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「ジュン君チョコレート食べる?」
「いいのか?」
「いいよね? 翠星石」
「しやっしゃーねーです」
「おっうまいな」
「でしょ? 翠星石がバレンタインの為に作ったのに渡さないんだよ」
「そうなのか? こんなの貰ったら俺は一発だな」
「だって翠星石」
「そっ蒼星石!!」
「じゃーね後は二人でね」
「行っちまったです」
「っで誰に渡そうとしたんだよ」
「うっそれは……」
「ちゃんと渡して食べてもらわなきゃな」
「食べてくれた……です」
「そうなのか?」
「はい……です……ジュンは食べてくれたです」
「えっ? まさかこれって」
「わっ悪いですか?」
「いや……ありがとう」
「答えを……聞いていいですか?」
「答え……ん~すぐには出ないよ」
「そうですよね」
「けどあれだ、たまにでいいからお前の手作り弁当食べてみたいな、チョコレートはこんなに美味かったし」
「それくらい容易いです、そのかわり」
「そのかわり?」
「ホワイトデーは高くつくですよ」


 その日。翠星石と蒼星石は2人で買い物に来ていた。
 といっても服やら何やらいろいろ買い込んでいるのは専ら翠星石で、蒼星石は半ば荷物持ちになっていた。傍から見れば男が尻に敷かれているカップルである。
 2人は1ヶ月ほど前からクラスメイトのジュンと付き合っている。その頃から蒼星石も段々外見に気を使うようになってきたが、まだそういった機微は良く分からないようだ。
「それにしてもずいぶん買い込んだね・・・」
「翠星石の分だけじゃないですぅ。帰ったら蒼星石を着せ替え人形にしてやるです」
 こんな2人にとっていつもと何も変わらない日。今日もそのまま終わるはずだった。
着うた>マッダーイワナーイデ
「?ちび人間から電話ですぅ」
 翠星石は荷物を抱えていない方の手で電話に出る。
「どうしたですか、ちび人間」
「お前、蒼星石に荷物持たせすぎ」
「な、何でそれが!?どこにいるですか!?」
「前見ろ、前」
 翠星石が言われたとおりに前を見ると、交差点の向こうにジュンが立っていた。
「そんなに言うなら、お前に肩代わりさせてやるですぅ」
 そう言って、翠星石は道に飛び出した。同時に、けたたましいエンジン音とタイヤがスリップする音が聞こえた。
 翠星石もそれに気づいたが、その時には既に道路の真ん中近くまで来ていた。ジュンが駆け出しているのが見えたが、どう考えても間に合わない。
 反射的に目を閉じた瞬間、翠星石は後ろから突き飛ばされた。誰かを確かめる暇も無く、道路に頭から落下して気を失った。
 そして、ジュンは見てしまった。この事故の一部始終、その結果を。

 ジュンは病院の待合室に1人で座っていた。自分のひざを思い切り握り締め、ただ待つ。
「蒼星石さんの保護者の方はいませんか?」
 ジュンは跳ね上がるように顔を上げ、出てきた医者のところへ駆けた。
「そっ、蒼星石は大丈夫なんですか!?」
 医者はジュンを一瞥して、怪訝そうに聞いた。
「失礼ですが、蒼星石さんとの関係は?」
「彼氏です。俺には聞かせられないって言うんですか?」
 ジュンの剣幕に医者は少しばかり怯んだが、すぐに落ち着きを取り戻して言った。
「確か、一緒に双子の姉の方が来ていませんでしたか?そちらの方にお話した方が・・・」
 その言葉は、ちくりとジュンの胸に刺さった。
「彼女は事故のときに頭を打って、別の先生に見てもらいました。軽い脳震盪だとかで今は寝てます。彼女にも俺から伝えますから」
「その方とあなたの関係は?」
「・・・彼氏です」
 医者は今度こそ何かを疑う目でジュンを見た。
「はぁ?」
 これじゃ埒が明かない。ジュンの苛立ちは最高潮に達した。
「もういいだろう!彼女はどうなったんだ!?」
「あ、ああ。まあいい、君に話そう。蒼星石さんは―――」

