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「ソニックブーム&セイバー」(2016/05/30 (月) 01:19:21) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
男性にしては珍しいさらさらと艶めく肩口までの長さの髪に、笑顔が似合う甘いマスク。朗らかな笑みは女性受けもよく、本人の人当たりもまた悪くない。
上背は高く、ガタイもいい。特にスポーツをしているわけではないが鍛えるのが趣味ということもあり、引き締まった身体は人目を引いた。
白いスーツを着こなし、それなりの業績を上げ、可もなく不可もなくな扱いで会社に通っていた。
男・フマトニは多少目立つ見た目をしているが、ある一点を除けばどこにでも居る商社マンだった。
そう、ある一点。右手のミミズ腫れを除けば。
「はぁっ、はぁっ、クッソ、なんだってんだよ……!!!」
フマトニはとある催し事に強制的に参加させられていた。
その催し事こそ聖杯戦争。願いを持つ者達が椅子を求めて蹴落とし合う戦争だ。
フマトニは記憶も取り戻さぬ内に、彼の英霊であるというセイバーと出会い、戦場に放り出された。
そして今、逃げている。小雨の降りしきる中、街で突然繰り広げられた戦闘から、そして無慈悲な追撃者から。
ぱあん。
火薬の爆ぜる音で空気が揺れる。
フマトニの顔が苦痛にゆがむ。スーツの脹脛の側部に焦げ跡と、真っ赤なシミが広がる。
襲われるのは、今回で三度目だった。
一度目はビビって動けないところをセイバーに助けられた。
二度目は襲いかかってきた相手をセイバーにまかせて逃げた。
そして三度目、今回は勝手が違う。
二度目のようにサーヴァントが襲ってきたので、セイバーにその場を任せてフマトニは戦場から離脱した。
だが、逃げ出したフマトニを待っていたのは敵マスターだった。
フマトニと同じく戦場に放り込まれたマスターが、拳銃を持ってフマトニを殺しに来たのだ。
逃げる敵を想定し、戦力を割いた上で相手を殺す。実際、見事としか言い様がない。
「おい、セイバー、セイバーどうなってんだ! 早くしてくれ!」
『敵の宝具の相手で精一杯なんです! あと十数秒でなんとかするから逃げ切ってください!』
「なっ、お前っ!」
文句を続けられない。再び火薬の爆ぜる音。鮮烈な痛みがフマトニの右大腿部を襲う。
どくりどくりと脈打つ音が聞こえる。音と一緒に命が貫通痕からこぼれ出す。
だが、立ち止まってはいられない。立ち止まれば死だ。逃げ場のない死しかない。
痛みをこらえて曲がり角を曲がって暗がりの中を逃げていく。
数十秒後、フマトニは自身の運の無さを呪った。暗がりの奥に待っていたのは行き止まりだった。
相手を巻くために路地に逃げたが、それが思い切り裏目に出た。
「はあい、ゲーム・オーバー」
きざったらしい台詞とともに女性が現れる。
かちゃりかちゃりという金属音が路地裏に反響する。
死がやって来た。
十数秒まであと何秒ある。念話を飛ばす余裕もない。
ならば令呪で呼び出すか。令呪を使えばこの窮地を脱することも出来るかもしれない。
「早打ちでこの私に勝てると思うかい? 思うんだったら、やってみなよ」
どうも、世の中はそんなに甘くないようだ。
ガンマン風の女性は拳銃を降ろさず、視野を広く取るためにテンガロンハットのつばを指で持ちあげている。
少しでも動けば、あの銃口から弾丸が飛び出し、フマトニの頭蓋骨を割り中身をくちゃぐちゃにかき回すだろう。
