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*《覇王の卵》ローズマリー・アップルフィールド&セイバー◆7WJp/yel/Y
「しずけき森の上、輝ける星一つ」
屋根裏部屋。
灰と煤と埃に塗れた小さな小さな部屋の中。
一人の少女が踊っていた。
ボロボロのドレスをかざすように、鏡の前で小さくステップを刻む。
「愛の歌、奏でる……うふふ……!」
大きな音は立たない。
少女は毎日の慰みのために、音を立てずに小さく体を動かす術を身につけていた。
フフ、と妖しく笑いながら踊り続ける。
「おはよう、プリンセス・ローズマリー」
少女は鏡の中に移る華美な衣装を纏った高貴な姫君、『プリンセス・ローズマリー』へと恭しく頭を下げた。
姫もまた、恭しく少女へと一礼する。
瞬間、少女は表情を固めた。
その礼が、姫君とは思えない野暮ったいものだったからだ。
しかし、少女は直ぐ様に表情をやわらげた。
「私はプリンセス・ローズマリー、本当はお姫様なの」
少女、『ローズマリー・アップルフィールド』は虚ろな笑みを浮かべながら呟いた。
鏡に写るものはボロのドレスを翳すローズマリー自身だ。
高貴なる姫君などでは、決してない。
しかし、ローズマリーは笑って、くるりとターンを刻んだ。
「明日はきっと、お城から王子様が迎えに来るわ」
誰にも言えない、恥ずかしい夢想。
しかし、この煤に塗れた部屋はローズマリーの王国。
この瞬間だけは、『孤児院からメイドとして身請けされた』『ローズマリー・アップルフィールド』は消える。
『プリンセス・ローズマリー』だけがこの場に居るのだ。
いつか自身を救い出す王子様を夢想しながら、ローズマリーはボロボロのドレスを翳した。
「みんな、私が本当のお姫様だって知ったら……うふふ……」
ローズマリーは笑った。
これは、少女が現実の辛さから見つけだした自慰だった。
姫に与えられるはずの賞賛の声はなく、代わりに嘲りの声もなかった。
◆
「ローズマリー! 早いところ片付てしまいなさい!」
メイド長の声が響き渡る。
ローズマリーは一度ビクリと体を震わせ、直ぐ様にかけ出した。
そして、伺うように顔を上げる。
「はい、ただいま!」
半ばひったくるように差し出された洗濯物を受け取る。
俊敏な動きを努めて、ただ、今ある仕事を終わらせようとする。
「……ローズマリーも変わったわね」
「そうね」
「ここに来たばかりの頃は、泣いてばかりだというのに」
一人のメイドがポツリと呟く。
また別のメイドが同意の言葉を口にする。
しかし、そこに安堵の色はなく、半ば不気味なものを見るような顔をしていた。
メイドの言葉の通り、ここに来たばかりのローズマリーといえば、泣いていてばかりだった。
だというのに、今のローズマリーの目に涙はない。
代わりに、どこか不気味な笑みだけがあった。
「毎夜毎夜、屋根裏で何をしているのかしら……」
「貴方も気づいてるの?」
「気づかないわけ無いでしょう。
気づいてないのなんて、使用人に興味のない旦那様達と、本人ぐらいなものよ」
気味の悪いものを見る目で、仕事に取り掛かるローズマリーを見つめる。
気づかぬは本人ばかり。
今日の辛い仕事を乗り越えれば、明日には王子様が迎えに来る。
メイド服を纏った少女は、夢想に浸る日々を送っていた。
「……あら?」
そんな日々の中で、ローズマリーは一つの小さな鍵を見つけた。
小さな、小さな、銀の鍵。
汚れはない。
ローズマリーは首をかしげ、辺りを見渡す。
分かりやすい印のようなものはない。
ローズマリーは銀の鍵を持ち、メイド長へと駆け寄った。
「あの、これが落ちていました……」
「鍵、ですか。
……分かりました、戻しておきましょう」
メイド長は入って日の浅いローズマリーに、疑いの目を向ける。
言うならば、何か盗みを働いたのでは、といった疑いだ。
しかし、それならば馬鹿正直に鍵を届けはしないだろう。
メイド長は懐に鍵をしまい、ローズマリーに仕事の続きを促した。
◆
「ナージャ?」
ある日、ローズマリーは言いつけられた仕事の帰りに街角で一人の少女を見つけた。
孤児院アップルフィールドで寝食を共にした少女が、街角で踊っていたのだ。
ナージャ・アップルフィールド。
旅劇座『ダンデライオン』の踊り子である。
「ナージャ!」
「ローズマリー!」
二人は駆け寄る。
お互いに孤児院を出、離れ離れになっていた。
ローズマリーにとって、ナージャは騎士だった。
『プリンセス・ローズマリー』という妄想に付き合ってくれる、優しい騎士だった。
ローズマリーは微笑んだ。
その微笑みの中には、隠し切れない優越感があった。
ローズマリーにとって、ナージャは騎士であり、自身に仕えるものだからだ。
「お母さんを探している?」
「うん、このまま旅を続けて、踊ってたら、お母さんが見つかるんじゃないかなって」
その言葉を聴いた時、ローズマリーは顔には神妙な表情を貼り付け、心の奥で笑った。
嘲り。
明らかにナージャを下と見なければ出ない笑みだ。
『可哀想なナージャ。こんな広い世界で、お母さんなんて見つかるわけないのに』
その心底の嘲笑がそっくりそのまま自身の夢想に返されることに、ローズマリーは気づいていない。
プリンセス・ローズマリー、そんな妄想が現実になることなんてない。
「……あら?」
そんなナージャとの語らいの中で、ローズマリーは一つの小さな鍵を見つけた。
小さな、小さな、銀の鍵。
汚れはない。
ローズマリーは首をかしげる。
分かりやすい印のようなものはない。
「ナージャ、これは貴方のもの?」
「えっ、知らないけど……なんだろう、これ?
