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《身代わり》カウレス&バーサーカー ◆7q1uGo5q1A


 カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニアがこの聖杯戦争に参戦することになったのは、何者かの気まぐれとしか言いようがない偶然である。

 彼が属するユグドミレニアの一族は、半世紀以上前手に入れた『聖杯』を用い、魔術教会からの独立を宣言した。
 それは魔術教会と戦争状態になることを意味する。
 そのため聖杯戦争を自ら起こし、サーヴァントを召喚して一族の悲願。
 もとい当主であるダーニック・プレストーン・ユグドミレニアの悲願である一族の繁栄と魔術教会への復讐を果たそうとしていた。

 カウレスは本来、姉のフィオレのバックアップが役目だったが、ここで第一の偶然が起きる。
 カウレスもまた姉と同様に令呪を宿してしまったのだ。
 他の一族からの困惑と嫉妬の眼差し。それも当然と納得してしまう。
 なぜ令呪が現れたのか、一番納得がいかないのがカウレス自身なのだから。

 かくしてカウレスはサーヴァントを召喚する役目を担う事になったのだが、他のマスターと違いダーニックより、初めからバーサーカークラスでの召喚が決められていた。
 理由は二つ。カウレスはマスターとして適性が低いため、それを狂化で補う為。そして他のマスターが、万が一にもバーサーカーを引き当てる事が無いようにだ。
 それは使い捨ての駒としてしかダーニックはカウレスを見ていないことを意味するが、カウレスとしては特に不満も無かった。
 そうして何とか触媒となる聖遺物は手に入れ、後はルーマニアの根城トゥリファスに戻るだけだったが。

 トランクごと渡され、そのカギが他ならぬ『銀の鍵』であったのが、第二の偶然であった。

 カウレスが気付いた時には、見知らぬアーカムという都市で、魔術と無縁の生活を送っていた。
 その異常に気付き記憶を取り戻した瞬間、頭の中に『この聖杯戦争』に関する知識が入ってくる。
 何もわからない状況だが、唐突な情報の羅列や令呪が存在する以上、聖杯戦争に巻き込まれたことに変わりはない。
 で、あれば、まず為すべきは最低限の戦力の確保。つまりサーヴァントの召喚だ。
 幸いにして、聖杯大戦に用意した触媒、フランケンシュタインが描いた『理想の人間』の人体図はある。
 魔力に関して不安はあるが、そうも言ってはいられまい。
 そうしてカウレスはサーヴァントの召喚に挑み――。

「……で、召喚されたのはこのゴスロリ衣装の女の子と」

 そしていままで生活していた学生寮の中を、自由気ままに動き回るサーヴァントを見て、カウレスは頭を抱えた。
 マスターに与えられる透視力で、クラスはバーサーカーと読み取れるが、とても狂戦士というイメージじゃない。

「おーい、こっち来てくれ」
 カウレスは手招きして、自分のサーヴァント(?)を呼んだ。
「念のため確認しておきたいんだけど、お前はバーサーカーのサーヴァントでいいんだよな?」
「バーサーカー? わたしはエルムだよ」
「……あのさ、これは聖杯戦争だってことは分かるよな?」
「セイハイセンソウ?」
「……だめだこりゃ」
 困惑するサーヴァントのエルムに対し、カウレスはがくりと肩を落とした。
 聖杯戦争どころか、自身がサーヴァントである事すら理解していないサーヴァントを引き連れてどうしようというのか。

「大体、お前本当にヴィクター・フランケンシュタインが造った人造人間なのか? 花嫁の方じゃないのか?」
「ううん、違うよ。エルムは人造人間(フランケンシュタイン)だけど、『始まりの人造人間(ザ・ワン)』じゃないもん」
「……ちょっと待て。まずお前は人造人間で間違いないな」
「うん」
「で、ヴィクター・フランケンシュタインが創造した怪物ではないと」
「そうだよ」
「じゃあ、誰がどうやってお前を造ったんだ? フランケンシュタインは製造法を誰にも伝えずに死んだはずだろ?」
「そんなことないよ。今では研究が進んで、バリエーションがいっぱいあるんだから」
 その言葉で、今度は逆にカウレスの方が困惑した。
「……何か変だぞ。ちょっとお前がどうやって創造されたのか説明してくれないか」

