平常は突然崩れるもの。
偶然は無く、ヒツゼン的崩れ方。
―わかってはいたけれど。
―Rose bildet Gymnasium aus―
Rosen unverheirateter Vorrat-薔薇乙女忌憚-
その日は朝から天気が下り坂だった。天気予報によれば夕方には雨が降るという。
暫く前線が停滞するらしく、暫くは雨が降るそうだ。
そんなことを言われて雨傘を持たない人はいないだろうけれど。
朝から暗い日はどうにもいい予感がしない。
それがあたるとなると尚更。
「おはよう。」
…とまぁ、ぼんやりと考え事をしていたジュンに話しかける一人の少女。
―同じクラスの蒼星石。優等生。女の子の中ではファンクラブなるものができてるようだが。
「おはよう。寒いな。」
雨が降りそうな日はどうにも気温が低い。蒼星石も頷いた。
「そうだね。雨降るし。」
天気予報は確実にチェックしてるようだ。雨降るみたいだしな、と続けて言おうとした
ジュンは多少すかしを食らった。
教室の中には4分の3の人数。…20人少しといったところか。
それぞれが会話を交わし乍ら楽しく談笑をしている。
「おはよう。ジュン。」
少し高飛車な声。真紅の挨拶にはもう慣れたが。
「おはよう。」
短く返事を返す。余計なことは言わないに越したことが無い。
他愛の無い会話をしつつ―時間が消化されていく。
まだ何もおきる様子は無い。…というか、何もおきないほうがいい。
だが、その嫌な予感が確実性を帯びるまではそんなに時間がかからなかった。
時計が8時25分を指す。HRの鐘。なり終わったと同時に
「キャー!!!」
他のクラスの少女の悲鳴が上がった。野次馬が目いっぱいいる学校らしく、
その悲鳴の方向へ向かってクラスから顔を出す。
教室へ向かっていた教師も慌ててかけよってきた。
野次馬の中でも数人の現場へと向かう数名に混ざり、ジュンも駆け寄る。
その少女は腰を抜かし震えていた。少女の目線が向いている方向へ
全員の視線が集中し、―時間が止まった。
誰も悲鳴を上げないどころか声がでない。目の前の真実に驚いているだけだ。
―誰も使っていないクラスで、ベジータが首を絞められ天井からぶら下げられていた。
「う、うわっ。」
一緒に野次馬にきた男子の一人が教室へ戻り報告へと消えていく。
その教室では悲鳴やらなんやらがあがっていた。多分報告へいけばどこのクラスも同じようなものだろう。
「やれやれ…。」
教師らが離れろ、と五月蝿かったため、ジュンはその報告を土産に教室へと戻る。
「何々、どうしたの。」
早速覗き込んだ野次馬達が報告を聞こうとジュンに周りへと集まった。
「いや、いいことじゃないんだけど。」
と一旦ためてから、報告。
「ベジータいないだろ。」
その数名があたりを見回し、そういえば、という声を上げる。
「あいつが死んでた。」
―シーン―
一瞬の沈黙。そして
「は?!ほんとかよ!?」
驚いた数名の男子からは驚愕の声。
「あ、今教師が封鎖してるから見れないぞ。」
急いで見にいこうとした数名の足を止める。
女子からは悲鳴があがっていた。
「本当なの?」
蒼星石はいたって冷静を保ち、ジュンに詳しく聞こうとしている。
「ああ、本当だ。天井から吊るされていたっていうのが正しいかな。」
へぇ・・・、と納得したかのような声。そして
「殺されたんじゃない?」
・・・思わぬことを言い出した。
「だってさ、あの人が自殺なんてするわけないでしょ。」
それもそうだ。とジュンは納得する。
女の子に振られても何かで失敗してもそうそう死ぬようなやつではない。
クラスの中では周知の事実だ。
「それもそうだ。…じゃあ誰かに殺されたかな」
「そう考えるのが普通でしょうね。そのまま2、3と発生しなければいいのだわ。」
犯人が探しようがないというか、ホントに殺されたかどうかもわからないままでは仕方が無い。
これ以上何もおきないことを願いつつ、授業へと集中した。
「それじゃ、授業はじめるぞ。笹塚ー立ってろー。」
「え・・・。」
授業中は何も起こらなかった。
――――――
キーンコーンカーンコーン。
