※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

水「ねぇ~ジュン、これからジュンの家にいってもいい?」
放課後の教室、ジュンの机の上に座って雑談をしていた水銀燈が言った。
普段であれば水銀燈はバイト先の喫茶店に向かう時間であったが、今日はお休みらしい。
J「(セクロスフラグキタコレwwwww)いいよ」
水「ほんとぉ?最近ジュンの家にいってなかったから行きたかったのよぉ」
J「バイトどう?そんなに忙しいんだ」
言いながらジュンは水銀燈の手を握り、席を立つ。
水銀燈もそれに答えるように強く握り返し歩みを進める。
水「どうしたのぉ?今日はやけに積極的ねぇ」
J「寂しかったから甘える」
水「あぁんもう可愛いわねぇ」
二人の空間だけなぜか甘ったるい、このまま焼いたらべっこう飴でも出来そうなくらい甘ったるいのだ。
ジュンとて恋を知れば性欲も溜まる普通の高校生なのだ。
自分の恋人が家にくるという事はナニとかする訳で、彼の頭の中はピンクな妄想でいっぱいだった。
だがそれを口には出さない、偉いぞジュン。

二人のイチャつきっぷりを遠めに見る怪しい影…
紅「きぃーーー!!!」
金「見せ付けてくれるじゃないかしら!ムカツクかしらー!!!」
紅「不愉快だわ!水銀燈ごときが…ギリギリ」
金「っていうか出番これだけかしら!理不尽かしらーー!」
ベ「ここから(ry」
地団駄を踏みながら教室内で叫んでる二人をベジータは恐ろしいものを見るような目でみつめていた…

J「ただいま~」
水「おかえりなさぁい、ふふ」
J「ただいま、水銀燈」
あぁいつものがはじまった。とジュンは思いながら返事した。
水銀燈とはかれこれ10年近い付き合いになるが、彼女はジュンの家に来る時は一度たりとも「おじゃまします」とは言わかった。
あたかも、我が家のように「ただいま」と言うのだ。
なぜだかは知らない、ただ「ただいま」と水銀燈が言っても、ジュンには心地よく聞こえた。まるで本当の家族のように。
水「ジュンの家も久しぶりだわぁ」
J「家が隣同士なのに?」
言いながら後ろから抱きつく、水銀燈の髪に顔をうずめる。

水「あん、もぉ。甘えんぼさぁん」
J「シャンプーの香りがする、水銀燈の匂いだ」
チュと首筋にキスをひとつ落としながら耳元で囁いてみる。
水「もぉ、そんなことされたらぁ我慢出来なくなるでしょ」

「俺は我慢できないよ…水銀燈」
水「久しぶりに、しよっかぁ」
J「じゃあ、上いこ」
水「ジュンったらエッチねぇ」
J「お互い様だろ」

ベッドの上、ジュンの腕をマクラ代わりにしながらふと、水銀燈は思った。
私はジュンに会えてよかった、ジュンにすべてを捧げられてよかったと…
水「フフ」
そう思うと自然に笑みがこぼれてしまう、だが彼は疲れて寝てしまってるから問題ないだろう。
そうだ…言ってしまおう。普段は彼が言ってから、続けてるあの言葉を…
水「ありがとぉねジュン、愛してるわぁ」
水「(やっぱり、いざ口に出すと恥ずかしいわぁ)」
照れ隠しに彼の腕をギュっと抱きしめながら、心地よい眠気に誘われながら水銀燈は目を瞑った。

END


雛「うゆー。今日はお出かけしてくるのー」
水「そう。一人で大丈夫かしらぁ?」
雛「大丈夫なのー!」
水「うふふっ。じゃあ行ってらっしゃぁい」
雛「行ってきま~すなのー!」

水(私も今夜のお夕飯のお買い物行かなきゃ。今日はジュンが来る日ですものねぇ~)


デパートにて
水「ふぅ…こんなものねぇ~。ジュン、喜んでくれるといいなぁ」
水「時間も余っちゃったし……お洋服でも見よ♪」

婦人服売り場にて
水「このブラウスかわいいわぁ~♪」
水「…あらぁ?あそこにいるのって…ジュン?よねぇ…。うふふっ。声かけちゃえ♪」
水「ねぇ~ジ………」
雛「ジュン~♪これどう?ヒナに似合ってる?」
J「ああ。いいんじゃないか?」
雛「ね、ね、かわいい?」
J「もちろん。可愛いよ…」

