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『変わらない日常』

―昼―
翠「JUM、翠星石と蒼星石が一緒に昼ご飯食べてやるです、ありがたく思いやがれですぅ」
蒼「翠星石、そんな言い方しちゃダメだよ」
紅「あら、残念だけどJUMは私と食べるのだわ」
J「だぁぁもう・・・、うるさいなー・・・」
こんな感じに一人の男子を巡り言い争いが起こる毎日。
銀「JUMぅ、あんなおばかさん達は放っておいて私と食べましょうよぉ」
J「お前もドサクサに紛れて抱きつくなよな・・・」

そんな事を二人が見逃すはずも無い。
翠「水銀燈! JUMから離れやがれです!」
紅「私の下僕を誘惑するのはやめてちょうだい!」
銀「いやよぉー♪」
翠「キーッ!!」
蒼「やれやれ・・・」
だが、端から見れば一人の冴えない男子が四人もの美少女に囲まれていれば面白く無い。
男1「チッ・・・、また桜田かよ」
男2「アイツ最近調子乗りすぎじゃね?」
男3「だよな、仲間集めて少し痛めつけてやんね?」
男1「そりゃいいな」
男2「どうせなら・・・ってのどうよ」
男3「それ最高!早速集めようぜ」
こうして事が動き始めた。

―放課後―
翠「あれ?JUMは何処に行ったです?」
蒼「JUM君なら先生に用事頼まれてどっか行っちゃったけど」
翠「それじゃしょうがねーですね、蒼星石はもう帰るですか?」
蒼「いや、僕も少しやらなきゃいけない事があるから先に帰っていて」
翠「わかったです、真紅はどうするです?」
紅「そうね・・・、私は特に用事が無いからもう帰ることにするわ」
蒼「水銀燈は?」
銀「私は部活があるから遠慮しとくわぁ」
翠「じゃ、翠星石達は帰るとするです」
紅「また明日」
蒼「気をつけてね」

―通学路―
他愛の無い話が続く中後ろから数人の気配がした。
紅「・・・どうやら、つけられているようね」
翠「ストーカーですか・・・?」
紅「どうかしら、ただ一人じゃないようだけれど・・・」
二人は後ろからの追跡者には気が付いていた、しかしそっちに気を配るあまり前からも来ている事に気がつけなかった。
曲がり角から出てきた男二人がスタンガンを突き付けた。
翠「キャアッ!!」
紅「――ッ!!」
視界が暗転する。

紅「・・・っ、ここは・・・?」
男「ようやくお目覚めかい?」
目が覚めた時には、先程の通学路ではなく暗く狭い倉庫の中のような場所に縛られていた。
隣には同じように縛られ気絶している翠星石がいた。
紅「こんな事をしてどうするつもりかしら・・・?」
男「ちょっと痛めつけたい奴がいてな、お前らはその人質って事だ」
紅「痛めつけたい奴・・・?」
男「ああ、桜田って奴だ」
紅「JUMですって!?」
男「お前らを人質に取れば絶対来るだろうからな、そこに寝てる奴と一緒に目の前でボコボコにしてやるよ」
紅「JUM・・・」
男「そうそう、逃げようなんて事考えるなよ・・・、ここには俺らの仲間がそこら中に居るからな」
そう言い残し男は部屋から出て行った。

翠「ん・・・んぅ・・・」
紅「気が付いた?」
翠「しん・・・く? ここ何処です・・・?」
紅「分からないわ、ただ私達は人質のようね」
翠「人質!? どういう事です!?」
紅「落ち着きなさい、向こうの狙いはJUMのようなのだわ」
翠「JUM!? どうしてですか・・・」
紅「それも分からないわ、とにかくもう少し様子を見ましょう」

J「結構遅くなっちゃったな、そろそろ帰るか・・・」
ヴー・・・ヴー・・・
マナーモードにしていた携帯のバイブレーションが響く。
J「ん・・・、真紅から写メール・・・? 珍しいな」
そう思いつつメールを開く。
J「――――ッ!?」

