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《真実》竹内多聞&アサシン ◆h8bq5JUznI



「――世界には数多の神話が存在する。

だが、それらは発祥の地を様々としながら多くの類似性を持っている。
暗闇からの天地創造。大災害による世界の破滅。そういった、ある種の普遍的イメージを。

より具体的な例を挙げるならば、ギリシャ神話のオルフェウスの冥府下りと、日本神話のイザナギ伝説……」


ミスカトニック大学。『民俗信仰と神話』の講義にて。
教壇に立つ黒のジャケットを着た日本人男性は、30代前半程度に見える。大学講師としてはやや若い。
その気難しげながらも精悍な目鼻立ちは、彼が確固たる精神の持ち主である事を感じさせた。

「――では、なぜそういった現象が起こるのか。『集合的無意識』などは有名だが……」

広い教室の座席は半分以上が埋まっている。彼の講義は人気が高い。
彼は優秀な民俗学者である一方、時としてオカルトじみた突飛な学説を提唱する学会の異端児でもあり、
参考書を読み上げるだけの退屈な講義に飽きた学生たちの、程よい刺激となっていた。

「――一部では、次のような説もある。
“我々の住む世界のどこかには、あらゆる事象を記憶した『根源』とでも言うべき概念が存在し、
人類はその『根源』から、その膨大な記憶の一端を、自己で認識しないうちに引き出しているのだ”……」




(消えたはずの村の次は、在るはずの無い街……そして『聖杯戦争』か)


講義を終えた男……竹内多聞は、自らに宛がわれた講師控室にて黙考に耽っていた。
腕時計を見る。次の担当講義までは、まだ三時間以上ある。
そして、懐から取り出した小さな物体を眺めた。それは、銀色の鍵。

持ち手には5本の直線で構成された、「生」という字を逆さにしたような、単純ながらも奇妙なデザインの紋様が刻まれている。
竹内はそれが何であるかを知っていた。
それは『マナ字架』と呼ばれる、日本のとある村に密かに伝わる民俗信仰の象徴だ。
彼はその村――『羽生蛇村』の出身であり、このミスカトニック大学が存在する街『アーカム』に“たどり着く”直前まで、『異界』と化した羽生蛇村を彷徨っていた。


竹内がこの鍵を見つけたのは、異界内の廃屋を探索していた時のことだ。
床に落ちていたそれは、この暗闇に閉ざされた血みどろの異世界には似つかわしくない、神秘的で美しい輝きを放っていた。
彼はその輝きに憑りつかれたように半ば無意識に鍵を拾い上げ、手近な閉ざされた扉の鍵穴へと差し込んだ。
……そして、気が付いた時には聞き覚えの無い街、アーカムの住人となっており、いつしか『聖杯戦争』に巻き込まれたことを“思い出した”。

(……彼女は、無事だろうか)

この街で記憶を取り戻してから、既に一週間以上が経過している。
竹内は異界に一人置いてきてしまった同行者……口やかましいが、どこか憎めない教え子の身を案じた。
彼女は逞しい。きっと大丈夫だ。彼はそう信じた。


気持ちを切り替え、再び意識を銀の鍵に……聖杯戦争に向ける。
参加者であるマスター達が使い魔たるサーヴァントと共に、最後の一組になるまで戦い合う。
そして、勝利した一組には聖杯が齎される。……『聖杯』。

これもまた、世界中の数々の伝説において名を残すアイテムだ。
『最後の晩餐』で用いられた聖遺物。
『アーサー王伝説』では、騎士が探し求める宝物としても登場する。
……そしてこの戦いにおいては、優勝者のあらゆる願いを実現する願望機。

――こうした神聖にして華やかなる逸話の数々に彩られた杯の、存在の『根源』とは何か?
竹内の脳裏に、ふとそんな疑問がよぎる。
根拠のない、漠然とした予感のようなものだが、彼はこの戦いの裏側に何らかの名状しがたい真「ドーモ」



「……ッ!?」


竹内の思考は、突如目の前に出現した異常存在によって中断した。
跳ねるように椅子から立ち上がり、身構える。
異形の屍人が蔓延る異界での経験が、彼の警戒心を高めていた。
……だが彼はその存在を改めて認識すると、脱力したように椅子に座りこむ。
現れたのは敵ではない。己の使い魔だ。

「……あまり驚かせないでくれ」
「これは、シツレイ。ただアイサツをしただけなのだが。フフ」

サーヴァント……アサシンがひどく虚ろな声を返す。彼の外見は異様だった。
忍者を彷彿とさせる和装束。(実際、彼はニンジャである)
ぎょろりと見開かれた血走った眼。
最も目を引くのは、襟巻のように幾重にも首に巻かれた、得体の知れない液体で満たされたガラス製の太いシリンダー。
シリンダーから伸びたチューブが両こめかみに直結され、彼の頭部に点滴めいて液体が注入されているのが分かる。
既に何度か顔を合わせているため大きなショックは無いが、それにしても

