「《道化人形》マリア・カデンツァヴナ・イヴ&キャスター」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

《道化人形》マリア・カデンツァヴナ・イヴ&キャスター」(2016/04/28 (木) 23:02:08) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*《道化人形》マリア・カデンツァヴナ・イヴ&キャスター ◆aWSXUOcrjU  ロウアー・サウスサイド。  アーカムの9つのエリアの中でも、最も暗く寂れた場所だ。  いわゆる貧民街であるそこは、住民の生活水準も治安も、最底辺に位置している。  住むことはおろか立ち入ることすら、本来は憚られるような暗黒街だ。  ここに居を構える者がいるとするなら、それは周りと同じ貧乏人か、あるいは法の目を逃れ、身を隠したいと思う者か。 「ふふっ……」  廃屋でくつくつと笑う男は、後者に属する人間だった。  ウェーブのかかった長髪の下に、褐色の顔を覗かせた男だ。  美形とすら言える端正な顔立ちは、どこか嗜虐的な色を宿した、暗い微笑に歪められていた。 「………」  吐き気がするほどにおぞましい。  男の顔と周囲を交互に見回し、マリア・カデンツァヴナ・イヴは思う。  キャスターのサーヴァントと名乗った男が、一瞬前にしでかしたことの、なんと恐ろしくも惨たらしいことか。 「いい具合に集まったじゃないか。まぁ、ひとまずはこんなところかな」  キャスターの周囲に並んでいるのは、色も模様もバラバラな、無数の棺桶だった。  それも空の棺ではない。全てに中身が入っている。正確にはキャスターが用意している。  この男はつい一瞬前に、この地区の人間達を1人1人襲い、その生命を奪っていったのだ。  確か魂喰い、と言ったか。サーヴァントは人間の生霊を喰らい、自らの糧とすることができるらしい。  そうしてこの男は、周囲の命を、次々と犠牲にしていったのだ。自分が強くなるそのためだけに。 「キャスター……これは本当に、必要なことだったの?」 「もちろん必要だよ、マスター。魔術師でないマスターからは、ボクは満足に魔力を得られない。  だからこうして、それ以外の手段で、必要な魔力を補っているのさ」  芝居がかった身振りを交えて、キャスターがマリアの問いに答えた。 「それにことボクに関しては、魂喰いのメリットはそれだけじゃない。  尊い犠牲となった彼らは、ボクの忠実なしもべとなって、マスターに貢献するというわけだ」  キャスターの有するスキルの中に、「ネクロマンサー」というものがある。  彼は死体を人形のように操り、自らの手下として使役できるのだそうだ。  死体をその場に放置せず、一箇所に集めていたのはそのためか。なんとも吐き気のしそうな理由だった。 「どうだい? これで納得がいっただろう?」 「でもッ! 彼らは聖杯のことも知らない……戦う意志のない一般人なのよッ!?  貴方も戦争を知っているなら、覚悟も牙も持たない者が、一方的に嬲られる悲しみくらい……ッ!」 「やれやれ、がっかりさせないでほしいなぁ」  言いながら、ずいっ、と近寄った。  突然目と鼻の先に迫った、キャスターの浅黒い顔に、マリアは一瞬息を呑んだ。 「マスターの言うその理屈は、殺す相手を選り好むということだ。  その点ではボクと変わらない。ただそれを理解しないまま、正義面して言い放つのは……ちょっとばかり不愉快だな」  やれやれといった顔つきで、ため息混じりにキャスターは言う。  綺麗事で飾ろうと、人を殺すことに変わりはない。  選んで殺すということが、上等であるはずもない。それを理解すべきだと。 「……ッ!」  瞳を覗きこむような視線に、マリアは言葉を返せなかった。  所在なさげに視線を逸らし、否定できないと目で語ってしまった。  それは違うと言い返せないことも、正論だと思ってしまうことも、何もかもが情けなかった。 「いいかい、マスター。ボクは強い。君が引いたクジは間違いなく当たりだ」  そこは信用していいよと、言いながらキャスターが身を退かせる。 「なにせボクは蟹座(キャンサー)のシラー……死と創造を司る黄金聖闘士(ゴールドセイント)だからね」  神話の時代から受け継がれてきた、88の星座の力。  その頂点に存在している、黄道十二星座の戦士。  それらの一角である己が、弱いサーヴァントであるはずがないと。 「しかしながら、君が弱い。魔力の素養に乏しい君では、ボクの力を引き出しきれない。  