 翠星石が目覚めると、ベッドの横にジュンがいた。
「大丈夫か、翠星石?」
「う・・・ちび人間?ここは・・・」
 そこまで言って、翠星石は気絶する前のことを思い出した。
「蒼星石は、蒼星石はどうなったですか?」
 翠星石がジュンにしがみついて聞いた。まだ意識がしっかりしていないのか、そのままジュンに抱きつく格好になる。
 ジュンは、静かに翠星石を抱き閉めた。
「ジュン・・・?そ、蒼星石は・・・」
「命に別状は無いって。でも・・・」
「でもなんですか!?」
 ジュンは先程の医者の言葉を思い出して、言った。
『彼女は半身不随です。要するに―――』
「腰から下が動かないんだって」
 ジュン本人が驚くような、そっけない声だった。
「そんな・・・だって、飛び出したのは翠星石です!なんで蒼星石がそんなことにならなきゃいけないですか!」
 そう言って、翠星石はジュンの腕の中で泣き出した。ジュンには彼女を抱きしめる事しかできない・・・。

 それから数日。蒼星石は翠星石と2人で住んでいる家に帰ってきた。・・・車椅子で。
 ジュンもよく来ていろんなことを手伝ってくれるが、蒼星石から見て、翠星石は元の調子に戻ったとは言いがたかった。当然ではあったが。
「あのさ、翠星石?」
「・・・花に水をやってくるです」
 翠星石は、事故のときから蒼星石の顔をまともに見ていなかった。
 庭に出て、花に水をやる。今まで数え切れないほど繰り返してきた行動だが、横にはいつも蒼星石がいた。
「あ、草が・・・」
 花に隠れて、雑草が生えていた。それを見たとき、翠星石は耐えられなくなって泣き出した。いつもなら蒼星石が処理してくれていたのに、自分はこんなことにも気づかなかった・・・。
「どうしたんだ、翠星石!」
 そこにジュンがやってきた。
「ジュン、私は、私はどうすればいいのですか!?どうしたら・・・」
 翠星石は泣きじゃくりながら、ジュンの胸に顔をうずめた。言葉は意味を成していない。
 ジュンはそんな翠星石を見て、あろうことか笑みを浮かべた。
「・・・何がおかしいですかぁ」
「僕に案があるんだけどさ」
「へ?」

 翠星石は勇気を出して蒼星石に話しかけた。
(大丈夫です。ちび人間が教えてくれたです)
「そ、蒼星石!話があるですけど、いいですか?」
「うん、何?」
 蒼星石はにっこりと笑って答える。翠星石は目をそらしたくなったが、ここで引いてはいけない。
「なら、庭へ出るです」
「・・・え?」
 それ以上疑問を口にするのを許さず、翠星石はお姫様抱っこの形で蒼星石を抱き上げる。
 蒼星石は翠星石が如雨露と鋏を持っているのを見つけた。
「翠星石、それは・・・」
「2人で庭の手入れをするです」
 蒼星石は事故以来、自分の鋏を見るのも避けていた。辛くなるからだ。
「やめてくれ・・・」
 翠星石はそんな妹の言葉を辛そうに聞いていたが、それでも歩みを止めない。
 とうとう庭に出た。

「う・・・」
 蒼星石は庭を見たくなかったのと、久しぶりに出た外の眩しさで目を閉じた。
「さあ蒼星石、これを持つです」
 翠星石が蒼星石の手に庭師の道具を押し付けるように握らせた。蒼星石はその感触に驚いて目を開いた。
「これは・・・」
「蒼星石はその如雨露でお花に水をやるです。それで翠星石が鋏で草を切るです。これならまた2人で一緒に庭の手入れが出来るです」
 それを聞いて、蒼星石は笑って言った。
「ありがとう、翠星石・・・ジュン君」
「あちゃ、ばれてたか」
 木の陰からジュンが出てきた。
「こんなこと翠星石は思いつかないよ・・・僕も驚いてるんだもの」
「それじゃあ、嫌か?」
「まさか。そんなわけ、ないじゃないか」
 双子の目から暖かい涙が流れた。
「泣いてるのに嬉しいっていうのも、不思議だね」
 2人は涙を流しながら、笑った。