「……それにしても、不気味だ。サーヴァントとは皆“こう”なのか?」

心に浮かんだ言葉が、そのままついて出た。

「ブキミとは。サーヴァントは聖杯の加護をうけた偉大なる英霊だ。何をおそれることがある?マスター。
……ああ、そうか。そうだ。おれは英霊の中でも特別だからな。なにしろとても大切なものを手に入れたのだ。
それは、素晴らしくもおそろしいもの……難儀な事だ……。ウフフ……」

アサシンはそれに対し怒りを見せることもなく、うわ言めいてぶつぶつと呟き、笑った。
このサーヴァントは正気を失っている。彼の発言の大部分は、竹内にとって……否、多くの人間にとって理解し難いものだ。

「……ところで、何か思案をしていたようだが。マスター」
「……ああ。この戦い、聖杯戦争について考えていた」
「ほう。それは、それは」

しかしながら、この精神をゆがめた使い魔が自分に従順であることは、竹内にとっては幸運だった。

「――やはり、ただの願望を賭けた殺し合いとは思えない。……私はこの戦いの真実に迫りたい」

それは、学者としての探究心か。
あるいは、『消えた村』羽生蛇村での異変と、この『存在しない街』アーカムでの戦いに、デジャヴめいたものを感じたからか。
いずれにせよ、彼はこの戦いの『根源』に近付くことに決めた。

「そのためには、君の協力も必要になるだろうが……」
「“真実に迫る”。フフ、なんと荘厳ながらも虚しきコトダマ。
真実は何処にでも在るのだ。マスター。此処にもあるぞ。あなたには見えていないのか」

アサシンの言葉は支離滅裂で、本能的な不安感を喚起させる。
まともに取り合えば、こちらの精神が呑まれてしまいそうだった。

「……まあ、よい。あなたの意思に従おう、真実の探索者たるマスターよ。探索者を導くのも銀鍵の守護者の使命ゆえに。
探索の果てに、きっとあなたにも真実が見えることだろう。おれが手に入れたように……真実が……ウフフ……」

アサシンはマスターの行動指針を彼なりに了承したようで、そのまま不気味な笑い声を残して霊体化した。




竹内は深く息をつく。
そこには、あの壊れた使い魔が自分の考えに理解を示した安堵。
そして、これから彼と長く付き合っていかなればならないことへの気の重さが込められていた。

(“真実が見えていないのか”……か。そうだ、私にはまだ何も見えていない)

アサシンの言葉を反芻する。
彼は異界と化した羽生蛇村にて、その異変の真相に近づく間もなくこのアーカムへと導かれてしまった。

(……この戦いの中で、探し出さなくてはならない)


それにしても、疲れた。竹内は伸びをする。
アサシンと話していたのはほんの数分程だったが、心身共に相当な疲労感がある。……まるで、数時間は話し込んだような……。
腕時計を見る。……針は、次の講義まであと5分のところを指していた。
顔を上げ、壁にかかった時計を見た。同じ時間を指している。故障ではない。

「どうなっている……」

自分の感覚がおかしくなったのか?
……或いは、アサシンの不可思議な力によるものか?
考えている時間はない。
竹内は手早く講義の準備を済ませると、急ぎ足で控室を出て行った。


人が消え静まり返った部屋に、アサシンが姿を現す。

「このようにすれば、あなたに真実を見せるのはとても簡単なのだ。
しかし、やりすぎるとあなたの心臓にスリケンが刺さって死んでしまう。
そうなればおれも死ぬ。真実も消えてしまう。だからできないのだ。実に悩ましいことだ。ははは」

アサシンが消える。
部屋は再び静寂に包まれる。




【クラス】
アサシン

【真名】
メンタリスト@ニンジャスレイヤー

【属性】
混沌・悪

【パラメーター】
筋力C 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具B++

【クラススキル】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てばサーヴァントでも発見することは難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

【保有スキル】
精神汚染:A+
精神が錯乱している。精神干渉をほぼ完全にシャットアウトする。
また、彼の言動を受け止め、理解しようとすれば、同様に精神を汚染される可能性がある。
超自然空間に住まう怪物に襲われ、彼の自我は破壊された。
マスターには従順だが、「真実を手に入れた」などと嘯く彼の言葉の意味を知る者は誰もいない。

情報抹消(偽):C
自身のユニーク・ジツの能力による疑似的な情報抹消スキル。
ゲン・ジツの支配下にある相手からの離脱に成功した場合、相手の記憶からはアサシンの真名、外見、能力の詳細などの、戦闘中に認識したアサシンに関する情報が消失する。
相手の時間感覚は狂い、「何者かと戦っていた」という漠然とした記憶だけが残る。

話術:D+
言葉によって人の心を惑わす技術。
宝具『幻実』『真実』使用時に有利な判定を得られる。
また、高ランクの精神汚染スキルとの併用によって、言動の一つ一つに僅かな精神ダメージを付加することができる。
精神耐性及び精神汚染スキルによって効果の軽減、無効化が可能。


