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「おべんとう(金糸雀)」(2006/01/18 (水) 19:41:50) の最新版変更点
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<p><font size="2">金糸雀はいるですかー?」<br>
「え?なにかしらー?」<br>
「ちょっとやめなってば翠星石!」<br>
「蒼星石は黙ってるです!」<br>
「?」<br>
「えー、こほんっ。実は明日、みんなで一緒に屋上でお弁当を食べるです」<br>
「(あぅ・・・また仲良し自慢かしらー・・・)」<br>
「それで、明日は金糸雀も一緒にいかがかと思って誘いに来たですぅ」<br>
「・・・え?え?カナも一緒に食べていいの?」<br>
「当然ですぅ。ねぇ蒼星石」<br>
「・・・」<br>
「そ、それじゃあ明日のお昼休み、空けとくですよ金糸雀」<br>
「うん!」<br>
「あ、それとみんな手作りだから、金糸雀も自分で作ってくるですよー」<br>
「わかったかしらー!ありがとうかしらー!」<br>
<br>
「みっちゃん、明日のお弁当は一緒に作る」<br>
「え!?どうしたのよカナ、雪でも降らせる気?やめてよね」<br>
「全然違うのかしら!」<br>
「冗談よ。で、明日何があるの?」<br>
「あのね、明日みんなで自作のお弁当を持ってきて一緒に食べようって、翠星石が誘ってくれたの」<br>
「あー、なるほど。翠星石って子は、お友達?」<br>
「えっと・・・うん、そうよ!まったくカナってばもてもてで困っちゃうのかしら」<br>
「そっかそっか、カナも友達出来たんだね」<br>
「な、何言ってるのよみっちゃん!カナほどの実力者なら、友達の100や200、簡単なのかしらー」<br>
「うん。カナは友達作るの苦手な性格だから、ちょっと心配してたんだ」<br>
「まぁ、オールOKなのかしらー!何にも心配ないのかしらー」<br>
「よし、それじゃあ、卵焼きいっぱい作ろうね!」<br>
「あ、みんなの分も作るのかしらー!」<br>
<br>
「みんなお待たせかしらー!ちょっと先生に呼び出されてて・・・」<br>
「あ、金糸雀だー!」<br>
「あら、この子も呼んだの?」<br>
「そうなんですー。教室で蒼星石とこの話をしてたら、どうしても来たいってしつこかったんですぅ」<br>
「・・・」<br>
「え?あの・・・」<br>
「まぁいいじゃない。多いほうが楽しいわぁ」<br>
「・・・もぐもぐ」<br>
「あ、薔薇水晶!食べるのはいただきますしてからなのー!」<br>
「ふぅ、まぁどうでもいいわ。それじゃ、いただきましょ」<br>
「そうですいただきますですぅ!」<br>
「いただきますなのー!」<br>
「・・・い、いただきますかしらー」<br>
「はぁい、ヤクルト配布よぉ」<br>
「あら、気が利くじゃない水銀燈」<br>
「金糸雀もはぁい、これ」<br>
「え、でも、水銀燈の分・・・」<br>
「私は教室に行けば予備があるからいいわ」<br>
「うん、ありがと・・・カナが、いきなりきちゃったから・・・ごめんなさいかしら・・・」<br>
「あー!蒼星石のサラダおいしそうなのー!ヒナの練乳苺と交換しよーなのー!」<br>
「うん、みんなも食べて」<br>
「真紅・・・から揚げ・・・シウマイ・・・」<br>
「交換したいの?まぁいいわ、はい」<br>
「チビ苺!タコさんウインナやるから翠星石にも練乳苺をよこすです!」<br>
「あ、カナも卵焼きをたくさん作ってきたのよ。自信作かしらー!交換するかしら」<br>
「いらないわ。あなたの卵焼きは甘すぎるんですもの」<br>
「え、あ、そっか・・・真紅は甘いのあんまり食べないもんね。水銀燈は?」<br>
