GUILTY GEAR 2 -OVERTURE-

GUILTY GEAR 2 -OVERTURE-

part50-40~46,52~56,82~86


40 :ゲーム好き名無しさん:2010/02/26(金) 00:21:12 ID:R/2MGhnY0
ではできたてホヤホヤの奴を投下してみます

まずは予備知識の紹介から

・公式プロローグ
時を遥か先におく世界。

人類は無限のエネルギーを創出する『法力』の理論化に成功した。
しかし、人類は叡智を得ても愚かさは捨てられなかった。
大国間の緊張はついに、命を持った禁断の生態兵器『GEAR』を生み出してしまった。

破壊神『ジャスティス』。
意志を持たぬ生態兵器の中に唯一、強力な戦闘能力と指揮能力を持ったその『GEAR』は、
全世界の『GEAR』を従えて人類に宣戦布告した。

対して人類は急遽団結、対GEAR組織『聖騎士団』を結成。
ここに人類対『GEAR』の戦い『聖戦』が勃発。全面戦争になった。

…『聖戦』は、百年の永きにわたった。
幾多の壮絶な戦いの末、『ジャスティス』は『次元牢』深くへと封印された。
そして司令塔を失った『GEAR』たち、はなす術もなく休眠状態に入った。

こうして人類は勝利を収め、再び平穏な日々を取り戻したかに思えた。

『聖戦』の終結から数年後…。
休眠状態であったはずの『GEAR』が相次いで消失、また各地で謎の襲撃が発生した。

真の歴史は、今まさにその脈動を響かせ始めた…。

41 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 00:23:21 ID:R/2MGhnY0
コテつけるの忘れました。>>40も一緒にまとめてください。

ここからは筆者が世界観について軽く補足

・時代背景
ギルティギアの世界は22世紀。つまり近未来。
PS版の初代ギルティギアの物語からおよそ5年後である。

・法力
いわゆる魔法。元々は「火」「雷」「水」「風」「気」の5系統だったが、
現在ではそれらを組み合わせることで660種類(禁呪を含めれば666種類)ものバリエーションが開発されている。

・ギア
ベースとなる人間などに、法力を応用して作られた「GEAR細胞」を植え付けることで誕生する生物兵器。
通常では改造された時点で人格を失ってしまうが、一部例外も存在する。

・バックヤード
この世界の原理を定義付ける世界。簡単に言えば裏世界。
本作中で謎がある程度明らかになる。

・キューブ
バックヤード深部に存在する、「人工的な」隔離空間。
バックヤード内でも現世を構成する領域を、まるで隔離するように作られている。

・「鍵」
キューブを消去するもの。GEAR細胞から採取可能。


42 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 00:25:15 ID:R/2MGhnY0
主な登場人物

・ソル=バッドガイ
本作の主人公。炎と大剣を操る。実年齢は150越え。
かつてはギアの開発に携わる人間の研究員であったが、ギアのプロトタイプに改造される。
それ以来賞金稼ぎとして生計を立てつつ、復讐の為に「あの男」を追っている。
無骨な性格で他人を遠ざける節がある。だが意外にも面倒見は良く、根は悪人ではない。

・シン
本作での副主人公的な立ち位置。ソルに付き従う青年。旗のような棍を武器に扱う。
幼い頃からソル一人によって育てられたらしく、彼を「オヤジ」と呼び慕う。
人付き合いや礼節を弁えた行動が苦手で、良くも悪くも真っ直ぐで純粋な性格。

・カイ=キスク
本作中、唯一ソル以外で前作より登場した人物。雷剣士。
現在はイリュリア連王国の王の地位を手にしている。
性格は真面目で礼儀正しく、天才的な剣術の腕前を持ち、更には人望も厚くて顔立ちも美形と、まさに「完璧超人」。

・木陰の君
カイの側室。要するに奥さん。GEARの血を引いているらしい。
「GGX」に登場したディズィーと設定が酷似しているが、詳細は今のところ不明。

・イズナ
狐っぽい耳を持った人外。様々な方言が混じった独特な言い回しが特徴的。
飄々としていて掴みどころがない性格だが、鋭い観察力と高い戦闘能力を備えた実力者。
ソルには「人外」と呼ばれている。

