《Acta est Fabula》流竜馬&ヴァルキュリア ◆B7YMyBDZCU



言うなれば運命共同体


互いに頼り 互いに庇い合い 互いに助け合う


主は従者の為に 従者は主の為に


だからこそ前へ進む希望が――





人類は叡智の階段を駆け上がり時代と共に変化している。
それは学校で習うような歴史であり文化、将又表には現れない虚偽も含む。
アダムだの吸血鬼だの魔術師だの座だの神だの悪魔だの。
歴史に受け継がれる彼ら――人間を超えた存在の真偽は何処までが真なる証なのだろうか。

アダムそしてイヴ。
始まりの人間だと言われているが彼らの証は絶対と言い切れるか。
神聖なる書に記載されただけの文を人類全体は信じるのだろうか。
それこそ創世創作の存在に過ぎないのだろうか。

歴史は絶対と言うならば。その綻びを狙う馬鹿《探求者》もいる。
事象がひっくり返されるような世紀の大発見も探せばあるのだろう。

見た目だけで構成されるような記述をしているが言いたい事は一つ。
歴史に記されていることだけが総てになる訳がない。光と闇或いは影の関係性と同じ意味を持つ。

一人の人間であっても神の意志に魅入られ消滅と存命の狭間で闘っている男が存在するかもしれない。

歴史から葬られた軍人が人外なる存在に変わり果て現代の世界に形を置いているかもしれない。

世界には記されていない歴史、謂わば空白の歴史が存在しているのだ。

聖杯戦争――日常なる表に決して光を浴びることのない闇の儀式も同様である。

閃光瞬くシンカの果てに辿り着くのは虚無か楽園か。
破滅なる未来を防ぐため己が力とする力の全てを出し切るのみ。
それは今までどおりの話であり今更改めて気合を入れ直す必要もない。
無限へ広がる宇宙の果てに一つの神話が呼び起こされる。

「延長戦と洒落込もうじゃねぇか。インベーダー野郎共」

悪魔の翼を纏った赤き機神が演舞のように獲物を振り回し根源たる災厄へ突っ込んだ。

迫るインベーダーと呼ばれる怪物を獲物である斧で造作もなく斬り殺す。
縦に両断、横に一閃。向かって来る敵は総て宇宙の塵と化していた。

「幾らでも相手してやらァ!」

「血気盛んだな竜馬」

「飽きない奴だな。狂ってる獣とそう変わらん」

斧にインベーダーの残骸が粘り付き切れ味が劣化してしまう。
ならば、どうする?

「テメェらも変わんないぜ? 隼人、弁慶」


斧を投げ捨てた機神は己の腕で殺さんと武器のように振り回しインベーダーを切断する。
武器に頼ること無く腕で次々と宇宙の塵を量産していた。

「ゲッターレザーァ!!」

荒れ狂う機神の怒りを止める怪物はこの空間に存在していない。

「なら俺にもやらせてもらおうかァ! チェンジゲッター3!」

三つの心は一度解除されようが絆――なんて言葉は生温いが途切れることはない。
三種のゲットマシンが再び組み上がると黄の海王が己の魂を解放せんと回旋を行う。

「これでも喰らえ、ミサイルストーム!」

貯めに溜め込んだミサイルは嵐のように降り注ぐ。
その数、数えるだけ無駄な話。
流れ星のようなロマンは秘めておらず爆発すれば残るのは跡地のみ。

「着弾まで待っていられるか、俺に変われ弁慶」

「そこまで言うなら見せてもらおうじゃねえか、隼人」

「抜かせ――チェンジ、ゲッター2!」

流れる流星は白く宇宙に一筋の閃光を刻むように。
現れた白い螺旋はミサイルを追い越す圧倒的な速度でインベーダーの群れに突入した。

そのドリルはインベーダーを貫き、塵のように扱うかの如く無残に進んで行く。
群れの中央に到着すると周囲は敵に囲まれており宇宙の黒ではなくインベーダーの黒で構成されていた。

「プラズマドリル――」

ドリルを突き出すと雷光がバチバチと走り出し、これから起こるであろう嵐を予兆させる。
溢れ出るプラズマを限界まで溜め込み、そして――。

「ハリケェェン!!」

圧縮された高密度エネルギー体を竜巻のように開放、真ゲッター2を起点とした横に狂う竜巻。
旋風のように刻み込み、嵐のように飲み込み、神のように裁きを下す一撃は大量のインベーダーを潰していく。

