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「~sandy beach~」(2006/01/18 (水) 17:02:36) の最新版変更点
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<p><font size="2">~sandy beach~<br>
夢を見た。誰かが手を差し伸べている・・・<br>
その手を掴まなきゃと思っていても体は一歩もその場から動けない<br>
背後には深く、引きずり込まれそうな闇。僕金縛りにのように微動出来ずにただその漆黒の恐怖を感じている<br>
あぁ、もう闇はそこまで来ている。僕の体はそいつらに引きずり込まれ、深く寒い何も無い闇に飲まれる<br>
J「はっ・・・・」<br>
目を覚ました時には汗を大量にかいていた。吸水された服がぴっちりと肌に張り付いているのがどれぐらいの量を流したのだろうかそれを証明していた<br>
J「また悪い夢かよ・・・」<br>
JUNは先ほど見た夢を思い出そうとしたがすっぽりと夢の記憶が抜けていた<br>
そんなもどかしい思いを何度も何度も最近になって経験している<br>
いつからだろうか?悪夢を見始めた時は<br>
<br>
JUNは着ていた不快感を伴っている今の寝巻きを着替え、一階に降りた<br>
家の中には誰も居なく、唯一実の姉は部活の長期合宿の為暫く帰っては来ない事はもう数日前から<br>
J「はぁ・・・いい加減早く帰ってきてくれないと自分で朝食作るのも面倒だってのに・・」<br>
そんな事をぼやきながらも手際良く朝食の準備を済ませ、一人で朝食を取った<br>
たまにはこんな静かな日もいいなと思ったの三日までしか持たなかった<br>
一人になると今までに色々なやらなくてはいけない事が目まぐるしいほど沢山あった<br>
J「(今日は何するかなぁ・・・)」<br>
朝食を終えて食器などを洗いながらそんな事を悩んでいた時普段では鳴らない音が部屋を響かせた<br>
トゥルルルルル・・・トゥルルルルルル・・・<br>
J「こんな朝から電話かよ、一体誰だよ・・・」<br>
JUNは気だるくその雑音を鳴り響く受話器を取った<br>
J「はい、桜田ですけど」<br>
<br>
翠星石「もしも~し、チビ人間ですかぁ?ちゃんと元気にやってるかこの翠星石様が生きてるかどうか確認してやったですよぉ」<br>
そんな人の気だるさに増して人の神経を逆撫でにする少女<br>
J「あのなぁ、朝っぱらからそんな事で電話をしたのか?用事が無いならもう切るぞ!」<br>
JUNは朝からの不快な夢で不機嫌を翠星石にぶつけた<br>
翠星石「ちょっと、チビ人間!なんですかそれは!せ~っかくこの翠星石が楽しい事に誘おうとしてるのにそんな事言っていいんですかねぇ?」<br>
多分彼女は電話の向こうではむぅっと頬を膨らませながら怒っているに違いない<br>
J「楽しい事?一体何なんだよ?」<br>
JUNがそう言うと翠星石は一言<br>
翠星石「いいから数日分の着替えを用意してすぐこっちの家に来るですぅ」<br>
ガチャッといいたい事を言って彼女は電話を切ってしまった<br>
J「くっそ、一体何だよ・・内容も言わずに・・・」<br>
JUNは受話器を置き、とりあえず翠星石が言った通り数日分の着替えを自分のバックに詰め込み彼女の家に向かった<br>
<br>
彼女の家に着くと何故か彼女は外で待っていた<br>
J「ん?わざわざ出迎えか?」<br>
翠星石「何を馬鹿な事言ってるですかぁ。ほら、早く行かないと電車に間に合わなねぇですよ」<br>
よく見ると彼女も何故か大きなバックを1つ持っていた<br>
J「はぁ?お前の家に来いって言われたから来たけどこれから電車に乗って何処に行くかなんて聞いてないぞ!」<br>
極そんな当たり前の事を言うJUNに対して翠星石は<br>
翠星石「数日分の着替えさえ持って行けば何も必要な物はないからさっさと行くですぅ!」<br>