蒼「これでよしっと・・・」
仕事が終わって一段落していたところに水銀燈が入ってくる。
銀「あらぁ? 貴女まだ残っていたのね」
蒼「うん、結構時間かかっちゃってね、水銀燈はどうしたの?」
銀「忘れ物しちゃってね、部活が終わったから取りに来たのよ」
そんな話の最中もの凄い勢いでJUMが入ってくる。
J「蒼星石! 水銀燈! ここに居たのか!」
銀「JUM? どうしたの、そんなに慌てちゃって」
J「・・・」

無言で先程携帯に来たメールを見せる。
蒼「!?」
銀「これって・・・、真紅と翠星石?」
本文にはこうあった
桜田、写真の通りこいつ等は預かった。
無事に帰して欲しいなら二丁目の廃工場まで来い。
蒼「二丁目の廃工場って・・・、確か不良の溜まり場っていう・・・」
銀「JUM・・・、どうするの?」
J「呼ばれたのは俺だからな、助けに行く」
蒼「いくら何でもJUM君一人じゃ危ないよ!」
J「でも・・・」

銀「ふぅーん・・・、じゃあ私も行くわ」
J「なっ! それこそ危険だろ!」
銀「あら、これでも私剣道部のエースよぉ」
J「いや、それは知ってるけど・・・」
蒼「なら・・・、僕も行く!」
J「蒼星石まで・・・」
蒼「翠星石が捕まって何されているか分からないのに、僕だけ何もしないなんて嫌だ」

J「分かった・・・、だけど一戦やる事になるかもしれないぞ?」
銀「なら木刀でも持って行こうかしらぁ」
J「それは銃刀法違反だろ・・・」
銀「ばれなきゃ大丈夫よぉ」
J「蒼星石は?」
蒼「僕は・・・、アレがいいかな」
銀「アレ?」

三人は園芸部の倉庫に向かった。
蒼「あった、これこれ」
銀「これって・・・」
J「た、高枝切りバサミ・・・?」
蒼「ただの高枝切りバサミじゃないよ、最大3mまで伸びるんだ」
J「まぁ・・・、丸腰よりはマシか・・・」
銀「JUMはどうするの?」
J「取り合えず用意がしたいから、30分後にもう一度学校で集合でいいか?」
蒼「うん、分かった」
銀「じゃあ私も一旦戻るわぁ」
そうして三人は一旦別れた。

―三十分後―
J「ごめん、遅くなった」
水銀燈は制服を着替えて、竹刀袋を持っていた。
銀「準備は良いかしら?」
蒼「うん、大丈夫だよ」
一方、蒼星石は制服のままだった。
J「蒼星石、服そのままで良かったのか?」
蒼「うん、スパッツ穿いているから」
J「いや・・・、そういう事じゃないけど・・・」
蒼「それよりも急ごう、二人が心配だよ」
J「そうだな、行こう!」

―廃工場・別室―
紅「まだ動きが無いみたいね・・・」
翠「ここは嫌です、早く帰りたいですぅ・・・」
紅「心配ないわ、きっとJUMは来てくれるのだわ」
その時部屋に男が入ってきた。
男「二人とも部屋の外へ出ろ」
紅「何故かしら?」
男「何時まで経っても奴が来ないんでな、催促してやろうってのさ」

突然JUMの携帯が鳴り出す。真紅の携帯からのコールだった。
JUMの雰囲気を察し、二人とも無言になる。
J「もしもし・・・?」
男「おいおい、遅いじゃねえか、俺ら待ちくたびれちゃったんだけどー?」
調子に乗った口調で話す男。
J「今そっちに向かってる、真紅と翠星石はどうした・・・?」
男「ああ、二人ならここに居るぜぇ?」
そう言って男は真紅の髪を引っ張る。
紅「キャアッ! 離しなさい!」
翠「真紅!」
男「今はまだ何もしてないが、いつまでもチンタラしてると・・・、この二人どうなるか分かんないぜぇ?」
そうして一方的に通話が途切れた。

