真紅「もうこんな時間ね……あら?何かしら……」
男「よう、嬢ちゃん。こんな時間に何やってるんだ?え?」
真紅「何って……ちょ、ちょっと!やめなさいよ!ひ、人を呼ぶわよ!!」
男「やれるもんならやってみな、嬢ちゃん……」
真紅「ん……た…たす、け……」
ジュン「離せよ」
真紅「ジュン……!」
男「何だぁ?喧嘩売ってんのか!」
ガシッ!グイッ!
男「うわっ!」
ジュン「やめろよ……本気でやったら、お前なんかが僕にかなうはずないだろ」
男「クソッ……!」
ジュン「さっさと消えな。そして、二度と悪さするなよ。お前の顔はもう見たくない」
男「ち、畜生!」
真紅「あ、ありがとう、ジュン……」
ジュン「何言ってんだ、当たり前のことしただけだろ?」
真紅「……う、うう……ひっぐ……」
ジュン「真紅……」
真紅「ジュン……ジュン?」
ジュン「え?あ、どうした?」
真紅「送ってくれるのは結構だけれど、ちゃんと付いて来て頂戴」
ジュン「ご、ごめん……」
真紅「…………」
ジュン「…………」
真紅「送ってくれてありがとう。じゃ、おやすみなさい」
J「~♪♪」
紅「ちょっとジュン。寝ながらパソコンやってると目に悪いわよ」
ゴロン
J「うるさいな~…!」
J「(ちょっwwスカート短い!!みえてるおwwwし、白だおwwww」
紅「?ちょっどこみてるのよ!!!!(/////」べし!!!
J「べはぁ!」
紅「この・・変体!!」べしべしべしべいし
J「あへhvbsbうあhうdhww(しっかり脳裏に焼き付けてやる・・!!」
ジュン「しっかし大変だなお前も。こんなに勉強しててさ」
真紅「仕方ないでしょう?私はあなたと違って勉強が得意ではないのだから」
ジュン「負けず嫌いなんだな、真紅は……」
真紅「うるさいわね。なに、邪魔をしに来たの?」
ジュン「いや。そんなに頑張ってて、肩でもこらないかと思ってさ」
グッ、グッ
真紅「あら、ありがとう。そうね……そろそろ休憩にしようかしら」
ジュン「…………」
真紅「………あっ、ジュ、ジュン……!そこは……」
ジュン「どうだ、悪くないだろ?」
真紅「ちょ、ちょっと、ふざけ……あっ、ん……」
ジュン「いい感じだぜ、お前の……」
真紅「もう……ジュン……あっ、やっ……んんっ……」
真紅「ジュン」
ジュン「……え?あ、何?」
真紅「用がないのなら座って頂戴。落ち着かないわ」
ジュン「あ、ご、ごめん……」
真紅「…………」
ジュン「……しっかし大変だな、お前も…」
グッ
真紅「肩なんかこってないわよ」
真紅 「おやすみ、ジュン」
ジュン「…ったく、高校にもなって何で一緒に寝ようとか言い出すかな…」
真紅 「……」
ジュン「…真紅、寝たのか?」
真紅 「ん……ジュンッ」
ジュン(ッ!? 寝言で僕の名前を……?)
真紅 「探偵を辞めたくんくんなんて……くんくんじゃないわ………ただのノラ犬よ………すーすー…」
ジュン「何て寝言だよ……ほら、毛布乱れてるぞ」
親に抱かれた子供のように、安心しきった真紅の寝顔をじっと見つめる。
ガキの頃なら可愛いですんだかもしれない。でも、今は幼なじみでもあり、男と女でもある。
ジュン(意識するのはいつも僕ばっかりだ……)
真紅 「ん…」
ジュン「――ッ!?」
突然、真紅の両腕がジュンの首に絡まる。寝ぼけているのか、瞳は閉じたままだ。
ジュンは真紅に抱きしめられ、唇がくっつく寸前まで顔を近づけることになる。
ジュン「お前は……何でいつもそうなんだよッ」
言うこと聞いてやってるのは、可愛いから。自分だって男だ。下心がない訳無いじゃないか。
ジュン「僕の気持ちなんか知らん顔して、人を下僕だのなんだのって……」
真紅の小さな唇から目が離せない。
ジュン「下僕だなんて油断してるから……」
ジュンの唇が吸い込まれるように近づいていく。
真紅 「……ご褒美、欲しかったの?」
ジュン「っ!? し、真紅! お前起きて…」
慌てて飛び退こうとするジュンを真紅は離さず、ジュンの唇を奪う。
子供の頃から見慣れた真紅の唇が今、自分の目の前に…。
真紅 「ん……あっ……はぁっ…………………ジュンのキス、妙に手慣れてるけど…まさかあなた」
ジュン「…始めてに決まってるだろ」
真紅 「そう……なら、こんな甘くておいしいキス……今後も他の娘になんかしては駄目よ?」
ジュン「何でお前にそんなこと、決められなくちゃならないんだよ。付き合ってる訳でもないのに…」
真紅 「あら、わたしに仕える報酬としてキスを望んだのはジュンの方じゃない」
ジュン「ぼ、僕はそんなこと…っ」
真紅 「もう遅いわ。報酬を受け取ってしまったのだから……これから一生かけて働いて貰わないと」
ジュン「一生って、お前…」
真紅 「…言い方が気に入らないのなら言い直すわ。ちゃんとお願いすれば、聞いてくれるんでしょ?」
真紅 「これは命令じゃなくて真紅からお願い……ジュン、ずっとわたしの側にいてちょうだい?」