水「な…なんで…雛苺が……ジュンといるのぉ………?一人で出かけるって………言ってたのにぃ……」
いたたまれなくなり、水銀燈はその場から逃げ出した

自宅に帰ってきた水銀燈は部屋に籠もり、一人さめざめと泣いた
水「なによぉ…なによぉ…なんなのよぉ…」
水「ジュンも雛苺も…ひどいわぁ…」
そしてどれだけ時間が経ったのか。辺りがだいぶ暗くなり始めた頃、玄関のベルが鳴った
水「会いたくないなぁ…」
(ピンポーン)
水「あ…でも合い鍵渡してたんだわぁ…」

J「水銀燈ー。入るぞー…」

水「あ~あ…入って来ちゃったぁ…」

J「水銀燈ー。どこだ?部屋か?」

水「…やだぁ…入ってこないでぇ…」

そして、ジュンは水銀燈の部屋の扉を開けた

J「水銀燈…?」
水「あらぁ…ジュン…。いらっしゃぁい…」
J「なっ…!どうしたんだ?泣いてたのか?」
水「べつにぃ…泣いてなんか…ないわよぉ…」
J「なにがあったんだよ」
水「私の心配なんてしなくていいわぁ。あなたには雛苺がいるでしょう?」
J「雛苺…って…おまえ何を…」

水「とぼけないでよぉ!」
突然水銀燈は語気を強めた
J「と…とぼけてなんか…」
水「私のことが…もう嫌いなら……私と会うのが嫌なら……そう言ってよぉ!」
J「水銀燈!」
ジュンは水銀燈を抱きしめた
水「もう…やめてよぉ…」
J「俺はおまえを愛してる。いつだって、愛してる」
水「…今日…昼間、雛苺といたわよねぇ…」
J「えっ…?ああ…」
水「雛苺ね、朝私に『一人で出かける』って言ってたの。でも実際はあなたといたわよねぇ…」
J「あれは…」

J「あれはホント偶然だったんだ。お前に何か服でも買っていってやろうと思って悩んでたら雛苺が来てさ…あいつも服買いに来てたんだ。だからそれに付き合わされて…。その後でお前の買い物をしたんだ」
ジュンは一気にまくし立てた
水「そんな…言い訳なんて、後でいくらでもできるわぁ…」
J「水銀燈…」
水「…ゃ…ぁ…」
ジュンは水銀燈にキスをした。それは彼らがしてきた中で最高に優しいものだった
J「俺は嘘なんて言ってない。水銀燈を嫌いになるなんて…あり得ないよ…」
水「ジュン…」

水「…ジュンの言葉…信じていいの?」
J「ああ。もちろんだ。俺の水銀燈を想う気持ちに、嘘偽りは無い」
水「うん………ごめんねぇ………」
J「気にするなよ」
水「私ったら…グスッ…本当に…ヒグッ…おばぁかさぁん…ウグッ…よく考えたら…それくらい解りそうなのに………」
J「もういいよ。泣くなって」
その一言で、水銀燈は堰を切ったように泣き出した
水「ごめんね!ごめんね!」
ただただそう言いながらジュンに抱き付く水銀燈。ジュンは優しく水銀燈の頭をなでてやった
J「誤解を招くようなことした俺も悪かったよ。だからお互い様、な」
水「うん…。ジュン…優しいのねぇ……」
J「それほどでもないさ!それよりおなか空いたな~…」
水「あ…そうだったわねぇ…。今作るわぁ。まっててねぇ」
J「楽しみにしてるぞ~」

二人は心から愛し合ってる。たまにすれ違いもおこるが…それを乗り越えて、その愛はさらに強いものになる…

糸冬


ちょっと皆に自己紹介するわね。
私の名前は水銀燈。容姿はちょっと外国人入ってるけど、それは祖父祖母が北欧系で母が日本人と結婚した
4分の1なの。私は日本人だけど、銀色の髪がキレイってみんないってくれるわ。
そんな私ももう高校生。外国の血が入ってるかどうかは知らないけれど、他の女の子よりも背が高く、容姿がいいせいか
同姓の子ばっかに人気があるの。
もちろん男の子も山ほどいいよってくるけど、みんなツマラナイ子ばっか。
でも、あの人。一度図書館でみかけたあの男の子だけは私の心にするりと入ってしまったわ。
胸がドキドキする。こんな気持ちははじめて。