それでもなお勝とうとするのなら、果たしてどうすればいいやら……それは理解しているね?」  返すまでもなかった。  その答えはつい先程に、ご丁寧に説明されていた。 「つまりボクのこの行動は、君の弱さが招いた結果さ。それは真摯に受け止めるべきだと、少なくともボクはそう思うよ」 「………」 「まぁ、無理もないだろうね。途中で施設に拾われたような、恵まれた環境にいた君では」  奪ってでも生き延びようとする気持ちなど、理解できるはずもないだろうと。 「……さてと、話はこれで終わりだ。君は世界を救うため、ボクは世界に帰るため……お互い頑張ろうじゃないか」  キャスターのシラーはそう締めくくると、再び棺桶へと向かった。 (恵まれている……)  そう考えたことはない。  しかし改めて振り返ると、否定はできないかもしれない。  マリアと生前のシラーは、どちらも戦争に巻き込まれ、全てを失った孤児だった。  違いがあるとするならば、マリアが妹のセレナ共々、米国の研究機関・F.I.Sに、観察対象として保護されたことだろう。  過酷な境遇ではあったが、最低限度の衣食住は、間違いなく保障されていた。  何物の保護も受けられず、続けたシラーに比べれば、確かに恵まれているのかもしれない。 (セレナ……ッ!)  だとしても、どうしても許容できない。  どれほどの裏付けがあったとしても、この殺戮は間違いなく悪だ。  自分は馬鹿なことをしている。またしても無辜の命を奪い、犠牲の塔を積み上げている。  それを懺悔するように、胸中で妹の名を呼んだ。  馬鹿な姉ですまないと。  月を止めるためとはいえ、こんな馬鹿げたことをしている、駄目な姉で本当にすまないと。  銀色の装束を纏い、身を挺して自分達を守った、妹の姿に謝り続けた。  現状へとマリアを誘った鍵が、同じく銀色に染まっていたことは、皮肉としか言いようがなかった。 【クラス】キャスター 【真名】シラー 【出典】聖闘士星矢Ω 【性別】男性 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力C 耐久C+ 敏捷B 魔力A+ 幸運D 宝具A 【クラススキル】 陣地作成:A  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。  “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。  シラーは生前の逸話から、巨大な神殿「巨蟹宮」を、物理的に建造することもできる。 道具作成:C  魔術的な道具を作成する技能。 【保有スキル】 セブンセンシズ:A+  人間の六感を超えた第七感。  聖闘士(セイント)の持つ力・小宇宙(コスモ)の頂点とも言われており、爆発的な力を発揮することができる。  その感覚に目覚めることは困難を極めており、聖闘士の中でも、限られた者しか目覚めていない。  シラーの持つ莫大な魔力の裏付けとなっているスキル。 ネクロマンサー:B  死体を操り手駒とする術。  生命活動が停止していることが条件であり、仮死状態であっても問題はない。  このランクの場合、相手がサーヴァントでも、低級のものであれば操ることができる。 死の芳香:C  瘴気を用いた戦闘スタイル。  死の恐怖を喚起させる攻撃により、相手の精神にもダメージを与えることができる。 【宝具】 『蟹座の黄金聖衣(キャンサークロス)』 ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:-  黄金聖闘士(ゴールドセイント)の1人・蟹座(キャンサー)の聖闘士に与えられる黄金聖衣(ゴールドクロス)。  黄金に光り輝く鎧は、太陽の力を蓄積しており、他の聖衣とは一線を画する強度を誇る。  この聖衣を然るべき者が装着することにより、装着者の筋力・耐久・敏捷・幸運のパラメーターが1ランクずつアップする。  本来のランクはA+なのだが、アテナとアプスの小宇宙が衝突した際の影響で、  聖衣石(クロストーン)と呼ばれる形態に変質してしまっており、若干のランク低下が見られる。 『積尸気冥界波(せきしきめいかいは)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大補足:1人  蟹座の聖闘士と共に語り継がれてきた、おぞましい威力を宿す奥義が宝具化したもの。  小宇宙を死の燐光へと変換し、敵に向かって放つ技である。  この積尸気を受けた標的は、黄泉比良坂へと堕とされてしまう。  