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カヲル
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『さよなら』
由衣の制服のポケットにはいつもビー玉が3個入っている。
幼い頃、事故にあった。
友達と3人で歩道を歩いていたら、突然黒い乗用車が自分たちの方に走ってきた。
一緒に遊んでいた2人の友達は、その事故で亡くなった。由衣も重症だったが、命を取り留めた。
後で聞いた話では、運転手の居眠り運転だったらしい。
由衣にとってはどうでもよかった。ただ自分の周りにいた人がいなくなったという事実だけ。
友達と3人で歩道を歩いていたら、突然黒い乗用車が自分たちの方に走ってきた。
一緒に遊んでいた2人の友達は、その事故で亡くなった。由衣も重症だったが、命を取り留めた。
後で聞いた話では、運転手の居眠り運転だったらしい。
由衣にとってはどうでもよかった。ただ自分の周りにいた人がいなくなったという事実だけ。
意識不明の重態が3日続いた。
由衣が目覚めたとき、一番最初に見たものは、病室の棚においてあるビー玉。
全部で3個。2個は・・・割れていた。
親の話では、事故の時、手に握っていて離さなかったらしい。
由衣が目覚めたとき、一番最初に見たものは、病室の棚においてあるビー玉。
全部で3個。2個は・・・割れていた。
親の話では、事故の時、手に握っていて離さなかったらしい。
なぜ2つだけが割れたのかはわからない。
由衣は、幼心にビー玉を自分たちに見立てた。
それから、3つのビー玉を必ず持ち歩いている。2つは割れたまま。
由衣は、幼心にビー玉を自分たちに見立てた。
それから、3つのビー玉を必ず持ち歩いている。2つは割れたまま。
昼休み。考え事をしたい時は一人で屋上に行く。そして、ビー玉をそっと取り出す。
割れているビー玉を左手 割れていないビー玉を右手に。
光にあたったビー玉を見ると心がおちつく。
左手の4つのかけらは全て赤、右手のビー玉は七色に輝いていた。
昔は、全て透明だったはずなのに。
割れているビー玉を左手 割れていないビー玉を右手に。
光にあたったビー玉を見ると心がおちつく。
左手の4つのかけらは全て赤、右手のビー玉は七色に輝いていた。
昔は、全て透明だったはずなのに。
突然後ろから声がした。
「由衣ちゃん」
はっとして振り返る。そこには幼い少女が二人微笑んでいた。
昔よく見た光景。よく3人で遊んでいた・・・から・・・。
「由衣ちゃん」
はっとして振り返る。そこには幼い少女が二人微笑んでいた。
昔よく見た光景。よく3人で遊んでいた・・・から・・・。
「もういいよ 由衣ちゃん」
いつも夢に出てくる二人は、最期の悲鳴。今日は違った。
「あたしたちの分まで必死に生きてくれたこと知ってる。
もう背負わなくていいよ。これからは、自分の人生を生きて」
「私・・・・・」
いろいろ言いたいのに言葉がでない。
「ありがと」
そう言って、二人は笑った。二人の笑顔は、あの日のまま。
いつも夢に出てくる二人は、最期の悲鳴。今日は違った。
「あたしたちの分まで必死に生きてくれたこと知ってる。
もう背負わなくていいよ。これからは、自分の人生を生きて」
「私・・・・・」
いろいろ言いたいのに言葉がでない。
「ありがと」
そう言って、二人は笑った。二人の笑顔は、あの日のまま。
次の瞬間、七色の光に包まれる。
屋上、ビー玉を両手に持つ・・・私。
その時、左手に持っていたビー玉のかけらが斜め下からの強風にあおられ、手から舞い上がる。
赤い光。きらきらと。
そのまま屋上から赤い光のかけらは落ちていった。
屋上、ビー玉を両手に持つ・・・私。
その時、左手に持っていたビー玉のかけらが斜め下からの強風にあおられ、手から舞い上がる。
赤い光。きらきらと。
そのまま屋上から赤い光のかけらは落ちていった。
「さよ・・・なら・・・」
由衣は一言つぶやく。
フェンスにしがみついた手には、後から後から涙がこぼれ落ちた。
由衣は一言つぶやく。
フェンスにしがみついた手には、後から後から涙がこぼれ落ちた。