「ティマイオス発動せず」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ティマイオス発動せず」(2015/05/05 (火) 13:00:23) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ティマイオス発動せず ◆a/jktCkNQY 「相棒おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 それは悲鳴にも似た泣き声。 紫と金に染まった逆立った髪の毛。 並みの逆立ちではなく、最早凶器として使えるのではないかとすら思えるほど、鋭利な髪が特徴的な少年だった。 涙で汚れ泣き崩れた顔は、本来ならば強い意志をその眼に感じさせていたが、今は哀れみ以外の何物も浮かばない。 「俺が……俺が……うわあああああああああああああああ!!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 相棒。 少年が呼び泣きじゃくり、顔を汚しているこの肉体の本来の主。 名は武藤遊戯。ゲームが得意な心優しい少年だ。 ある時、千年パズルを完成させた遊戯はもう一人の自分と対面することとなる。 そして、もう一人の遊戯は遊戯の体を借りながら数々の強豪をゲームで打破し、その正体が3000年前の名も無きファラオだということ。 1000年の時を超えた宿敵と戦いに身を投じることとなる。 もう一人の遊戯、名も無きファラオがこの場に呼ばれたのはその真っ只中であった。 「俺がラフェールに負けなければ……俺が闇の力に捕らわれなければ……。  相棒は魂を囚われる事なんて無かった……うわああああああああああああああああああああ!!!」 膝を突き両手を地面に叩きつけながらまた泣き叫ぶ。 もう一人の遊戯はデュエルに敗北し、魂を奪われるはずだった。 だが、かわりに遊戯がその魂を差し出すことで、もう一人の遊戯の魂は肉体に留まることが出来た。 その後、遊戯の魂を取り戻す為に、羽蛾とのデュエルに挑む遊戯だったが、その最中にこのような場に来てしまっては意味が無い。 あそこで羽蛾を仕留められなければ遊戯は……。 「あああああああああああああああ!!!!  どうすればいい……!? ああああああああああ!!!! 俺は一体どうすれば……。ん? 何だ?」 全く見向きもしていなかったが、横に置かれたティバックからタブレットが顔を覗かせていた。 もう一人の遊戯は手に取り指で画面を適当に撫でてみる。 どうやら、指で触れることで機能が作動し、画面に情報が映し出されるようだ。 「それが何だって言うんだ……。相棒はもう……うわあああああああああああああああああ!!!!!」 タブレットを適当に放り出し、また腹に力を込め渾身の限り叫びだす。 その時、偶然もう一人の遊戯の指がタブレットをタッチし参加者名簿の欄を開いた。 カラカラと音を立て、転がりながら光るタブレット。叫びながら遊戯は目を奪われ、泣くのを止めた。 「ああああああああああああああ!!!! ……さ、参加者、名簿だと……?」 少ししゃっくりをあげながらも冷静になり涙を拭い、再びタブレットを手に取る。 60名近くの名前が、そこには記載されている。もう一人の遊戯は、これで初めてここは大多数を集めて行われるゲームなのだと把握した。 「海馬、バクラ……あいつらも居るのか……それに羽蛾まで!?」 もう一人の遊戯はタブレットをディバックに放り込んだ。 考えてみれば、羽蛾がこの場に居てもおかしくはない。 ついさっきまで、もう一人の遊戯ととデュエルをしていたのは他でもない羽蛾なのだ。 同じように、この場に連れてこられてもいいはず。 「あいつを見つけて、相棒の魂を封じられたカードを取り戻すぜ!」 羽蛾があのデュエルの最中にこの場に来たのなら、遊戯の魂が封じられたカードをそのまま持っている可能性は高い。 至急見つけ、あのカードを強奪し遊戯を取り戻さなければ。 その使命感に燃え、もう一人の遊戯は辺りを散策し始める。 それから、数分走っただろうか。 ふと目の前に小さくだが人影が見えてきた。 あれが羽蛾ならば良し。そうでなくても何か有力な情報が得られる可能性は高い。 もう一人の遊戯は駆け足で近寄ってみる。 「何をやっているんだあれは……」 開けた場所であったのが幸いし、距離は数キロほど離れているが、何が起こっているのかある程度理解できた。 二人の男女が倒れ、更に羽蛾と思わしき少年が女の子の上に跨っている。 これが意味することは、もう一人の遊戯にはすぐに分かった。 「馬鹿げてるぜ! あの蟲野郎!!」 あんな非人道的行為は止めるべきだと、もう一人の遊戯の正義感が強く命令してくる。 だが全力で走っても数分は掛かる。今すぐ止める事は出来ない。 もう一人の遊戯は走りながら、二枚のカードを取り出した。 「ティマイオスの眼発動!」 カードから感じる波動で理解できる。 少なくとも、ティマイオスのカードは闇のゲームに関係なくこの場でその力を発揮できると。 「俺に支給されたポイズンバタフライと一体化し、未知なるモンスターを―――何!?」 ティマイオス発動せず。 カードは実体化しかけた瞬間消滅した。 「うわああああああああああああああ!!? 何故だ!? また裏切るのか!?」 視界のずっと先に居る羽蛾が、こちらに気づき笑っているような気がした。まるでとても満足そうに。 見ればもう行為が終わっている。