より強い力で振り払うことは可能だが、そうしなければ命中と同時に即死することになる。 『積尸気冥界輪舞(せきしきめいかいりんぶ)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大補足:40人  『積尸気冥界波(せきしきめいかいは)』よりも多くの積尸気を発生させ、竜巻の形にしてぶつける技。  消費は大きいが、威力・攻撃範囲共に向上しており、一度に多くの敵を葬ることができる。 【weapon】 なし 【人物背景】 88の聖闘士の中でも、最高位に位置する黄金聖闘士の1人。 かつては戦災孤児であり、過酷な環境の中で生きるために、略奪を繰り返していた。 そうした経緯から、「この世には強者と弱者しかおらず、選ばれた強い者が生き残る」という価値観を持つようになっていった。 他人の放つ「死の匂い」を好み、死を弄ぶことにサディスティックな悦びを覚える人物。 優男風の見た目通り、どこか気障な言動が目立っている。戦闘中にたびたびマントで手を拭うなど、潔癖症と思われる仕草を見せることも。 一方で、自らが死に瀕することは極端に恐れており、聖闘士の力を欲した理由も、「死から遠ざかるため」であると語っている。 闇の住人のように振る舞いながらも、本物の闇の深さを知らず、安全圏で悦に浸るだけの小心者。 小宇宙の属性は水。 しかし戦闘の際には、瘴気の塊をぶつける「冥土引導」など、蟹座の聖闘士特有の瘴気を用いた技を用いる。 2人1組の死体人形に瘴気を放たせ、敵を打ち上げ地面に叩き落とす「冥土凋落」という派生技も使用可能。 生物にとって最大のストレスである、死の恐怖を喚起させる攻撃は、相対する者の精神に甚大なダメージを与えるだろう。 【サーヴァントとしての願い】 受肉したい。死の牢獄から逃れ生き返りたい。 【方針】 まずは魂喰いを行い、自身の魔力と使える死体人形とを同時に増やしていく。 噂を聞きつけ、他のマスターが陣地に乗り込んでくれば、蓄えた魔力で迎え撃つ。 54 :《道化人形》マリア・カデンツァヴナ・イヴ&キャスター ◆arYKZxlFnw:2015/03/19(木) 01:19:33 ID:6ZcGXwZ20 【マスター】マリア・カデンツァヴナ・イヴ 【出典】戦姫絶唱シンフォギアG 【性別】女性 【マスターとしての願い】 月の落下を止めたい 【weapon】 ガングニール  北欧の軍神オーディンの槍から生み出されたシンフォギア。  その由来の通り、槍型の武器(アームドギア)を用いる。  また、羽織ったマントは自在に操ることができ、中距離攻撃やシールドとして使うことが可能。  必殺技は、槍の先端からエネルギーを解放し、ビームのようにして発射する「HRIZON†SPEAR」。 白銀のシンフォギア  実妹セレナ・カデンツァヴナ・イヴの遺品。  彼女の死亡および、本シンフォギアの破損により、登録データは全て抹消されてしまっている。  そのためいかな聖遺物に由来するものなのか、どのような性能を持っているのかなど、ほとんどの情報が不明。  起動聖詠には「アガートラーム」というフレーズが盛り込まれており、それがシンフォギアの名称であるということは推測できる。  相応の覚悟と意志により、「奇跡」を手繰り寄せることがない限り、決して起動することはない。 【能力・技能】 シンフォギア適合者(偽)  神話の遺産・聖遺物から生み出された、FG式回天特機装束・シンフォギアを扱う技術である。  しかし彼女自身の適合率はあまりに低く、制御薬・LiNKERの服用なしには、シンフォギアを纏うことはできなかった。  初期状態では効力が切れているため、シンフォギアを纏って戦うためには、まずLiNKERを確保しなければならない。 【人物背景】 かつてアメリカの実験機関「F.I.S」に囚われていた、レセプター・チルドレンの1人。 月落下の事実を世界に公表し、完全聖遺物・フロンティアによる状況打開を行うため、武装組織「フィーネ」の首魁として蜂起する。 しかし彼女自身は争いを恐れており、現在の立場も組織の維持のため、ナスターシャ教授に依頼されて受け入れたものだった。 2歳歳下の妹・セレナを喪っており、妹の悲劇を繰り返したくないという想いが、彼女の心を繋ぎ止めている。 表向きには強気に振舞っているものの、本来は消極的な性格。 そのため、テロ組織として戦うことによる良心の呵責や、組織の代表を求められる重圧により、心を擦り減らしていった。 それでも、優しく面倒見のいいお姉さん基質でもあるため、周囲の人間からの信頼は厚い。 表向きには歌手活動をしており、そちらの方面では、僅か2ヶ月で全米ヒットチャートの頂点に立つほどの才能とカリスマを有している。 【方針】 迷いはあるが、一応聖杯狙い。