 その後、バーサーカーの拙い説明で分かった事は、どうやら彼女はフランケンシュタインの人造人間製造法が闇社会に流出した並行世界。
 そこで造られた人造人間である、という事らしい。
 並行世界が実在する事は、カウレスも第二魔法の存在により知ってはいたが、実際にこうして目撃すると驚きもひとしおであった。

「それでええと……」
「カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア。カウレスでいい」
「カウレスは何でわたしの夢にいるの? わたしは夢で人間のエルムとお話ししてたんだけど」
「お、おいおい……」
 流石にカウレスも呆気にとられた。
 本当に聖杯戦争を理解していないのは、確かにバーサーカーと言えるかもしれないが。
「ちょっとここに座れ。まず、サーヴァントってのは……」
 このままでは自分の命が無い。そう判断したカウレスは、エルムに座って向き合い聖杯戦争について自分の知る限りの情報を説明することにした。
 自分が召喚したサーヴァントに聖杯戦争が何であるかを説明する。
 その馬鹿馬鹿しさに、カウレスは頭が痛くなる思いだった。

「つまり、ここは現実でわたしはボディーガードとして呼び出されて、カウレスは迷子ってこと?」
「あー……もうそれでいいや。そういう事」
 投げやり気味にカウレスは言った。
「ならまかせて! カウレスがちゃんとお家に帰れるよう、守ってあげるから!」
 エルムは胸を叩いた。
「心配しないで。エルムはこう見えてもすごく強い人造人間なんだよ」
「……俺、お前のステータス見えるけど、あんまり強くないぞ」
 マスターに与えられた透視力。これによりサーヴァントのステータス情報は開示される。
 それで読み取った情報だと、エルムのパラメーターは耐久値だけが突出して高く、他は平均以下だ。
 特に筋力値がEのバーサーカーなど、今までの聖杯戦争でいたのだろうか。

「それじゃ、ハリきって! いざ前進(フォルヴェルツ マルシュ)!!」
 そう言ってエルムは勢いよく立ち上がり、扉に向かい突進した。

 カウレスは胸をなでおろした。
 兎にも角にも、最低限の戦力は確保できたようだ。
 エルムの花言葉はギリシャ神話に由来する『身代わり』だ。姉の予備として育てられた自分にふさわしい。
 ……アホの子なのは、もうどうしようもないと諦めよう。

「とりあえず、俺みたいに巻き込まれたマスターを探して交渉してみるかな……。
 単独じゃ生き残れそうにないし……」
「カウレス! 早く早く!!」
 扉の前で催促するエルムに向かい、カウレスは腰を上げた。

【マスター】
 カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア@Fate/Apocrypha

【マスターとしての願い】
 元の世界、ルーマニアへの帰還を目指す。

【weapon】
豹の使い魔、低級の悪霊
 召喚して戦わせる。
ミミズの卵
 靴のつま先に仕込んであり、相手の体内に潜り込んで激痛を発する。

【能力・技能】
 メインに召喚術を扱うが、魔術師としての技量は凡庸。
 だが、己に力量が欠けていることを正しく理解しており、有利な状況でも油断せず、周囲の状況を観察・判断し自分の技量で出来ることを最大限に活かす工夫をする。
 戦闘時は豹の使い魔や低級の悪霊を召喚して使役し、隠し武器として靴の爪先に相手の体内に潜り込んで激痛を発するミミズの卵が仕込まれている。
 現代科学を忌避する一般的な魔術師としては例外的に、情報収集にパソコンなどを使用したりもする。

【人物背景】
 様々な魔術師の一族が集合し、組織兼一族を構成するユグドミレニアの一人。
 ミドルネームは元々の一族の性で、血を分けた家族に姉のフィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニアがいる。
 天才と謳われ、次期当主の座が約束されている姉に対し、カウレスは凡庸な魔術師で、一族からは姉の予備程度にしか扱われていない。
 だがカウレスはそんな境遇を、気楽に魔術を学べるとポジティブにとらえている。
 カウレスは『魔術』は好きだが『魔術師』になるのは御免と考えており、成人が近い今は将来をどうするか模索中である。
 性格は魔術師ならだれもが目指す根源より家族を優先すると断言し、サーヴァントを使い魔であると認識していても、相手を尊重し相互理解を重視するという常識的で人間的な感性の持ち主。