「ついでだ、コイツも貰ってけ!」

ドリルの位置を変える。つまり竜巻を操作することになる。
竜巻が荒れる先は弁慶が放ったミサイルの嵐だ。之に竜巻を加え自由自在にミサイルを操作する。

銀河を包み込むように散開されたミサイルは吸い込まれるようにインベーダーの中心へ向かう。
その数、先ほども述べたが数えるだけ無駄な話しである。

「俺のミサイルを操るとはやるじゃねぇか、隼人」

「フッ……最後はお前にくれてやる、竜馬」

ミサイルの着弾によって黒き宇宙は光に包まれた。
決して優しいとは呼べないが光は光、眩しいぐらいの閃光である。

その嵐の中で、輝く機神が此処に在リ。


「お膳立てご苦労だったなテメェら、チェェェンジ! ゲッター1ッ!」


爆風が晴れるのを待たずに赤き機神が既に飛び出していた。


「速攻で終わらせてやる――ゲッタアアアアア! トマホォォォゥクッ!!」


獲物を振り回し迫るインベーダーを一体、また一体と斬り殺す姿は悪魔か神か。
この世界の守護神とも呼べるゲッター線の戦士はその身を永劫なる歴史にぶん投げていた。



トマホークを容赦なく投げ込み大型インベーターを切断するとその残骸を掴む。
何をするかと思えば囲まれている状況に対し残骸を武器にして殴り掛かる。
同族を同族で殺す。外道の所業である。
武器として扱ったインベーターが潰れればそれを放り投げ新たにトマホークを取り出す。


「コイツで切断してやらァ! どいつもこいつも面倒くせえ! まとめてぶっ殺してやるぜッ!!」


吠える竜の戦士、熱き心は誰にも止められず、正義の風が荒れ狂う――それがゲッター。


「ゲッターランッサーッ!!」


竜馬の咆哮に反応するように一斉に向かって来るインベーター軍団。
その先頭になっていた個体を槍で貫く。
一度だけなら、一体だけなど生温く一体、更に一体と串刺しにしていく。

やがて大きい個体に突き刺さると蓄積分も相まって重さで動かせなくなってしまう。
身動きが取れないゲッターを好機と判断し全方位から群がるインベーター。
その牙、その爪、その悪意。総てが必殺の一撃と言えよう。
暴れ回ろうがゲッターも機体であり装甲には限界が存在する。
黙って攻撃を受け続ければ当然のように破壊され、虚無を迎える。


「ゲッターサイトォッ!!」


だからどうした、それがどうした、俺を誰だと思っていやがる――流竜馬だ。
こんな所で燻る弾でも無ければ大人しく攻撃を貰うほど優しくない。
貫いている武器をそのまま鎌状に変形させると大きく己を軸にして回転させる。

突っ込んできた総てのインベーターを死神のように刈り取り、更に回転、更に回転……。
生命の価値を溝に捨てるように何体ものインベーターを刈り殺すと武器を斧に戻す。

一度機体を後方へ引かせると斧を両手で持ち替え投擲の体勢に移る。
その斧にはインベーターの死骸が無残に残っているが関係ない、これは武器なのだ。

「トマホォォォゥクッ! ブゥゥゥウメラァァンッ!!」

武器を投げるのに倫理観など必要もなくインベーターだった物が付着していようが関係ない。
トマホークが作る道は地獄への、いや、どうだろうか。
永劫たる戦いの中に地獄も糞も関係などないのではないだろうか。

今、此処に起きている現実こそが総てだ。



「上だ、竜馬!」

「何ッ!?」


災厄も黙って殺される道理も無ければ条理も無く。
殺されるためだけに生まれた家畜では無い故に、牙を向くのに理由は要らない。
ワーム――そう呼べる程の巨大なインベーターはその口を大きく開き真ゲッターを飲み込んだ。