・Dr.パラダイム
自立型ギアの住む集落で過ごす研究者。自分自身もギアであり、人間に対してあまりいい印象を持っていない。
本人曰く「ドラゴン」らしいが、ソルにはいつも「トリ」と呼ばれ、
挙句の果てには開発スタッフにまで「インコ」と呼ばれていた。

・ヴァレンタイン
「鍵」を捜し求め、ソルやシンの前に幾度となく立ちはだかる謎の少女。
ソルのかつての恋人、「アリア」と容姿が瓜二つ。

・レイブン
「あの男」の部下。沈着冷静で一見穏やかな性格。
しかしその本性は極度のマゾヒストで、時折変態的な嗜好を垣間見せる。

・「あの男」
通称GEARMAKER。
ギア開発の中心にいた人物であり、ジャスティスの素体を生み出しソルをギアに改造した張本人。
贖罪を促すような思わせぶりな口調が特徴的。真の狙いは今のところ不明確なままである。


43 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 00:32:19 ID:R/2MGhnY0
ストーリー
Mission 0(プロローグ)
満月の映える夜中、遺跡のような年輪を感じる建築物の中に男はいた。
ソル=バッドガイ、その人である。

バサバサとしたヘアースタイルと額に付けたヘッドギアが印象的なその男の振る大剣が空を切り、
大きな風切り音を奏で続けている。

シン「オヤジ、いつまで続けてんだよ。」
ソル「ああ。」
シン「何だよその気のない返事は!明日は場所を変えようぜ。こんなとこで野ウサギばっか相手にしてるのも賞金稼ぎの名折れだろ?」
ソル「…寝るか、黙るか、どっちか選べ。」
シン「その音がうるさくて眠れねえんだよ!俺がノルマ与えるからそれやったら終わってくれ」