そう遠くない未来を思いフマトニの心に到来したのは死の恐怖でも焦燥感でもない。怒りだった。
ここで死ぬのか。自身が何者だったのか、そんな単純なことすら終ぞ思い出すことも出来ずに死ぬのか。
他のマスターからは獲物として見られ、ガンマンの女にいいように踊らされ、ここで無残な死体に変わるのか。
「……こ、の……ふざ、けるなよ……」
怒りに任せ、己の境遇に思わずぼやく。かりりと頭の内側に小さなヒビが入る音。
何かが違う。何かが間違っている。何故かそう分かった。
違和感の正体を探ってすぐに思い当たる。言葉だ。フマトニが口にするのはこんな丁寧な言葉じゃなかった気がする。
「ふざけんじゃねえ……」
まだ遠い。もっと叩きつけるような粗野さだったはずだ。
「……っざけんな……」
だんだんだんだん近づいていく。
ぐるぐるとかき混ぜられた記憶たちから元の記憶を取り戻していく。
向けられた銃口。
さらさらと降り注ぐ小雨。
重金属の輝きと雨の音が重なる瞬間、すべての記憶が蘇る。
重金属の雨。
ネオンライト。
飛び交う怒号。
マグロ粉末。
バリキドリンク
スシを喰らい。カニを喰らい。
スモトリが、ヤクザが、無法者共が笑う世界。
一般人にとっては全てが敵。奪い、奪われ、響く笑い声。
クローン技術で複製された、ヤクザ、ヤクザ、ヤクザ、
彼らが口々に吐き出していたヤクザスラングの数々。
その全てを切り裂く、拳銃よりも鋭い一閃。
「ざっ……ッ!!!」
ガンマン風の女の人差し指の筋肉が収縮する様が網膜に焼きつく。
瞳孔拡大。インパルスが走る。ニューロンが伝達され、電気信号が遺伝子に刻まれた魂を叫ぶ。
記憶が重なり、未知と既知とをつなぎ合わせる。魂に刻まれた疾風の拳が蘇る。
―――鍵は、開いた。
◆◆◆
「ザッケンナコラァァァァ―――――――――――!!!!!」
◆◆◆
トリガーが引かれる瞬間、クロスカウンターのように突き出した拳。
拳銃の射程に対して拳撃を放っても距離が遠すぎる。当たるわけがない。
だが、フマトニには確信があった。この一撃で敵の拳銃を無効化する、その確信が。
放たれた拳撃が、衝撃波を巻き起こす。
撃ちだされ、フマトニの頭を撃ちぬくはずだった弾丸が、衝撃波で止まり、ひしゃげ、あらぬ方向へ弾き飛ぶ。
衝撃波は止まらない。
そのまま直進し、拳銃を構えていた敵マスターの拳を砕く!
ゴウランガ! ソニックカラテだ!!
「イヤー!」
「グワー!」
二発目、一歩踏み出しアッパーめいた拳撃! ソニックカラテアッパーだ!!
衝撃波が地面をえぐり、数瞬後に敵マスターの顎をえぐる。天高く舞い上がる的に対して、フマトニは三歩踏み出す。
「イヤー! イヤー! イヤー!!」
「グワー! グワー! グワー!!」
三発目、空中の敵めがけて拳を突き出す! ソニックカラテ対空ポムポムパンチだ!!
敵マスターの身体に衝撃波が何度も、何度も、何度もめり込む!
「イヤー!」
「グワー!」
宙を舞っていた敵マスターを、今度は上空からの衝撃波が襲う! ソニックカラテニ段浴びせ蹴りだ!
「イヤー!」
「グワー!」
地面に叩きつけられた敵マスターを、今度は地面すれすれの衝撃波が襲う! ソニックカラテ足払いだ!
「イヤー!」
「グワー!」
そして最後は全体重を込めた右拳の一撃が無防備な背中に突き刺さる! ジェット・ツキだ!
敵マスターは曲がり角の奥のコンクリート壁に背中をしたたかに打ち付け、悲鳴をあげる事もできず昏倒! ワザマエ!