【宝具】
『無銘』(グレーター・ダマシ・ソウル)
ランク:D+ 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大捕捉:-
メンタリストに憑依するいにしえの半神的カラテ戦士、『ニンジャ』の魂である『ニンジャソウル』。
彼のニンジャとしての超人的な身体能力とカラテ、ユニーク・ジツ(特殊能力)はこの宝具に依るもの。
ダマシ・ニンジャクランに所属する、個としての名を持たないグレーター(中位)ソウルであるが、そのジツの力は強大である。
また、メンタリストを『ニンジャである』と認識した者に対し、正気度減少判定を発生させる。
ニンジャなど存在しない。しかし実際に目の前に存在する。その認識的矛盾が、ニンジャ・リアリティ・ショックを引き起こす。

『幻実』(ゲン・ジツ)
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~20 最大捕捉:20
メンタリストのユニーク・ジツ。
自身の周囲に不可視の力場を発生させ、範囲内の標的の精神を支配。認識を書き換え、狂わせる能力。
このジツに取り込まれた者は、自在に姿を消しては出現するメンタリストを捉える事ができず、全身に不可思議なイマジナリースリケンを“埋め込まれる”ことになる。
力場発生の前兆現象として、現実と明らかに矛盾する、しかし虚実の判別が曖昧な幻覚オブジェクト(光るタケノコなど)が周囲に出現する。
故に標的がそのオブジェクトを『異常』と認識することで力場発生がキャンセルされてしまう、という弱点がある。
また、「即座にオブジェクトを認識、破壊し、間髪入れず術者自身にも激しい攻撃を仕掛け畳みかける」という隠された攻略法も存在する。
しかし初見で看破するのは困難な上に、オブジェクトの物量、メンタリスト自身の話術とカラテの高さがそれらを補っている。

精神に作用する特性を持ちながら、物理的にも強い影響力を持つため、精神耐性系のスキルではこの宝具を完全に防ぐことはできない。
対抗にはむしろ直感と格闘能力……即ちカラテが重要となる。

『真実』(ゲン・ジツ)
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1?~20? 最大捕捉:20?
メンタリストが自我の喪失後に習得した、強化されたユニーク・ジツ。
力場によって範囲内の標的の精神を支配する、という部分は『幻実』と全く同様だが、力場発生に伴う幻が大きく変質している。
もはや名状し難いほどに“非現実的”でありながら、どこまでも“現実的”な幻覚を引き起こし、相手を侵蝕する。
その特異性ゆえに魔力消費は大きい。


【weapon】
  • イマジナリースリケン
メンタリストが用いる投擲武器。不可思議な虹色の光彩を持つ。
ゲン・ジツの影響下にある力場において、彼はこれを標的の体内に“生やす”或いは“埋め込む”ように出現させることができる。
即座にオブジェクトを破壊されるとスリケンも消失し、ダメージは半減する。

  • ステルス装束
ステルス機構を搭載したニンジャ装束。

【サーヴァントとしての願い】
聖杯を手にすることがあれば、自分の見た真実を全てのものに伝播させる。

【方針】
マスターを真実に導く。

【人物背景】
メンタリストはザイバツ・シャドーギルドの恐るべき執行者ニンジャだったが、戦いの中で真実に辿り着く。
しかし彼は無惨にも爆発四散し、彼が得た真実は永遠に失われた。



【マスター】

竹内多聞@SIREN

【マスターとしての願い】

聖杯戦争の真実を探る。
聖杯を手にすることがあれば、『異界』に取り込まれた者たちを救出する。

【能力・技能】

  • 民俗学者としての知識、洞察力。また、高い霊感を持つ。


  • 赤い水
異界に流れる『赤い水』を取り込み、その体は不死の存在『屍人(しびと)』に近付いている。
本来ならば異界にて赤い水を体に入れた者は二度と現世へは帰れず、いつか屍人となる運命だが、神秘の遺物である“鍵”によって例外的に脱出を果たした。
異界からの隔絶、加えて取り込んだ赤い水がまだ少量であったことから、アーカム移動後現在、彼の屍人化の進行は極浅い段階でほぼ停滞している。
故にその不死性も完全ではなく、常人より少し高い生命力と再生力を持つのみ。死亡しても屍人として蘇生することはない。

  • 幻視
「視界ジャック」とも呼ばれる、赤い水を取り込んだ者が得る超能力。
自身の半径約数十メートルに存在する者の視覚と聴覚を覗き見ることが出来る。
サーヴァントに対しても効果を発揮するが、精神耐性系スキルにて遮断が可能。

【weapon】
  • 38口径短銃
竹内が異界へと持ち込んでいたリボルバー拳銃。弾薬は十数発。

【人物背景】
竹内 多聞(たけうち たもん)。
城聖大学に勤務する民俗学講師。34歳。
羽生蛇(はにゅうだ)村の出身で、27年前に村で起こった土砂災害で両親を亡くしている。
その後、(無理やり付いてきた)助手の安野依子と共に調査のため27年振りに村を訪れた折、異変に巻き込まれる。

参戦時期は「初日:02時~12時」のどこか。

【方針】
ともかく、この戦いに関する情報を集めたい。

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