J「チッ・・・、切れたか」
銀「二人は大丈夫そうなの!?」
J「今はまだ大丈夫みたいだけど・・・」
蒼「とにかく急ごう!」

紅「さっさと私の髪から手を放しなさい! 汚らわしいのだわ」
男1「おいおい、今の状況分かっててそういう事言ってるのか?」
紅「当然よ、貴方たちみたいなゴミが気安く触れないで頂戴」
翠「ちょ、ちょっと真紅・・・」
男2「・・・いい加減、口の利き方に気をつけた方がいいんじゃねえの?」
紅「貴方たちなんて、JUMが来れば大したこと無いわ」
男3「桜田がァ? あんなヒョロいのどう見ても雑魚じゃねーか」
紅「あら? 私にとっては貴方たちの方がよっぽど雑魚に見えるけど?」
男1「何だと・・・?」
紅「0が20居ても50居ても所詮0、敵じゃないわ」
その瞬間真紅の頬に痛みが走る。それが殴られたという事はすぐに分かった。
翠「真紅!」

男1「いい加減にしろって言ったはずだが?」
紅「くっ・・・」
キッと男達を睨みつける真紅。
男2「ムカツクなぁ、その目」
男はポケットからバタフライナイフを取り出した。
紅「ッ!? 何をする気!?」
男2「何ってナニよ、ここに居る全員でたっぷり可愛がってやるってんだよ」
周りを見ると先程の男の言った通り、相当の人数の不良が集まっていた。
翠「は、放すです!」
振り返ると翠星石の方にも別の男がにじり寄っていた。

男2「おいおい、よそ見してる場合じゃないぜ」
男が言った瞬間真紅の制服のブラウスが切り裂かれる。
男2「クク、胸ねぇなあ、Aカップか?」
男の卑猥な質問に顔を朱に染め睨む真紅。
翠「い、イヤ! 触るなですッ!」
男3「ヒヒ、こっちは中々いい感じじゃねーか」
男が嫌な笑い方をしながら翠星石の体を弄る。
紅「やめなさい!下劣ね!」
男1「まだ言うか、ならお望み通りにしてやるよ」
男が真紅に詰め寄ろうとした瞬間、工場の扉が開いた。
J「・・・そこまでにしたらどうだ?」

紅「JUM!」
翠「それに蒼星石と水銀燈!?」
男1「こんな時まで女連れかぁ? 桜田!」
銀「あらぁ、メールにはJUM一人で来い、なんて書いてなかったわよ」
蒼「それに姉と親友がこんな事になっているのを、見過ごす事なんて出来ないからね」
J「そういう事だ、全員ぶっ飛ばしてでも返してもらうぞ」
男1「そういう態度がムカツクってんだよ! お前ら、やっちまえ!」
男達がナイフや鉄パイプを持ち襲い掛かってくる。
銀「三下っぽいセリフねぇ」
蒼「全く、サルの方がまだ利口そうだよ」

男4「ふざけるなァ!」
怒り狂った不良が水銀燈に向かって鉄パイプを振り下ろす。
だが、水銀燈は軽く交わしてしまう。
銀「力任せに振り回すだけじゃ当たらないわよぉ」
瞬間、男の肩が木刀で突かれる。男は痛みのあまり気絶した。
銀「一撃で気絶なんて大したことないわねぇ」
男5「テメぇ!」
別の男がナイフを構え突っ込んでくる。
銀「遅いわ・・・!」
構えていた両手に木刀が直撃し、ナイフが地面に落ちる。
男5「ぐゥッ!」
銀「よそ見しないッ!」
ゴスッ!
男の顔に回し蹴りが入り、白目をむいて気絶した。

男6「おいおい、なんだそりゃ」
男7「そんなモンで何しようってんだ?」
数人の不良が蒼星石の高枝切りバサミを見て笑う。
蒼「キミたち程度相手ならこれで十分さ」
そう言ってハサミの長さを最大にする。そして槍の如く振り回す。
ヴォンッ!
風を切る音と共に鋏で数人をまとめて薙ぐ。
一瞬の隙をついて男が懐に潜り込もうとしようとしたが、もの凄い速さで鋏の柄が男の顎に直撃した。
蒼「伊達に園芸部部長はやってないよ」
銀「部長はともかく・・・、貴女結構やるのねぇ」
蒼「まあ、鋏は使い慣れているからね」
銀(どういう使い方してるのかしら・・・)