みんなのものかなぁ?」
そう言って、ナージャはローズマリーから銀の鍵を受け取った。
ローズマリーは立ち上がる。
そろそろ戻らなければ、大目玉を食らうハメになる。
幾度か言葉を交わし、ナージャはハッとする。
そして、顔を緩め、片膝を付いた。
「それではプリンセス・ローズマリー、名残惜しいですが、しばしのお別れです」
「ええ、私のナイト、ナージャ。貴方もお母様と会えるよう、私も祈っているわ」
嘲笑に親しい笑みであることをローズマリーは自覚していなかった。
そして、同時に、ナージャへと渡した『銀の鍵』が先日拾った鍵と全く同一のものであることに気づいていなかった。
◆
「……ナージャ?」
ローズマリーは、ナージャと何度も会話して、数日が経った頃。
ゴンザレス家の嫡男の誕生パーティー。
『ローズマリーの考える』本来ならば、ローズマリーは着飾ってこのパーティーに出なければならない。
しかし、それはあくまで『ローズマリーの夢想』にすぎない。
自身はメイドのひとりとして、貴族階級へとへつらい、パーティーを動かさなければいけない。
誰も知らないだけだ、私はプリンセスなのだ。
そんな馬鹿らしい夢想で日々を耐えていたローズマリーは、しかし。
目の前に着飾った少女の姿を見て、言葉を失った。
「そんな、ナージャ、なんで……」
脚から力が抜けてしまったかのように、後ずさる。
廊下の壁にもたれかかり、着飾った少女を見つめる。
特徴だけならば自身とよく似ていた少女だが、その少女は自分ではない。
見下していたはずの少女、ナージャ・アップルフィールド。
ローズマリーが焦がれる、貴族のパーティーに。
自身の親友が立っていた。
「……ッ!」
ローズマリーはかけだした。
自身の世界へと飛び込む。
あそこでならば、ローズマリーはプリンセスでいられる。
仕事を放棄し、この邸宅から放り出されることを考えもしない。
ただ、屋根裏部屋へと向かった。
「はぁ……はぁ……!」
息を切らしながら、ローズマリーは屋根裏に駆け込んだ。
そして、乱暴にボロのドレスを取り出し、ドレスを翳す。
うつろな笑みを浮かべながら、いつもの言葉を口にした。
「私はプリンセス・ローズマリー、私は、プリンセス……!」
つぶやき、つぶやき、つぶやき。
蝋燭の火が堕ちた。
暖かな明かりが消え、冷たい月の光が差す。
鏡に写っているものは、いつもの華美なドレスを纏ったローズマリーではなく。
みっともなくボロを翳したローズマリーが居た。
ローズマリーは膝から崩れ落ちる。
「あっ……あ……」
口から、言葉とならない音が溢れる。
すると、鏡にナージャの姿を幻視した。
美しく着飾った、自分ではない少女が居た。
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
ローズマリーは歯を食いしばった。
鏡の中のナージャは恭しく頭を垂れている。
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
繰り返される幻聴。
ローズマリーが、キッ、と鏡を見つめた。
すると、鏡の中のナージャが顔を上げた。
嘲笑を、浮かべていた。
「うわあああああああ!!ああ!あああああああああああ!!!」
ガシャン、と激しい音が立つ。
ローズマリーが鏡を壊したのだ。
鏡の破片が周囲に散らばる。
散らばった鏡の欠片は、いびつにローズマリーの姿を映した。
「もし、お嬢さん」
そんな時だった。
背後から声が響いた。
男が立っていた。
漆黒の肌をした、奇妙な男だった。
ローズマリーは、周囲に散らばった鏡の欠片がその紳士を写していないことに気づいていなかった。
「これを拾ったんだが、家主に届けてもらえるかね?」
漆黒の紳士はそう言った。
明らかな、異常だった。
ローズマリーに銀の鍵を渡そうとしている。
偶然を装うにしても、もっと方法があるはずだ。
しかし、ローズマリーはその鍵を受け取った。
銀の鍵は、ローズマリーの手にあるべきだったと、気づいたからだ。
鏡の破片が散らばり、まるで鍵穴のような形に広がっていた。
何の意味もわからず、ただ、そうしなければいけないと思いながら。
ローズマリーは鏡の破片が形作った鍵穴に鍵を挿し当てた。
◆
覇王の卵が割れる。
すなわち、世界が割れる。
『ここではないどこか』に繋がる。
溢れだす。
溢れだす。
魔の歪。
世界の邪。
国など、必要ではなかった。
俺が本当に欲しかったものは。
嗤った。
嗤った。
嗤った。
血が堕ちた。
肉が零れた。
懐かしい顔が消えた。
そうか、そういうことか。
俺は狂ったのか。
いや、狂っていたのか。
あるいは、別に狂ってなどいなかったのか。
もはや、俺のことなど、どうでもいい。