※ここで、寝不足で死にそうだと駄々をこねるシンがソルにノルマを与えるという形でプレイヤーにこのゲームの基本的な操作をレクチャーします。

ソル「…テメエ何様だ」
シン「お弟子様だよ。普段は散々な扱いされてる俺の気持ちにもなってみやがれ。よーし、次は…」
ソル「もういい。寝不足で死ね。いや、むしろ俺がテメエを安眠させてやる」
ボカッ
シン「痛ってぇ!やりやがったな!」
~~~
シン「き、今日は大人しく眠ってやるぜ…」バタッ
ソル「余計な汗かかせやがって…やれやれだぜ」

その場に倒れたシンを無視し、再び特訓にとりかかるソル。
だが、そのとき、突如自分自身の身に異変が起こっていることに気付いたのだった。

ソル「なんだ…?頭が、ざらつく…」


―イリュリア連王国 封印区―
「GEARの封印は?」
「問題ありません。…!?」
「なんだこれは!」

ギアと思われる物体から、まるで蛍の群れのように不思議な光が現れている。

「まさか、休眠中のGEARが暴走を!?」
「違う!GEARが消滅している!これは一体…!」
「とにかく、連王様に報告だ!」


44 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 00:46:00 ID:R/2MGhnY0
続き

兵士「国連元老院の要求は以上です」
兵士「事実上、国王の統制権の剥奪ですな…いかがいたしましょう?」
連王「私が操り人形となるか、内乱で世界を滅ぼすか、そういう選択を迫ろうというわけですか…」
連王「それはそうと、ギア消失については?」
兵士「GEARの消失が40件を突破しました」
連王「加速度的だな…」
兵士「確かに気持ちの良いことではございません。しかし、今は恐れながら内政に専念したほうが…」

GEAR消失事件と反発者に対する内政、二つの問題に頭を悩ませる連王国の王がそこにいた。
カイ=キスク、その人である。

カイ「あなたたちの言うことはわかりますが、原因がはっきりしない以上簡単に取りやめるわけには行きません。引き続き捜査を頼みます。」
兵士「カイ様。貴方はまるで急いているようにお見受けしますが…何か気がかりが?」
カイ「…」

ドゴゴゴゴ!

突如、地に慟哭走る!
明らかに事故ではない、何者かが意図的に放ったもの。
それは、この地が戦場と化すことを意味していた。

兵士「報告します!目的・正体、共に不明の謎の集団から襲撃を受けています!」
兵士「衛兵が応戦していますが、味方の法力が通じません!」
カイ「すぐに向かいます。それから…貴方はアレを呼んでください。」
兵士「アレ…?あの者を、ですか!?何故…」
カイ「主君は常に最悪の事態に備えるものです」

連王は薄々感づいていた。これが、世界の命運を揺るがす事件の始まりだということを。

カイ「嫌な予感が…この一件、我が国だけの問題で済むとは思えません…」


45 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 00:49:45 ID:R/2MGhnY0
とりあえずプロローグだけ。

ゲーム中、大幅に補足しなきゃ筋が読めないような凝った設定から
ただのゲームプレイの解説まで絡んでいてまとめるのが難しい…

変なこと書いてあったら指摘してください。

52 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 21:15:55 ID:R/2MGhnY0
Mission1
シン「オヤジ、これオヤジの似顔絵じゃないか?」
ソル「字は教えたろ。読んでみろ」
シン「うぉんてっど…あらいぶ…だってさ」
そこに貼られた紙には、連王国が指名手配したソルの姿があった。
ソル「カイの野郎…性質のわりぃ呼び出し方しやがって」
シン「…冗談じゃねえ。連王なんてごめんだぜ」

連王のあまりに理不尽な収集の掛け方に不快感を覚えるソル達であった。

その時、何者かが転移してソル達の前に立ちふさがった。
「あれあれ、ここどこだろう」
「みんなとはぐれた。はんのうあるけど」

顔全体を覆うマスクに黒尽くめの衣装で統率された、見るからに異質な集団――。

シン「なんだが知らねえが、ちゃちゃっと片付けてやるぜ!」
シンの掌から光がほとばしり、集団のうちの一体に向けて収束していく!
バシュン!
シン「な!?こいつら、法力がきかねえ!」
ソル「!…まただ…頭がざらつく…!」
「くらえ」
シンは相手側の法力、それも解除不可能な特殊なものであっさりと拘束されてしまう。
ソル「馬鹿な!こんな術があったのか!?」

