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「五十雀吟遊録」(2006/01/31 (火) 04:43:44) の最新版変更点
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<p>
學校の先生は えらいもんぢやさうな えらいから なんでも教へるさうな<br>
教へりや 生徒は無邪氣なもので それもさうかと 思ふげな<br>
ハハ ノンキだね</p>
<p> 声を嗄(か)らして僅か三割 電力節約するのなら<br>
ついで二ヶ月三ヶ月 防空演習をやればよい</p>
<p> 銃後を守るこの非常時に 次から次へと火事騒ぎ <br>
どうしたわけかと尋ねたら 消炭(けしずみ)が欲しい といいました</p>
<p>
凡(すべ)て内密で取引きするのが 闇取引きでご座います<br>
帝国議会の闇取引きは 秘密会議と申します<br>
<br>
むかし郭(くるわ)で 一番稼ぐのは オショク女郎といいました<br>
いまは官吏で一番稼ぐのを 汚職官吏と申します</p>
<p> 洋食食って英語を しゃべるが文化人 ならばぁ<br>
アメリカの九官鳥は 文化人かいなぁ</p>
<p> 生存競争の 八街(やちまた)走る 電車の隅ッコに
生酔い一人<br>
ゆらりゆらりと 酒のむ夢が さめりや終點で 逆戻り</p>
<p>
成金といふ火事ドロの 幻燈など見せて 貧民學校の 先生が<br>
正直に働きや みなこの通り 成功するんだと 教へてる</p>
<p>
貧乏でこそあれ 日本人はえらい それに第一 辛抱強い<br>
天井知らずに 物価はあがつても 湯なり粥なり すゝつて生きてゐる</p>
<p>
洋服着よが靴をはこうが 學問があろが 金がなきや やっぱり貧乏だ<br>
貧乏だ貧乏だ その貧乏が 貧乏でもないよな 顏をする</p>
<p>
貴婦人あつかましくも お花を召せと 路傍でお花の おし賈(売)りなさる<br>
おメデタ連はニコニコ者で お求めなさる 金持や 自動車で知らん顔</p>
<p>
お花賈る貴婦人は おナサケ深うて 貧乏人を救ふのが お好きなら<br>
河原乞食も お好きぢやさうな ほんに結構な お道樂</p>
<p>
萬物の靈長が マッチ箱見たよな ケチな巣に住んでゐる 威張つてる<br>
暴風雨(あらし)にブッとばされても 海嘯(つなみ)をくらつても<br>
「天災ぢや仕方がないさ」で すましてる</p>
<p>
南京米をくらつて 南京虫にくはれ 豚小屋みたいな 家に住み<br>
選挙權さへ 持たないくせに 日本の國民だと 威張つてる</p>
<p>
機械でドヤして 血肉をしぼり 五厘の「こうやく」 はる温情主義<br>
そのまた「こうやく」を 漢字で書いて 「澁澤論語」と 讀ますげな</p>
<p>
うんとしぼり取つて 泣かせておいて 目藥ほど出すのを 慈善と申すげな<br>
なるほど慈善家は 慈善をするが あとは見ぬふり 知らぬふり</p>
<p>
我々は貧乏でも とにかく結構だよ 日本にお金の 殖えたのは<br>
さうだ!まつたくだ!と 文なし共の 話がロハ臺(台)で モテてゐる</p>
<p>
二本ある腕は 一本しかないが キンシクンショが 胸にある<br>
名譽だ名譽だ 日本一だ 桃から生れた 桃太郎だ</p>
<p>
議員へんなもの 二千圓(円)もらふて 昼は日比谷で たゞガヤガヤと<br>
わけのわからぬ 寢言をならべ 夜はコソコソ 烏森</p>
<p>
膨脹する膨脹する 國力が膨脹する 資本家の横暴が 膨脹する<br>
おれの嬶(かゝ)ァのお腹が 膨脹する いよいよ貧乏が 膨脹する<br>
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學校の先生は えらいもんぢやさうな えらいから なんでも教へるさうな<br>
教へりや 生徒は無邪氣なもので それもさうかと 思ふげな<br>
ハハ ノンキだね</p>
<p> 声を嗄(か)らして僅か三割 電力節約するのなら<br>
ついで二ヶ月三ヶ月 防空演習をやればよい</p>
<p> 銃後を守るこの非常時に 次から次へと火事騒ぎ <br>
どうしたわけかと尋ねたら 消炭(けしずみ)が欲しい といいました</p>
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凡(すべ)て内密で取引きするのが 闇取引きでご座います<br>
帝国議会の闇取引きは 秘密会議と申します<br>
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むかし郭(くるわ)で 一番稼ぐのは オショク女郎といいました<br>
いまは官吏で一番稼ぐのを 汚職官吏と申します</p>
<p> 洋食食って英語を しゃべるが文化人 ならばぁ<br>
アメリカの九官鳥は 文化人かいなぁ</p>
<p> 生存競争の
八街(やちまた)走る 電車の隅ッコに生酔い一人<br>
ゆらりゆらりと 酒のむ夢が さめりや終點で 逆戻り</p>
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成金といふ火事ドロの 幻燈など見せて 貧民學校の 先生が<br>
正直に働きや みなこの通り 成功するんだと 教へてる</p>
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貧乏でこそあれ 日本人はえらい それに第一 辛抱強い<br>
天井知らずに 物価はあがつても 湯なり粥なり すゝつて生きてゐる</p>
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洋服着よが靴をはこうが 學問があろが 金がなきや やっぱり貧乏だ<br>
貧乏だ貧乏だ その貧乏が 貧乏でもないよな 顏をする</p>
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貴婦人あつかましくも お花を召せと 路傍でお花の おし賈(売)りなさる<br>
おメデタ連はニコニコ者で お求めなさる 金持や 自動車で知らん顔</p>
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お花賈る貴婦人は おナサケ深うて 貧乏人を救ふのが お好きなら<br>
河原乞食も お好きぢやさうな ほんに結構な お道樂</p>
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萬物の靈長が マッチ箱見たよな ケチな巣に住んでゐる 威張つてる<br>
暴風雨(あらし)にブッとばされても 海嘯(つなみ)をくらつても<br>
「天災ぢや仕方がないさ」で すましてる</p>
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南京米をくらつて 南京虫にくはれ 豚小屋みたいな 家に住み<br>
選挙權さへ 持たないくせに 日本の國民だと 威張つてる</p>
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機械でドヤして 血肉をしぼり 五厘の「こうやく」 はる温情主義<br>
そのまた「こうやく」を 漢字で書いて 「澁澤論語」と 讀ますげな</p>
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うんとしぼり取つて 泣かせておいて 目藥ほど出すのを 慈善と申すげな<br>
なるほど慈善家は 慈善をするが あとは見ぬふり 知らぬふり</p>
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我々は貧乏でも とにかく結構だよ 日本にお金の 殖えたのは<br>
さうだ!まつたくだ!と 文なし共の 話がロハ臺(台)で モテてゐる</p>
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二本ある腕は 一本しかないが キンシクンショが 胸にある<br>
名譽だ名譽だ 日本一だ 桃から生れた 桃太郎だ</p>
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議員へんなもの 二千圓(円)もらふて 昼は日比谷で たゞガヤガヤと<br>
わけのわからぬ 寢言をならべ 夜はコソコソ 烏森</p>
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膨脹する膨脹する 國力が膨脹する 資本家の横暴が 膨脹する<br>
おれの嬶(かゝ)ァのお腹が 膨脹する いよいよ貧乏が 膨脹する<br>
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