*《道化人形》マリア・カデンツァヴナ・イヴ&キャスター ◆aWSXUOcrjU  ロウワー・サウスサイド。  アーカムの9つのエリアの中でも、最も暗く寂れた場所だ。  いわゆる貧民街であるそこは、住民の生活水準も治安も、最底辺に位置している。  住むことはおろか立ち入ることすら、本来は憚られるような暗黒街だ。  ここに居を構える者がいるとするなら、それは周りと同じ貧乏人か、あるいは法の目を逃れ、身を隠したいと思う者か。 「ふふっ……」  廃屋でくつくつと笑う男は、後者に属する人間だった。  ウェーブのかかった長髪の下に、褐色の顔を覗かせた男だ。  美形とすら言える端正な顔立ちは、どこか嗜虐的な色を宿した、暗い微笑に歪められていた。 「………」  吐き気がするほどにおぞましい。  男の顔と周囲を交互に見回し、マリア・カデンツァヴナ・イヴは思う。  キャスターのサーヴァントと名乗った男が、一瞬前にしでかしたことの、なんと恐ろしくも惨たらしいことか。 「いい具合に集まったじゃないか。まぁ、ひとまずはこんなところかな」  キャスターの周囲に並んでいるのは、色も模様もバラバラな、無数の棺桶だった。  それも空の棺ではない。全てに中身が入っている。正確にはキャスターが用意している。  この男はつい一瞬前に、この地区の人間達を1人1人襲い、その生命を奪っていったのだ。  確か魂喰い、と言ったか。サーヴァントは人間の生霊を喰らい、自らの糧とすることができるらしい。  そうしてこの男は、周囲の命を、次々と犠牲にしていったのだ。自分が強くなるそのためだけに。 「キャスター……これは本当に、必要なことだったの?」 「もちろん必要だよ、マスター。魔術師でないマスターからは、ボクは満足に魔力を得られない。  だからこうして、それ以外の手段で、必要な魔力を補っているのさ」  芝居がかった身振りを交えて、キャスターがマリアの問いに答えた。 「それにことボクに関しては、魂喰いのメリットはそれだけじゃない。  尊い犠牲となった彼らは、ボクの忠実なしもべとなって、マスターに貢献するというわけだ」  キャスターの有するスキルの中に、「ネクロマンサー」というものがある。  彼は死体を人形のように操り、自らの手下として使役できるのだそうだ。  死体をその場に放置せず、一箇所に集めていたのはそのためか。なんとも吐き気のしそうな理由だった。 「どうだい? これで納得がいっただろう?」 「でもッ! 彼らは聖杯のことも知らない……戦う意志のない一般人なのよッ!?  貴方も戦争を知っているなら、覚悟も牙も持たない者が、一方的に嬲られる悲しみくらい……ッ!」 「やれやれ、がっかりさせないでほしいなぁ」  言いながら、ずいっ、と近寄った。  突然目と鼻の先に迫った、キャスターの浅黒い顔に、マリアは一瞬息を呑んだ。 「マスターの言うその理屈は、殺す相手を選り好むということだ。  その点ではボクと変わらない。ただそれを理解しないまま、正義面して言い放つのは……ちょっとばかり不愉快だな」  やれやれといった顔つきで、ため息混じりにキャスターは言う。  綺麗事で飾ろうと、人を殺すことに変わりはない。  選んで殺すということが、上等であるはずもない。それを理解すべきだと。 「……ッ!」  瞳を覗きこむような視線に、マリアは言葉を返せなかった。  所在なさげに視線を逸らし、否定できないと目で語ってしまった。  それは違うと言い返せないことも、正論だと思ってしまうことも、何もかもが情けなかった。 「いいかい、マスター。ボクは強い。君が引いたクジは間違いなく当たりだ」  そこは信用していいよと、言いながらキャスターが身を退かせる。 「なにせボクは蟹座(キャンサー)のシラー……死と創造を司る黄金聖闘士(ゴールドセイント)だからね」  神話の時代から受け継がれてきた、88の星座の力。  その頂点に存在している、黄道十二星座の戦士。  それらの一角である己が、弱いサーヴァントであるはずがないと。 「しかしながら、君が弱い。魔力の素養に乏しい君では、ボクの力を引き出しきれない。  それでもなお勝とうとするのなら、果たしてどうすればいいやら……それは理解しているね?」  返すまでもなかった。  その答えはつい先程に、ご丁寧に説明されていた。 