???「このまま相手しててもあいつらには勝てないだに」
頭の中で声が響いた。
ソル「誰だ!!」
???「そんな怖い声だすながよ。味方だに。」
???「それに話は後、今は“ゴースト”を叩くのが先決だ」

※ここで、ソル達は謎の声の主から、「ゴースト」「キャプチャー」「サーヴァント」「マスターゴースト」の仕組みについて解説してもらいます。

※簡単に言えば、サーヴァントを生み出すのがマスターゴースト、兵士がサーヴァント、サーヴァントの操れる物体がゴースト、ゴーストを生み出す物体がキャプチャー、そういったもの達を支配するのがマスターです。

ここにて、ソルが自分のマスターゴーストやサーヴァントを召喚する能力を身につけながら集団との戦闘をこなし、
その後封印から開放されたシンが残党兵を追跡して潰すことで戦闘は終了します。

シン「ざまあ!観念しやがれ!」
「おわった。わたしたちはもういみがない」
ズドーン!ズドーン!ズドーン!
シン「自爆しやがった!?なんだよこいつら…」


53 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 21:20:09 ID:R/2MGhnY0
続き

ソル「いい加減出てきやがれ。テメエはどこの人外だ?」
???「もうオイが見えるだか?さすがだっちゃ」

何もないはずの空間から滲み出るように男が現れた。
白髪にやや和風な独特の衣装、手に持った日本刀、何より目に付くのは頭についた狐を思わせる耳…。
どう見てもただの人間ではないことは明らかだった。

何故、この男がこの世界に存在しないはずの術をソルに指南できたのか?
ソルは、彼が「バックヤード」の住人であることを推測する。

シン「バックヤードってなんだ?」
ソル「話すと長い」
シン「そこを短く!」
ソル「仮想空間だ」
シン「短すぎだろ!」

師弟で寸劇をしながら、ソルは語りだす。

100年も前からその存在は理論的に推定されていた特定言語。
この世界の原理という原理を定義付けている情報が内包された「何か」。
法力を扱う際に、一時的にアクセスしなければならない不明瞭な空間。
それがバックヤードなのだと。

シン「わりぃもうちょっとわかりやすく」
???「要するにこの世の理屈を置いてある本、いや図書館みたいなもんだべさ。」
シン「うん、さっぱりだ」

男はイズナと名乗り、バックヤードゆかりのものであることを自白する。
イズナ「んで、さっきの襲ってきた連中は“ウィズエル”。目的はわかんねが、手当たり次第にGEARを潰してまわっちょるんよ」
ソル「俺を狙ってきたわけか?」
イズナ「多分な。でもそげな話は後、本題はここからだっちゃ。」

イズナ「そのウィズエルがイリュリア連王国を襲撃したっちゃ。」
どうやらソル達に襲い掛かってきた軍勢よりも遥かに大群らしい。
ソル「それがカイが俺を呼ぶ理由かよ。」
ソル「“木陰の君”に何かあったのかもな…シン行くぞ」
シン「え!?なんで連王なんかに逢いに行かなきゃならねえんだよ!」
ソル「がたがた抜かすな」

半ば強引にシンを連れ、イズナも加えてイリュリア連王国にソルは向かうのだった。

54 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 21:22:41 ID:R/2MGhnY0
Mission2

空間が歪み、光を放ち、そこから人が3人現れた。-ソル達だ。

イズナ「なんたらワープとかなんとか…まあ要するに近道だべさ」
ソル「これほどの転移…法力学が根底から崩れ去るな」
転移した先には、見るからに異形な姿の生物たちがいた。
ソル「まるで人外の巣窟だな。あいつらもテメエの仲間か」
イズナ「そっ。まあ仲良くして…」
ブンッ
シン「うわっ!?」

突如、人外のうちの一匹がシンに襲い掛かった。
イズナ「おいおい、客人になにするばってん!?」
ソル「…洗脳か!?」
イズナ「そんな!ジャスティスでもなし、オイたちを支配なんて…」
シン「ジャスティスって…あの破壊神かよ!?壊されたんだろ!?」
イズナ「とにかく向こうまで逃げるっちゃ!」

イズナが示した先は、異形の群れの奥の奥―バリアまで張られた門の先だった。
イズナ「この数相手ではサーヴァントをいくら召喚しても勝ち目はないけん、“回収”と“再召喚”を駆使して向こうの門まで運ぶっちゃ!」
シン「マジかよ!」
イズナ「あのバリアはサーヴァントの手を借りなきゃ荷が重いっちゃ!」
シン「無理ねえか!?」
ソル「面倒だがやるしかねえ!」



ソルの活躍により、なんとか道が開けた。