翠「お兄ちゃん!早く起きるです!いつまで寝てるですか!?」
J「ん~…翠星石…手…」
翠「手?手を握るですか?」
グイッ!
翠「ちょっ!!何するですか!」
J「翠星石~…」
翠「こら!!変な所触るなです!あっ、ちょっと、だ…だめです…んっ…ああっ!」
J「ん~…気持いい~…♪」
ふにふに…
翠「だめ…ですっ…!あふっ!ああんっ!」ビクンッ!!
翠「はぁ…はぁ……。」
J「……ふぁ…。あ、おはよう翠星石。どうしたんだ?息が荒いぞ?」
翠「この~…チビバカ兄貴!死ねっ!!」
ガスッ!バキッ!
J「あべしっ!!」
翠「チビ人間、ちょっと話があるです」
J「なんだよ」
翠「ま、まき…」
J「まき?」
翠「真木和泉守について語ろうぜベイベーです」
J「無理。吉田松陰なら知ってるけど」
翠「そ、そうですよね」

翠「JUM、こっちに来いです」
J「今度は何さ」
翠「け、けい…」
J「けい?」
翠「KKKに入らないかです」
J「俺、アジア人だし…」
翠「そ、そうですよね」

J「なあ、本当は何が言いたかったんだ?」
翠「なーなんのことですかー」
J「あ、もしかして告白だったんじゃ」
翠「ちちち違うですよ。自惚れんなアホーです」
J「じゃあなんだよ」
翠「翠星石と、け、契約するです」
J「なんだ。最初からそう言えよ」

翌朝
J「あ、あ、朝日新聞が来てる…!」
おわり


俺「ええ~、付き合い始めて三ヵ月ですが翠星石はチョコを僕にはくれないのですか?」
翠「うるせ~です!ほしかったら翠星石の家に来るのです。」
俺「んじゃ喜んで行かせてもらうよ。」

翠星石の家

ピンポーン

俺「来たぞ~。」
翠「か、カギは開いやがるですから少したったら風呂場まできやがれです」
ジ「???何で風呂場??」
翠「うるせ~です!ぐだぐだいわずにきやがれです」
ジ「はいはい・・・」

数分後、風呂場

俺「言われた通りぬしました~、入って良いですか~?」
翠「は・・入るです。」
ジ「はいよ~。」

ガチャ

俺「入りましたよ・・・・・っていいいいいぃぃぃぃぃ!!!!????」


翠「ぜ・・・全身チョコなのです・・・・チョコと一緒に翠星石も・・・食べるです」


俺「マァァーーベラァァーースゥゥ!!!」


信号待ちしてたら翠星石が来た。
翠星石「お、おはようです」
俺「おはよう、翠星石。・・・後ろに何持ってんだ?」
翠星石「え!?な、なんでもないです! あー!勝手に取るなです!!」
俺「おー綺麗にラッピングしてあるなあ。誰かの誕生日プレゼント?」
翠星石「これは・・・その・・・。・・・この国では、2月14日は誰かにチョコレートを渡す日だとテレビで見たです。
     だから、特別に翠星石が作ったのをヤスヒロにあげるです・・・。」
俺「え!ほんとに!?嬉しいなあ。ありがとう、翠星石。まあ義理なんだろうけど」
翠星石「あ、当たり前です!ほんとはヤスヒロには翠星石手作りのチョコなんてもったいないですけど、
     どうせ誰にも貰えないだろうから、哀れなお前に恵んでやるです。もっと感謝しろです。」
俺「ああ、義理でも本当に嬉しいよ翠星石。じゃ箱開けるね。
  おお凄い。チョコレートケーキだ。しかもハート型。義理なのに気合入ってるな。」
翠星石「さっきから一言一言うるさいです!さっさと食べて感想を述べやがれです!」
俺「そう。じゃ、いただきまーす。・・・・・」
翠星石「・・・ど、どうですか?」
俺「ちょっと苦いかも。でも美味しいよ」
翠星石「そりゃあそうです!けどおこちゃまな舌のヤスヒロにはちょっと大人の味だったですかね。
     まあでも、翠星石が愛情込めて作ったのですから美味しくて当然ですけどぉ。」
俺「え?愛情?入ってるの?」
翠星石「な!な、な、なに言ってやがるですか!そんなもん入ってねーです!
     自惚れるなですぅ!と、とにかく!これからは心優しい翠星石のことをもっと敬いやがれです!」

だって。こんな幸せなバレンタインデーは初めてだよ。
俺は幸せ者だなあ!ハッピーバレンタイン!\(^o^)/