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メフィスト病院を後にしてから一時間。せつらは只管沈黙を保っていた。情報を集める為につけたテレビでは新宿二丁目に出現した金属の鬼や、 落合で発生した細断現象、〈新宿〉各所で起こった放射能汚染を伴う爆発について報じていた。 どれもこれもが〈新宿〉では珍しくもない、〈区外〉では驚天動地の出来事であった。 ─────幻十を喚んだだけじゃ足りないのか。 幻十の首を落とした日。〈魔界都市〉の歴史に残る大殺戮が繰り広げられた日を思い出して、心中毒吐く。 益々持って、〈新宿〉のロクでも無い意図を感じるせつらだった。 【やれやれ、招かれた連中は気狂いが多いみたいだね】 テレビで報じられた事件の内一つ、落合の事件には確実に幻十が絡んで居ると当たりを付けて、尚こういう事を言う辺りが、秋せつらという人間の性格を表しているだろう。 【サーチャー】 せつらの呟きに、何かを思いついたアイギスが念話で話しかけてきた。 【何?】 【討伐令はどうするんですか?】 【僕としては乗りたくない。面倒な依頼をこなさなければならないしね】 せつらがその生涯を生きた〈魔界都市〉ならば、外谷に頼めば、メフィストの依頼に関する有力な手がかりを得れただろうが、此の地に外谷が居るかは不明である。居たとしても、せつらの知る能力を有しているかも、また未知数。 一応、メフィストには情報に通じた患者が来たら連絡するように言っておいたが、早々現れるような都合の良い展開が有るとは思えない。 あったとしても、あの医者の事だ、素直に教えるかどうか。 アイギスには語っていないが、幻十にも備えなければならない。討伐例の対象という蝉を狙う蟷螂が雀に狙われる様な事態は避けたいのだ。 幻十のクラスは自身の能力を元に考えれば、アサシンかアーチャー。恐らくはアサシンだろう。 令呪を目当てに集まった他の連中と乱戦になった挙句、幻十に見つかりでもしたら、目も当てられない。 【報酬に目が眩んだ奴がこぞって追い回すだろうし、精々共倒れになってくれることを祈るさ】 せつらとしては、精々喰い合って数を減らして欲しい。何とも為れば、傷付いた主従に引導を渡してやろうなどと、横着な事を考えている。 【そういえば、もし仮に、ドクターの依頼が、サーチャーの予想したバーサーカーの捕獲だったとしたら?】 【マスターにはこう聞くことになっていたね。『人を殺すことができるか』ってね】 息を飲むアイギスにせつらは自分の推察を述べる。 【セリュー・ユピキタスは確信犯だ。おそらく彼女達が殺して回っているのは裏社会の人間だろう。主催者から指名手配される位殺し回って、表沙汰になって居ないのが良い証拠さ。 そんな手合いを相手にする以上、サーヴァントの能力次第じゃ、マスターに手を汚してもらう事になる。降伏するとは到底思えないしね】 最悪、〈新宿〉に掃いて捨てるほどいた、歪んだ正義感に取り憑かれた狂人という可能性も有るが、其処はアイギスに伝えても始まらない。 サーヴァントを制御出来て居ないからね。サーヴァントはもう殺すしか無い。それが出来そうになかったら、マスターを殺してもらうことになる】 【制御出来ていない……】 【大っぴらに殺しをやる奴は、生前にいくらも見たけれど、警察が来たからって引くような奴は一人も居なかった。大方いきなり暴れ出したんで、慌てて令呪を使ったんだろう。 何しろバーサーカー、狂人のサーヴァントだ。そんなものは僕の知る限り、世界で二番目の魔道士でも制御出来なかった位さ】 そのまま会話が途切れる。 アイギスは衝撃を受けていた。せつらの推測が正しければ、遠坂凛は巻き込まれた被害者かもしれない。そんな少女をあっさりと殺すことを決断した、せつらの精神に。 だが、其れこそが、万人の生命が等しく無価値で、誰もが耳もとで奏でられる死の笛の響きを聞いていた街の象徴とまで謳われた男の精神だった。 そのまま、再度、沈黙のままに時が過ぎて行く。 【マスター】 【はい】 不意にせつらが語りかけてくる。 【受けた依頼はどうする】 【依頼…………】 唐突に振られてアイギスは戸惑った。そもそも〈アルケア〉なる夢を見させているサーヴァントを斃す為に受けた様なものだが、どうやって合間見えるかはサッパリ考えていなかったのだ。 