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<<狂信者>>雨霧八雲&バーサーカー ◆GOn9rNo1ts











空が青いと思った。









だから俺たちは、人を殺した。











■ ■ ■



自分の望みを叶えるとは、他者の望みを叶えないことだと俺は思う。


どれだけ綺麗な望みだろうと。
どれだけ高尚な望みだろうと。


誰かを蹴落とし、誰かを踏みにじり、誰かを犠牲にした先にしか、望みとは叶わないものなんだ。

例えば、君が大好きな女の子に告白し、OKをもらえたとしよう。
それ自体は良いことだ。おめでとう。幸せな日々を過ごせば良いと思うよ。
だけど、その叶った望みの影で犠牲になった、数々の望みの残骸を、忘れてはいけない。

その子のことが好きだった他の男の子を、君は蹴落とした。
その子のお父さんの「娘にはまだ清くあってほしい」という想いを、君は踏みにじった。
もしかしたら、君のことが好きだった他の女の子の好意を、君は犠牲にしているかもしれない。

そういったことを考えて、その上で君は自分の望みを叶えるかどうかを考えなければならない。
世界は不平等だ。この世界の幸せの総量というものは決まっていて、皆がバーゲンセール中のおばちゃんみたいに挙ってソレを奪い合う。
この悲しくなるような事実は、この世に生まれ落ちた時点で俺たちに定められた宿命のようなものなのだろう。
ならば、せめて、自覚的であれ。
自覚的に奪い、自覚的に幸せになるべきだ。

まあ、俺は『まとも』だから、あんまり他の人を犠牲にしたくなんてない。
だから、聖杯で何か望みを叶えるとしても、ささやかなものにしようと思っている。
ただでさえ、この『聖杯戦争』で優勝するためには数十人単位で犠牲にしなければならないのだから。
これ以上の犠牲はうんざりだ。いくら殺人鬼と呼ばれる俺だって、必要以上の殺しはしたくない。
必要以上に、幸せを奪いたくない。

だから、俺は

『この間ナズナさんに出会った時に気の利いたことを言えなかったから、その過去をやり直し、彼女も俺も幸せになるような会話をする』

ことを聖杯に望もうと思う。

これなら、少なくとも誰かを必要以上に犠牲にすることはない……はずだ。
ナズナさんのことを好きな他の男が犠牲になることはあるかもしれないが、そんなことを言ったら俺が幸せになれないじゃないか。
少なくとも、俺は自覚的に、他の男を蹴落としてでもナズナさんと良い関係になりたいと考えているよ?
っていうか不安になって来た。もしも俺が聖杯戦争にかまけてる間にナズナさんが他の男と超高速電撃結婚までしていたら、俺は自分を抑えられる自信がない。
そうすることで彼女が不幸になるということを自覚しながらも、相手の男を出来るだけ陰惨に嬲り殺してしまうかもしれない。


良かった。


こんな風に自分のことを客観視して、彼女のこともちゃんと考えて、俺は行動できる。
少なくとも衝動的に一方的に相手の男を殺して『俺が正しい!ナズナさんが悪い!』などとほざくような人間のクズじゃない。
だから俺は『まとも』だ。


『まとも』なんだ。


話がずれちゃったな。

俺は見も知らぬ誰かの幸せのために死んでやるほど聖人ではないから、少なくとも『聖杯戦争』を殺る気はある。
でも、出来る限り穏便に済ませたくもあるから、他マスターを暗殺できれば一番いいかなと考えている。
つい最近、あの『東』と『西』を収めるそれぞれの組織の中枢に忍び込んで、両方のボスに会うことも出来たんだ。
相手マスターがよっぽど、あの二つ以上に堅牢な、城のようなところに引き籠ってでもいない限り、問題はないだろう。

ただ、俺は未だサーヴァントという存在がどこまで『出来る』やつらなのか分かっていない。
俺のサーヴァントは、俺自身の魔力が少ないこともあり、節約のため力を見せてはくれないし。
でも、マスターである俺よりは強いんだろうな。そうじゃないとサーヴァントを使役する必要なんてないわけだから。怖い怖い。
最低でも、俺がどれだけ『知覚』できる相手なのかは確かめておきたいところではある。
頑張れば攻撃を避けられる、本気を出せば逃走できるくらいの差ならいいんだけど。
マスターの方を暗殺できればこんなことを考えなくても良いんだけど……最悪、『バーサーカー』の方に相手サーヴァントを相手取ってもらおう。
その間に俺が事を済ませれば、ベストとは言えずとも、ベターな選択肢だろう。

