アウブ・アイゼンライヒ

初出:第539話

200年程昔に存在した領地のアウブ
作中に語られているだけで、故人となっている
アウブ・アイゼンライヒとして語られる人物は、作中に二人存在する。

家族構成

親:アウブ・アイゼンライヒ(外患誘致を行い、時のツェントに討ち取られる)
 娘:最後のアウブ・アイゼンライヒ(先代の歿後に襲名、最終的にツェントにアウブの位を返上)
  次代の領主候補生:(国境門の開閉を望んだ者は討ち取られる。罪を受けれていた者は不明)
   次次代の領主候補生:(国境門の開閉を望んだ者は討ち取られる。罪を受けれていた者は不明)

地位

階級:領主
職種:アウブ・アイゼンライヒ

経歴

200年ほど昔まで存在していた大領地アイゼンライヒのアウブ。
領地の特産品として大きな鉱山を持つ。鉱石や加工品、そして他国には存在しない魔石は、国境門を介してボースガイツの国に売っていた。
良質の鉱石から作られた武器は、ハルデンツェルの平民たちが魔獣を倒すための大事な武器だった。
アウブ・アイゼンライヒはボースガイツに唆されて、十分な力も持っていたことから、ツェントの座を狙う。
ボースガイツの者を招き入れ、グルトリスハイトを狙って中央へ押し入ろうとした。
食料など支援物資が次々と送られて、貴族院へ向かう転移陣を使い少しずつ寮に物資や騎士を移動させる。
アウブの娘は計画を止めようとしたが聞き入れられず、単身で騎獣を駆って中央へ向かい、ツェントに内情を伝えた。
その知らせに激怒したツェントはすぐさま国境門を閉ざし、中央騎士団と共に寮に奇襲をかけ、アウブ・アイゼンライヒを討ち取る。
反逆を目論んだ領主一族や攻め込んでいた主要貴族は処刑される。

アウブの娘はツェントへの忠誠と反逆を止めようとした功績を認められて、辛うじて処刑されず、新たなアウブ・アイゼンライヒになった。
だが新たなアウブに栄誉は無く、土地を分割され、国境門と鉱山も失ったことで主要産業も無くなった領地を治める事になる。
王族の婚約者もいたが解消させられて、中領地に相応しい領主候補生と婚約し直す。
ツェントから後援を受けることもなく、反逆を起こした領地という目で見られてみるみるうちに衰えていった。
ひたすら農業へ打ち込んできたライゼガングが貴族の中で一気に力を持つようになり、それに反感を持つ貴族もいた。
貴族の大半や取り残されたボースガイツの者達は現状に不満を漏らし、次代と次次代の領主候補生達はそれを聞いて育つ。
次期アウブを決める時期には、領主候補生はボースガイツの者達を故郷へ帰すため国境門を開けてほしいとツェントに願い出ようとする者と前アウブを唆したボースガイツの者達が一緒に罰を受けるのは当然と考える者の二つに主張が分かれた。
それぞれの領主候補生に、国境門の開門を望み過去の栄光を取り戻したい貴族とこのままの罰を受けるのが当然とする貴族が別れて、領地を二分する争いに発展してく。

アウブとなった娘は又も争いを止められなかった自分の力不足を嘆き、ツェントにアウブの位の返上と、領地を治める新たなアウブの任命を願い出た。
中央騎士団を引き連れたツェントと共に初代アウブ・エーレンフェストがやってきて、国境門の開門を望む貴族達を蹴散らした。
二度とアイゼンライヒが過去の栄光を求めることがないようにと、礎の場所を改められ、領地の名もエーレンフェストに改めた。

後世

エーレンフェストの領主一族が習う歴史では、初代エーレンフェストは攻め入って礎を奪った程度にしか教わらず、アイゼンライヒの名をちらりとしか聞かない。
キルンベルガの貴族は口伝えで教わり、古い言葉で書かれた年表や報告書の写しの文献が残されている。
貴族院でもツェントに逆らった愚かなアウブの教訓話として伝わる。