重厚な鐘の音。これが本物の音だというから驚きだ。休憩時間は10分。思ったより長い。
「次の授業の宿題やった?。」
「あ、ああ。珍しく。」
―宿題忘れ常習犯のジュンにしては珍しくちゃんとこなしたらしい。
毎度のように、宿題を見せてくれる蒼星石は有難い存在だ。
彼女になってもらいたいが…
「何いちゃついてんだよっ!」
クラスの男子の嫉妬が怖い。女子は
「あの二人ならいいんじゃない?…ねぇ?」
「お姉さまはたとえ彼氏ができても素敵だからいいんだよー。」
…と比較的好意的。そんなこんなで邪魔されたりしている二人には落ち着ける時間というのがあまりない。
5分過ぎたころだろうか、また一人、姿を消す。
「ほ、報告ーっ!。」
クラスのドアを勢いよく開けた男。急いで走ってきたようで息切れを起こしている。
「女、…っ。女子が…はぁ、はぁ。殺された!」
クラスの中にどよめく声。
蒼星石と視線を合わせ、二人で向かう。その報告をした男子もまた向かった。
その場所に向かう途中、一緒の方向へ走っていく男子数名は、ベジータの報告をしにいった男子とメンツが一緒だった。
野次馬根性とは恐ろしい。
「こっちっ!」
そう案内された先は、職員室から行き当たりの門を曲がったところ。そこで胸から血を流した女子が体を壁につけ、座りこんでいた。
「まさかとは思うんだけど…。」
ジュンはその顔に見覚えがあった。無論、野次馬の男子達にも同様の感想が生まれる。
ベジータが死んだのを最初に発見してしまった、あの女子。
「最初に見つけたの、誰?」
蒼星石はあたりを見回し、野次馬数名と顔をあわせる。
「オレとこいつだけど。」
AとFへ報告にいった二人。
「あ、でも見つけただけで何もやってないぞ。」
その女子のクラスはBのためになんの接点もないのは明らか。教師からも何もしていないというアリバイがある。
「変だなぁ・・誰かが殺してるはずなんだけど・・・リレー形式だと
次は君たちだよ。」
…死体を見つけた順番で殺されるとしたら次は二人が殺されるということだ。
思わず震え上がる。―結果は次の時間の中休み、20分の時間でわかった。
瞬く間に学校中のうわさになった。
1時間も立たずと二人が殺されればそれはなるだろう。
教師の間でも問題になっているようだが、まだ下校の令はでていない。
犯人であろう人間が逃げられてはこまるという理由のようだが…。
キーンコーンカーンコーン。
2時限目の鐘が鳴り終わった。
「誰なんだろうね。」
蒼星石は終わった直後からジュンの席へ来て、たずねる。
「さぁ…。愉快犯としか思えないんだけど…。」
「そうなんだよねぇ…とりあえず次誰かが死んだら、かな?…宿題やってないでしょ。顔にでてるよ。」
ドキッ。…蒼星石はいつのまに読心術を覚えたのだろう。ため息をつき、ノートを持ってくる。
「はい。・・ちゃんとやりなよ。」
「悪い…有難う。」
心の中ではラッキー…とは思いながら、建前上、詫びる。
5分くらい立って、誰も何も報告にくる様子がない。
「…誰もこないね。もう終わりかな。」
そういえば、先ほどの人がまだ帰ってきていない。
・・・これはやばいんじゃないか?・・と思った其のときだった。
「報告ー!!!。」
やっと帰ってきた。
「今人から聞いた話だけど…雛苺が殺されたらしい!」
…クラスの空気が一瞬凍り、そういえば雛苺がいない、ということに気がついた。
「雛苺が?!」
一目散にそこへと案内するように指示。
―体育館への通路で、雛苺は目から薔薇を咲かせ、周りにも深紅色の薔薇が散っていた。
「…だんだん凄くなってきてるなぁ。」
普通に冷静な蒼星石に対し、ジュンは多少の動揺。―クラスの二人+一人が殺されているのだから無理はないけれど。
「そういえば雛苺がいなくなったのに気づいた?」
ジュンは首を振る。蒼星石の事ばかり目がいっていた、といえるわけがない。
「いや、会話してなかったからいなくなったらぱっとは気づかないかもしれない。」
授業中に教師に呼ばれていたのだから、いなくなったとすれば授業が終わった直後なのは間違いない。