「私も甘いのはちょっとぉ・・・」<br>
「ヒナは苺があればいいのー!」<br>
「・・・シウマイこそ、人類の偉業・・・」<br>
「みんなひどいですぅ、翠星石はいただくですよ」<br>
「翠星石・・・」<br>
「ぱくっ、もぐもぐ・・・ふむふむ・・・ま!!ぺっぺっ!まっずいですぅ、人類の食べ物じゃないですぅ」<br>
「え、そんな・・・」<br>
「翠星石、そろそろやめときなってば」<br>
「こんなもので人のおかずと交換しようなんて、おこがましいにも程があるですぅ」<br>
「そんなはずないわ!みっちゃんとカナで一生懸命作ったのに・・・」<br>
「あーあ、金糸雀なんか呼ばなきゃよかったですぅ。口直しにから揚げ頂戴です真紅」<br>
「・・・うぐ・・・うぅ」<br>
ダッ!<br>
「待って!金糸雀!」<br>
「な、何も泣くことないですぅ・・・これだからチビチビは・・・」<br>
<br>
タッタッタッタ・・・<br>
「金糸雀!待って!金糸雀!」<br>
「はぁ、はぁ・・・ぐすっ・・・はぁ・・・」<br>
タッ・・・<br>
「はぁ、はぁ、ごめん、金糸雀・・・」<br>
「ふぅ・・・な、なんのことかしらー。カナは何にも気にしてないのかしら」<br>
「僕が、もっと早く翠星石を止めてれば・・・ごめん」<br>
「きっとホントに卵焼きがまずかったのよ。翠星石は悪くないかしら」<br>
「・・・」<br>
「あ、しまったかしら!?屋上にお弁当箱置いてきちゃったかしら!」<br>
「・・・あとで、夜にでも届けるよ、忘れ物として」<br>
「そうしてくれると助かるかしら。お弁当箱が無いと、みっちゃん変に思うから」<br>
「うん・・・」<br>
「まったくみっちゃんは心配性で、お弁当作るときも付きっきりで」<br>
「・・・」<br>
「お砂糖の分量とか・・・卵の巻き方とか教えてくれて・・・ぐすっ」<br>
「・・・ごめん」<br>
「一緒に・・・一生懸命・・・みんなに・・・うぅ、ぐすっ・・・うぅ」<br>
「ごめん・・・」<br>
<br>
「泣いてたこと、みっちゃんには言わないでほしいかしら。心配、かけたくないから」<br>
<br>
ピンポーン<br>
「はーい、今出まーす」<br>
がちゃ<br>
「はい・・・あら、薔薇学の・・・カナのお友達?」<br>
「はい。金糸雀がお弁当箱を教室に忘れてるの見つけて、届に来ました」<br>
「あらそうなの?わざわざありがとね。あなたが翠星石ちゃん?」<br>
「いえ、翠星石は姉のほうで、僕は蒼星石っていいます」<br>
「僕?あれ?女の子・・・よね?スカートだし」<br>
「ふふ、よく男っぽいって言われます」<br>
「美少年て感じよね。でも、よかった」<br>
「え?」<br>
「カナが、友達いっぱいって言ってたの、嘘じゃなくて」<br>
「・・・えぇ」<br>
「昨日は大はしゃぎだったのよ。今日の朝、お弁当作るときも」<br>
「・・・」<br>
「今日は帰ってきてすぐ寝ちゃったけど・・・学校で、何かあったりしないよね」<br>
「・・・えぇ、大丈夫です。金糸雀を嫌いな人なんていません。みんな、仲間ですから」<br>
<br>
「(蒼星石がお弁当箱届に来てくれたのかしら・・・大丈夫だよね)」<br>
「(・・・あ、そういえば・・・あのお弁当箱・・・)」<br>
「(洗うときに中を見たら・・・卵焼きがいっぱい残ってるのを見たらみっちゃん・・・)」<br>
「みっちゃん・・・」<br>
「あらカナ、今蒼星石ちゃんが来てくれてたのに。ほら、お弁当箱届けてくれたのよ」<br>
「あの、みっちゃん・・・」<br>
「明日ちゃんとお礼言いなよ。じゃ、洗い物するよ。お料理したら洗い物までして一人前だからね」<br>
「あ、待ってみっちゃん!」<br>
「あら?カナ・・・全部食べるなんて、流石じゃない」<br>
「あい?あれ?どうなってるのかしらー?」<br>
「さ、明日もお弁当作るんでしょ。ちゃっちゃとやるわよ!」<br>
「サーイエッサーかしらー・・・?」<br>
<br>
「はぁ、今日も大量に卵焼きを作ってきてしまったかしらー。・・・みっちゃんには心配かけられないものね」<br>
「ちょっと蒼星石!押すなです!」<br>
「いいから早く!」<br>
「う、えー、金糸雀!ちょっと来るです!」<br>
「あぅ、翠星石・・・き、昨日のことなら、全然気にしてないのかしら!」<br>
「うん、そのことで翠星石が謝りたいって、昨日泣きついてきてね」<br>
「泣きついてなどいないですぅ!・・・その、昨日は少々やりすぎたですぅ」<br>
「そんな、あれはカナの卵焼きが・・・」<br>
「バカ言うんじゃないこんちくしょうです!」<br>
「ビクッ!な?え?」<br>
「あの卵焼きは昨日帰ってから翠星石が全部いただいたですぅ。なかなかの美味でしたですぅ」<br>
「え、じゃあ・・・あれは翠星石が・・・」<br>
「それで今日は翠星石も真似して作ろうと思ったのですが・・・こんな黒こげになってしまったですぅ」<br>
「こ、これは食べたら、癌で即死かしらぁ・・・」<br>
「やっぱり金糸雀レベルの至高の卵焼きを作るには、達人の技が必要ですぅ」<br>
「ふふ、で、実は僕ら今日、この消し炭のような卵焼きしか食べるものが無いんだ」<br>
「そうなのです。つまるところ、今日も卵焼きをいっぱい作ってあるなら、食べてやらないこともないですぅ」<br>
「えっと、今日もカナおとっときの卵焼きは大量発生かしらー」<br>
「昨日のことは・・・許してくれるですか?」<br>
「・・・許すも何も、仲間のことを怒ってなんかいないのかしらー!」<br>
「金糸雀・・・な、仲間とか恥ずかしいこと言うんじゃないです!」<br>
「ふふ、じゃあ屋上へ急ごう!みんなが待ってる!」<br>
「かしらー!」<br>
<br>
「えっと、あの、今日も甘い卵焼きなんだけど」<br>
「昨日翠星石が全部卵焼きたべちゃったのー!ヒナも食べたかったのー!」<br>
「そうね、体育の後で疲れてるし、甘い卵焼きがちょうどいいのだわ」<br>
「はぁいヤクルト、今日はちゃんと全員分あるのよ」<br>
「卵焼き・・・シウマイ、あげるから・・・」<br>
「みんな・・・こうなったらみんなで交換し放題かしらー!翠星石も蒼星石も早く食べるのかしらー!」<br>
「まぁ、元気になってよかったですぅ」<br>
「なかなかの褒めっぷりだったよ。やればできるじゃない」<br>
「う、うるさいです!あれは、まぁ、仲間だから・・・」<br>
「あら、なかなかおいしいじゃない。明日からも作ってきてちょうだい」<br>
「もぐもぐ・・・美味・・・もぐもぐ」<br>
「あー!薔薇水晶!食べながら喋っちゃダメなのー!」<br>
「そんなにおいしいのぉ?私も頂こうかしら、どうしよう・・・」<br>
「水銀燈も食べるのー!水銀燈はやせてるから大丈夫なのー!」<br>
「ちょっと聞き捨てならないわね雛苺。水銀燈はってどういう意味なの」<br>
「ちょっと静かに食べれないですか!今卵焼きの秘術を聞き出すところです!」<br>
「あ、僕も聞いておこうかな。いや、むしろ今度一緒に作って教えてよ」<br>
「え・・・うん!任せるのかしらー!!」<br>
<br>
みっちゃん、カナは幸せよ。なんたって薔薇乙女一の頭脳派だもの。<br>
それに、素敵な仲間がいるから。何も心配することなんてないのかしら・・・<br>
<br>
おしまい。</font></p>
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