【多くの人に夢を身させるという都合上、人の多く集まるところで何かをするんじゃないでしょうか?】 【テレビで〈アルケア〉について呼びかけたりしたりして】 【テレビ……】 こうなると完全に不明である。何しろ今の〈新宿〉にはテレビカメラのいる場所が掃いて捨てるほど存在する。 まあ適当に当たりをつけても手掛かりに行き当たる可能性は有る。何しろ相当手広くやっている様だし。 (ああ、外谷が居ればなあ) せつらは嘆息して、しみじみと陰鬱な気分になった。あの見た目と人格が終わっているデブは自分にとって割と重要な存在だったのだと認識してしまったのだった。 【さて…どうしようかな】 天井を見上げて呟く。この〈新宿〉はせつらの知る街では無いとシミジミと理解したが、その邪悪さはせつらの知る〈新宿〉に引けは取らなかった。 【全く…ロクでも無い街だよ】 ---- 【アイギス@PERSONA3】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]自らに備わる銃器やスラスターなどの兵装、制服 [道具]体内に埋め込まれたパピヨンハート [所持金]学生相応のそれ [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れる 1.マスターはなるべくなら殺したくない 2.サーヴァントだけを何とか狙いたい [備考] ・現在、メフィストの依頼を受けて、眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の存在を認識、そして何を行おうとしているのか凡そ理解しました。が、呪いの条件は未だに解りません ・眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の捜索をメフィストに依頼されれ、受けました。 ・人の多く集まる処や、衆目を集める場所を重点的に当たってみようと思っています。 ・メフィストが中立の医者である事を知りました ・ルイ・サイファーがただ者ではない事を知らされました ・ウェザー&セイバー(シャドームーン)の主従の存在を知りました ・浪蘭幻十という真名のサーヴァントの存在を知りました。 【サーチャー(秋せつら)@魔界都市ブルースシリーズ】 [状態]健康 [装備]黒いロングコート [道具]チタン製の妖糸 [所持金]マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯の探索 1.サーヴァントのみを狙う 2.ダメージを負ったらメフィストを利用してやるか 3.ロクでもない街だな [備考] ・メフィスト病院に赴き、メフィストと話しました ・彼がこの世界でも、中立の医者の立場を貫く事を知りました ・ルイ・サイファーの正体に薄々ながら気付き始めています ・ウェザー&セイバー(シャドームーン)の主従の存在を知りました ・不律、ランサー(ファウスト)の主従の存在に気づいているかどうかはお任せ致します ・現在、メフィストの依頼を受けて、眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の存在を認識、そして何を行おうとしているのか凡そ理解しました。が、呪いの条件は未だに解りません ・眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の捜索をメフィストに依頼されれ、受けました。 ・浪蘭幻十がサーヴァントとして召喚されていることをメフィストから知らされました。 ・浪蘭幻十のクラスについて確信に近い推察をしました。 ・討伐令に乗る気は有りません。機会があれば落ち首広いはするつもりです。 **時系列順 Back:[[有魔外道]] Next:[[インタールード 白]] **投下順 Back:[[お話しようか]] Next:[[インタールード 白]] |CENTER:←Back|CENTER:Character name|CENTER:Next→| |45:[[お話ししようか]]|CENTER:アイギス|| |~|CENTER:サーチャー(秋せつら)|~| ----
