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冬月 茂
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匿名ユーザー
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茂-CIGERU-第四部 SIDE-A
茂は家に向かった そう、渚の待つ家へ。
もうすぐ会えると思うと、自然と足は速く動いていった。
しかし何かがおかしい、意識を取り戻した瞬間はよく回った口が上手く回らないのだ。
しかし何かがおかしい、意識を取り戻した瞬間はよく回った口が上手く回らないのだ。
「ああ…渚!待ってろよ!」
「待って…ろヨなぎ さ」
「な……ギギ…ギギ」
体もおかしい、体中熱くかゆい。腕のはれ物をかきむしると肉がくさり落ちてしまった。
「いったいおれ どうな て」「かゆい きた ひどいかおなんで ころし うまかっ です」
「待って…ろヨなぎ さ」
「な……ギギ…ギギ」
体もおかしい、体中熱くかゆい。腕のはれ物をかきむしると肉がくさり落ちてしまった。
「いったいおれ どうな て」「かゆい きた ひどいかおなんで ころし うまかっ です」
「だめだってw もう服部さんってばww」
「いいんだよこれで!ほら!こうしたほうが絶対かわいいって!」
二人は今夜の夏祭りの為に、ゆかたの着付けをしていた。
「いいんだよこれで!ほら!こうしたほうが絶対かわいいって!」
二人は今夜の夏祭りの為に、ゆかたの着付けをしていた。
<ゆっくりと何かを引きずるような音がする>
「早くしないと花火終わっちゃうよ!」
「うーんそうだなあ そろそろ行こうか」
「うーんそうだなあ そろそろ行こうか」
<ずず… ずず…>
夜道を提灯で照らしながら 二人はゆっくりと歩く。
風呂から上がってさっぱりした笑顔は晴れやかだった。
風呂から上がってさっぱりした笑顔は晴れやかだった。
<ずずず… ずず…>
「ぅ… ぁ… …な…ぎ…? そ…だれ……」
ドーン パラパラパラ 花火が夜空に浮かぶ
「うわーすごい!綺麗だね」
「いや、君の方が綺麗だよ」
「…もうっ バカっ!」
「はは」
「そう言えばお腹空いたかも」
「じゃあビールとハコふぐ買って来るよ俺」
「いや、君の方が綺麗だよ」
「…もうっ バカっ!」
「はは」
「そう言えばお腹空いたかも」
「じゃあビールとハコふぐ買って来るよ俺」
焼きふぐ屋は少し遠く 屋台の外れの方にあった
買い出しを終えた服部は 何かに呼ばれたような気がし ふと裏山の方を見た
買い出しを終えた服部は 何かに呼ばれたような気がし ふと裏山の方を見た
<ずず… ず…>
遠くから茂が 移動してくる
服部は、すぐに気づいた
服部は、すぐに気づいた
「よう!おまえ生きてたのか!!よかった!本当によかったよ!!」
「……ぁ…はっ」
「まあ飲めよ ビールなんて久しぶりだろ?」
「ぁ…いら…な」
「いいからいいから 祝杯だって!」
「……ぁ…はっ」
「まあ飲めよ ビールなんて久しぶりだろ?」
「ぁ…いら…な」
「いいからいいから 祝杯だって!」
無理やり茂の口にそそぐ
さらに身動きが取れなくなった茂に声がかかる
さらに身動きが取れなくなった茂に声がかかる
「そういやさ 俺、結婚したんだ」
「…?」
「お前にはわるいんだけどさ 渚、ひとりじゃ可愛そうだろ?」
「……?」
「だから…さ ホントわるいんだけど」
「…?」
「お前にはわるいんだけどさ 渚、ひとりじゃ可愛そうだろ?」
「……?」
「だから…さ ホントわるいんだけど」
「おまえにいてもらっちゃ困るんだよ」
「ぁ…ぅ…」
「ぁ…ぅ…」
花火の音よりもさらに鈍く 何かを殴打する濁った音が 夜空に吸い込まれていった
(続く)