もう一人の遊戯は間に合わなかった。 「だが、相棒だけは……!」 遅れた自分を責めながらも、せめて報いを受けさせ遊戯の魂を取り戻そうともう一人の遊戯は走り続ける。 羽蛾達を白い光が包み込み、もう一人遊戯の視力を奪った。 幸いなことに、もう一人の遊戯の居た場所はギリギリ核の炎が伸びないラインだった。 爆風に煽られ吹っ飛ばされ、体を打ち付けて鈍い痛みに耐えながら立ち上がり、視力が回復した時、そこにはもう何も無かった。 「………………羽蛾……?」 何も無い。 倒れていた男女も犯されていた少女も羽蛾も。 つまり、遊戯の魂が封じられたカードも。 「あっ……あああ……ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!  あああああああああああ羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!  うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  あああああああああああああうわっはあっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 堪らず、崩れ落ちる。 最後の希望は、いともたやすく崩れ去った。 もう一人の遊戯はただそこで泣き叫ぶしかなかった。 【H-8/一日目/深夜】 【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 [状態]:精神不安定 [服装]:高校の制服 [装備]:千年パズル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0      DMカード(ティマイオスの眼&ポイズンバタフライ)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [思考] 基本:相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 1:羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああ!!!! 2:うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!! [備考] ※羽蛾にゴキボールを破られる前からの参戦です。 ※表遊戯は封印されています。 @ *時系列順で読む Back:[[無題05]] Next:[[First Contact]] *投下順で読む Back:[[無題05]] Next:[[First Contact]] |武藤遊戯|:[[]]| ----
*ティマイオス発動せず ◆a/jktCkNQY 「相棒おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 それは悲鳴にも似た泣き声。 紫と金に染まった逆立った髪の毛。 並みの逆立ちではなく、最早凶器として使えるのではないかとすら思えるほど、鋭利な髪が特徴的な少年だった。 涙で汚れ泣き崩れた顔は、本来ならば強い意志をその眼に感じさせていたが、今は哀れみ以外の何物も浮かばない。 「俺が……俺が……うわあああああああああああああああ!!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 相棒。 少年が呼び泣きじゃくり、顔を汚しているこの肉体の本来の主。 名は武藤遊戯。ゲームが得意な心優しい少年だ。 ある時、千年パズルを完成させた遊戯はもう一人の自分と対面することとなる。 そして、もう一人の遊戯は遊戯の体を借りながら数々の強豪をゲームで打破し、その正体が3000年前の名も無きファラオだということ。 1000年の時を超えた宿敵と戦いに身を投じることとなる。 もう一人の遊戯、名も無きファラオがこの場に呼ばれたのはその真っ只中であった。 「俺がラフェールに負けなければ……俺が闇の力に捕らわれなければ……。  相棒は魂を囚われる事なんて無かった……うわああああああああああああああああああああ!!!」 膝を突き両手を地面に叩きつけながらまた泣き叫ぶ。 もう一人の遊戯はデュエルに敗北し、魂を奪われるはずだった。 だが、かわりに遊戯がその魂を差し出すことで、もう一人の遊戯の魂は肉体に留まることが出来た。 その後、遊戯の魂を取り戻す為に、羽蛾とのデュエルに挑む遊戯だったが、その最中にこのような場に来てしまっては意味が無い。 あそこで羽蛾を仕留められなければ遊戯は……。 「あああああああああああああああ!!!!  どうすればいい……!? ああああああああああ!!!! 俺は一体どうすれば……。ん? 何だ?」 全く見向きもしていなかったが、横に置かれたティバックからタブレットが顔を覗かせていた。 もう一人の遊戯は手に取り指で画面を適当に撫でてみる。 どうやら、指で触れることで機能が作動し、画面に情報が映し出されるようだ。 「それが何だって言うんだ……。相棒はもう……うわあああああああああああああああああ!!!!!」 タブレットを適当に放り出し、また腹に力を込め渾身の限り叫びだす。 その時、偶然もう一人の遊戯の指がタブレットをタッチし参加者名簿の欄を開いた。 カラカラと音を立て、転がりながら光るタブレット。叫びながら遊戯は目を奪われ、泣くのを止めた。 