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「…そうねぇ。」
何かを思い立ったかのように、ホームルーム終了の鐘がなると、くるり、と後ろを向き蒼星石の所まで歩いていく。
「ねぇ?」
突然話しかけらたことに、少し驚いたか、蒼星石は不思議そうな顔をした。
「珍しいね。何?」
「デートしない?」
二言目にも驚く。―この反応が思ったより面白い。水銀燈の心の中に悪戯心が生まれた。
「へ?」
目を丸くしつつ、自体を把握しようとがんばっているようだが。

ガタ。

カバンが落ちた。動揺は若干大きいらしい。男女ともに人気の二人がデートとなると
「何?!二人でデートだと?!」
やはりべジータが黙ってはいなかった。それをみつつ、ぽつりと一言水銀燈は告げた。
「あら?二人でいくからデートなのよ。あなたはいらないのよ。御馬鹿さぁん。」

一瞬3人の空気が凍った。
「まぁそういうことで。明日9時に駅前ね。ばいばぁい。」
すぐに空気を溶かすと、さっさと予定を決め水銀燈は教室をあとにする。
「え?え?…もう。」
要約事態を把握したか、蒼星石も後を追うように教室をでていった。
そして、
「くそ…俺が…ふられただと?」
勘違いしているベジータが一人残された。慰める人間もいない、だろう。



時計の針が8時30分を指す。駅前までは10分程度で着くためにそこまで急がなくても問題はない。
また揄いのネタを見つけ、蒼星石のケータイへと電話をかける。
… … …。 3回のコール後、蒼星石が出た。
『水銀燈?何?…ボクもあと20分くらいで家でるけど。』
「違うわよぉ。…可愛い服着てきなさいねぇ?」
私服は普段から男性向けの黒い服を愛用している蒼星石、あえてそういう事で反応を楽しもうと考えた。
無論、挙動る反応が見たいが一番にある。
『え?・・・えっ?!』

予想的中。電話を持ちながら小さくガッツポーズ。

「じゃあそういうことでぇ。私も同じくらいにでるわよぉ。」

一方的に電話を切った。…何を着てくるかが楽しみになる。もちろんの事だが、悪戯を考えることもやめない。

「私はこれにしようかしら。」
一人ごちりながら、余所行きというほどではない服を選び出す。
「デートだものねぇ。」
リップクリームを塗り乍ら、何を買おうかを考え出した。
「そういえば、新しい服でてる季節か…。」
買うものは決まったらしい。時間を見て、家を出た。外は雲はあるものの、晴れ。

バスを待ちながら、ケータイを開く。―真紅からのメール。
「 そういえば貴女本借りたいとか言ってたわよね?
  時間があったら取りにきなさい。」

命令調ではあるが、真紅なりの敬語と言ったところか。気にするわけでもない。
時間があったらと書いてあるので、アポ無し突撃して驚かせるのが一番いいか。

そして6~7分、バスに揺られた。

駅前につき、あたりを見回す。蒼星石を探すために。
「水銀燈。」
相手から気づいたか、後ろから話しかけられた。…見回した意味ないじゃない。
というか、いても気づかなかったというのが正しいか。

黒を基調としたレースのブラウスにティアードスカートの組み合わせ。それに黑ニーソ(←重要)にリボンシューズ。
これならば「もしかして男性ですか?」といわれることもないだろう。
「可愛いじゃない。」

素直な感想。思ったより、というと少し失礼だが、似合っていた。そういわれたのが恥ずかしいのか、少し頬を赤らめ顔を背ける。
「ありがとう。」
そして素直な感想。正直そういう服を持っていたということに驚いた。実は趣味か?

「じゃあ行きましょうかぁ。」
傍目からの視線を感じつつ、こっそりと手を取り―アーケードへと吸い込まれて行く。

普段から二人ともよく来るアーケード街。ブランド物の店などが時々ある多少珍しいところ。
「どうするの?」
突然デートと言われても何をするか、はわからない。というか伝えられていない蒼星石。
「そうねぇ。服買いたかったからここかしら。」
突然足を止め、その店を見る。
そこは黒系服、アクセサリを主に取り扱っている店。
当初の目的は春物の予定だったが、即刻切り替え。
「そう。」
別に困惑する様子もなく、素直に水銀燈へついていく。

