「冬月 茂」(2006/02/02 (木) 04:04:23) の最新版変更点
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「さよなら」 冬月 茂
「ここはどこだ?」
暗がりで目を覚ました私は周囲を見回した。
辺りはジャングル 辺りに人はいない。
「無人島・・・か?」
「私はフィリピン海上に突撃したはずだが・・・うっ」
右足に鈍痛が走る。
「これは、しばらく足止めだな」
見知らぬ島での茂の生活がはじまった
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目が覚める 陽は高い
島での生活も4ヶ月目、ようやく食料の心配は無くなってきた。
「タバコが切れてきたな・・・」
シケモクを大事そうに消しながら茂は呟く。
木のつるを使った魚の取り方を覚え
細いが味の濃いジャガイモ畑も整えた。
すっかり日に焼けた茂は今日も海を見ている。
「それにしても・・・性欲を持て余す」
かといって 自ら処理をする行為は彼のプライドが許さない。
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「今日は南側に行くか」
島は全て把握した茂は、いかだ作りを始めた。
「・・・これで 土台は完成だな」
額の汗を腕でぬぐいながら海を見る。
彼が見る海は常に北 そして少し東
食事のジャガイモをかじる時
魚を焼く時
眠る時
いつも見るのは日本の方角だ
「渚」
ここ半年、彼はその単語しか口にしていなかった。
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-その頃の渚-
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∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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\ ― />>918うっうっせうっせー
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いかだは完成した
祖父が昔作ってくれたいかだとはまるで違う、いびつな物だった。
「帰ったら、梅干が食べたいぜ」
薄く微笑みながら、オールを削る。
「温泉にも行きたいな。渚喜ぶだろうな」
茂は未来だけ見ていた。
「よし そろそろ行くか」
保存用に燻した魚や果物を積み、海にいかだを浮かべる
ふくらはぎに力を入れ、勢いよく海に向かう。
一瞬だけ島を振り返った茂の脳裏に、2年4ヶ月の日々が浮かぶ。
しかしすぐに北を向き直す。茂に迷いはなかった。
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-その頃の渚-
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∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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\ ― /昨日食べたもの?肉まんだよ
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漂流20日目-
「これで最後か」
残ったジャガイモをかじる
島は一度も見ていない
太陽と星の位置から大体の方角は類推しているつもりだが
嵐や曇りの日にはどうしようもなかった
「もっと勉強しときゃよかった」
声もほとんど出なくなった茂が 息だけでつぶやく
25日目の朝だった
目を覚ますと遠くに島らしき影がある
残った力で血に染まったオールをこぐ
こんな力がどこに残っていたのか 想像する余裕もなかった
島が近づく
茂は叫ぶ
「ただいま戻りました! ただいま戻りました!」
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いかだから飛び降り、走り出す茂
海岸線を抜け しばらくすると広い場所に出た
「道路だ!」
「やった!人がいる!」
茂はその場に泣き崩れた
仰向けになって空を見上げたまま彼は意識を失った
「・・・・・・・・hapo・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「Magandang hapon」
「・・・・ん?」
「Magandang hapon」
「・・・マガンダ・・・え?」
彼は褐色の肌の人々に囲まれていた
「ここは・・・・」絶句する茂
「日本じゃない・・・・」そうつぶやいた瞬間
茂の体は粉々に消し飛んだ。
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-その頃の渚-
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∩| ̄ ̄ ̄|ぱーまんだよ
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\ ― /妹うp
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