J「あの2人・・・、水銀燈はともかく蒼星石があんなに強いなんてなぁ・・・」
一人先行したJUMが後ろを振り向く。
男8「どこ見てやがる! バカがッ!」
巨体の男が、後ろを向いているJUMに渾身の力を混め金属バットを振り下ろす。
バシッ!
だが、その攻撃は左腕一本で簡単に止められた。
男8「なッ!?」
受け止められるとは思ってもいなかったのだろう、驚きのあまり無防備になってしまう。
J「バカは・・・、どっちだ!」
そう言うや否や、右腕を男の顔面に打ち込む。
男8「グギャァ!」
蛙の潰れたような声で男が倒れる、鼻の骨も骨折したようだ。

翠「蒼星石も水銀燈も凄いです・・・」
男3「ど、どうなってんだよ! こっちは50人だぞ!? なんで押されてるんだよ!」
紅「だから言ったじゃない、0はいくら掛けても0だって」
そう言ってる間にもどんどん数は減っていく。
男1「クソッ!お前らも行け!」
男2「こ、こんなの聞いてないぞ! 俺は降りるからな!」
男3「お、俺もだ!こんなのワリに合わねえ!」
一人が逃げ出し、それにより芋づる式に逃げ出す。

ヒュオン!ガスッ!
巧みに木刀を操り、次々と男達を叩きのめす水銀燈。
銀「弱ぁい、情けなぁい」
軽口を叩いているものの、目は明らかに本気である。
蒼「水銀燈、残りは殆ど逃げちゃったみたいだよ」
銀「それならあと一息って事ね、さっさと片付けましょう」
蒼「そうだね」
話しつつも鋏を振るい一人、また一人と倒していく。

男1「何でだ・・・、こっちは50人居たんだぞ・・・」
紅「これで後は貴方一人、人望が無いわね」
翠「こんなみみっちい事企むような奴です、所詮はこの程度ですよ」
男1「クソッ! お前来い!」
紅「キャアッ!」
翠「真紅!」
男1「桜田ァ! それ以上反抗してみろ! こいつが如何なってもいいのか!?」
男が真紅にナイフを突きつける。
J「・・・・・・」
勧告を無視し歩みを止めないJUM。

男1「おい! 聞いてんのか!?」
J「黙れよ、ゴミが」
一瞬、男の視界からJUMが消える。
男1「え・・・?」
次の瞬間男の顎に猛烈なスピードのアッパーカットが入る。
男1「うご・・・ッ!」
男は仰向けに倒れ、そのまま気絶した。

J「真紅、翠星石! 大丈夫か!?」
紅「ええ、服を切られた程度で大した事は無いのだわ」
翠「グスッ、蒼星石ぃ・・・」
蒼「もう大丈夫だよ、翠星石」
翠「凄く怖かったですよ・・・」
銀「取り合えず救出は終わったんだし、早くここから離れましょう」
水銀燈が地面に寝ている男の携帯を投げ捨てる。どうやら警察を呼んだようだ。
J「そうだな、警察が来る前に帰ろう」

―翌日―
J「おはよう」
紅「おはよう、JUM」
銀「昨日の奴ら全員捕まったらしいわよぉ」
蒼「まあ、これで一件落着だね」
翠「それにしても、JUMがあんなに強かったなんて知らなかったです、ちったあ見直してやるです」
蒼「惚れ直したじゃなくて?」
翠「蒼星石は一言多いです!別に惚れてなんか・・・」
銀「ならJUMは私が貰っちゃうわぁ♪」
紅「JUMは私の下僕よ、寝ぼけないで頂戴」
翠「キーッ!!!」
J「だぁぁもう・・・、朝からうるさいなー・・・」
蒼「やれやれ・・・」
こうしていつもと同じ日常が戻ってきた。

―End―