だから

今日も気合を入れて
ムチを振るうの。
社会に疲れたブタどもは歓喜の声をあげるわ。私にはそれがとても快感。

だから

あなたはどんな声で鳴くか知りたくて。

『桜田ジュンくん?ちょっとお話があるのだけれども』

話かけたあなたは相変わらず呆けた顔をしていたわ。
その顔がどんな風に歪むのかしら。想像しただけで私、涎が出てしまうわ。
学校も違うし、彼は私のことを知らなかったみたい。
そんなのはどうでもいいわ。
私は彼の手を引いて、お茶でもしようと誘ったわ。
彼はわけもわからずにホイホイとついてくる。
純粋無垢ね。
彼と話をしている時間はやたら長く感じたわ。別に彼の話がつまらなかったわけじゃないの。
むしろ知性的でとても魅力あるわ。
男の子のくせに人形に興味があるなんてかわいいわ。
でも焦ってはだめよ水銀燈。
せっかく籠に入った鳥をナラシもせずにイキナリ指に止めさせようとするのは。

じっくり じっくり と。

・・・我慢なんかできない!彼なら、彼ならきっと・・・私を受け入れてくれるわ。

『あの、ちょっと行きたい所があるんだけど』

神経使ったわ。バイト先の店長に電話して、部屋を一室貸しきらせてもらったの。
お代は今度自分を踏んでくれだって。ふふ。こいつもブタね。この界隈で一番の人気を誇る私だもの。
三ヶ月先まで予約いっぱいなのはちょっとした自慢だわ。
まあそんなことはどうでもいいわ。彼に聞こえないように、部屋をセッティングしてもらったわ。
危ない木馬なんかは隠してもらって。でもムチやロープなんかは床下のカラクリ箱に入れてもらったりしてすぐ取れるようにしたわ。
そうそう。ムードを盛り上げるために特製ジュースなんかも手配させたわ。何が入ってるかは『ヒ ミ ツ』
あと、普通の店を装うためにワザワザ裏口から入ったわ。
彼ったらウブだから、通りにあった店を見て酷く狼狽してたわ。かーわい。
でも、私の店は地域NO.1で一番ハードコアなの。私はその店のNO.1女王さま。
部屋に入るとパッと見、カラオケ屋っぽいわ。店長ったら、隣の店から道具一式借りてきて
そんなに私の攻めを受けるのがwktkしてるの。ちょっとはサービスしてやろうかしら。
焦っては・・・焦ってはだめよ水銀燈。まずは歌を歌うの。
カワイイ歌。大人っぽい歌。ちょっとヤラシイ歌。
三曲も歌えるなんてよく我慢したわ。水銀燈。偉いわよ。
そして喉が渇いたといってジュースを注文するわ。
店長が中に入ってくる。視線が合うとお互いの考えてることが通じたわ。お菓子をサービスするなんてGJよ。
彼にお菓子を食べさせてあげるわ。顔が赤くなってる。初々しいわね。
ジュースも半分以上飲んでるわ。なにかモゾモゾしてるわ。効果はテキメンね。
じゃあちょっと押してみようかしら。
ポッキーを口にくわえて、彼の前に出してみる。古典的な行為だけど、これはこれでいいわ。
彼が生唾飲む音が聞こえたわ。もうちょっとね。

『ねぇ。早く・・・食べて(はぁと』

彼の行動にビックリしちゃったけど、彼は初めてだっかから主導権を握るのは容易かったわ。
ちょっとこれ以上詳しく書いちゃうとまとめサイトに乗らなくなっちゃうから自主規制するけど、
彼ったら、体中の栓が緩んだみたいになっちゃって。でも彼の声は狂おしいほど愛しかったわ。
私の予想通りね。傷つけた場所を優しく舐めてあげると、またいい声で反応するのよ。
みんなにも聞かせてあげたいけど、彼は私のものだからそれは無理ね。
アイマスクを取ってあげると、またトロンとした表情が私の心を刺激させるの。
むしゃぶりつくようにキスをしてしまったわ。はしたない子ね、水銀燈。
彼に聞いてみたわ。

『私のこと好き?』 いいえ、愛してます。
『私とこんなことしてどう思う?』 とても幸せです。
『他の人には?』 銀さまを独り占めできるなんて口が裂けてもいえません。
『でも外では?』 水銀燈。と呼びます。
『私はあなたのこと愛してるわ』 この上ないこと幸せです。

洗脳完了したわ。
ふふ。でも彼は外面も内面も私好み。
公私の使い分けが私と同じでできる人だわ
お母様。かつてヨーロッパNO.1の人と呼ばれたあなたに追いつくためには、彼が必要だと悟りました。
水銀燈はいけない子だけれども、彼と一緒にあるいて行きたいと思うの。
お父様がそうだったように。