俺が見つけたものは――――
冒涜的で、名状しがたき、世界の真実。
――――英雄グリフィスは死に、黒い卵が世界に現れた。
◆
「私はプリンセス・ローズマリー」
ローズマリーは寂れた小屋の中で、鏡を前にしてくるりと回った。
顔には真実の笑みがある。
嬉しそうに形作った、嫉妬で狂った笑みだった。
「ねえ、王子様」
ローズマリーは背後に控える端麗な青年へと声をかける。
色を忘れてしまったような、白い青年はローズマリーの問に応える。
柔らかな羽毛のような、銀と言うよりも白に近い、しかし、白髪と呼ぶには瑞々しい髪が揺れる。
鏡越しに、ローズマリーはうっとりと息を呑んだ。
恐らく、全ての少女が憧れるであろう容姿をした男。
鎧に隠した肉体は細く見えるが、確かに覗ける指先などから、単なる優男でないことがわかる。
「……なにかな、プリンセス・ローズマリー」
魂を優しく撫でられたような、名状しがたい恍惚がローズマリーに走る。
笑みを深めた。
プリンセス・ローズマリー。
そうだ、自身こそがプリンセスなのだ。
そして、自身に仕えるこの美男こそが王子様なのだ。
『プリンセスではない』ローズマリーを救い出すために現れた、王子様なのだ。
「私、貴方の事好きよ」
「光栄の至りで」
容姿端麗な騎士――――グリフィスは優しく微笑んだ。
ローズマリーも微笑みを返した。
装飾の施された、華美なサーベルが翻る。
そして、ローズマリーへと捧げられる。
この少女は、性感をくすぐるような動作を行っていないというのに、人生で初めて絶頂へと至った。
言ってしまえば、この騎士であり王子である美男子こそが、少女にとっての最上の媚薬であった。
夢想家の少女を桃源の恍惚へと至らせるに足る、あまりにも強すぎる刺激だ。
「強くて、優しくて、かっこよくて――――」
捧げられたサーベルを見下ろしながら、ローズマリーは呟いた。
そして、恍惚に染めた顔をそのままに、言葉を続けた。
「でも、それだけじゃ幸せになんてなれないのよ」
「……」
「私は血に染まった剣が欲しいわ、王子様。
私の王国を壊そうとする、蛮族を払いのけた剣が欲しいの」
「御心のままに……俺と、俺の剣達が貴方の王国を築いてみせよう」
ローズマリーの望みとは、すなわち自身を姫とする世界。
自身を正当な血統とする気高い王国。
ローズマリーが姫であり、グリフィスが王子である王国。
夢想を現実へと変えるもの。
「楽しみにしているわ……ふふ……」
ローズマリーは笑った。
グリフィスは跪き、顔を伏せ、ローズマリーに悟られないように――――嗤った。
――――首元からかけられた卵が、喘いだ。
【クラス】
セイバー
【真名】
グリフィス@ベルセルク
【パラメーター】
筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:E 幸運:A 宝具:EX
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
対魔力:D
工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
野獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
カリスマ:A
大軍団を指揮・統率する才能。
Aランクともなれば、大国を率いるに十分なランクである。
このカリスマを裏切ることで、卵は孵化する。
軍略:A
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。
自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に有利な補正がつく。
すなわち、自軍を特定の状況に誘導する才能である。
まつろわぬ英雄:A
物語に帰順しない英雄。
死ぬことで物語の上でだけ讃えられる英雄こそが良き英雄であり、平和な世をただ生きる英雄は悪しき英雄である。
真名を看破するスキル・宝具を無効化する。
また、自身と関わる全ての人間に、自分が刻んだ歴史を偽ることが出来る。
――――曰く、『英雄』グリフィスと鷹の団は、乱心の末に討伐されたとのこと。
【宝具】
『鷹の団』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:∞
セイバーであるグリフィスの剣。
NPC、マスター、サーヴァントを問わず、グリフィスに忠誠を誓った者は、鷹の団としての属性が付与される。
ただし、鷹の団への所属はグリフィスのスキルの影響下に置かれるのみであって、特別に強化されることはない。
しかし、彼らの翼は高く羽撃くためではなく、もぎ取られ贄となるために存在する。