などそんなJUNの質問をまるで聞いていないと言わんばかりに見事に流した<br>
彼女にそんな事を言っても毎回こうだ。JUNはただため息をついて彼女と駅に向かい、二人で並んで歩き出した<br>
<br>
翠星石「ええっと、この電車に乗ればそのまま着くですよね・・・?」<br>
一人ぶつぶつと言いながら翠星石は必死に案内線と彼女が持っているメモのような紙を交互に見ている<br>
彼女が納得をし、切符を2つ分買いその1つを僕に手渡した<br>
J「これ・・・・どこ行きなんだよ・・・?」<br>
僕はその切符を目にやろうとしたが翠星石はすかさずそれを取り上げ<br>
翠星石「やっぱり着くまでは無くすと困るから翠星石が持ってるですぅ」<br>
僕ってそんな風に思われてるんだろうかと素で悩んできそうだ<br>
暫くそんなやり取りをしながら僕達は電車に乗り、二人で景色を見ながら色々な話をしていた<br>
翠星石「そろそろ着くですよ、ほら、さっさと降りる準備するです」<br>
<br>
目的地に着くとその土地には少し強い風が吹いていた<br>
JUNの視界に入ったのはそれは深い青い色の<br>
J「海だ・・・」<br>
そんな当たり前の事を言っているJUNを残しトコトコと先を行こうとする翠星石<br>
J「ちょっと、何だよここ。なんでこんな僕も知らないところに来て海がある場所にきて・・・」<br>
JUNは軽いパニックになりながらも必死に今の現状を整理していた<br>
翠星石「ほら、早く行かねぇと置いてくですよ。今チビ人間はここで置いて行かれたらそこらで野たれ死ぬのは目に見えてるですぅ」<br>
そんな事をさらりとJUNに言うとまだ道路などもきちんとは整理されていないあぜ道を進んで行く<br>
彼女の後を追い、翠星石の後をついて行く事にした<br>
周りには海・田んぼ・山・草原・・・<br>
そこの土地は自然に溢れており、風もそれに踊るように吹いている<br>
暫く歩くとあるある程度道路はあり、多少ではあるが人や建物も見えてきた<br>
翠星石「ほら、もうちょっとですからもうちょっとシャキッとしろですぅ!」<br>
そんな疲れきっているJUNに一渇をすると翠星石はある一軒の民宿の中に入って行った<br>
<br>
民宿「翠蒼亭」<br>
そんな看板がズシンと目の前の民宿に大きく描かれてあった<br>
J「なんだこれ・・・?」<br>
それに戸惑っているJUNを民宿の中から翠星石が戻ってきてJUNを引きつれ<br>
翠星石「何ぼさっとしてやがるですか。早く中に入って挨拶するですよぉ!」<br>
いつまで経っても入ってこないJUNにイライラさせながらもJUNを無理やりその民宿の中へ招き入れた<br>
???「遠い所からわざわざようこそ。そこで立っているのもなんですから中へどうぞ」<br>
そこには身なりを小奇麗な衣装の女将と老人が出迎えてくれていた<br>
それからすぐに僕達は1つの部屋に案内をされた<br>
「しかし翠星石がこんな若い男の子を連れてくるなんて意外だわ~。彼氏さんかしら?」<br>
女将のそんな話をJUNに振ってきて僕は先ほどまで飲んでいたお茶を噴出しそうになった<br>
JUN「えっと、別にそういったかんけ・・・」<br>
そこまで言おうとした時にそこの主人は<br>
「そんな当たり前な事聞いてどうする。しかし翠星石ちゃんは美人になったね~」<br>
など翠星石の成長の著しさに喜んでいた<br>
翠星石はと言うと先ほど言った女将の発言に口を金魚みたいにぱくぱくさせながら顔を真っ赤にしていた<br>
暫く話をして分かった事はこの主人と女将さんは翠星石が住んでいるお爺さんの親戚であり、民宿を営んでいるらしく極稀に翠星石がこうやって遊びに来ている事らしい<br>
そうして多少色々な世間話を済ませ、主人と女将は仕事があるからと部屋を出て行った<br>
<br>
翠星石はさきほどまでの喧騒に疲れたのかがっくりと肩を落としていた<br>
翠星石「あの二人はほんと翠星石と蒼星石に対して甘やかしてくるですぅ・・民宿に入る前の看板も私達が生まれてから行き成り民宿の名前も変えるなんて・・」<br>