イズナ「よし、全速力で向こうまで走るっちゃ!」

55 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 21:33:28 ID:R/2MGhnY0
Mission3
???「頭がざらつくよ」
イリュリア連王国のとある建物の頂で誰かが呟いている。
ピエロのような帽子と黒衣装。紐の付いた風船のような武器。
不思議な雰囲気をかもし出す少女だった。
???「何故彼は“バックヤード”の力が使えるの?…ソル…記憶」

「ヴァレンタインさまにほうこく」
「あいつらつよすぎ。にんげんいがい」
ソル達を襲ったウィズエルが少女に話しかけている。
???「そうだね。すこしへんだね。ソルとシン」
そう言い残すと、歪んだ空間が少女の前に現れ、そのまま少女の姿は消えてしまった。

シン「うへえ。災難だったな」
イズナ「普段はあんなことするやつらじゃないっちゃよ?」
何とか異形の集団の手から逃れ、転移でイリュリアまで飛んできたソル達の姿があった。
シン「どうした?オヤジ」
ソル「…チッ。街に人の気配がねえ。まさか既に……!?」
ソル「グッ!!」
足元がぐらつき、その場で倒れそうになったが何とか立て直すソル。
シン「オヤジ!?」
ソル「(まただ…頭が…“ざらつく”…!!)」
二度あることは三度ある、という言葉があるように、
またしてもソルは突発的かつ原因不明の不快感に悩まされていた。

56 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/02/26(金) 21:36:07 ID:R/2MGhnY0
続き

その時だった。
???「こんにちは」
ソル「!!」
突如、あの不思議な少女が目の前に現れた。
まるで、ソルの身体の異変が合図だったかのように。

イズナ「あんにゃろは…“マスター”?」
ソル「オマエは!!…いや、そんなはずは…」
いつもぶっきらぼうで感情を露にしないこの男が、珍しく明らかに動揺している。
シン「オヤジ、どうしたんだ!」
ソル「なんでもねえ。目の前の敵に集中しろ!」
???「逃げない。“確率の低い方”の人たちだ。」

イズナ「おめか!オイの仲間を洗脳したのは!」
ヴァレンタイン(以下、ヴァレ)「わたし?わたしはヴァレンタイン」
シン「オヤジ…コイツの法力、並じゃないぜ!」
イズナ「きっと、今まで戦ってきたウィズエルの“マスター”だっちゃ!」
ヴァレ「あなたたちはヴァレンタインの邪魔をしているの。障害の存在は認めないよ」

―ヴァレンタイン戦―

ヴァレ「貴方たちは実力が低い。今は“鍵”が優先かな。放置」
ヴァレ「(でもあの人たちが来てから“鍵”の反応が強くなった…それはわからない)」
ヴァレが転移で撤退。
ソル「待て!」
イズナ「補足探知も失敗だっちゃ…」
シン「あいつら、まるで本気じゃないみたいだった」
ソル「…そうか」
シン「…どうしたオヤジ?顔色悪いぜ?」
ソル「なんでもねえ。城に急ぐぞ」
ソル達は怯むことなく、連王のいる居城へと歩を進めた。

82 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/03/03(水) 23:49:59 ID:nIK3lW+I0
Mission4

イリュリア連王国城内。
その内部は、凄惨を極めていた。
イズナ「これは酷かっちゃね。衛兵もほとんどやられちょる」
更に歩を進めるソル一行。
イズナ「あそこにいるのは…連王っちゃ?」
シン「!」
シンが全速でカイに駆け寄った。
カイは奇妙な青い光に包まれており、剣を地に突き立てたまま身動き一つしない。
ソル「落ち着け。死んじゃいねえ…ん?」
カイの背後に、人の気配。

???「ようやく到着か。遅かったな」
棘々とした鉄仮面を顔につけ、全身に緑のマントを纏う男―――。
ソル「貴様は!」
既に面識がある様子だった。
???「我が主に伝えることはあるか?」
ソル「送り届けるものならある」
ソル「微塵に刻んだテメエの死体だッ!」

―レイブン戦―

???「なるほど、“バックヤード”の力を身につけたか。ここで殺しておきたいが…そうもいかないようだ」
???「残念だ、“背徳の炎”よ。残念だ」
鉄仮面は、漆黒の翼を撒き散らしながら姿を消した。
ソル「待ちやがれッ!……畜生!」
シン「オヤジ、今のは誰だ!?」
ソル「ヤツの腰巾着だ」
シン「“ヤツ”?」

鉄仮面の男は、“不死の病”の異名を持つレイヴンという男だと言う。
そして、そのレイヴンが忠義を尽くす相手こそが、通称「GEAR MAKER」。