「ようやく思い出せたぜ」
コンクリートの壁に叩きつけられた敵マスターが、まるで変身でも解けたかのようにガンマン風の格好から惨めな量販店のシャツにジーンズ姿になる。
数秒の空白の後女が目覚めると、そこにもうフマトニは居なかった。
すでに髪のセッティングは終わっていた。
いつものフマトニからは予想ができないほどに奇抜な、天をつくポンパドール・ヘア。
スーツを脱ぎ捨て、ネクタイをほどき、ガラモノのシャツのボタンを上から三つ開ける。
かばんの中にいつも入れていた特注のメンポを装着する。メカニカルでシャープなメンポ、あちらの世界で使っていたものとは別物のはずだが見た目は同一。更に実際よく馴染む。
折りたたみ式の櫛をポケットに戻し、胸の前で乱暴に手のひらを合わせ、オジギをする。
「ドーモ、エネミーマスター=サン。ソニックブームです」
合わせた右手、甲に浮かぶのは赤いミミズ腫れめいたクロスカタナのエンブレムとGのマーク。
ポンパドールが雨に濡れてしとやかに輝く。
パッパパッパというクラクションの音。
ガソリンを喰らってマフラーが唸る声。
酒を浴びた男や女の叫声。
全てがまぜこぜになった音の波が、遥か遠くから響いてくる。まるで蘇った男とひれ伏す女の二人だけ、世界から切り離されたようだ。
記憶の復活と、現実から隔離されたような状況は、大トロの粉末もないのにソニックブームに非常な高揚感を与えた。
「記憶が戻ってねえのをいいことに、俺様に好き勝手やってくれたなぁ。エエッ?」
敵のマスターは何も喋らない。ほぼほぼ死んでいる。
だが、まだ完全に死んではいないらしく、時折ぴくぴくと身体を動かし声にならない声をあげている。
フマトニ……いや、ソニックブームはその大きな手で敵マスターの頭を掴み、らくらく持ち上げる。
ニンジャ身体能力を使えばこのまま頭を握りつぶすことも可能だ。
しかし、それは叶わない。
マスターの危機を察知して、ワニの足に獅子の身体を持つキメラめいた奇妙な生物に乗ったサーヴァントが現れたのだ。
敵マスターのサーヴァント、騎乗兵・ライダーだ。
獅子は牙をがちゃがちゃならしている。あれに噛み付かれればさすがのソニックブームも五体無事には済まない。
ならば如何にしてこの窮地を切り抜けるのか。
その秘策は、ソニックブームのサーヴァントが握っている。
「オイオイオイオイ。始末も出来ねえ上に、足止めもろくに出来ねえのか」
『すみません、向かおうとしたら2つ目の宝具を解放されてしまって』
「チッ、まあいい。さっさと終わらせるぞ」
ソニックブームは右手に持っていた敵マスターをキメラの方に放り投げる。
キメラの動きがやや遅くなるのを見逃しはしなかった。
バッファローめいた力強い眼光を携えていた目を伏せ、意識をセイバーに向ける。
セイバーの宝具を通して、ソニックブームとセイバーの意識がつながる。
「やれ、セイバー」
ソニックブームが目を開く。
視線の先に映るのはライダーのサーヴァントと、未だ前後不覚で彼に抱きとめられている敵マスター。
その瞬間、空間を切り裂いて煌めく流星が飛び出す!
その菱型の流星、高速回転する致死の刃、明らかにスリケン!
「なッ―――」
ライダーが気づいた時には既にそのスリケンの必殺の間合い。
空間についでマスターとライダーの身体を真っ二つに切り裂いたスリケンは、他の何物も傷つけずに消える。
「もう一発だ」
再び異次元からスリケンが飛び出す。今度は縦に、ライダーとマスターとキメラを同時に切り裂く。
もはや三者はどいつも動けない。
「サヨナラァァァァァ――――――――!!!!」
ナムサン! ライダーはしめやかに爆発四散!