『深紅に染まった卵は戻らない(ベヘリット)』
ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:鷹の団一帯 最大補足:全ての『鷹の団』
ハンプティ・ダンプティが塀に座った
ハンプティ・ダンプティが落っこちた
王様の騎士と家来の全部がかかっても
――ハンプティを元に戻せなかった――
【weapon】
『サーベル』
装飾の施されたサーベル。
【人物背景】
『鷹の団』、『新生鷹の団』・団長。
『白い鷹』の異名を持つ貴公子然とした騎士で白銀の長髪を持ち、純白のマントを羽織る。
柄に宝石を埋め込んだ業物のサーベルを愛用する。
容姿、知略、剣技、指揮、人望、統率力等のあらゆる面において並ぶ者がないとさえ謳われる天才。
時折、子供のような無邪気な言動をする反面、鋭い洞察力と人心を掌握、操作する才能に長けるが支配欲が強く、
一度手中にしたものを失いかけると、表情にこそ出ないが激しい執着を見せる。
平民出だったがいつしか自分が世に生を受けた意味と意義を問い、『自分の国を持つ』という壮大な夢を持つに至って傭兵団『鷹の団』を結成。
数々の戦での常勝無敗の戦功と、権謀術数を駆使することで、一介の傭兵団長からミッドランド貴族階級に列されるまでに伸し上がる。
百年戦争終結時には戦功が讃えられ『白鳳将軍』の地位を与えられる予定だった。
しかし、グリフィスの中で無二の存在となっていた『ガッツ』の退団の意思を、
決闘をもって翻意させようとするも敗れ、自暴自棄に陥る。
そして、王女と密通、処女を奪ってしまう。
見回りの折にそれを目撃した侍女の密告ですぐにミッドランド国王に露見し、国の反逆者として牢獄に閉じ込められ、虜囚となる。
1年後に鷹の団残党の働きで牢獄から救助されたが、長期に渡る拷問によって再起不能となる。
『英雄』グリフィスの末路は哀れなものであったと、長く語り継がれることになり、堕ちた英雄の代名詞ともなる。
【サーヴァントとしての願い】
冒涜的で名状しがたき願い、ただ、その時を待つだけである。
【基本戦術、方針、運用法】
他者と接触し、自身のカリスマ性を持って『鷹の団』を形成する。
そして、その鷹の団を捧げるのである。
【マスター】
ローズマリー・アップルフィールド@明日のナージャ
【マスターとしての願い】
自身がプリンセスとなれる王国を手に入れる。
【weapon】
なし
【能力・技能】
演技力に長ける。
【人物背景】
明日のナージャの主人公『ナージャ』と同じアップルフィールド孤児院で育った女の子。
そのため、フルネームは『ローズマリー・アップルフィールド』。
ウェーブのかかった金髪に赤いリボン、青い瞳など、一見するとナージャと同じ特徴を持つ。
幼い頃からプリンセスとなることを強く夢見ており、幼い頃はナージャとプリンセスとその従者のごっこ遊びをしていた。
スペインではゴンザレス家でメイドとして惨めな下働きの日々を送りながらもナージャとの再会を喜ぶが、
後にナージャが自分の思い描くプリンセス(貴族の娘)だったという真実を知ってからは、
激しい嫉妬と黒い欲望を持つには十分な動機だった。
そして、願いを叶えるために周りの人間を傷付ける事も陥れる事も厭わなくなる。
逆恨みめいた憎しみを晴らすべく、ナージャと同じ金髪碧眼である事を活かし、
持ち前の演技力でナージャに成り済まし、彼女を苦しめ、自身がプリンセスに成り代わろうと画策するが、
全てを手に入れたと思い込んでいた彼女に待っていたのは夢見ていたプリンセスの生活では無く、
腐敗した貴族社会の現実だった。
身が偽者である事が露見してしまった際には、追い出される前に自ら屋敷を出て行くことを宣言し、
最後はナージャに全てを返して自分の夢を掴み取る為に旅立った。
最後まで開き直った態度を取り続け、ナージャとは最後の最後まで和解には至らなかった。
【方針】
王国を築く。
*《覇王の卵》ローズマリー・アップルフィールド&セイバー◆7WJp/yel/Y
「しずけき森の上、輝ける星一つ」
屋根裏部屋。
灰と煤と埃に塗れた小さな小さな部屋の中。
一人の少女が踊っていた。
ボロボロのドレスをかざすように、鏡の前で小さくステップを刻む。
「愛の歌、奏でる……うふふ……!」
大きな音は立たない。
少女は毎日の慰みのために、音を立てずに小さく体を動かす術を身につけていた。
フフ、と妖しく笑いながら踊り続ける。
「おはよう、プリンセス・ローズマリー」
少女は鏡の中に移る華美な衣装を纏った高貴な姫君、『プリンセス・ローズマリー』へと恭しく頭を下げた。
姫もまた、恭しく少女へと一礼する。
瞬間、少女は表情を固めた。