アウブ・アイゼンライヒが外患誘致を行った理由は、グルトリスハイトを独占する王族に対して反逆したのか、それとも単純にツェントの簒奪を狙ってかは不明。

コメント

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  • グルトリスハイト独占の状態を正す為に反逆したのだったら、15年以降にメス書を得た者が現れたら旧王族やエーレンフェストへのネガキャンの為に名誉回復がなされるかもしれない。そうなったら娘が馬鹿ということにされるが。 (2020-11-11 04:17:58)
    • 他国に唆されて王位を狙うなんて、ランツェに唆されたアーレンスバッハを連想させる行為が、ランツェに侵入されたばかりのユルゲンで見直されるとはとても思えないが。 (2020-11-11 04:23:24)
  • 描写からして大神全属性かな? (2021-01-30 22:33:04)
  • 王族登録が必要な時代にグル典狙って叛乱起こしたってことは、やっぱ正規ルートを何らかの手段で知ったってことではなかろうか (2021-02-03 00:44:43)
    • ツェントの持つグルトリスハイト奪取を狙って中央へ攻め込むのではなく、貴族院へ兵力を移していたからその可能性はあるな。地下書庫の文献を読みあさって気付いたか、国境門のある大領地だったんでアウブ専用書庫にメス書取得方法が残ってたか。 (2021-02-03 11:02:38)
      • 貴族院を占拠し転移陣を封じれば、誰も入ってこれないのでゆっくり祠巡りができる。メス書入手後中央へ攻め込み、籠城しているツェントを無視して中央神殿を襲い聖典の鍵を奪取。ユルゲンの礎さえ染めてしまえばツェント交代、後は好きなように中央領や敵対領を改ざん可能。詳細な知識は必要だが結構勝率の高いクーデターだったんだな。 (2021-02-03 11:34:28)
        • 正規のメス書入手できたなら聖典の鍵がなくても礎に至るルートを調べられると思うよ。でも抵抗勢力を鎮圧するのに武力は必須だが。 (2021-02-03 17:34:16)
        • 各領地の寮にはアウブの許可がないと入れないので封じ込めが無理じゃないかな? (2021-02-03 19:01:28)
          • 外開きの扉なら外にバリケードとなるモノを積み上げておけば開けられなくなる。万一内開きでもエントヴィッケルンで作った白の石を積み上げておけばまず壊せない(魔法の効かない石に対して剣や斧で切り付けた所でねえ?)。そして寮の扉にしろ外壁にしろ傷を付けることは、彼らのアウブに対する反逆行為となってしまう。 (2021-02-03 20:22:36)
            • 各寮は無人ではないし中央内に点在しているので現実的ではありません。白の建築は物理で壊せるとあるし、中央はツェントの物。むしろ異変を感じてもらえるなら好都合かもしれません。そうするべき状況であったなら釈明も簡単です。そもそもあなたが言うようにツェント交代すれば後は楽勝であるなら現ツェントから見れば反乱鎮圧なんて楽勝以外の話にはならないでしょう (2021-02-04 16:45:09)
      • アウブ本人が貴族院に行くと間違いなく怪しまれるから子供に行かせてメス書を取らせればいいと思うけど、当時は貴族院の図書館も常に見張りがいたとかそういう事情があったのかもな (2021-02-04 23:02:29)
    • グル典を独占する「王族」と、本人の祈りと魔力によってメス書を得る本来のツェント回帰派の抗争とみることもできるわけか。 とはいえ外国の援助を受けるのはマズいよ (2021-02-03 13:58:34)
      • 王族「アイゼンライヒにはとことん悪役になってもらわないと。そうだ、ボースガイツと交易ししてたし外患誘致してたことにしよう。ボースガイツ産の武器を運んでみたいだし皆信じるだろう。」 こんな感じだったりして (2021-02-03 14:49:50)
        • 歴史は勝者が作ると言うからねえ。メス書も無いから事実の改竄も容易いだろう。 (2021-02-03 19:32:43)
    • ツェントを狙えるだけの力があったとのことだったから、下手したらメスティオノーラの書を持ってた可能性すらある。 (2021-02-06 02:16:15)
      • 「ツェントを狙えるだけの力」って何?と言えばそういうことになる...か。魔力が大きいというだけならダンケルフェルガーやクラッセンブルクのアウブだってそうだったろうし (2021-02-06 15:30:01)
  • グル典持ってたと思ったけど、外患誘致する危険思想を持ってる人間はメス書とれないつっぽいのよな。だから、魔術具のグル典が誕生して資格のないツェントなら俺もなれるって考えた方がらしい気がする (2022-06-06 07:39:17)
    • ジェルヴァージオですらメス書取得OKな上、ボースガイツの要望は単に自分の貿易をより優位にするだけだった場合は、アイゼンの行為は外患誘致とは言えないだろうから、祈りを捧げて云々の段取りさえ踏めば普通にメス書とれる気がする。 (2022-06-06 13:51:39)
      • 危険思考の定義が、人間と同じとはとても思えないしね。 (2022-06-06 13:52:45)
      • ジェルヴァージオの場合はエアヴェルミーンがとにかく急げみたいなところあるから普通なら審査落ちしてるようなのでも与えた可能性もある (2022-06-06 19:17:26)
        • 魔力持ちは受け入れろ、ただし受け入れた後は何をしても良い。とか、メス書一つにする為に殺し合え。とかいうような存在だし。神々と人間は考えが違うと何度も繰り返されてるし。 危険思考の神々的定義は、「ユルゲン外の魔力持ちをユルゲン内に受け入れない」とか「国境門への魔力供給を政治取引に使う(自分の言い分を聞かない領地の国境門には魔力を注がない)」とかいう、神々にとってのユルゲンの意義や存続を揺るがすようなものに限定されている可能性も十分あるかと……。 (2022-06-06 19:37:33)
          • キルンベルガの国境門は200年間光らなかったので魔力供給もされてないがじじさまは何も言わなかった、一ヶ所くらいならユルゲン存亡には関わらないということだろう。好戦的なツェント候補は金色シュミルに拒否されたが、同じく好戦的であろうダンケル出身候補にはメス書が与えられた。これも「内戦(ユルゲン滅亡の危険がある)」を望むのか「ディッター(訓練から礎争奪戦まで)」を望むのかの違いだろう。 (2022-06-06 20:40:34)
            • 引きこもりのじじさまが表に出てまで文句を言うのと、自分のいる場所にメス書取りに来たのをお断りするのとでは、次元が違うから何とも言えないけど。 全ての内戦がユルゲン滅亡の危機スケールとは限らないから、神々視野で滅亡リスク有と判断されるぐらい大事でなければ、スルーされるのだろうね。 (2022-06-06 20:57:37)

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最終更新:2017年02月14日 13:37