻されて
ササライにこき使われる事になるんじゃないかと思われます。
ササライがレナの嘆願を了承した時、ナッシュへの貸しにもつけておく、
というようなことを言っているので。


最終更新:2009年09月07日 22:25