彼女は頭を押さえそんな先ほどの二人に対してもう手のつけようがないと思っていた<br>
それから暫くして外が夕闇に変わり始めた頃夕飯が部屋に届けられた<br>
J「ちょっとこれ凄いな・・・・」<br>
そこには新鮮な海老やら貝、魚などどれもとても豪勢なそこで取れたに違いない海鮮の食べ物がテーブルに一杯並べられた<br>
「若いんだからこれぐらいは食べなきゃなぁ」と主人は笑いながら部屋を後にしていた<br>
美味しく夕飯を食し終わり、JUNはふと疑問に思った<br>
J「そういえば翠星石。蒼星石はどうしたんだ?」<br>
そうだ、普通なら蒼星石が居ない事なんて珍しく、それに親戚の家に遊びに行くのに何故来なかったんだろうか?<br>
翠星石はギクリとし、あたふたと何かを考えながら<br>
翠星石「そ、そ、それはあれですよ!蒼星石はちょっと色々用事があるんですぅ!」<br>
そう言うと翠星石はうんうんと自分が言った事に頷いていた<br>
J「そっか、こんないい所に来れないなんて蒼星石も可哀想だな」<br>
そんな事をぽつりと零した時に翠星石の顔に影が落ちた<br>
翠星石「JUNは蒼星石と一緒のが良かったですか・・・?」<br>
そんな落ち込んだ表情を見せ、さっさと布団を敷いて潜ってしまった<br>
J「別に蒼星石と一緒が良かったとかじゃなくてなぁ・・ってもう寝るのかよ」<br>
JUNはそんなふてくされた翠星石に呆れて少し早いが自分も床につくことにした<br>
<br>
また同じ夢。誰かが手を差し伸べている・・・<br>
背後には深い闇・・・誰かの声がする・・・<br>
・・・ろ・・・き・・・<br>
ボスッっと目の前に重い物がJUNの顔に乗りかかっている<br>
J「・・・・・」<br>
顔には枕が乗りかかっており怒声が聞こえる・・・<br>
翠星石「いつまで寝てやがるですかぁ、このチビ人間は!もうとっくに朝なんですよぉ!」<br>
そういうと翠星石は顔に張り付いている枕を手に取り再度ボスッと顔を容赦なく叩く<br>
J「もう起きてるからもう辞めろって!」<br>
JUNは翠星石から凶器の枕を取り上げで起き出した<br>
二人は朝の支度を済ませ、朝食を取っていた<br>
翠星石「今日はこれから海にでも遊びに行かねぇですか?」<br>
もぐもぐと食べ物を食べながら、そんな事をJUNに聞いた<br>
J「海って行っても僕は自慢じゃないがそんなに泳げないからな」<br>
そんな会話をしながらも豪華な朝食を済ませ、水着を持って砂浜に向かった<br>
さすがにJUNは男である為に着替えは直ぐ済み、あとは翠星石が来るのを待っていた。<br>
J「(翠星石の奴何してんだよ・・・いくらなんでも遅すぎるぞ・・)」<br>
<br>
暫くして一人の少女が更衣室から出てきた。ちらりと見ただけでは凄く綺麗な人だろうとJUNは思いながらも<br>
J「(あいつが戻ってきたらきちんとちゃんと言ってやらな・・・)」<br>
そんな事をずっと考えているJUNの前に先ほど出てきた少女がモジモジしながらもJUNの前に立ち尽くしていた<br>
翠星石「ど、どうですか・・?翠星石の水着・・・」<br>
彼女は普段のイメージとは違い、髪の毛をアップにしており薄い緑色のパセオを着ていた<br>
そんな翠星石を見てJUNは驚いていた、いや・・・これは・・・別人だろう・・・・?<br>
それほど彼女は彼女はイメージが変わっていた。普段もお世辞ではなく可愛い部類に入るだろう彼女がまたここまでワープ進化をするなてJUNは予想もつかなかった<br>
翠星石「ちゃんとはっきり言うですぅ!」<br>
翠星石はJUNからいつまで経っても帰ってこない反応に痺れを切らし怒っている<br>
J「あ、あぁ・・・最初全然分からないぐらい綺麗だったから・・・その、凄く似合ってるよ」<br>
JUNは思った事をそのまま伝える事しか出来なかった<br>
しかしそれを聞いた翠星石はにこりと安堵をこめた笑顔をJUNに向けると砂浜を駆け出していた<br>