もう一度彼とディープキスをしたわ。
そして改めて言うの。

『ア イ シ テ ル』

水銀燈は女王さま! ~完~


水銀燈はふと目が覚めた。
ぼんやりとした思考のまま時計を探す
時計を見るとまだ4時前。
今日は日曜日だからゆっくり寝ていられる。
そう思い目を閉じ布団にもぐるとすぐ横に気配を感じた。
隣を見るとジュンがちょうど寝返りをうったところだった。
銀(なんでぇジュンがここにいるのかしらぁ)
いまだはっきりしない思考で記憶の糸を手繰り寄せる。
銀(確か昨日はジュンの家にご飯を作りにきてぇ・・・そのまま泊まることにしたんだっけ)
たっぷり1分かけてようやくそこまで思い出せた。
部屋を見渡せばそこは見慣れた自分の部屋ではなくいささか散らかった男の部屋
銀(これは起きたら部屋の掃除ねぇ)
そう頭の片隅にメモを取ってから横で寝息を立てる少年の頭を軽く撫でる。
ジュンはくすぐったそうに身じろぎをするが水銀燈はお構いなしに撫で続ける。
ふいにジュンが水銀燈を抱き寄せ、パジャマの胸に顔をうめた。
銀「きゃ」
小さく悲鳴を上げるも水銀燈は抵抗することなくなすがままにされた。
銀「ジュン、起きてるのぉ?」
彼の耳元でそっと囁くが返答はない。
どうやらまだ眠っているらしい。
銀「もう、甘えん坊ねぇ」
そうに呟いてからジュンの頭を抱きかかえるようにして水銀燈もそっと目を閉じた。
銀(・・・もう少し一緒にねましょう)
私の名前は水銀燈。どうも皆さんこんにちわ。
なんか嬉しそうに見える?ふふ。そうね。世間一般でいうところの彼氏って奴が出来たからかしら。
彼と二人で街を歩いていたからかな?学校での噂はそのことで持ちきりで質問攻めばっか。
『私?彼氏できたよ』
と言ったらその日のだけで80人くらい早退したらしいわ。家で悩んでるなんてなんていじらしいの。
え?彼との行動を言ってくれだって?
そんなこと言ったらノロケになっちゃうわ。他人のノロケ話と子供も話ほどムカつくものはないのだけれど
あなたたちが聞きたいっていうんだったら言ってあげてもいいわ。
昨日はね。昼間はウインドウショッピングなんてして、それはそれは健全なものだったわ。
そのあとサイゼリ屋で食事をしたわ。学生ですもの。お金ないしね。
でそのあと、時計の針が十二時回ったあと、彼と一緒に公園を散歩したわ。
え?それじゃあ昼と変わらないですって?
ふふ。そうね。言葉が足りなかったわ。
彼を首輪に繋いで散歩したの。彼は裸で目隠しをして、ボールをくわえさせてね。
私?私はもちろん・・・コートの下は・・・言えないわ。
そのあと、彼にお預けをした時は・・・なんていうかゾクゾクしちゃったわ。
もう犬になってしまったの・・・。二人でね。

水銀燈「私は、盾になりたい。この汚れた体も妹達の明日の為に使えるなら。
      私は、盾になりたい。親友のメグを守りたい
      私は、盾になりたい。何も考えること無しに何かを果たせる気がするから
      私は、盾になりたい。本当は戦うことが怖くて仕方が無いから」
「ふふふ…すてきよぉ。」