そのために、バーサーカーに矢面にたってもらうために。
少しでも魔力を蓄えるために、俺はこの街で今までに30人ほど殺してきたんだからね。

魂食い。それに加え、俺のサーヴァントは少々特殊なため、より効率よく人間から魔力を奪取できる。
問題は彼の魔力消費を出来るだけ減らすため、俺の方で相手を死なない程度に半殺しにして彼のもとに届ける必要があるということだろうか。
『バーサーカー』は自分で『壊すため』に出来るだけ綺麗なまま持ってきて欲しいようだから、数をこなすうちにずいぶん手加減も覚えた。
あの殺さなければ殺される『島』での殺人に比べれば、俺もかなり丸くなったといえるんじゃないだろうか。
もしかしたら、俺はあの『島』よりも、このアーカムで殺している方がより『まとも』なのかもしれないな。
ま、それでもナズナさんのいるあの『島』の方が俺は100万倍好きだけどね。

うん、彼女の笑顔を思い出すとやる気出てきた。
聖杯戦争、頑張ろう。


と、ここまで考えて。



俺は、血走った目をした男が『ようやく』こちらに構え終えた拳銃を、予定通り下から蹴り上げた。



「だから俺は今から君を半殺しにしようと思うんだけど、良いかな」



「ああ、納得できないような顔をしているね。じゃあこうしよう」





「今日は空が綺麗だから、俺たちは君を殺す」





■ ■ ■


「ただいま、バーサーカー」

「おかえり、マスター」

扉を開くと、血生臭い香りが急激に俺の鼻腔を刺激した。
あの『島』での殺し殺されに慣れてしまっている俺でさえ、ちょっと嫌な気分になる『濃さ』だ。
そして、その臭いの大本となっている椅子に縛り付けられていた男は、既に『ぐちゃぐちゃ』というのが似つかわしい状況となっていた。
今回は、早かったな。

「また派手にやったね」

「あんまりあっさり弱音を吐くものだから、イラっとしちゃってね」

「誰にもバレないようにオモチャを持ってくるのも大変なんだから、ちょっとは大事にして欲しいもんだ」

「やっぱり人間はすぐ壊れちゃうからつまらないね、もっとさくさく指が生えればいいのに」

狂ってる。あの『島』でもなかなか見ることのできない、とびきりの『真正』だ。
一見会話出来ているように見えるが、やはり『バーサーカー』と呼ばれるだけあってまともに話が通じているとは思えない。
一般的なサーヴァントというものがどんななのかは知らないが、もうちょっとまともなのが欲しかったな。

「サーヴァントは壊れにくいのかな」

自分の不幸を呪っても仕方ない。
ここは聖杯戦争の方に彼の意識を持っていけるように、俺が頑張らなきゃ。

「そうだね。それに、単独行動を持ってる『アーチャー』だとマスターが死んでも少しの間は生きててくれる」

「じゃ、ソレが手に入ったら少しは楽になりそうだな」

しまった。思わず皮肉のような言い回しをしてしまった。
何も知らないやつは勘違いするかもしれないけれど、別に頭の回転が速くても、頭が良くなるわけじゃないんだ。
やはり俺は会話というものがあまり得意じゃない。『島』内でもよく誰かに激昂されたもんだ。
ただ、今回の相手は事情が違う。人間を超えた超常の存在。戦って只で済むとは思えない。
聖杯戦争が始まる前に自分のサーヴァントに殺されるなんて、まったく面白くもない冗談だ。勘弁してほしい。
ちらりと目だけを動かして、恐る恐る様子を窺ってみたり。
だけど、バーサーカーはこちらの言葉に全く耳を傾けることもなく、こちらの気も知ることなく、楽しそうに新しいオモチャの品定めを始めていた。
胸を撫で下ろす。と、同時に溜息もこぼす。
全く、これだから異常者は嫌いなんだ。

「じゃあ、なるべく保たせてくれよ」

「♪~♪~~」

『バーサーカー』はこちらの話を聞いているのかいないのか、鼻歌交じりに早速親指の爪を剥がしている。ああ気持ち悪い。
こんな『拷問するために拷問する』ような異常者に嫌悪感を感じる俺は、やっぱり『まとも』だ、再認識。
認識は大事だからね。俺がナズナさんを好きってことも、もう一度認識しておこう。
ああ、とっととこの街やこのイカれたサーヴァントともおさらばして、『島』に帰ってナズナさんに会いたいな。癒されたいな。


そのためにも、一日でも早く他のマスターを殺さないとね。


【マスター】雨霧八雲(伊勢川尊人)@がるぐる!


【マスターとしての願い】
この間ナズナさんにかけた挨拶をもっと気の利いたものにするために、ちょっとだけやり直したい。
邪で他者を踏みにじるような願いを抱く人間も多い中で、たったこれだけの望みを叶えようとするとは、俺はなんて『まとも』なんだろう!

