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「チョールヌィ・オリョール(黒鷲)」戦車は、T-80U戦車をベースとして、1980年代半ばから開発が進められている新型主力戦車で、1997年に走行可能なモックアップ車が公開され、続いて1999年に本格的な試作車が完成した。 モックアップ車は、T-80U戦車の車体をそのまま用いて砲塔後部を延長し、ここを自動装填装置と弾薬を収めるバスルとしたのに加え、砲塔上部に、アメリカのM1A2戦車が採用したCITV(Commander's Independent Thermal Viewer:車長用独立熱線映像装置)と同様のものと思われる視察機材を備えていた。 これに続く本格的な試作車では、125mm滑腔砲よりも大口径の滑腔砲(140mm砲といわれる)を装備し、砲塔前半部と車体前部に、「カークトゥス(サボテン)」と呼ばれる特殊複合装甲システムが施されている。 「カークトゥス」装甲システムは、爆発反応装甲と複合装甲を兼ねた装甲ブロックで構成されており、特殊ブロック装甲を組み合わせたデザインとなっている。 主砲の140mm滑腔砲は、APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)を用いた場合、射距離2,000mで700mm厚の均質圧延装甲板を貫徹可能とされており、レオパルト2戦車シリーズやM1A2戦車の主砲である、ラインメタル社製の120mm滑腔砲と遜色無い対装甲性能を持つとロシア兵器輸出公団は説明している。 さらに装甲強化に加えて、砲塔の両側に「ドロズド(つぐみ)」アクティヴ防御システムを標準装備している。 「ドロズド」は、対戦車誘導ミサイルに対して散弾を発射して破壊するシステムで、砲塔両サイドに6基ずつの散弾発射筒(口径107mm)を備えている。 これは、砲塔前上面にあるセンサがこちらに向かってくる対戦車ミサイルを感知すると、散弾の有効射程に入った段階で、適切な方向の発射筒から散弾発射を自動的に行う仕組みである。 発射筒は、戦車前面の水平方向約40度の範囲をカバーするようになっている。 また、オプションとして「アレーナ(円形競技場)」アクティヴ防御システムも装備できるようになっている。 車体はT-80U戦車よりも延長されており、このため、転輪が片側6個から7個に増加しているのも目立つ変化である。 エンジンは、T-80UM-1/2戦車と同じGTD-1250Gガスタービン・エンジン(出力1,250hp)が用いられているが、将来的には、1,400hpに出力が増大したGTDガスタービン・エンジンを用いる計画もある。 このような数々の特徴を備えるチョールヌィ・オリョール戦車だが、慢性的なロシアの経済不振により、生産の見込みは立っていない。

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