その礼が、姫君とは思えない野暮ったいものだったからだ。
しかし、少女は直ぐ様に表情をやわらげた。
「私はプリンセス・ローズマリー、本当はお姫様なの」
少女、『ローズマリー・アップルフィールド』は虚ろな笑みを浮かべながら呟いた。
鏡に写るものはボロのドレスを翳すローズマリー自身だ。
高貴なる姫君などでは、決してない。
しかし、ローズマリーは笑って、くるりとターンを刻んだ。
「明日はきっと、お城から王子様が迎えに来るわ」
誰にも言えない、恥ずかしい夢想。
しかし、この煤に塗れた部屋はローズマリーの王国。
この瞬間だけは、『孤児院からメイドとして身請けされた』『ローズマリー・アップルフィールド』は消える。
『プリンセス・ローズマリー』だけがこの場に居るのだ。
いつか自身を救い出す王子様を夢想しながら、ローズマリーはボロボロのドレスを翳した。
「みんな、私が本当のお姫様だって知ったら……うふふ……」
ローズマリーは笑った。
これは、少女が現実の辛さから見つけだした自慰だった。
姫に与えられるはずの賞賛の声はなく、代わりに嘲りの声もなかった。
◆
「ローズマリー! 早いところ片付てしまいなさい!」
メイド長の声が響き渡る。
ローズマリーは一度ビクリと体を震わせ、直ぐ様にかけ出した。
そして、伺うように顔を上げる。
「はい、ただいま!」
半ばひったくるように差し出された洗濯物を受け取る。
俊敏な動きを努めて、ただ、今ある仕事を終わらせようとする。
「……ローズマリーも変わったわね」
「そうね」
「ここに来たばかりの頃は、泣いてばかりだというのに」
一人のメイドがポツリと呟く。
また別のメイドが同意の言葉を口にする。
しかし、そこに安堵の色はなく、半ば不気味なものを見るような顔をしていた。
メイドの言葉の通り、ここに来たばかりのローズマリーといえば、泣いていてばかりだった。
だというのに、今のローズマリーの目に涙はない。
代わりに、どこか不気味な笑みだけがあった。
「毎夜毎夜、屋根裏で何をしているのかしら……」
「貴方も気づいてるの?」
「気づかないわけ無いでしょう。
気づいてないのなんて、使用人に興味のない旦那様達と、本人ぐらいなものよ」
気味の悪いものを見る目で、仕事に取り掛かるローズマリーを見つめる。
気づかぬは本人ばかり。
今日の辛い仕事を乗り越えれば、明日には王子様が迎えに来る。
メイド服を纏った少女は、夢想に浸る日々を送っていた。
「……あら?」
そんな日々の中で、ローズマリーは一つの小さな鍵を見つけた。
小さな、小さな、銀の鍵。
汚れはない。
ローズマリーは首をかしげ、辺りを見渡す。
分かりやすい印のようなものはない。
ローズマリーは銀の鍵を持ち、メイド長へと駆け寄った。
「あの、これが落ちていました……」
「鍵、ですか。
……分かりました、戻しておきましょう」
メイド長は入って日の浅いローズマリーに、疑いの目を向ける。
言うならば、何か盗みを働いたのでは、といった疑いだ。
しかし、それならば馬鹿正直に鍵を届けはしないだろう。
メイド長は懐に鍵をしまい、ローズマリーに仕事の続きを促した。
◆
「ナージャ?」
ある日、ローズマリーは言いつけられた仕事の帰りに街角で一人の少女を見つけた。
孤児院アップルフィールドで寝食を共にした少女が、街角で踊っていたのだ。
ナージャ・アップルフィールド。
旅劇座『ダンデライオン』の踊り子である。
「ナージャ!」
「ローズマリー!」
二人は駆け寄る。
お互いに孤児院を出、離れ離れになっていた。
ローズマリーにとって、ナージャは騎士だった。
『プリンセス・ローズマリー』という妄想に付き合ってくれる、優しい騎士だった。
ローズマリーは微笑んだ。
その微笑みの中には、隠し切れない優越感があった。
ローズマリーにとって、ナージャは騎士であり、自身に仕えるものだからだ。
「お母さんを探している?」
「うん、このまま旅を続けて、踊ってたら、お母さんが見つかるんじゃないかなって」
その言葉を聴いた時、ローズマリーは顔には神妙な表情を貼り付け、心の奥で笑った。
嘲り。
明らかにナージャを下と見なければ出ない笑みだ。
『可哀想なナージャ。こんな広い世界で、お母さんなんて見つかるわけないのに』
その心底の嘲笑がそっくりそのまま自身の夢想に返されることに、ローズマリーは気づいていない。
プリンセス・ローズマリー、そんな妄想が現実になることなんてない。
「……あら?」
そんなナージャとの語らいの中で、ローズマリーは一つの小さな鍵を見つけた。
小さな、小さな、銀の鍵。
汚れはない。
ローズマリーは首をかしげる。
分かりやすい印のようなものはない。
「ナージャ、これは貴方のもの?」
「えっ、知らないけど……なんだろう、これ?