…途中で雛苺をみた人がいてもおかしくはないのだが…
「困ったことに誰も雛苺を見てないんだよね。」
と、言う。となると何かに入れられたか。それを示すものがない限り確定とはいかないけれど。
雛苺の空蝉(ウツセミ)を見ながら、祈り、教室へと戻る。その途中にて
「キャー!!」
またも女子の悲鳴。朝から聞くのは何度目だろうか。
慌ててそちらへいく。―蒼星石の足は速い。ちょっと遅れてついた。
「わ。…これで5人目か?」
悲鳴の女子とは限らないが、女子の死体がそこにはあった。 逆さ吊り。地面には無作為にトランプが散っている。
「ここまで手が込んでくると困るねぇ…。」
リレー方式ではなくなったとは言え、被害が思ったより大きくなりそうだ。
―まだ教師からの下校命令はでていない。被害が広がる可能性が高い。
「ところで、次の被害者は誰だと思う?」
「さぁ…。そういえばリレー順番の二人がまだだよな。」
授業中にこそこそと会話を繰り広げる。机はところどころが穴あきになっている。
被害者は現在5人。そろそろ誰かボロを出してもいいものなのだが、完全に証拠がない。
警察が来ているわけじゃないからだが。―そろそろ連絡をしたほうがいいだろう。次の授業前で警察へ通報を行うことにした。
「そうだよね。多分その二人。」
「なんでわかるんだ?」
「多分、リレーを一旦頭からはずすためなんじゃないかな。それとまだその二人を殺すには準備が整ってないとか?」
蒼星石の勘の的中率は過去から考えると80%。可能性としてはありうる。
「じゃああの二人に気をつければいいんだな。
~~~~~
授業終了の鐘がなった。二人は野次馬二人の後をついていく。
―職員室→地下室→職員室へとでて、一人が別れトイレへと消えた。
「僕はこっちの人見張ってる!。」
「わかった。…気をつけて。」
…とやっているうちに、・・・ジュンは目標を見失いかけた。急いで後を追う。
2つめの角を曲がり、2Fと地下へつながっている階段、さらにそこを曲がれば教室の通り、
というところで―目標が死んでいるのを見た。
「…予想通りか。―あたりを見回しても何も目標は見当たらない。
あるとすればシャンデリアと死体に刺さっているナイフ。…蒼星石の方を一応追いかけよう。そう思いもとの道へと戻る。
職員室のとおりへ戻ったとき―遥か後方で何かが動いたような気配を感じた。何もなかったのだが。
「?」
職員室の前で、別れた蒼星石が同じように戻ってきた。
「どうだった?」
「大丈夫。無事だったよ。…そっちは?」
「ダメだ。死んだ。ナイフで脳天一突きってところかな。」
何かを悩むような顔をしながら、うーん・・・と蒼星石はうなる。
「会話聞かれてるかなぁ。」
隠しマイクなどを少し探してみるがそんなものは一切見当たらない。
「一度教室に戻ろう。」
頷き、教室へと戻った。
ドアを開け、二人が室内に入り、ドアを閉めた瞬間だった。
「やm…」
叫ぶような高い声。二人で顔を見合わせ、その方向へ歩く。幸いまだ時間はある。
購買に来た生徒たちが多いのか、何人もすれ違って挨拶をしていく。
…主に蒼星石に。
「ほんとお前人気だな。」
嫉妬するジュンだが、言われた本人は
「へ?…そう?」
といたって暢気だ。―その表情も十秒後には変わったが。
「…今度は真紅か。」
白百合が体の近くで散り々々になっている。
―幸いまだ息はあるらしい。図書室の前だというのに目立たなかったのだろうか。
蒼星石が気を確かめる。
「大丈夫かい?」
少し体を揺らすと、目を少し開け、答えた
「大丈夫だわ。…少し苦しいけれど。」
よくよく体を見ると、背中を刺されたらしく、地面には血が広がっている。
白百合が赤く、染まっていた。
「保健室に届けてくる。」
ジュンは真紅の体を起こすと、抱きかかえ保健室の方へ歩き出した。
「何をしているの。」
多少苦しそうな声を出しながら、憎まれ口を叩く真紅。
「それどころじゃないだろ…。」
呆れながら保健室へ運び出した。血が流れていた場所を見ている蒼星石は何かを考えているようだった。
「酷く切られたわね…命に別状はないと思うけれど。」