「つまりボクのこの行動は、君の弱さが招いた結果さ。それは真摯に受け止めるべきだと、少なくともボクはそう思うよ」 「………」 「まぁ、無理もないだろうね。途中で施設に拾われたような、恵まれた環境にいた君では」  奪ってでも生き延びようとする気持ちなど、理解できるはずもないだろうと。 「……さてと、話はこれで終わりだ。君は世界を救うため、ボクは世界に帰るため……お互い頑張ろうじゃないか」  キャスターのシラーはそう締めくくると、再び棺桶へと向かった。 (恵まれている……)  そう考えたことはない。  しかし改めて振り返ると、否定はできないかもしれない。  マリアと生前のシラーは、どちらも戦争に巻き込まれ、全てを失った孤児だった。  違いがあるとするならば、マリアが妹のセレナ共々、米国の研究機関・F.I.Sに、観察対象として保護されたことだろう。  過酷な境遇ではあったが、最低限度の衣食住は、間違いなく保障されていた。  何物の保護も受けられず、続けたシラーに比べれば、確かに恵まれているのかもしれない。 (セレナ……ッ!)  だとしても、どうしても許容できない。  どれほどの裏付けがあったとしても、この殺戮は間違いなく悪だ。  自分は馬鹿なことをしている。またしても無辜の命を奪い、犠牲の塔を積み上げている。  それを懺悔するように、胸中で妹の名を呼んだ。  馬鹿な姉ですまないと。  月を止めるためとはいえ、こんな馬鹿げたことをしている、駄目な姉で本当にすまないと。  銀色の装束を纏い、身を挺して自分達を守った、妹の姿に謝り続けた。  現状へとマリアを誘った鍵が、同じく銀色に染まっていたことは、皮肉としか言いようがなかった。 【クラス】キャスター 【真名】シラー 【出典】聖闘士星矢Ω 【性別】男性 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力C 耐久C+ 敏捷B 魔力A+ 幸運D 宝具A 【クラススキル】 陣地作成:A  魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。  “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。  シラーは生前の逸話から、巨大な神殿「巨蟹宮」を、物理的に建造することもできる。 道具作成:C  魔術的な道具を作成する技能。 【保有スキル】 セブンセンシズ:A+  人間の六感を超えた第七感。  聖闘士(セイント)の持つ力・小宇宙(コスモ)の頂点とも言われており、爆発的な力を発揮することができる。  その感覚に目覚めることは困難を極めており、聖闘士の中でも、限られた者しか目覚めていない。  シラーの持つ莫大な魔力の裏付けとなっているスキル。 ネクロマンサー:B  死体を操り手駒とする術。  生命活動が停止していることが条件であり、仮死状態であっても問題はない。  このランクの場合、相手がサーヴァントでも、低級のものであれば操ることができる。 死の芳香:C  瘴気を用いた戦闘スタイル。  死の恐怖を喚起させる攻撃により、相手の精神にもダメージを与えることができる。 【宝具】 『蟹座の黄金聖衣(キャンサークロス)』 ランク:A 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:-  黄金聖闘士(ゴールドセイント)の1人・蟹座(キャンサー)の聖闘士に与えられる黄金聖衣(ゴールドクロス)。  黄金に光り輝く鎧は、太陽の力を蓄積しており、他の聖衣とは一線を画する強度を誇る。  この聖衣を然るべき者が装着することにより、装着者の筋力・耐久・敏捷・幸運のパラメーターが1ランクずつアップする。  本来のランクはA+なのだが、アテナとアプスの小宇宙が衝突した際の影響で、  聖衣石(クロストーン)と呼ばれる形態に変質してしまっており、若干のランク低下が見られる。 『積尸気冥界波(せきしきめいかいは)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~30 最大補足:1人  蟹座の聖闘士と共に語り継がれてきた、おぞましい威力を宿す奥義が宝具化したもの。  小宇宙を死の燐光へと変換し、敵に向かって放つ技である。  この積尸気を受けた標的は、黄泉比良坂へと堕とされてしまう。  より強い力で振り払うことは可能だが、そうしなければ命中と同時に即死することになる。 