みんなのものかなぁ?」
そう言って、ナージャはローズマリーから銀の鍵を受け取った。
ローズマリーは立ち上がる。
そろそろ戻らなければ、大目玉を食らうハメになる。
幾度か言葉を交わし、ナージャはハッとする。
そして、顔を緩め、片膝を付いた。
「それではプリンセス・ローズマリー、名残惜しいですが、しばしのお別れです」
「ええ、私のナイト、ナージャ。貴方もお母様と会えるよう、私も祈っているわ」
嘲笑に親しい笑みであることをローズマリーは自覚していなかった。
そして、同時に、ナージャへと渡した『銀の鍵』が先日拾った鍵と全く同一のものであることに気づいていなかった。
◆
「……ナージャ?」
ローズマリーは、ナージャと何度も会話して、数日が経った頃。
ゴンザレス家の嫡男の誕生パーティー。
『ローズマリーの考える』本来ならば、ローズマリーは着飾ってこのパーティーに出なければならない。
しかし、それはあくまで『ローズマリーの夢想』にすぎない。
自身はメイドのひとりとして、貴族階級へとへつらい、パーティーを動かさなければいけない。
誰も知らないだけだ、私はプリンセスなのだ。
そんな馬鹿らしい夢想で日々を耐えていたローズマリーは、しかし。
目の前に着飾った少女の姿を見て、言葉を失った。
「そんな、ナージャ、なんで……」
脚から力が抜けてしまったかのように、後ずさる。
廊下の壁にもたれかかり、着飾った少女を見つめる。
特徴だけならば自身とよく似ていた少女だが、その少女は自分ではない。
見下していたはずの少女、ナージャ・アップルフィールド。
ローズマリーが焦がれる、貴族のパーティーに。
自身の親友が立っていた。
「……ッ!」
ローズマリーはかけだした。
自身の世界へと飛び込む。
あそこでならば、ローズマリーはプリンセスでいられる。
仕事を放棄し、この邸宅から放り出されることを考えもしない。
ただ、屋根裏部屋へと向かった。
「はぁ……はぁ……!」
息を切らしながら、ローズマリーは屋根裏に駆け込んだ。
そして、乱暴にボロのドレスを取り出し、ドレスを翳す。
うつろな笑みを浮かべながら、いつもの言葉を口にした。
「私はプリンセス・ローズマリー、私は、プリンセス……!」
つぶやき、つぶやき、つぶやき。
蝋燭の火が堕ちた。
暖かな明かりが消え、冷たい月の光が差す。
鏡に写っているものは、いつもの華美なドレスを纏ったローズマリーではなく。
みっともなくボロを翳したローズマリーが居た。
ローズマリーは膝から崩れ落ちる。
「あっ……あ……」
口から、言葉とならない音が溢れる。
すると、鏡にナージャの姿を幻視した。
美しく着飾った、自分ではない少女が居た。
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
ローズマリーは歯を食いしばった。
鏡の中のナージャは恭しく頭を垂れている。
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
『私はナージャ。プリンセス・ローズマリー、貴方のナイトでございます』
繰り返される幻聴。
ローズマリーが、キッ、と鏡を見つめた。
すると、鏡の中のナージャが顔を上げた。
嘲笑を、浮かべていた。
「うわあああああああ!!ああ!あああああああああああ!!!」
ガシャン、と激しい音が立つ。
ローズマリーが鏡を壊したのだ。
鏡の破片が周囲に散らばる。
散らばった鏡の欠片は、いびつにローズマリーの姿を映した。
「もし、お嬢さん」
そんな時だった。
背後から声が響いた。
男が立っていた。
漆黒の肌をした、奇妙な男だった。
ローズマリーは、周囲に散らばった鏡の欠片がその紳士を写していないことに気づいていなかった。
「これを拾ったんだが、家主に届けてもらえるかね?」
漆黒の紳士はそう言った。
明らかな、異常だった。
ローズマリーに銀の鍵を渡そうとしている。
偶然を装うにしても、もっと方法があるはずだ。
しかし、ローズマリーはその鍵を受け取った。
銀の鍵は、ローズマリーの手にあるべきだったと、気づいたからだ。
鏡の破片が散らばり、まるで鍵穴のような形に広がっていた。
何の意味もわからず、ただ、そうしなければいけないと思いながら。
ローズマリーは鏡の破片が形作った鍵穴に鍵を挿し当てた。
◆
覇王の卵が割れる。
すなわち、世界が割れる。
『ここではないどこか』に繋がる。
溢れだす。
溢れだす。
魔の歪。
世界の邪。
国など、必要ではなかった。