【方針】
 アーカムを脱出しルーマニアへ戻るのが最優先。
 おそらく自分と同様、何も知らずに召喚されたであろう他の主従との交渉を試してみる。

【クラス】
 バーサーカー

【真名】
 エルム・L・レネゲイド@エンバーミング

【パラメーター】
 筋力:E 耐久:B+ 敏捷:C 魔力:D 幸運:D 宝具:C

【属性】
 混沌・善

【クラス別能力】
狂化:-
 凶暴化する事で能力をアップさせるバーサーカーの共通スキルだが、このサーヴァントの狂化は他のどのバーサーカーとも異なる。

【保有スキル】
虚無(ゼロ)の悲劇:?
 エルムは大元の素体がない、零から創造されている。
 新たな生命である原典のフランケンシュタインの怪物と違い、動く死体の人造人間は必ず元の人間より変わり、狂気に侵される。
 だがエルムのような根本が無い、虚無からは狂えない。
 あるいは狂ったまま正気を保っているとも言える為、エルムはいかなる状況においても狂気に陥ることは無い。
 この効果は因果線を通じマスター側にもフィードバックされ、マスターに正気度喪失が発生しない。
 ……狂わないというだけで精神干渉は通用する。

理性蒸発:D
 創造の経緯の影響で、理性が蒸発している立派なアホの子。
 このスキルは「直感」も兼ねており、戦闘時は自身にとって最適な展開をある程度感じ取ることが可能。

【宝具】
『護りの聖布(ブライダル・ヴェール)』
ランク:C 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人
 エルムは自身の皮膚を自在に操れるよう創造、調整されている。
 主な能力は攻撃に対する自動的な瞬間硬化と再生。服も皮膚から培養した生地で縫われており、破れても皮膚と同時に再生する。
 Bランク以下の攻撃をEランク相当まで軽減。Aランク以上の場合でも最低Dランクまで軽減する。
 特に雷撃に対しては完全な耐性を持つが、光速の攻撃に対しては皮膚の対応が間に合わず直撃を喰らってしまう。
 他に具体的な使用例としては真空吸着、軟度調整による跳躍加速、皮膚の色の変更、骨格の範囲内で顔や体型を変えるなど。
 さらに爪を硬化、伸長させる。髪の硬化や射出と再生、長さや色を変えるなど皮膚に関わる部位なら自由に変化させられる。

【人物背景】
 Dr.リヒター製機能特化型人造人間「究極の八体」の七体目で、皮膚機能特化型人造人間。
 元は人間で、人造人間を創造し共に暮らす共同体、ポーラールートの住人。
 とある人造人間の創造に居合わせた時、その人造人間の暴走により殺害される。
 幼馴染のアシュヒト・リヒターの意志により人造人間に創造されるが、おとなしい性格が快活な性格に変貌。記憶も全て無くし、完全に別人となってしまった。
 実の親から「お前なんかエルムじゃない」と言われた事は、彼女の心の奥底で亀裂となって残っている。
 普段は思い付きで感情のままに行動する、立派なアホの子。
 そんなエルムだが戦闘時は躊躇なく相手の皮を剥ぎ、硬化、先鋭化した爪で切り裂くなどやはり人造人間である事を見る者に実感させる。


 実はこのエルムは、■■■■■エルム・L・レネゲイド■■■■■■■■■■。
 創造主でアシュヒトの父であるゲバルト・リヒターが■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。

【サーヴァントの願い】
 カウレスがちゃんと家までたどり着けるよう、守らないと。

【方針】
 とりあえず、街から出る事を考える。
 だけどその前に観光しよう。

【基本戦術、運用法】
 エルムは、バーサーカークラスとしては破格に低い魔力で運用できる。
 それはサーヴァントとして弱いという事を意味するので、防御力を売りに誰かとチームを組む事を考えよう。
 戦闘時のエルムは平気で皮を剥いだりするので、相手のSAN値減少には十分。
 スキルによりカウレスに正気度喪失が発生しないので、心置きなく敵マスターのSAN値を削っていこう。
 単独で敵サーヴァントやマスターを倒そうという困難な方法を取らない方が良い。