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「fuyutsuki」(2006/01/31 (火) 06:21:17) の最新版変更点
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「さよなら」
私は小説を書くのが苦手だ。小学生の頃から時間内に書ける作文はいつも最初の一行。
それも何度も書き直して提出する。だから本当にあった話しかできない。
以前付き合っていた彼女から聞いた話だ。
彼女の女友達のひとりにある女の子がいた。
その子には婚約者がいて、その婚約者がいきなり「別れよう」とその子に電話してきたらしい。
アメリカに留学する予定だったその子は、出発の準備をしている時に携帯を取ったそうだ。
公衆電話からかけてきた彼はこう続けた。
「お前、留学するだろ?そこで俺よりいい男と会ったらどうするんだよ」
「もしそうなった時お前の負担になるしさ、俺もお前いない時他の女と何あるかわかんないし」
「そういう面倒なの嫌いだから、一旦別れようぜ」
いきなり別れを告げられた彼女は嫌がったらしいが、
「向こうから帰って来て、俺のことがまだ好きだったらもう一度付き合えばいいだろ」
そう聞いて渋々納得したそうだ。
それから二日後、知らない番号からその子の携帯に電話がかかって来た。
婚約者の母親からの、彼氏が亡くなったという知らせだった。
婚約者の男は、道端で強盗に遭っていた知らないおばさんを助けようとしたそうだ。
犯人とおばさんの間に入り、腹部を刺されながら犯人を気絶させ、警察に引き渡した。
しかし出血が激しく、意識不明で病院に担ぎ込まれる。
彼女にかけた公衆電話は病院の物だった。
男は集中治療室を抜け出して、廊下の公衆電話から彼女に電話した。
いつもと同じ声、いつもと同じ話し方で。
その子は今、アメリカで勉強している。
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