俺が本当に欲しかったものは。
嗤った。
嗤った。
嗤った。
血が堕ちた。
肉が零れた。
懐かしい顔が消えた。
そうか、そういうことか。
俺は狂ったのか。
いや、狂っていたのか。
あるいは、別に狂ってなどいなかったのか。
もはや、俺のことなど、どうでもいい。
俺が見つけたものは――――
冒涜的で、名状しがたき、世界の真実。
――――英雄グリフィスは死に、黒い卵が世界に現れた。
◆
「私はプリンセス・ローズマリー」
ローズマリーは寂れた小屋の中で、鏡を前にしてくるりと回った。
顔には真実の笑みがある。
嬉しそうに形作った、嫉妬で狂った笑みだった。
「ねえ、王子様」
ローズマリーは背後に控える端麗な青年へと声をかける。
色を忘れてしまったような、白い青年はローズマリーの問に応える。
柔らかな羽毛のような、銀と言うよりも白に近い、しかし、白髪と呼ぶには瑞々しい髪が揺れる。
鏡越しに、ローズマリーはうっとりと息を呑んだ。
恐らく、全ての少女が憧れるであろう容姿をした男。
鎧に隠した肉体は細く見えるが、確かに覗ける指先などから、単なる優男でないことがわかる。
「……なにかな、プリンセス・ローズマリー」
魂を優しく撫でられたような、名状しがたい恍惚がローズマリーに走る。
笑みを深めた。
プリンセス・ローズマリー。
そうだ、自身こそがプリンセスなのだ。
そして、自身に仕えるこの美男こそが王子様なのだ。
『プリンセスではない』ローズマリーを救い出すために現れた、王子様なのだ。
「私、貴方の事好きよ」
「光栄の至りで」
容姿端麗な騎士――――グリフィスは優しく微笑んだ。
ローズマリーも微笑みを返した。
装飾の施された、華美なサーベルが翻る。
そして、ローズマリーへと捧げられる。
この少女は、性感をくすぐるような動作を行っていないというのに、人生で初めて絶頂へと至った。
言ってしまえば、この騎士であり王子である美男子こそが、少女にとっての最上の媚薬であった。
夢想家の少女を桃源の恍惚へと至らせるに足る、あまりにも強すぎる刺激だ。
「強くて、優しくて、かっこよくて――――」
捧げられたサーベルを見下ろしながら、ローズマリーは呟いた。
そして、恍惚に染めた顔をそのままに、言葉を続けた。
「でも、それだけじゃ幸せになんてなれないのよ」
「……」
「私は血に染まった剣が欲しいわ、王子様。
私の王国を壊そうとする、蛮族を払いのけた剣が欲しいの」
「御心のままに……俺と、俺の剣達が貴方の王国を築いてみせよう」
ローズマリーの望みとは、すなわち自身を姫とする世界。
自身を正当な血統とする気高い王国。
ローズマリーが姫であり、グリフィスが王子である王国。
夢想を現実へと変えるもの。
「楽しみにしているわ……ふふ……」
ローズマリーは笑った。
グリフィスは跪き、顔を伏せ、ローズマリーに悟られないように――――嗤った。
――――首元からかけられた卵が、喘いだ。
【クラス】
セイバー
【真名】
グリフィス@ベルセルク
【パラメーター】
筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:E 幸運:A 宝具:EX
【属性】
中立・中庸
【クラススキル】
対魔力:D
工程(シングルアクション)によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
騎乗:C
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
野獣ランクの獣は乗りこなせない。
【保有スキル】
カリスマ:A
大軍団を指揮・統率する才能。
Aランクともなれば、大国を率いるに十分なランクである。
このカリスマを裏切ることで、卵は孵化する。
軍略:A
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。
自らの対軍宝具行使や、逆に相手の対軍宝具への対処に有利な補正がつく。
すなわち、自軍を特定の状況に誘導する才能である。
まつろわぬ英雄:A
物語に帰順しない英雄。
死ぬことで物語の上でだけ讃えられる英雄こそが良き英雄であり、平和な世をただ生きる英雄は悪しき英雄である。
真名を看破するスキル・宝具を無効化する。
また、自身と関わる全ての人間に、自分が刻んだ歴史を偽ることが出来る。
――――曰く、『英雄』グリフィスと鷹の団は、乱心の末に討伐されたとのこと。
【宝具】