薔薇の首輪で繋がれ…
銀色の鎖をくわえ…

「…ねえ…さま…ああっ…。」
「あらぁ…一人でイっちゃうのぉ…ずるいわぁ…。」

少女は愛の雫を舌で掬い取る…

「んっ…」

それはまるで…
天使を調教してるよう…

「ほら…自分を閉じ込めないで…身を任せなさぁい…。」
「ねえ…さま…」

月明かりに照らされる髪は羽のように広がる…

「私のこと…想ってくれてるぅ…?」

何よりも一人が怖い…

「だから…」

神の下で愛し合おう…貴女と二人…。


何をするわけじゃなくても
こんなにいとしい時間が流れていく
いたずらに笑う仕草も、口癖も
貴方らしいと思う程、私は貴方を好きになった。

恥ずかしくてまだまだ言えそうにはないけど・・・
貴方が思うよりもきっと
貴方を大事に想うから

「また、あした」で今日が終わる
ずっと一緒にいれたらイイナ
夕暮れが映し出した二人の影を見つめながら
私はそんなことを考えていた。

「あんまり得意じゃなくて」と
俯きながらも 貴方はくれた
私にだけ愛の心地

本当の私はきっと貴方だけしか知らない
それでも私は貴方のすべてを
ずっと信じるから

平凡な当たり前を
ずっと大事にできたらイイネ
貴方がいて私がいる
相も変わらず今日も愛してる

「また、あした」で今日が終わる
ずっと一緒にいれたらイイナ
夕暮れが映し出した二人の影を見つめながら
私はそんなことを考えていた。


J「どうしたんだ?」
銀「なんでもないわぁ、ジュンまたあしたねぇ」
J「うん、また明日」


[エンゲージ]

最初に感じたのは違和感だった。普段当たり前のようにあるそれが喪失したことによる違和感。
彼女が何を僕にしたのか解らない。
「…ごめんなさいね。でも確かな物が欲しかったから。」
彼女は少し申し訳なさそうに呟く。
その言葉で現実感がやっと沸いてくる。
初めは激しい痛みが体を貫く。そして、体が消し飛んでしまいそうな喪失感と恐怖。
イタイイタイイタイイタイイタイイタイコワイコワイカノジョガコワイ
「あ、う・・・ぐぅ」
悲鳴を上げなかったのは奇跡だろう。いや、こんな事になっても彼女をまだ信じ愛しているからだろうか?
「ごめんなさい、痛いわよねぇ。」
傷口から血が流れて行くのが解る。少しずつであるが寒気が襲ってくる。
痛みを堪え、ようやく顔を上げることに成功する。
ジリジリとナメクジが這うようなスピードで顔を上げる。いったいどれだけの時間が経過したのだろうか?
1分?それとも1時間?いや実は数秒のことなのかもしれない。
これは痛みのためか、それとも恐怖か。
やがて彼女と目が合った。
彼女のカオはいつもと同じカタチなのに、なぜだか僕には別の誰かに見えた。

痛みから思考を離すために頭の中を色んなことがよぎる。グルグルグルグルと彼女との思い出が、
ついさっきの彼女の行動の理由についての考えが、廻っている。
彼女の顔が動く。
ゆっくりとその愛らしい口を動かすと、肉をすりつぶすグチュグチュという音と、
ボリボリという骨が砕ける音が聞こえる。
ああ、なんかちょっと下品かもな。と見当違いな事が頭に浮かぶ。
やがて、彼女が彼女が見せ付けるようにその白い喉を晒し、ゴクリと音を立てて[ソレ]を飲み込んだ。
その瞬間「っ!?ぁぁぁぁああっ!」またどうしようもない痛みと喪失感が、襲う。
自分が失ったということに、[ソレ]は二度と帰らないことに、やっと気づく。
二度と帰らない。自分は壊れてしまったのだ。彼女が壊してしまったのだ。
「ごめんねぇ、ごめんねぇ。」彼女は泣きそうになりながら何度も僕に謝る。
しかし痛みと喪失に取り付かれた僕には、遠い世界の声にしか聞こえない。

やがて彼女は跪き、僕の何を見ているかもわからない視線の先に影を作った。ああ、これは地面だ。
僕は蹲っているんだ。彼女は僕のそばにいるようだ。痛みと現実感の折り合いが付き始めてきたようだ。
また思考が廻り始める。だが考えは巡らない。
血が止まるように、少しでも痛みが治まるように、僕は傷口を抑える。
「病院に行ったほうが良いんでしょうけど・・・その前にお願いがあるの。」
そう言うと、彼女は僕の頭を手のひらで包み込み、顔を上げさせる。
目の前がブラインドを落としたように薄暗い。頭がクラクラして彼女が歪んで見える。
彼女は僕に軽口付けると、自分の左手の薬指を僕に宛がう。
何がなんだかわからない。いや、解っているのに脳がその答えを拒否している。
「ね、お願い。私も同じにして?」
カノジョガナニヲイッテイルカワカラナイ、ワカラナイワカラナイワカラナイワカラナイ・・・
「お願い、貴方があの子に指輪をプレゼントしたように。私にも絆をちょうだい?」
「ぼ、くは、そんなつ、もりで指輪を…」
「解ってるわ。でも・・・不安でしょうがないのよ!・・・だから絶対誰にも真似出来ない絆が欲しいの。」
「……」
「お願い、一緒にジャンクになって。ずっと一緒にいましょう?」


終わり