かの破壊神ジャスティスを開発し、“聖戦”が起きるきっかけを生んだ張本人。
“あの男”とも呼ばれる、第一級の犯罪者にして、ソルの復讐の標的であった。

イズナ「(“あの男”…やっぱりドクターの言った通り…)」
シン「そ、そうだ!連王は!?」


83 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/03/03(水) 23:52:02 ID:nIK3lW+I0
イズナ「これまた厄介な封印がかかっとるばいね」
ぴくりとも動かないカイを凝視しながら、うなだれるようにイズナが呟く。
ソル「解除法は?いつまで持つ?」
イズナ「どっちもわがんね」
ソル「クソッ」

ズドドドドドド!激しい衝撃音とともに、地面が揺れる!
シン「うわっ!なんだよ、次から次へと!」
城から見下ろすと、ヴァレンタインの下僕たちが街を襲っている!

ソル「おい人外。やつらの狙いはGEARだと言ったな?何故やつらがここを襲う?」
ソル「この街が邪魔になるってことは、その先に重要なものがあると知っているからだろ」
イズナ「だとすると、イリュリア内にギアが?」
ソル「そうだ。だが問題はそこじゃねえ。奴らがどうやってその場所を探り当てるかだ。」

ソル「何らかの手段でギアの居場所を突き止められる手段を持っているとしたら、休憩中のギアを保護している集落はすべて的になりうる!」
イズナ「た…大変だがや!」
ソル「ぐずぐずしてはいられんようだな」
直ちに、街に向かうソル達であった。

84 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/03/03(水) 23:54:46 ID:nIK3lW+I0
Mission5
ヴァレ「城の方は?“鍵”、見つかった?」
「わからない。なかまかえってこない」
「つよい。へんなにんげんがつよい」
ヴァレ「放置したのは失敗だったかも知れない。あの人たち、邪魔になるからやっぱり殺そ――」
「ガン、フレーイム!!」
ズドドドドド!!!
地面に突き刺した大剣から灼熱の波が迸り、ヴァレンタインの周囲にいた部下達をなぎ倒す!
その一撃を放ったのは――
ソル「…。」
「でた。あのつよいにんげん」
ヴァレ「都合がいい」
シン「奇遇だな。俺達もそう思っていたぜッ!」

ヴァレ「ソル…あなたが頭をざらつかせる。」
ヴァレ「でもなんだろう。この気持ち悪さ。反応がチョット違う…」
ヴァレ「たしかめよう たしかめよう」
ソル「…一度だけ聞いてやる。」

ソル「目的は何だ?」
ヴァレ「おかあさんのおつかい」
シン「………へ??」
ソル「じゃあ……くたばれ!!」

―ヴァレンタイン戦―


85 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/03/03(水) 23:57:33 ID:nIK3lW+I0
続き

ズガァァァン!
吹き飛ばされ、辛うじて体勢を取り戻したヴァレンタイン。
ソル「…やったか?」
ヴァレ「ディスコードした…痛い。多分、これが痛いだ」
シン「なんなんだコイツ…?さっきから何を…」
ヴァレ「痛いと、おつかいがうまくいかない。態勢を立て直そう」
距離を取り、逃亡の準備にかかるヴァレンタイン。
ソル「逃がすか!」
ヴァレ「誤解があった」
ヴァレ「シン?」
シン「俺?お、おぅ」



ヴァレ「好きよ」
ソル「!?」
シン「な…!」
まさかの発言にシン達が惑わせられている隙に、ヴァレンタインは姿を消してしまった。
ソル「クソッ!しくじった!補足探知は!?」
イズナ「…すんまそん」
追跡は、またもやあっけなく失敗に終わった。
ソル「キサマ…」
イズナ「ま、まあ。こうなったら連王を助けるのが先決ってことで」
イズナ「知り合いの天才法術家に合わせたいんよ。そいつなら何かがわかるかも知れん」
ソル「案内しろ」

ソル「シン、テメェはここにいろ」
シン「なんでだよ!よりによって連王国に置き去りなんて御免だぜ!」
ソル「王を守れ!」
そう言うと、意外なほどあっさりシンは黙った。
ソル「…心配するな。道草は食わん」
イズナを引き連れ、ソルはイズナのいう“天才法術家”のもとへ向かうのだった。


86 :ギルティギア2 オーヴァチュア:2010/03/04(木) 00:02:48 ID:UZ53aMg50
今日はここまで。

次で新キャラ登場に加えて、ストーリーの謎がある程度ですが一気に解明されるため、
今まで以上に長文必至です。ご注意ください。

最終更新:2010年03月13日 17:50