店内には髑髏や蠍などが描かれている服や、薔薇やリボンなどがついている服など。
そういう系統の服をよく着る人にはかなり品揃えがいい店と言える。

値段もピンきり。
「何か新しいのないのかしら。」
店内を行き来しつつ、目新しそうなのを探す。蒼星石も似たようなことをしていた。

「これにしよう。」
数分見て回った後、最初の方でめぼしをつけていた服を取る。
「ボク…はどうしようかな。」
うさみみのついたフリルブラウスと編み上げのリボンブラウスで悩んでいる蒼星石。
…つまりそういう趣味がある。―水銀燈の悪戯心がほんのりと目覚めだす。
「どっちでもいいんじゃなぁい?似合うわよぉ。」
二つ買わせようという魂胆だという口調。

「じゃあ…両方買ってみようかな。」
作戦通り。―ここまで真面目ちゃんだと言う意味があるわ。と思わず微笑んだ。

「じゃあお会計済ませてくるわぁ。」
「ボクも行くよ。」

結局二人とも2万近く買った。

「ねぇ。ゲーセン行かない?」
店を出たとたん、目の前にあるゲーセンを指差す水銀燈。ものによってはパンチラが見れるかもしれない
という考えがあったが。―蒼星石は気づいていない。
「いいよ。」
快諾し入る。

店内は学生が格ゲに夢中になっている。―音ゲも人がたびたび。
某ダンスのをやろうとしたが、たまたま埋まっていた。
「これやりましょう。」
自分勝手に決めてしまう。某ギターの音ゲ。
「うん。」

勝てる、と思っていた自分が甘かった。 …ゲームを終えてから呟いた水銀燈の言葉。

蒼星石 スコア:104201644
水銀燈 スコア:079255420

決して簡単な曲をやったわけではないのだが…。
「負けた…。」
思わず呟いた。そして逆に驚かされるハメに。
「これはよくやるから、慣れてるよ。」
―そういえばギターを趣味でやっていたような。でもそれとこれは勝手が違いすぎるだろう。
「ねぇ。もしかして貴女、やった曲、弾こうと思えば弾けるんじゃなくてぇ?」
3秒ほどの間をおき、蒼星石から答えが返ってくる。
「わからないけど、スコアがあれば多分。」

…マジメちゃんだと思っていたけど思ったより凄いのね。
素直に感想を持ってしまったことに凹む。

結局1時間ほどたむろし、店から出てきた。

「貴女思ったより凄いのねぇ。」
ゲームをやっているのを見ながら驚いた。単純に、凄い。
「そうでもないよ?」
―しかもエレキを趣味で弾くというのだから。
「まったくギャップがあるわぁ。」
誰もがそう思ったのではないか。

時計が12時を過ぎた。―まだ3時間しか立っていなかったか。

「ねぇ?喫茶店程度で食事でもしなぁい?」
蒼星石へと思いついたかのように話しかける。
「いいよ?」
くるり、あたりを見回し、喫茶店へと入る。
「じゃあ、僕。席取ってくるよ、注文お願いしてもいいかな?」
結構人が多い。やはり昼すぎだからだろうか。