『鷹の団』
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:∞
セイバーであるグリフィスの剣。
NPC、マスター、サーヴァントを問わず、グリフィスに忠誠を誓った者は、鷹の団としての属性が付与される。
ただし、鷹の団への所属はグリフィスのスキルの影響下に置かれるのみであって、特別に強化されることはない。
しかし、彼らの翼は高く羽撃くためではなく、もぎ取られ贄となるために存在する。
『深紅に染まった卵は戻らない(ベヘリット)』
ランク:EX 種別:対神宝具 レンジ:鷹の団一帯 最大補足:全ての『鷹の団』
ハンプティ・ダンプティが塀に座った
ハンプティ・ダンプティが落っこちた
王様の騎士と家来の全部がかかっても
――ハンプティを元に戻せなかった――
【weapon】
『サーベル』
装飾の施されたサーベル。
【人物背景】
『鷹の団』、『新生鷹の団』・団長。
『白い鷹』の異名を持つ貴公子然とした騎士で白銀の長髪を持ち、純白のマントを羽織る。
柄に宝石を埋め込んだ業物のサーベルを愛用する。
容姿、知略、剣技、指揮、人望、統率力等のあらゆる面において並ぶ者がないとさえ謳われる天才。
時折、子供のような無邪気な言動をする反面、鋭い洞察力と人心を掌握、操作する才能に長けるが支配欲が強く、
一度手中にしたものを失いかけると、表情にこそ出ないが激しい執着を見せる。
平民出だったがいつしか自分が世に生を受けた意味と意義を問い、『自分の国を持つ』という壮大な夢を持つに至って傭兵団『鷹の団』を結成。
数々の戦での常勝無敗の戦功と、権謀術数を駆使することで、一介の傭兵団長からミッドランド貴族階級に列されるまでに伸し上がる。
百年戦争終結時には戦功が讃えられ『白鳳将軍』の地位を与えられる予定だった。
しかし、グリフィスの中で無二の存在となっていた『ガッツ』の退団の意思を、
決闘をもって翻意させようとするも敗れ、自暴自棄に陥る。
そして、王女と密通、処女を奪ってしまう。
見回りの折にそれを目撃した侍女の密告ですぐにミッドランド国王に露見し、国の反逆者として牢獄に閉じ込められ、虜囚となる。
1年後に鷹の団残党の働きで牢獄から救助されたが、長期に渡る拷問によって再起不能となる。
『英雄』グリフィスの末路は哀れなものであったと、長く語り継がれることになり、堕ちた英雄の代名詞ともなる。
【サーヴァントとしての願い】
冒涜的で名状しがたき願い、ただ、その時を待つだけである。
【基本戦術、方針、運用法】
他者と接触し、自身のカリスマ性を持って『鷹の団』を形成する。
そして、その鷹の団を捧げるのである。
【マスター】
ローズマリー・アップルフィールド@明日のナージャ
【マスターとしての願い】
自身がプリンセスとなれる王国を手に入れる。
【weapon】
なし
【能力・技能】
演技力に長ける。
【人物背景】
明日のナージャの主人公『ナージャ』と同じアップルフィールド孤児院で育った女の子。
そのため、フルネームは『ローズマリー・アップルフィールド』。
ウェーブのかかった金髪に赤いリボン、青い瞳など、一見するとナージャと同じ特徴を持つ。
幼い頃からプリンセスとなることを強く夢見ており、幼い頃はナージャとプリンセスとその従者のごっこ遊びをしていた。
スペインではゴンザレス家でメイドとして惨めな下働きの日々を送りながらもナージャとの再会を喜ぶが、
後にナージャが自分の思い描くプリンセス(貴族の娘)だったという真実を知ってからは、
激しい嫉妬と黒い欲望を持つには十分な動機だった。
そして、願いを叶えるために周りの人間を傷付ける事も陥れる事も厭わなくなる。
逆恨みめいた憎しみを晴らすべく、ナージャと同じ金髪碧眼である事を活かし、
持ち前の演技力でナージャに成り済まし、彼女を苦しめ、自身がプリンセスに成り代わろうと画策するが、
全てを手に入れたと思い込んでいた彼女に待っていたのは夢見ていたプリンセスの生活では無く、
腐敗した貴族社会の現実だった。
身が偽者である事が露見してしまった際には、追い出される前に自ら屋敷を出て行くことを宣言し、
最後はナージャに全てを返して自分の夢を掴み取る為に旅立った。
最後まで開き直った態度を取り続け、ナージャとは最後の最後まで和解には至らなかった。
【方針】
王国を築く。
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