保健の代理担任をしていた人が言った。
「そうですか…よかった…。」
「貴方も気をつけなさいね。」
真紅は多少頬を染め、そっぽを向いていたが、死なないならば安心ができる。
―これ以上人を失うわけにはいかない。
保健室からでて、ジュンは考え込んだ。
…ここまで来てまったくの関連性が見えてこないのが人を殺している場所。
1:1年の使われていない教室
2:職員室傍(・校長室傍)
3:体育館前
4:理科室前(・家庭科室・地学室・生物学室傍)
5:地下室傍(・音楽室傍)
6:図書館前
…特別室の傍を片っ端からやっているようだが…残る可能性があるのが校庭・体育館裏とトイレ、それに屋上といったところか。
特別教室は近くにあるために、そういうところばかりを狙っているとしたら3つしかない。
―考えながら1年のクラスがあるとおりへ戻ると、なにやら黒山の人だかり。
「このパターンは…。」
そこにはちゃんと蒼星石の姿もあった。
「どうした?」
「…殺されたよ。僕が見張ってた人が。」
男子トイレに入られてしまっては女子は入るわけにはいかない。
「これでトイレもなくなったか…。これ、どう見る?」
「特別教室ばかりを狙っている。んで残ってるのは校庭と屋上。そういいたいんでしょ?」
考えが見事に被ったようだ。被害者はあと二人ですむといえる。
とは言え、その前に捕まえといけないのも確かだ。
「どうしたらいいんだろうな。」
「トイレの窓が開いてたらしい。そっから逃げたんじゃないかな。」
―トイレから覗くものの、地面には足跡ひとつも見当たらない。
死体の顔がぬれているところを見ると溺死というところだろう。トイレの水道を使ったのか。
「リレーか。…危ないぞ。俺たち。」
そろそろ身の危険を感じた。可能性としては限りなく低いが…
「校庭で何か燃えてる!!」
考えに集中していた二人の頭を揺らす大声。
慌ててそちらを見ると、バイクとともに何かが炎上していた。
「校庭…かな。これであとは屋上…。」
燃えていたものは、体育を担当していた呂布だと言う。
教師まで犠牲になるとは思わなかっただろう。
「気をつけよう。―目撃者が狙われるのかもしれない。」
…いよいよ下校命令がでた。
――――
「授業はこれでおしまい。早く帰ってね。HRもないから。」
5時限目の担当、ネギが言ったところで下駄箱は早く帰ろうとする人で溢れた。
犠牲になりたくはないからだろう。
ジュンも鞄へ道具を詰め込むと、下駄箱へ走った。
そこで、蒼星石がいないのに気づく。
「蒼星石?」
終わった直後に話しかけてこないのがおかしいとは思っていた。
教室からでてきたネギに聞いてもわからないという。時間にして1分もかかっていない。その間に屋上へいって戻ってくるのは
不可能だろうから、ネギ先生が何かをしたということはないと言えた。
学校はやたらと広く、屋上だけでも4つも階段がある。
ある程度学校を走り回るが―見当たらない。最後の犠牲者なのだろうか。
「蒼星石…。」
一つ目の屋上への階段へ、ジュンは足を向けた。
「蒼星石?」
一つ目の階段を上がり―屋上への扉。
普段から鍵が閉まっているところだが、外から鍵を閉める必要性はないので錠は内側にしかついていない。
よって、鍵が閉まっているところは誰もきていないということになる。
2つ目、3つ目と共にスカ。残るは、一年の教室群から一番近い屋上。
ジュンは急いで階段を上った。
――――
「やめてください!」
腕を捕まれ振りほどこうとするが、思ったより力は強い。あっという間に屋上へと運ばれてしまった。
「何がしたいんですか!」
自分の推理は当たっていたが、それどころではない。―死ぬかもしれない。
「…最後は…落下死体と行こうじゃないか…。警察の目もまだあたっていないのだから…」
「!!…やめ・・・っく・・・。」
蒼星石はそこで意識を失った。
「これで揃う…考えた殺し方の全て…場所などどうでもよかったが…狙った場所に人がいてくれて助かったよ…。
リレーはバレるものだろうからな…ククク…。」
意識を失った、軽い体を持ち上げ―柵の外へと。
バン!!!