『積尸気冥界輪舞(せきしきめいかいりんぶ)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~30 最大補足:40人  『積尸気冥界波(せきしきめいかいは)』よりも多くの積尸気を発生させ、竜巻の形にしてぶつける技。  消費は大きいが、威力・攻撃範囲共に向上しており、一度に多くの敵を葬ることができる。 【weapon】 なし 【人物背景】 88の聖闘士の中でも、最高位に位置する黄金聖闘士の1人。 かつては戦災孤児であり、過酷な環境の中で生きるために、略奪を繰り返していた。 そうした経緯から、「この世には強者と弱者しかおらず、選ばれた強い者が生き残る」という価値観を持つようになっていった。 他人の放つ「死の匂い」を好み、死を弄ぶことにサディスティックな悦びを覚える人物。 優男風の見た目通り、どこか気障な言動が目立っている。戦闘中にたびたびマントで手を拭うなど、潔癖症と思われる仕草を見せることも。 一方で、自らが死に瀕することは極端に恐れており、聖闘士の力を欲した理由も、「死から遠ざかるため」であると語っている。 闇の住人のように振る舞いながらも、本物の闇の深さを知らず、安全圏で悦に浸るだけの小心者。 小宇宙の属性は水。 しかし戦闘の際には、瘴気の塊をぶつける「冥土引導」など、蟹座の聖闘士特有の瘴気を用いた技を用いる。 2人1組の死体人形に瘴気を放たせ、敵を打ち上げ地面に叩き落とす「冥土凋落」という派生技も使用可能。 生物にとって最大のストレスである、死の恐怖を喚起させる攻撃は、相対する者の精神に甚大なダメージを与えるだろう。 【サーヴァントとしての願い】 受肉したい。死の牢獄から逃れ生き返りたい。 【方針】 まずは魂喰いを行い、自身の魔力と使える死体人形とを同時に増やしていく。 噂を聞きつけ、他のマスターが陣地に乗り込んでくれば、蓄えた魔力で迎え撃つ。 【マスター】マリア・カデンツァヴナ・イヴ 【出典】戦姫絶唱シンフォギアG 【性別】女性 【マスターとしての願い】 月の落下を止めたい 【weapon】 ガングニール  北欧の軍神オーディンの槍から生み出されたシンフォギア。  その由来の通り、槍型の武器(アームドギア)を用いる。  また、羽織ったマントは自在に操ることができ、中距離攻撃やシールドとして使うことが可能。  必殺技は、槍の先端からエネルギーを解放し、ビームのようにして発射する「HRIZON†SPEAR」。 白銀のシンフォギア  実妹セレナ・カデンツァヴナ・イヴの遺品。  彼女の死亡および、本シンフォギアの破損により、登録データは全て抹消されてしまっている。  そのためいかな聖遺物に由来するものなのか、どのような性能を持っているのかなど、ほとんどの情報が不明。  起動聖詠には「アガートラーム」というフレーズが盛り込まれており、それがシンフォギアの名称であるということは推測できる。  相応の覚悟と意志により、「奇跡」を手繰り寄せることがない限り、決して起動することはない。 【能力・技能】 シンフォギア適合者(偽)  神話の遺産・聖遺物から生み出された、FG式回天特機装束・シンフォギアを扱う技術である。  しかし彼女自身の適合率はあまりに低く、制御薬・LiNKERの服用なしには、シンフォギアを纏うことはできなかった。  初期状態では効力が切れているため、シンフォギアを纏って戦うためには、まずLiNKERを確保しなければならない。 【人物背景】 かつてアメリカの実験機関「F.I.S」に囚われていた、レセプター・チルドレンの1人。 月落下の事実を世界に公表し、完全聖遺物・フロンティアによる状況打開を行うため、武装組織「フィーネ」の首魁として蜂起する。 しかし彼女自身は争いを恐れており、現在の立場も組織の維持のため、ナスターシャ教授に依頼されて受け入れたものだった。 2歳歳下の妹・セレナを喪っており、妹の悲劇を繰り返したくないという想いが、彼女の心を繋ぎ止めている。 表向きには強気に振舞っているものの、本来は消極的な性格。 そのため、テロ組織として戦うことによる良心の呵責や、組織の代表を求められる重圧により、心を擦り減らしていった。 それでも、優しく面倒見のいいお姉さん基質でもあるため、周囲の人間からの信頼は厚い。 表向きには歌手活動をしており、そちらの方面では、僅か2ヶ月で全米ヒットチャートの頂点に立つほどの才能とカリスマを有している。 【方針】 迷いはあるが、一応聖杯狙い。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: