キャロムショット2
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839 :キャロムショット2:2015/02/16(月) 17:24:12 ID:???
●キャロムショット2
プレイステーションのビリヤードゲーム。
噂が本当なら、この街のどこかに父親の形見があるはずだ……。
ビリヤード世界選手権10連覇という偉業を成し遂げ、
「ビリヤードマスター」の称号を与えられた人物…それが俺の父親だった。
しかし、そんな父親も10連覇達成直後、原因不明の病により天国へと旅立って行った。
俺がこの世に生を受けて10年を迎えたその日に…。
父親からの最後の誕生日プレゼント…、
それは10連覇達成の際に使用していたビリヤード・キューであった。
それから6年過ぎたある日、何者かによって父親の形見が盗まれてしまった…。
どうやら、ブラックマーケットのディーラー間で莫大な金額により売買されたらしい…。
俺は少ない情報を頼りに、形見であるキューを探し続けた…、2年もの間…。
そして今、この街にたどり着いた。
必ず取り戻してみせる…。
■SPARKY‘S
この街に来て一番最初に目に付いた店がこの「スーパーキーズ」だ。
こぎれいな店内にビリヤード・テーブルが1台ひっそりと置かれている。
奥のカウンターには革ジャンを着た数人の男女が集まっている。
彼ら以外に客はいない…。
まずは彼らに話を聞くしかなさそうだ…。
見ているとその中の一人の男がこちらに寄って来た。
「おいお前、ここらじゃ見ない顔だな」
どうやらあの集団のリーダーみたいだ。見るからにガラが悪い。問題が起きなければ良いが…。
「まぁ、そう構えるなよ! 俺はレオナルドだ。ここを拠点として撞いている。よろしくな。
自分のキューを持っているってことはお前もビリヤードやっているようだな。挨拶がわりに一勝負どうだ?
そうこなくっちゃな! よし! 勝負だ!!」
「お前なかなかやるな…甘く見た俺が悪かったぜ。だが勝負は勝負! 俺の負けだ。よかったら、また勝負してくれよな!
ところで、何をしにこの街に来たんだ?
ん?! 形見のキューを探しに来たって? 伝説のハスラーのキューねぇ…悪いが聞いたこと無いなぁ…。
まぁ、とりあえず、この近くでビリヤードできるところを教えてやるよ。
一つ目は「リトルチェリー」。ファーストフード店だが、そこにもハスラーが集まる。
ブライアンって調子に乗った野郎がいるから、そいつに聞いてみるといい。
二つ目は「コチャバンバ」って雑貨屋でファッションビルの地下にある店だ。直接ビリヤードには関係ない店だけどな。
そこに行けば、知っているヤツがいるかも知れないぜ!
俺の方でも調べておくから、また来いよな。勝負の方も忘れるなよ!! このつぎ勝負するときは負けないぜ!」
思ったよりもいい奴だった。彼は外見で損するタイプのようだ。
840 :キャロムショット2:2015/02/16(月) 17:25:01 ID:???
■LITTLE CHERRY
レオナルドに教えてもらったファーストフードのレストラン「リトルチェリー」。
店全体が50年代を思わせるようなつくりになっている。店自体は繁盛しているようだ。
ブライアンと言う男を探さなければ…。カウンターにいるウェイトレスに聞くのが早そうだ…。
「いらっしゃいませ。何になさいますか? (ブライアンを訪ねる)
あちらの白いジャケットを着た方がブライアンさんですよ。」
「僕がブライアンですが…どのような御用件ですか?
レオナルドの紹介ですか? …あいつの紹介じゃ、なにも教えられませんねぇ。
まぁ、それじゃぁ余りにも失礼なので、ビリヤードで僕に勝ったら、とりあえず聞いてあげましょう。
ナインボールでよろしいですか? さぁ、始めましょうか!」
「ちくしょう! 負けちまった!! 俺としたことが!! くそっ!
あっ! 失礼…、そう言えば、何を聞きたいのですか? 約束ですからね…。
キューを探してるって? あの伝説のキューの事ですか?!
この街にあると言う噂は聞いたことがありますよ。誰が持っていると言うことまでは…。
その手の情報に詳しい人を知っていますよ。「コチャバンバ」と言うお店にいるメイという女性です。
あの人も、ビリヤード好きですから多分勝負を挑まれると思いますよ。
メイと言う方もけっこう強いです。女性だからって甘く見てはいけませんよ。
伝説のハスラーの息子か…筋が良い訳だ…。レオナルドの野郎にあったらよろしくと伝えておいてください。」
■COCHABAMBA
レオナルドに教えてもらったエスニック雑貨店「コチャバンバ」。
なかなか見ることのできない雑貨や楽器が所せましとならんでいる。
店の奥で2人の女性がビリヤードをしている。
「あっ、いらっしゃいませ! どうぞ御自由にごらんくださいね。」
異国の雰囲気あふれる、黒髪のきれいな女性だ。見たことないような服装をしている。
「あたしはこの店の店長、メイよ。ブライアンの紹介なの? わかった! なにか情報が欲しいんでしょ?!
あ、キューケースを持ってるってことは、あなたもビリヤードやる人なのね! ちょっと一勝負どう?
って言うか、勝負しないとあなたの知りたい情報は教えないからね! ゲームは選ばせてあげる。」
「…。すごく悔しいんですけど…。なんで、負けたのかなぁ。う~ん…。
で、何の情報が欲しい訳? 形見のキュー? あぁ…伝説のハスラーってあなたのお父さんなの?!
なるほどねぇ…。あたしの知る限りでは、そのキューを盗んだのは中国系の窃盗団よ。
窃盗団は珍しいものや高価なものを盗んでは、闇のマーケットに流しているらしいの。
この街に窃盗団のアジトがあるって聞いたことがあるけど、場所まではしらないわ…。参考になったかしら?
あたしが知っているのはここまで、あとは自分の足で探してね。がんばってね! 応援しているわ!」
841 :キャロムショット2:2015/02/16(月) 17:25:45 ID:???
■SPARKY‘S
盗まれたキュー…。窃盗団の存在…。少しずつ明らかになっていく。
レオナルドも何か情報を得ているだろうか? …しかし、店内にはレオナルドの姿は見えない…。
レオナルドの仲間がいた、無愛想な女性だ、ショートヘアが似合っている。
「レオナルドなら出かけてるわよ。あたしはジナ。レオナルドとは幼馴染よ。あんたね、キューを探してる人って。
レオナルドに、あなたが来たら伝言をつたえろって言われているんだけど…。
あのさぁ、レオナルドが言う程、強いの? あんたって…そうは、見えないけどね…そうだ!
あたしと勝負して、勝ったら伝言を教えるってのはどうかしら? 決まりね! 好きなルールを選びな。
あんたの腕がどれほどのものか、確かめてあげるよ!」
「レオナルドが言っていた通りだね。あんた強いよ…悔しいけど…。レオナルドからの伝言ね。
あんたが探しているキューだけど、やっぱりこの街にあるって。もともとは窃盗団が盗んだらしいけど、
その窃盗団を動かしている黒幕がいるみたいよ。どうやらコレクションにしたいって言う理由だけで、
あんたの家から盗んだって話だよ。レオナルドいわく、「絶対そいつが持っているはずだ!」だってさ。
あぁ、それから、5番街にある「フィールドサイド」ってビリヤード用品店に行けってさ。
詳しいことは良くわかんないけど。とにかく、行ってみなよ!! あんたレオナルドに感謝するんだよ。」
■FIELD SIDE
ビリヤードショップ「フィールドサイド」。ビリヤードに関するあらゆるものが売られている。
「ん? いらっしゃい…なんか、さがしてるのか?」
この店のオーナーのようだ。名前はヨコタ。
「なんか、探してるのか? お前さん、あの男の息子なのか? そうか…お前さんの父親とは昔の知り合いだ。
どう言う知り合いかは、この際どうでも良いことだがな…。盗んだ奴等の情報を教えてやろう。
窃盗団のリーダーの名前は「ワン」。良くは知らないが、中国人らしい。奴が良く出入りするという店は…、
たしか「金龍飯店」とかいう、会員制の中華料理店だったような気がする。そこで張っていれば必ず現れるはずだ。
気をつけて行くんだぞ! 形見を取りかえしたら、俺にも教えろよ!」
■金龍飯店
会員制中華料理店「金龍飯店」。豪華で広い店内は大勢の客で埋め尽くされている…。
料理専門店という訳では無く、ちいさなカジノのようなコーナーもあるようだ。
窃盗団のリーダー「ワン」はこの店の中にいるのであろうか…。
「ようこそ! 待っていたよ。伝説のハスラーの息子さん…」
怪しい風貌の中国人男性だ。何やら俺に話があるようだ。この男が「ワン」なのか?
「よくここが分かったな! ご想像通り、私がワンだ…まぁ、今では窃盗団から足を洗ったがな。
2年前に、お前の家からキューを盗んだのはこの私だ! 簡単な仕事だった…キューを返せ…と言いたいだろ?