【weapon】
特に決まった武器はない。現在はどこにでも売っているナイフと拳銃を所持。

【能力・技能】
頭の回転が恐ろしいほど早い。いわゆる『周りの動きがスローモーションに見える』というやつ。
音速以上の攻撃も出先(拳銃の引き金や居合の初動など)を見てから避ける。
学生時代にダンスで全国優勝を果たしたこともあるため身体能力が高く、身体も柔らかく、上記能力と合わせることで予測不可能な不気味な動きをするらしい。
頭の回転が速いからといって別に頭がいいわけではないこと、高速すぎる思考に身体が付いてこないため、反応できても対処しきれない可能性があることには注意。

【人物背景】
現代の九龍城とさえ称される治安最悪な『島』内最恐の殺人鬼。
本人曰く『襲い掛かってくる強盗や暴徒を毎日殺し続けていたらいつのまにか自分が殺人鬼呼ばわりされていた』
なので、基本的に罪のない女子供を殺すことはない。逃走の際に人質に取ることはよくあるが。
本名は伊勢川尊人といい、雨霧八雲は偽名。
彼はこの名を、いつか『まともな人間』として島を出ていく時に島内に『殺人鬼』として残していく仮面のようなものだと考えている。
その殺害数からもはや都市伝説的存在となっており、存在を架空のものだと思っている人間も多い。
『バネ足ジョップリン』には同じ都市伝説仲間として好意的に見られているが、八雲は奇人であるバネ足のことが大嫌い。

【方針】
『バーサーカー』のオモチャ(出来れば殺しても問題のないクズが相応しい)を確保しつつ他マスターの検索。
『まとも』である彼としては正々堂々正面から戦うことなどせず、マスターをそっと暗殺できれば一番波風が立たなくて良いと考えている。


【クラス】
バーサーカー

【真名】
ヤモリ(大守八雲)@東京喰種

【パラメーター】
筋力B+ 耐久A+ 敏捷C 魔力D 幸運E 宝具B-

【属性】
混沌・狂

【クラススキル】
狂化:D
通常時は狂化の恩恵を受けない代わり、『拷問に必要ならば』という条件付きでマスターや他者との意思疎通を行える。
宝具『13』を使用した場合は筋力と耐久のパラメータがランクアップするが、複雑な思考が出来なくなる。

【保有スキル】

拷問術:A+
狂的なまでに磨き上げられた拷問の技術。
『外部からの邪魔が入らないように臭いや声が遮断されている部屋』の作成という、最早疑似的な陣地作成までも行える領域に至っている。


戦闘続行:B
瀕死の傷でも戦闘を可能とし、決定的な致命傷を受けない限り生き延びる。
『バーサーカー』は共食いの結果、通常の喰種は一つしか持っていない赫包を三つ持っており、高い再生能力を持つ。

精神汚染:C
精神が錯乱しているため、同ランクまでの精神干渉系魔術をシャットアウトできる。
ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。
マスターである雨霧八雲とは意思疎通を出来ているような出来ていないような微妙な状態。

喰種:C+
ヒトを喰う種。
魂食いだけではなく、人間の身体を喰らうことで通常よりも多くの魔力を得ることができる。
更に、『バーサーカー』は人間だけではなく同属も喰った結果、喰種の進化形態とも言われる赫者になりかけている半赫者である。
そのためスキルランクが上がり、人外であろうとも喰うことで魔力を得ることができる。



【宝具】

『1000-7』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
この宝具の対象となった相手は「1000から7ずつ数を引いていってその数字を口に出して言っている」間は正気度減少を抑制することができる。
『バーサーカー』に拷問されている相手を出来る限り正気に保ち、拷問狂の彼を長い間楽しませるための宝具。
そのため、この宝具で正気度減少はないものとする。

『13』
ランク:B- 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大補足:1
13区の悪鬼、金曜日の死神、ジェイソンとも称された『バーサーカー』の真なる力を開放する合言葉。
喰種の進化形態とも言われている赫者へと変貌し、筋力と耐久のパラメータを上昇させる。
上半身に鎧のような赫子を、右腕に巨大な触手を思わせる冒涜的な赫子を纏い、再生能力も通常よりも上昇する。
ランクが下がっているのは『バーサーカー』が未だ不完全な赫者、半赫者であるため。

【weapon】
基本的には喰種の超人的な身体能力と3本の赫子、鱗赫を用いて戦闘を行う。
巨大なペンチのような拷問道具を用いることも。

【人物背景】



かつて、奪われ続けた男がいた。



男は強くなり、奪う側に回った。



奪いに奪いに奪い続けた男は、最後にすべてを奪われて、天使に見送られましたとさ。

【サーヴァントとしての願い】
受肉し、もっと奪いたい。