翠星石「ほらぁ、どっちが泳げるか競争するですぅ!」<br>
彼女は手を振りながらJUNを誘った<br>
J「全く、やっぱり中身はあのまんまか・・・」<br>
そうつぶやきながらも翠星石を追った。その時ゾクリと何か分からないが不吉な予感を感じていた<br>
<br>
二人は海に入る泳ぎ始めていた<br>
けどそんな楽しい時間も一瞬にして氷ついた<br>
翠星石「っつぅ・・・・」<br>
行き成り海に沈んで行く翠星石。JUNは最初またいつもの冗談かと思っていたがいつもと少し様子が違う事に気づいた<br>
J「翠星石!どうしたんだよ!」<br>
JUNはすかさず翠星石の手を取り、翠星石をその深い海から海面まで連れ出した<br>
翠星石「ゲホッ!ゲホッ!JUN・・・足がつっちゃったですぅ・・・」<br>
ここからは沖までかなり遠い所まで来てしまい、救助は絶望的に近い<br>
翠星石「JUNは早く沖まで行って助けを求めてくるですぅ・・・」<br>
さきほどまで溺れそうになっていた彼女は無謀にもそんな事をJUNに投げかけた<br>
J「お前、何言ってるんだよ!そんな状態じゃ死ぬぞ!?」<br>
JUNは怒りを抑えきれず翠星石に吐き出した<br>
そして<br>
J「僕はお前を連れて泳ぐ・・」<br>
無謀な事をJUNは心に決めた。自分はどうなってもいいから翠星石だけは絶対に助ける・・・<br>
翠星石は自分がやろうとしてる事に絶対反対でするであろう、彼女の事を一度鳩尾に一発・・<br>
J「(ごめん、翠星石・・・!)」<br>
見事にそれが入りガクリとうな垂れた翠星石。<br>
J「とりあえずやらなくちゃ・・・」<br>
そう思い、翠星石を抱え泳ぎ始めた<br>
<br>
声がする・・・・夢と同じ・・・<br>
き・・・て・・・ん・・・<br>
遠くで誰かが泣いている。ああ、その手を掴まないと・・彼女が泣き止まない<br>
ぎゅっ・・・<br>
「ぁっ・・・」<br>
次第に意識が戻りJUNは翠星石の手をギュッと握って居た<br>
JUNの顔の前には涙を流した翠星石<br>
翠星石「この馬鹿人間!JUNが死んだら翠星石は絶対ゆるさねぇですぅ!」<br>
大粒の水滴がJUNの顔に何粒も零れ落ちる<br>
ああ、いつも闇から声がして・・・手を差し伸べてるのは翠星石だったんだと<br>
ぼーっとした頭でそんな事を思った。<br>
泣き止まない翠星石の涙を拭き、一言<br>
J「お前・・・泣いてる顔も可愛いんだな・・」<br>
翠星石はほぇっとした顔をしたあと泣きながらもいきなり笑い出した<br>
JUNもそれにつられて一緒に笑い出した<br>
そして二人で笑った後二人はキスをした・・・<br>
<br>
海での事を民宿の二人に聞いたところその海では昔カップルが二人で泳いでいて<br>
彼女が足をつり、彼氏はその彼女を置いて自分一人逃げて行った事で毎年その彼女の怨念が遊びに来るカップルの彼氏を海に引きづり込むと言う非常に出来た話であった<br>
翠星石「・・・・・それって・・・」<br>
J「・・・・・・・・・・・・」<br>
二人は絶句していたがいきなり翠星石はパァッと明るくなった<br>
翠星石はそんな事件があったにもかかわらず行き成り上機嫌になり二人民宿を後にした<br>
J「なぁ・・・いきなり何上機嫌になってるんだよ。あんな事があったのに」<br>
そんな落ち込んでいるJUNとは対象的にニコニコと笑っている翠星石<br>
翠星石「いいですよぉ~。JUNは馬鹿人間だから分からなくても~」<br>
そうJUNに言い放つと走りながら駅へと向かう<br>
J「おい、本当に何だよー!」<br>
JUNも彼女を追う<br>
翠星石「(だって翠星石とJUNがカップルに思われたって事ですぅ・・・・今度告白でもしよッかな・・)」<br>
<br>
~END~</font></p>
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