「ラチが空かねえな……ストナーサンシャインで腹ン中突き破るぞ。隼人、弁慶……い、いないだと……?」






暗い腹の中――違う。此処はインベーターの中じゃあない。
闇、それも深い。

隔絶された空間だ。生命を感じない無の空間と称するのが正しい。
狭間、そう狭間と呼べばいい。
存在する力と消滅する力が鬩ぎ合う揺れる天秤、それが無の空間。



「――居るんだろ、とっとと声出して姿を見せやがれ」

虚無のコックピットで流竜馬は誰かに声を投げた。
誰もいない、自分で述べた筈だがどうやら誰かいるようだ。

『ゲッター線に魅入られた戦士よ、貴方の存在は世界に大きな影響を与えます』

脳内に響いてきた声は中性的で女性とも男性とも区別が付かない。
そもそも人間の声かどうかも怪しく、この正体を誰か突き止めるのは不可能だろう。

「急に出て来て開口一番に意味解かんねぇ事抜かしてんじゃあねぇぞタコ、テメェは誰で此処は何処だ?」

『私に名前などありません。そして此処は――めざめの園」

「……解るように話せ」

『めざめの園はこの世に存在はしない、けれどこの世に繋がる扉がある場所』

名乗らない声が言うにはめざめの園と呼ばれる場所らしい。
流竜馬に聞き覚えはなく説明を求めても上辺だけの言葉で構成された曖昧な答えが返ってきた。
以前の彼なら全く理解出来なかったが今は違う。ゲッターの使命をその身に受け入れた彼ならば。

「まぁいい。で、だ。
 俺は帰れる……訳にもいかねえ話しだよな? 扉があるってんなら此処は何処に繋がる」

『めざめの園は選ばれた者の精神に現れます。貴方の存在を排除しようと世界の絶対なる無限の力が働いたのです」

「へぇ、俺を殺そうと世界其の物が敵になるってか! 面白えじゃねぇか。
 でもよ、選ばれた奴に現れる空間が何故『俺の中』にあんだよ、排除されんだろ?」

世界が己を殺そうとしている。その事実を知っても怯えるどころか笑い、迎え撃つ流竜馬。
一種の精神崩壊とも考えられる戦闘への魂は崩れることを知らない。

扉。
繋がっている先を尋ねたがその答えは返って来なかった。
気付かなく別の質問を投げた。答えが真艫に返ってきたらもう一度投げかけるのを思案するべきか。

『世界は貴方に最後の試練を――与えようとしています。それが聖杯戦争。願いを求める醜い人間の足掻き。
 其処に貴方は招待される、いや、既に扉の鍵を開けていました。異空間に貴方を隔離して世界は均衡を保とうとしています』

「……聖杯戦争、か。さっきから頭ン中に流れてくる情報はこれか。サーヴァントだのアーカムシティだの馬鹿馬鹿しい。
 どうせやるこたぁ今と変わらねえ生命の遣り取りだろ? ならさっさと俺を案内しやがれ、邪魔する奴は全員ぶっ殺してやるからよ」

『やはり貴方は危険です。ですが、世界は貴方を選んでしまった。銀の鍵を扱わずに世界の修正力だけで扉を開けてしまった』

「知るか、俺は彼奴等の所へ戻って暴れなきゃいけねえからよ」

『解りました、流竜馬よ。貴方は之より聖杯戦争に参加します――座の意思に抗わぬように、ご武運を』

結局の所、この声の招待が判明することは無かった。
気に喰わない語り口調から察するに嘗て感じ取ったゲッターの意思のようなものだろう。
言葉には表しにくい、しかし心では理解出来る――絶対の意思とでも呼べばいいのだろうか。

声の従いにより意識が薄れていく流竜馬。
このまま聖杯戦争に参加するのだろう。やることは唯一つ。
願いなどどうでもいい。帰る、変える、還る、返る。彼には使命が残されているから。


「之は――!?」


意識が薄れていく中で流竜馬は一つの惨劇を目撃する。
禍々しく存在するソレは多くの人間の生命を喰らい街中を戦火に包み込んでいた。
逃げる人々、嘆く人々。地獄絵図とも呼べる終焉の一ページ。

「あれは……俺はアイツを知っている……?」

機神。
世界の根源に魂現するその姿には見覚えが在る。
何故だ、何故見覚えが在る、俺は知っている。見たことがない。
この記憶は一体なんだ。
揺れる意識の中に眠る謎の記憶は彼の脳内に響き、学習させ、イメージを具現化させる。