あいにく、私の手元にはないのだ。キューの行方が知りたいか? そうだな…せっかくだから、
ビリヤードで勝負すると言うのはどうだ? 私が負けた場合は、そのキューの行方を話す…、
お前が負けたときは、私にすべての財産を渡す…そのくらいの価値はあるだろう…フッ!
ルールはナインボール。2セット先取制だ!! いいな!」
842 :キャロムショット2:2015/02/16(月) 17:26:21 ID:???
「ふっ…負けちまったぜ…。さすが、あの男の息子だ…約束通りキューの行方を教えてやろう。
実はな、あのキューを盗み出したのは、あの当時我々のスポンサーだった男による依頼だったのだ。
そのスポンサーとは、表向きは実業家、裏では武器商人で有名な「ティーノ」って男さ。
この先にあるエンペリオンビルとか言う、馬鹿でかい建物が奴の要塞だ。
普通に行っても100%取次いでもらえないと思うぞ。忍び込むにしても、かなり困難だ…、
あの警備はかなり厳重だからな。私が現役の頃でも無理だろう…そうだ! 一ヶ所だけ行けそうな場所がある…。
地下にあるボイラー室。あそこからなら、上手い具合にエレベーターホールへと抜けられるはずだ。
安心しな。私とティーノとは、すでになんの関わりも無い…と言うか、お前には悪いことをしたと思っている。
せめてもの償いとして受け取ってもらえると嬉しいのだがな…そうはいかないな…じゃあ、健闘を祈ってるよ。」
■BASEMENT
ワンに教えてもらった地下への入口から、無事、ボイラー室に侵入することができた。
その奥にある通気口からエレベーターホールに抜けられるはずだ…。
「お前、誰だぁ~? オレはボイラー室の管理人のオスカーだぁ~。何しに来たんだ?
わかった! オレと遊ぶのに来たんだろ? あいにくビリヤードしか遊ぶもの無いけど、我慢してくれよ。
オレはず~っとビリヤードしか遊んでないけどな。ルールは何にする? よし! 決まり。満足するまで帰さないぞぉ!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ! 負けたぁぁぁぁぁぁぁ! あんなにいっぱい練習したのにぃ!!
なんでぇぇぇぇぇぇぇ! もっと練習しないとダメだぁ~! オレ、練習する! お前、もう好きなところに行け!」
かなり図体がでかい…オスカー。負けた事が悔しいようだ。黙々と練習している。
通気口からエレベーターへ。そこから80階へと移動する。
■BOSS
80階、二階ぶち抜きの豪華な部屋の中央にビリヤード台がある。
そこにこの会社の社長、スーツ姿の精悍な男がいた。名前はディーノ。
「フフフッ…。予約なしで、この部屋に入ってくるとは君も大胆な人間だな。
よっぽどの理由があって、ここまで来たように思えるのだが…で、私に何のようだ?
なに? 2年前に盗んだキューを返せと? そうか…君が伝説のハスラー「アルフレッド」の息子か。
フフフッ…。あのキューは、私のビリヤード・コレクションの中でもひときわ美しく、そして非常に貴重なものだ。
今さら返せなどと言われてもな…それではこういうのはどうだ? ビリヤードで決着をつけると言うのは。
君が勝った場合、キューは返す。負けた場合は私のものとなる。君も伝説のハスラーと言われた男の息子なら、この勝負、
受けて立つべきではないのかな? さぁ、ルールを選ぶがよい!! レギュレーション・ルール、3セット先取制だ。
はじめに言っておくが…私はうまれてこの方、負けたことは一度もない…それだけだ。」
「な、なぜだ?! どうしてだ?! この私が負けるなんて…くそっ……。
ほら、持っていけ。約束だからな…また、いつか取り戻してやる…覚えていろよ…。
さっさと、このビルから出ていけ! 私の気がかわらぬうちに…。」
■エンディング
こうして俺の長い旅は終わりを告げた…。
捜し続けた形見。このキューに導かれて、俺は少しだけ強くなれた。
この手の中にあるのは、今はもういない父親の、伝説になってしまった男のキューだ。
いつか俺も、彼のように強くなってみせる。
そしていつか、彼を越えてみせる。
あなたが誇りに思うような息子になれるその日まで…。
見守っていてくれ、親父…。
スタッフロール、父親の写真が立てかけられた机、ビリヤードの本が捲られ、登場人物の絵と紹介が出る。
最後に主人公の後ろ姿。終わり。
843 :名無しさん:2015/02/16(月) 17:28:46 ID:???
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最初に選んだ店で対戦相手が少し変わるようだけど、俺このゲーム向いてないからここまで