メフィスト病院を後にしてから一時間。せつらは只管沈黙を保っていた。情報を集める為につけたテレビでは新宿二丁目に出現した金属の鬼や、 落合で発生した細断現象、〈新宿〉各所で起こった放射能汚染を伴う爆発について報じていた。 どれもこれもが〈新宿〉では珍しくもない、〈区外〉では驚天動地の出来事であった。 ─────幻十を喚んだだけじゃ足りないのか。 幻十の首を落とした日。〈魔界都市〉の歴史に残る大殺戮が繰り広げられた日を思い出して、心中毒吐く。 益々持って、〈新宿〉のロクでも無い意図を感じるせつらだった。 【やれやれ、招かれた連中は気狂いが多いみたいだね】 テレビで報じられた事件の内一つ、落合の事件には確実に幻十が絡んで居ると当たりを付けて、尚こういう事を言う辺りが、秋せつらという人間の性格を表しているだろう。 【サーチャー】 せつらの呟きに、何かを思いついたアイギスが念話で話しかけてきた。 【何?】 【討伐令はどうするんですか?】 【僕としては乗りたくない。面倒な依頼をこなさなければならないしね】 せつらがその生涯を生きた〈魔界都市〉ならば、外谷に頼めば、メフィストの依頼に関する有力な手がかりを得れただろうが、此の地に外谷が居るかは不明である。居たとしても、せつらの知る能力を有しているかも、また未知数。 一応、メフィストには情報に通じた患者が来たら連絡するように言っておいたが、早々現れるような都合の良い展開が有るとは思えない。 あったとしても、あの医者の事だ、素直に教えるかどうか。 アイギスには語っていないが、幻十にも備えなければならない。討伐例の対象という蝉を狙う蟷螂が雀に狙われる様な事態は避けたいのだ。 幻十のクラスは自身の能力を元に考えれば、アサシンかアーチャー。恐らくはアサシンだろう。 令呪を目当てに集まった他の連中と乱戦になった挙句、幻十に見つかりでもしたら、目も当てられない。 【報酬に目が眩んだ奴がこぞって追い回すだろうし、精々共倒れになってくれることを祈るさ】 せつらとしては、精々喰い合って数を減らして欲しい。何とも為れば、傷付いた主従に引導を渡してやろうなどと、横着な事を考えている。 【そういえば、もし仮に、ドクターの依頼が、サーチャーの予想したバーサーカーの捕獲だったとしたら?】 【マスターにはこう聞くことになっていたね。『人を殺すことができるか』ってね】 息を飲むアイギスにせつらは自分の推察を述べる。 【セリュー・ユピキタスは確信犯だ。おそらく彼女達が殺して回っているのは裏社会の人間だろう。主催者から指名手配される位殺し回って、表沙汰になって居ないのが良い証拠さ。 そんな手合いを相手にする以上、サーヴァントの能力次第じゃ、マスターに手を汚してもらう事になる。降伏するとは到底思えないしね】 最悪、〈新宿〉に掃いて捨てるほどいた、歪んだ正義感に取り憑かれた狂人という可能性も有るが、其処はアイギスに伝えても始まらない。 サーヴァントを制御出来て居ないからね。サーヴァントはもう殺すしか無い。それが出来そうになかったら、マスターを殺してもらうことになる】 【制御出来ていない……】 【大っぴらに殺しをやる奴は、生前にいくらも見たけれど、警察が来たからって引くような奴は一人も居なかった。大方いきなり暴れ出したんで、慌てて令呪を使ったんだろう。 何しろバーサーカー、狂人のサーヴァントだ。そんなものは僕の知る限り、世界で二番目の魔道士でも制御出来なかった位さ】 そのまま会話が途切れる。 アイギスは衝撃を受けていた。せつらの推測が正しければ、遠坂凛は巻き込まれた被害者かもしれない。そんな少女をあっさりと殺すことを決断した、せつらの精神に。 だが、其れこそが、万人の生命が等しく無価値で、誰もが耳もとで奏でられる死の笛の響きを聞いていた街の象徴とまで謳われた男の精神だった。 そのまま、再度、沈黙のままに時が過ぎて行く。 【マスター】 【はい】 不意にせつらが語りかけてくる。 【受けた依頼はどうする】 【依頼…………】 唐突に振られてアイギスは戸惑った。そもそも〈アルケア〉なる夢を見させているサーヴァントを斃す為に受けた様なものだが、どうやって合間見えるかはサッパリ考えていなかったのだ。 【多くの人に夢を身させるという都合上、人の多く集まるところで何かをするんじゃないでしょうか?】 