「ええ。何にする?」
「えっとねぇ…。」

~~~~~~
「うん。新しいやつみたいだけど、おいしい。」
いつのまにか新メニューがあったらしい、蒼星石はそれを選んだようだ。
「少し頂戴ねぇ?」
少し小さく、横から浚っていた。
「あ、うん。」
驚くわけも無く、素直にあげる。
…やはり素直すぎる、と言える。
「んー…。」
ふと傍を眺めると、ジュンと真紅の姿があった。

「あぁら。誰かと思えば御馬鹿さんたちぃ。」
ざっくばらんな物言い。―二人が振り向いた。
「な、なんでおまえらここに。」
ジュンが慌てた反応を示す。
キラーン。 水銀燈の目がこっそり光る。

…悪戯の対象を増やしたようだ。

「二人仲良くなんて、デートでもしてたのかしらぁ?」

その二人、が同時に同じ言葉を返してきた。

「そんなんじゃない!」「そんなのではないわ!」
直後、顔を見合わせばつが悪そうな顔をする。

「あらあら。図星みたいねぇ。フフフ。」
「水銀燈…苛めなくても。」
「虐めじゃないわよぉ?…悪戯。」
可愛げにいってみたが、3人の反応は―冷たい。
「…いやいいけどね。」
蒼星石はあきらめムード、真紅とジュンは横目でにらんでいる。

「さて。どうしましょう。」
いつの間に食べ終えたか、水銀燈の前には食べ物がない。
「ごちそうさまぁ。」
にこり、と微笑み。ニヤリ、という微妙な顔を二人の方へ向ける。
「ごちそうさま。…何かやりそうな顔だね。」
「もちろんじゃなぁい。この瞬間を見逃すわけがないわ。」
それもそうだ。蒼星石は心の中で、決めた。
紅茶を飲んでいる真紅の元へと動き、話しかける水銀燈。
「これからどうするつもりぃ?」

「な、なんだっていいでしょう…。あなたたちこそ何故ここへ?」
口ごもる真紅はジュンへと救いを目線だけで求めているようだが…その当人は目線をこっそりそらしている。
そのチャンスを逃さず追求を行う水銀燈。
「私たちはデートよぉ?…貴女達はぁ? フフフ…。」
蒼星石とジュンはゆっくりと紅茶を飲みながら話の進展を待つ。

「大変だね。」
「お互い様。」
アイコンタクトを自然と取っている。
その間にも
「早く私の質問に答えなさい御馬鹿さぁん。」
「貴女に答える必要性はないでしょう?!」

「も、もういいのだわ、ジュン、行きましょう。」
「え?あ、おい。」
紅茶を飲み終え、ささ、と二人はでていった。
…静かに喧嘩していたせいか、周りは特に気にする素振りもなかった。

「何かあるわねぇ…。」
これが嘘の発言、だというのを蒼星石はわかっていた。

「…ついていくつもりなの?」
嫌な予感。

「もちろん。」
…実は水銀燈の作戦通り。
前日に話を聞いていたからこそ、蒼星石を買い物へ誘った。

意気揚々にストーカーを開始した。

「どこへ行くのかしら。」
水銀燈と蒼星石が真紅、ジュンの後を気づかれない程度に追いかける。
「これ・・ストーカーじゃない?」
地の文が今まさに打とうとしていた言葉を先取りした。
「そんなことないわぁ?・・・立派な調査よ。」
どこが、という声がどこからともなく聞こえてくるようだ。
そんなことを知る由もないであろう前を行く二人。手をつないでやたらと仲がよさそう。
「…ジュンは…。」
水銀燈がぽつりと言った。
「今何か言った?。」
「え?…私何か言った?」
相当無意識だったか、言ったことに気づいていない。
「………」
何か納得いかないもやもやを残しつつ、やはり後をつけていく。
声は聞こえてこない。

何やら駅前までをずっとでてきてしまった。
前を歩く二人を悔しそうに見る水銀燈。
「…やらなければよかったんじゃない?」
それに対し非常に冷静な反応を見せる蒼星石は
「う、うるさい!…ジュンをあんな御馬鹿さんに取られてたまるか!」
「…キャラ壊れてる。」
少し苦笑まじりに水銀燈の後をついていく。

――駅前。改札口付近で歩みを止めた二人。一緒に歩を止める。

「…あまり見ないほうがいいと思うけどなぁ…。」
蒼星石の勘は思ったより当たる。
その見ていた対象二人が向き合った。
水銀燈の顔が一瞬、ピクッと歪む。
「…そのまま行為をしたらどうなるかわかってるんでしょうね…真紅ぅ~!。」
と、いう願いも意味なく。

二人は唇を重ねた。

「…く、く、真紅…貴女……っ!!!」
「ここで出て行ったら…ついてきたのバレちゃうんじゃないかな…。」
正しい。水銀燈をとめるためにかけた言葉としても正しい。
「…一度はあきらめるわ。でも…。」
本気で悔しがっているようだ。
「まぁ…また明後日会えるんだから。」
それもそうだ。と言い聞かせ
「そうね…奪ってやるわ。」
つい本音がでた、が、気にしないことにする。
「・・・今日はありがとう。」
それと、今日のデートにつきあってくれた礼。
それは思わぬ返事だったらしく
「え?・・・あ、別にいいよ。よかったらまた誘ってね。」

―そういって別れた。

―月曜からはじまるのは、ジュンの取り合い。


―Fin―