「…はぁ…運動不足が響いてるかな…それはともかく…待て。」
息切らせながら、勢いよくドアを開ける。
「?…まぁ最後はここだから、わかるものだろうが。なんだ。ジュン。」
軽めの体を抱いたその男はジュンの名前を呼んだ。
「何をしてるんですか…梅岡先生。」
息を整えつつ、梅岡の方へと寄っていく。
「見ればわかるだろう。―殺しだね。」
ストレートに言えばいいというものではないが。
「最初のHRしかいないのは変だと思いました。それによく考えたら貴方は半分くらいは死体の現場にいましたよね。
職員室で情報を手にいれたのかもわかりませんが…。それより蒼星石を離してください。」
じりじりと近寄るジュン。―梅岡まではあと3メートルくらいか。
「それもそうだね。嫌だといったら…どうする?」
銃を構え銃口を、向けた。
「君は予定外の死傷者だ。1箇所で二人殺すのは美学に反する…素直に消えてくれないか?」
「それこそ拒否。―蒼星石を離してください。」
少し不満そうな顔を梅岡はした。そして
「じゃあ消えてもらわなくては。―さようなら。」
―――
「やめろ。」
少し低い女声。―梅岡に捕まれていた蒼星石は銃を思いっきり蹴り上げ、飛ばした。
「な!」
予定外の動きに戸惑う梅岡。
「僕は残念ながら気絶なんてしていません。もうちょっと立ったら顔を蹴ってあげようと思ったんですが…。」
にこり、と蒼星石は微笑んだ。―半分はさようなら、という不敵な笑み。
「もういいですね。」
腹部に強烈な蹴りを入れ、体を振り払う。ジュンは飛ばされた銃をキャッチし、空へ全部撃ち尽くした。
「大丈夫か?蒼星石。」
かけよってくる少女を抱きしめる。
「ありがとう。信じてたよ。」
再び微笑む。今度は本心からの笑顔。
「…くそ…こうなったら。」
梅岡は自分から柵を登り始めた。つるり、と滑って上れていない。
ジュンは頭をめがけて、一回跳躍後、かかと落としを決めた。
「…。」
梅岡は気絶したようだ。
「警察に連絡しないと…。」
気を取り直し、連絡を行った。
10分後、気絶をした梅岡は警察へと送られた。
「何がしたかったんだろうね。」
帰り道を共にする蒼星石は梅岡の行動に疑問を持つ。不満を抱えているような教師には見えなかった。
「さぁ…何かあったんだろ?」
理由がわかるわけもなくジュンも曖昧な答えを返す。
「そういえば僕、結構危なかったんだよ。気絶したふりをしてたけどさ。」
苦笑しながらジュンの手を取る。そして、
「ありがとう…ね。」
ほんの少しだけ、唇が触れた。2、3秒間だっただろうが、ジュンにはとても長く感じられた。
―――
―Das tote Volk ist, stirbt am Tod, der nicht vermieden wird
(死んだ人たちはヒツゼンによって死に)
―Das nutzliche Volk ist Leben mit einer nonavoidable-Regel.
(生きた人はそういうヒツゼンによって生きている。)
―nothingg wird passieren.
(偶然などない。)
―Es uberschreitet die Zeit uber.
(そして時間は過ぎる。)
―Um zu leben
(生きるために。)
―Zum toten Leute-Sake
(死んだ人のためにも。)
―Rose bildet Gymnasium aus―
Rosen unverheirateter Vorrat-薔薇乙女忌憚-
―完―
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