【テレビで〈アルケア〉について呼びかけたりしたりして】 【テレビ……】 こうなると完全に不明である。何しろ今の〈新宿〉にはテレビカメラのいる場所が掃いて捨てるほど存在する。 まあ適当に当たりをつけても手掛かりに行き当たる可能性は有る。何しろ相当手広くやっている様だし。 (ああ、外谷が居ればなあ) せつらは嘆息して、しみじみと陰鬱な気分になった。あの見た目と人格が終わっているデブは自分にとって割と重要な存在だったのだと認識してしまったのだった。 【さて…どうしようかな】 天井を見上げて呟く。この〈新宿〉はせつらの知る街では無いとシミジミと理解したが、その邪悪さはせつらの知る〈新宿〉に引けは取らなかった。 【全く…ロクでも無い街だよ】 ---- 【アイギス@PERSONA3】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [契約者の鍵]有 [装備]自らに備わる銃器やスラスターなどの兵装、制服 [道具]体内に埋め込まれたパピヨンハート [所持金]学生相応のそれ [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を手に入れる 1.マスターはなるべくなら殺したくない 2.サーヴァントだけを何とか狙いたい [備考] ・現在、メフィストの依頼を受けて、眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の存在を認識、そして何を行おうとしているのか凡そ理解しました。が、呪いの条件は未だに解りません ・眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の捜索をメフィストに依頼されれ、受けました。 ・人の多く集まる処や、衆目を集める場所を重点的に当たってみようと思っています。 ・メフィストが中立の医者である事を知りました ・ルイ・サイファーがただ者ではない事を知らされました ・ウェザー&セイバー(シャドームーン)の主従の存在を知りました ・浪蘭幻十という真名のサーヴァントの存在を知りました。 【サーチャー(秋せつら)@魔界都市ブルースシリーズ】 [状態]健康 [装備]黒いロングコート [道具]チタン製の妖糸 [所持金]マスターに依存 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯の探索 1.サーヴァントのみを狙う 2.ダメージを負ったらメフィストを利用してやるか 3.ロクでもない街だな [備考] ・メフィスト病院に赴き、メフィストと話しました ・彼がこの世界でも、中立の医者の立場を貫く事を知りました ・ルイ・サイファーの正体に薄々ながら気付き始めています ・ウェザー&セイバー(シャドームーン)の主従の存在を知りました ・不律、ランサー(ファウスト)の主従の存在に気づいているかどうかはお任せ致します ・現在、メフィストの依頼を受けて、眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の存在を認識、そして何を行おうとしているのか凡そ理解しました。が、呪いの条件は未だに解りません ・眠り病の呪いをかけるキャスター(タイタス1世(影))の捜索をメフィストに依頼されれ、受けました。 ・浪蘭幻十がサーヴァントとして召喚されていることをメフィストから知らされました。 ・浪蘭幻十のクラスについて確信に近い推察をしました。 ・討伐令に乗る気は有りません。機会があれば落ち首広いはするつもりです。 **時系列順 Back:[[有魔外道]] Next:[[インタールード 白]] **投下順 Back:[[お話しようか]] Next:[[インタールード 白]] |CENTER:←Back|CENTER:Character name|CENTER:Next→| |45:[[お話ししようか]]|CENTER:アイギス|| |~|CENTER:サーチャー(秋せつら)|60:[[第一回<新宿>殺人鬼王決定戦]]| ----

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