「ああああああああああああああ!!!! ……さ、参加者、名簿だと……?」 少ししゃっくりをあげながらも冷静になり涙を拭い、再びタブレットを手に取る。 60名近くの名前が、そこには記載されている。もう一人の遊戯は、これで初めてここは大多数を集めて行われるゲームなのだと把握した。 「海馬、バクラ……あいつらも居るのか……それに羽蛾まで!?」 もう一人の遊戯はタブレットをディバックに放り込んだ。 考えてみれば、羽蛾がこの場に居てもおかしくはない。 ついさっきまで、もう一人の遊戯ととデュエルをしていたのは他でもない羽蛾なのだ。 同じように、この場に連れてこられてもいいはず。 「あいつを見つけて、相棒の魂を封じられたカードを取り戻すぜ!」 羽蛾があのデュエルの最中にこの場に来たのなら、遊戯の魂が封じられたカードをそのまま持っている可能性は高い。 至急見つけ、あのカードを強奪し遊戯を取り戻さなければ。 その使命感に燃え、もう一人の遊戯は辺りを散策し始める。 それから、数分走っただろうか。 ふと目の前に小さくだが人影が見えてきた。 あれが羽蛾ならば良し。そうでなくても何か有力な情報が得られる可能性は高い。 もう一人の遊戯は駆け足で近寄ってみる。 「何をやっているんだあれは……」 開けた場所であったのが幸いし、距離は数キロほど離れているが、何が起こっているのかある程度理解できた。 二人の男女が倒れ、更に羽蛾と思わしき少年が女の子の上に跨っている。 これが意味することは、もう一人の遊戯にはすぐに分かった。 「馬鹿げてるぜ! あの蟲野郎!!」 あんな非人道的行為は止めるべきだと、もう一人の遊戯の正義感が強く命令してくる。 だが全力で走っても数分は掛かる。今すぐ止める事は出来ない。 もう一人の遊戯は走りながら、二枚のカードを取り出した。 「ティマイオスの眼発動!」 カードから感じる波動で理解できる。 少なくとも、ティマイオスのカードは闇のゲームに関係なくこの場でその力を発揮できると。 「俺に支給されたポイズンバタフライと一体化し、未知なるモンスターを―――何!?」 ティマイオス発動せず。 カードは実体化しかけた瞬間消滅した。 「うわああああああああああああああ!!? 何故だ!? また裏切るのか!?」 視界のずっと先に居る羽蛾が、こちらに気づき笑っているような気がした。まるでとても満足そうに。 見ればもう行為が終わっている。もう一人の遊戯は間に合わなかった。 「だが、相棒だけは……!」 遅れた自分を責めながらも、せめて報いを受けさせ遊戯の魂を取り戻そうともう一人の遊戯は走り続ける。 羽蛾達を白い光が包み込み、もう一人遊戯の視力を奪った。 幸いなことに、もう一人の遊戯の居た場所はギリギリ核の炎が伸びないラインだった。 爆風に煽られ吹っ飛ばされ、体を打ち付けて鈍い痛みに耐えながら立ち上がり、視力が回復した時、そこにはもう何も無かった。 「………………羽蛾……?」 何も無い。 倒れていた男女も犯されていた少女も羽蛾も。 つまり、遊戯の魂が封じられたカードも。 「あっ……あああ……ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!  あああああああああああ羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!  うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  あああああああああああああうわっはあっああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! 相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!  相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 堪らず、崩れ落ちる。 最後の希望は、いともたやすく崩れ去った。 もう一人の遊戯はただそこで泣き叫ぶしかなかった。 【H-8/一日目/深夜】 【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】 [状態]:精神不安定 [服装]:高校の制服 [装備]:千年パズル@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0      DMカード(ティマイオスの眼&ポイズンバタフライ)@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ [思考] 基本:相棒おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! 1:羽蛾あああああああああああああああああああああああああああああ!!!! 2:うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!! [備考] ※羽蛾にゴキボールを破られる前からの参戦です。 ※表遊戯は封印されています。 *時系列順で読む Back:[[無題05]] Next:[[First Contact]] *投下順で読む Back:[[無題05]] Next:[[First Contact]] |武藤遊戯|:[[]]| ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: