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<p>ein rondo ~輪廻曲~</p>
<p>わたしのとなりにはすきなひと</p>
<p>けどてをどんなにのばしてもきえゆくまぼろし</p>
<p>わたしのとなりにはすきなひと</p>
<p>ただそばにいてほしいのにとどかないおもい</p>
<p>あなたのとなりにはあなたがすきなわたし</p>
<p>このおもいはずっとかわらないから・・・</p>
<p>長い長い休日が終わり、学校が始まる。<br>
それはあの人とまた会えるという事。いつも本当の気持ちは彼には伝えられない<br>
翠星石「チビ人間、どうせ一人で帰るならしゃーねーから一緒に帰ってやるです。感謝するですぅ」<br>
素直になれない私<br>
ジュン「うるさいなぁ・・・別にお前と一緒に帰って欲しいなんて一言も言ってないぞ!」<br>
私と彼とのやりとりはいつもこんな感じ。これが私達の関係</p>
<p>
私は今の関係に満足はしている。けど、もし私の気持ちを全部曝け出したらどうなってしまうんだろう・・・<br>
怖い。怖い。拒絶をされ、今の関係が終わってしまうんじゃないかと思うと心が引き裂かれそうになる</p>
<p>
だから私は貴方とこの関係を保っている。それは私の切ない願いの1つ、貴方の傍にいる事</p>
<p>
ジュンは人並みよりは人気がある。だって私が好きな人だもん。そんなのは当たり前なのっ<br>
翠星石「(けど・・・他の人と付き合うなんて事は考えたくもないですぅ・・・)」<br>
一歩を踏み出せない私の想い。怖いけど・・・貴方の想いを知りたいキモチ<br>
それはまるで輪廻『ロンド』<br>
この『ロンド』は一体どうやって止まる時があるんだろう・・・</p>
<p>冬になり、世界は彩り豊かな季節から<br>
ジュン「なぁ、翠星石。翠星石は将来はどうするかとかもう考えてあるのか?僕たちももう三年になったし」<br>
私は貴方とずっと一緒に居たいと言いたかった。けどその想いを必死で閉ざしいつもと同じやりとり<br>
翠星石「翠星石はチビ人間と違って色々やらないといけねー事があるですよぉ。一緒にしてもらっても困るですぅ」<br>
ジュン「ああ、お前に聞いた僕が馬鹿だったよ。」<br>
売り言葉に買い言葉。いつも後悔をしている<br>
けどこんな関係もあと僅か。彼女は何年もの間心に閉ざしていたのが氷解されていく気持ちになった<br>
翠星石「そういえばジュンはずーっと彼女作らなかったですぅ。ここだけの話人気あったんですよぉ?」<br>
私は笑いながら冗談を織り交ぜそんな事を言っていた。ジュンはそんな私の言葉にも真剣に考えている・・<br>
ジュン「あー・・そうだな。けど好きな人はずっといたんだぞ?」</p>
<p>え・・・・・?</p>
<p>
翠星石「へ、へぇ・・・初耳ですぅ。まぁどうせ振られて終わるにどーせ決まってるですぅ」<br>
私は不安になり、そんな言葉しか返せなかった。だってずっとジュンにずっと好きな人が居たなんて気づかなかった<br>
その日私は一日ずっと沈んだ気分のまま彼と別れた</p>
<p>
それから暫く私は彼と一緒に学校へ行くことや帰る事を控え始めた<br>
彼の気持ちの片鱗に触れてしまったから。今までずっと思ってた不安が現実になってしまうんじゃないか<br>
そう思うと私は臆病になり、彼を傷つけてしまうんじゃないかな・・・</p>
<p><br>
ある日ジュンに呼び止められた<br>
ジュン「なぁ・・最近一緒に帰ってないけど今日一緒に帰らないか?」<br>
少し迷ったけど私は彼と一緒に帰る事にした<br>
久しぶりに二人で帰る時間。夕焼けが凄く綺麗<br>
二人は何を話していいか分からずに時間だけが過ぎて行く<br>
そんな時間を終わらせるかの様にジュンは言った<br>
ジュン「なぁ翠星石。最近一緒に登校したり下校したりしなくなったけど何かあったのか?」<br>
彼は心配そうに私を見つめてくる。彼を心配させたくない想いで私は嘘を吐く<br>
翠星石「別に何もないですぅ・・・」<br>
そんな答えに彼は少し落ち込んだ表情で俯いていた・・・<br>
ジュン「なぁ・・・翠星石は好きな人っているか?」<br>
私は一瞬ドキっとした。私の気持ちを見透かされてるんじゃないだろうか<br>
翠星石「そ、そりゃあ翠星石も華も恥らう乙女ですから?好きな人の一人や二人いるですよぉ・・・」</p>
<p>
今の私はどんな顔をしてるんだろう?きっと顔を真っ赤にさせてるに違いないかな?<br>
その時彼がポツリと言葉を零していたのを、私は聞き逃せなかった<br>
ジュン「そうか・・・そりゃお前は人気もあるし付き合ってる人ぐらいいて当たり前だよな」<br>
翠星石「そんな事ないですぅ!」<br>
私の突然の叫びで彼はとても驚いた顔をしている。けど誤解はされたくなかった<br>
翠星石「その・・・翠星石の場合はぁ・・片思いですけど・・・」<br>
そう言うとジュンも同じく<br>
ジュン「そっか・・・なら僕と一緒だな」<br>
翠星石「そ、それも初耳ですぅ!なんで告白しないんですかぁ!」<br>
意外な言葉が私の響いた<br>
ジュン「そいつとはずっと今の関係でいるんだけど、もし僕が告白をして嫌われたらそんな関係も終わるのが怖いんだよ・・」<br>
私と一緒だ。彼は私と同じ気持ちで不安なんだ<br>
好きな人に拒絶をされて今までのいい関係に終止符を打たれるのが・</p>
<p>世界は二人きりに感じられる赤い世界だった<br>
そんな世界も黒に染まり始める頃<br>
翠星石「あっ・・」<br>
たどたどしい足取りであった私は躓き、私の体は引力に引っ張られ倒れる<br>
けど私の体はいつまで経っても地面には着かなかった<br>
ジュン「大丈夫かよ・・・具合でも悪いのか?」<br>
彼が私を支えていた。まるで恋人のを抱くかの様に優しく暖かい温もり<br>
翠星石「ジュン・・・・」<br>
彼は私をじっと見つめている<br>
私は期待を込め目を瞑った<br>
その時二人は始めて分かり逢えた。私と貴方はずっと同じ気持ちでずっと待っていた<br>
きっと世界は優しさに包まれている。そんな『ロンド』も優しい音色の言葉で止まり始める<br>
ジュン「翠星石・・・・」<br>
翠星石「ジュン・・・・」</p>
<p><br>
「好きだ・・・・・・・・・・・・」<br>
「好き・・・・・・・・・・・・・」</p>
<p>
そしてこれからは二人はこれから二人だけのKanon~協奏曲~を奏でて行くだろう<br>
優しい音色は新たな優しい旋律を奏でながら・・・</p>
<p>~END~</p>
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