「あれはデモンベ――」



めざめの扉は開かれた 


鍵の所有者は互いの願いの為に殺しあう


だがそれを良しとしない参加者が大勢だ


彼らは同盟を組み無駄な血を流さないように活動する


光の聖杯 ハッピーエンドに血は必要ない 明るい未来を勝ち取るために


             嘘を言うな


無能 虚偽 裏切 暗躍 脱落 粛清 虚無 杜撰 怯懦 惨劇 絶望 


ハッピーエンドに血は要らない? それはその通りだ


だが! 誰が聖杯戦争をハッピーエンドと呼んだ! 此処に集まるは願いを夢見る馬鹿共だけだ!


在るはずもないたった一度の奇跡に縋る馬鹿共は常識何て持ち併せていない


同盟を組もうが最後に嗤うのは一人だけ 願いを叶えるのは一人だけ


見ておけ 見ておけ 見ておけ


これから始まる戦争は汚い思惑で固められたこの世総ての悪だ


足掻け この地獄で 足掻け 足掻け お前の味方など誰一人としてこの場にいない


誰が仕組んだ地獄やら? 嗤わせるな ならばお前は何故鍵を用いて扉を開いた


ハッピーエンドが嗤わせる お前に似合うのはお花畑じゃない 地獄の底辺で泥を啜っていろ


願いを叶えるのは一人だけだ 殺し合え 最後の一人まで殺し合え


お前も お前も お前も


だからこそ 俺のために死ね








「問おう、貴方が私のマスターですか? ふふ、どうです? 決まってましたか、私?」



めざめは思ったよりも悪くない。
此処が記憶に在ったアーカムシティとやらだろう。
地名はリバーシティ。善良な市民として働いているらしい。

「マスターのために玉子焼きを作りました。食べてくれます?」

「……悪いな。もらうぜ」

顔立ちの整った金色の髪、美しい女性がキッチンから玉子焼きを持って現れた。
言葉から察するに彼女が流竜馬のサーヴァントで間違いないだろう。

傍にあった銀の鍵とやらを一度机の上に置く。
箸を取り無駄な動作を行うこと無く玉子焼きを口に入れる竜馬。
一口、更に一口と口の中に運んでいく。
その様子を笑顔で見つめるサーヴァント。何処かそわそわしているのが目立つ。
それに気付いた流竜馬は一瞬悩んだ後に言葉を出した。

「なぁ、料理に自信はあるタイプか?」

「ええ、勿論! 軍の中でも上手い方でしたよ私。普通ってよく言われてました!」

「それが聞けて助かった。普通に上手いぞ」

「……はい」

やはりか。そう言った態度を取るように背中を丸めてしまうサーヴァント。
この場が聖杯戦争ではなく、流竜馬がもう少し色恋沙汰に興味ある男性だったら微笑ましいがそんな訳にもいかない。

「マスターは願いとかある感じですか? 私はないので最後までお伴しますよ?」

「誰かが敷いたレールを走るなんて二度と御免だ。邪魔する奴は殺して俺は戻る。反対か?」

「私は嘗て軍人でした。人を殺すことに躊躇いはありません。それがマスターの道ならば私が照らします。
 ただ極悪非道な行いは流石に見逃すことは出来ないので注意してください。私、こう見えても強いんですよ?」

そうか。短く呟くと流竜馬は立ち上がり青空を見つめる。
これから起こる戦争は総てが予測不可能だ。ゲッターがない今彼は一人の人間として戦うだろう。
もう一度仮初とはいえ生活出来るのは神に感謝するべきか。そんな神など死んでしまえ。

「頼むぜ、ベアトリス。俺は死ぬ訳にはいかない」

その言葉に忠誠を示すようにベアトリスはこう返した。

「ジークハイル・ヴィクトーリア。
 貴方の道を私が照らします。だから貴方は進んでください」



【マスター】
 流竜馬@真ゲッターロボ 世界最後の日

【マスターとしての願い】
 無い。

【能力・技能】
 普通の人間ではあるがその戦闘力は高い。しかし一般人の領域を出ない。
 ゲッターロボのパイロットではあるが、この空間に現段階ではゲッターは存在しない。
 ゲッター線を身体に浴びているため未知への耐性は強い。魔力として扱えるがそれはサーヴァントにとって――。

【人物背景】
 ゲッターに乗りインベーターと戦っていた男。
 その生は最後まで戦い抜いたという逸話がある。 

【方針】
 邪魔する奴はぶっ殺す。


【クラス】
 ヴァルキュリア

【ルーン】 
 闘争

【真名】
 ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン@Dies irae -Acta est Fabula-

【パラメーター】
筋力B 耐久C 敏捷A 魔力B+ 幸運E 宝具A

【属性】
秩序・善

【クラススキル】
 戦乙女:A
 戦場に咲く一輪の花に送られる称号。
 生前戦場を照らす光を願った彼女は最後まで味方のために輝き続ける。
 同ランクの戦闘続行と勇猛を兼ね備える戦闘向けのスキル。

【保有スキル】
 エイヴィヒカイト:A
 人の魂を糧に強大な力を得る超人錬成法をその身に施した存在。
 本来ならばこの存在を殺せるのは聖遺物の攻撃のみだが聖杯戦争では宝具となっており、彼女を殺すには宝具の一撃が必要となる。
 また、喰った魂の数だけ命の再生能力があるが制限されており、魔力消費を伴う超再生としてスキルに反映された。
 A段階に達すると己の渇望で世界を創造する域となっている。

 呪い:A
 ある人物から二つ名である魔名と共に送られたもの。
 その内容は「その夢、青臭い祈りは、グラズヘイムを肥え肥らせる」
 彼女が願い、行動をすればする程、物語が彼女にとって最悪の終末へ進んでいく暗示。

 刹那の加護:E
 永遠の刹那から授かった加護。同ランクの神性を得る。

 一途:A
 絶対的な状況下にあっても根源的に秘めている意思は誰にも止められない。
 彼女が死の覚悟を以って戦いに臨む時、一度だけ戦闘に干渉する力に抗う事が出来る。
 無効ではなく抗う、なので無効化や半減も出来ない可能性もある。

【宝具】

『戦雷の聖剣(スルーズ・ワルキューレ)』
 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 エイヴィヒカイトの第二位階「形成」に届いた者にしか具現化出来ない。聖遺物
 戦乙女ワルキューレの剣を模した宝剣である。神話の聖剣ではない。
 しかしフリードリヒ三世の宝物として厳重に保管されていたため、信仰によって聖遺物の領域へ達した。
 ベアトリス自身がこの聖遺物を選んだことも在り相性が高く神話性も高まっている。
 その性質は雷を操ることが可能であり、その雷光一つ一つが神話性を帯びている。また、この宝具は他人でも操ることが可能である。

『雷速剣舞・戦姫変生(トール・トーテンタンツ・ヴァルキュリア)』
 ランク:A 種別:対極宝具 レンジ:―― 最大捕捉:――
 エイヴィヒカイトの第三位階、自身の渇望の具現たる「創造」能力。
 元となった渇望は 「戦場を照らす光になりたい 」 。発現した能力は「術者の肉体を雷に変換する」こと。
 清浄なる願いが具現化し己の身体を雷光に変換させることで圧倒的速度と物質透過を得る。
 自然現象を身に付けたことにより名の通り「雷速剣舞」の如く圧倒的な速度で相手を圧倒する。
 この力は求道的に発現する彼女の世界の理であり、どのような状況であっても発動することが出来る。

【表の歴史】
 ドイツの貴族の家柄に生まれヒトラーユーゲントを首席で卒業した後エレオノールの部下となる。
 彼女に強い憧れを抱き、共に戦場を駆け抜けていた。
 1939年大戦中のクリスマス、その時彼女は憧れの女性を救うために魔道の道を自ら選んだ。

【裏の歴史】
 聖槍十三騎士団黒円卓第五位。戦乙女の名を持つ誇り高き軍人だった存在。
 黄金の獣に忠誠を誓っておらず、その裏を掻こうとするが総ては見透かされていた。
 最愛の人をその手で殺すことになり彼女自身の魂も聖遺物へと吸収されてしまった。
 その後、彼女は座を廻る戦いに己の身を投げ出すことになる。
 戦場を照らす光になりたい。その渇望は永遠の刹那の元、新たなる光を――。

【願い】
マスターのために。

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最終更新:2015年10月07日 03:01