したように見えたがなんてことはない、ただ消滅しただけだった。
その場には、四分割された敵マスターと、ライダーの呼び出したキメラの足あとだけ。
『終わりましたか?』
「あぁ、もう帰る」
『分かりました。食事の用意はしておきます』
簡単な念話を済ませて、ソニックブームはスーツのジャケットを拾って歩き出す。
しかし、記憶喪失以前に嗜んでいたタバコを持っていないことに気づき、そのまま、血塗れの格好でコンビニを目指した。
【ガンマン風の女性マスター 四分割】
【キメラを操るライダー 爆発四散】
◆◆◆
「お帰りなさい……って、すごいイメチェンですね」
「アァ……思い出したんだよ、全部な」
セイバー―――金髪の青年、橘清音は作った料理をテーブルに並べていた手を止めて、ソニックブームに向き直った。
今朝ぶりにソニックブームと彼のサーヴァント・セイバーが顔を合わせる。
時間にして12時間も空いてない。だが、見た目は大きく変わっていた。
ソニックブームはあの時整えたままの格好で帰宅した。理由などない。もともとこの格好が正装なんだから着替える必要がない。
多少人目は引いたようだが、それでもフマトニ時代のように絡まれることはなくなった。
「今日も狙われましたね」
「それだけ、やる気のやつが多いってことだろ」
望むところだが、と付け加え、椅子に腰掛ける。
食卓に並ぶのは白飯、味噌汁、漬物、きのこと野菜と鮭のバターソテー。
見た目青年なセイバーが作った食事とは思えない、なんともしょっぱいメニューだ。
ソニックブームは食事作法など知った事かというような味噌汁を飲み下し、他のすべてをかっこんでいく。
セイバーは食事がわりに湯のみに注いだ緑茶を飲み、ソニックブームはタバコを吸う。
セイバーが後片付けをしている間、ソニックブームはようやく傷の手当を行う。
ソニックブームが傷を庇いながら風呂に入っている間、セイバーは日課の座禅を行う。
各々一息ついて、セイバーがつぶやく。
「記憶が戻ったってことは、何を願うかも思い出したんですか?」
「願い……アァー……なんだろうな」
はぐらかすわけではない。
単純に、思いつかなかった。
他人を支配したいと思っているし、物欲だって人並み以上にある。ニンジャとして暴れ回りたいというのも願いといえば願いだ。
ただ、どれもこれも無限の願望器へ届けるほどの願いではない。元の世界で十分に叶っていた願いだ。
「そんなこと聞いてどうするんだ?」
「……貴方の願いが他人を害するようなら、俺は貴方を殺さなきゃなりません」
「言うじゃねえか、餓鬼のくせに。エエッ?」
「餓鬼じゃない。これでも立派な英霊です」
物騒なことを口走る。
ソニックブームの眼光が鋭くなる。
セイバーがNOTEに手をかける。
だが、どちらも動かない。
ポーズだけ、自身の意志を示すための威嚇と言った方がいいかもしれない。
二人組は急造ではあったが、三度の戦闘を経てお互いとの呼吸の合わせ方を知っていた。
相方がどんな人間かを知っている。
ソニックブームはセイバーのバカ真面目さを知っているし、セイバーはフマトニ時代からソニックブームの身の振り方を知っている。
そして、相方との距離感の保ち方も知っていた。
特にソニックブームは冷静に立ち回りが行えるニンジャだ。
争っても特に意味が無いと分かれば、身を引く潔さも持ち合わせている。
「それじゃあ、英霊さんに迷惑をかけねえように願いの内容も考えねえとなあ」
ソニックブームはからからと笑う。
その笑いは、どちらかといえば嘲笑に近い。
セイバーは少し眉を潜めるが、特になんと言い返すこともなかった。
ソニックブームの性格を考慮した上で、言い返しても堂々巡りだと分かっていたからだろう。
「まあ、願いがどうなるにしろ、黙って殺されるのはごめんだがな」
先に記したとおり、ソニックブームたちが襲われたのは今回で三回目だった。
フマトニがマスターとして目立っていたのか、図体ばかりの弱い男と思われたのか、それとも単に星のめぐり合わせか。
はっきりとしたことは言えないが、それでもこの戦争のなんたるかを理解するには十分だった。
やる気の主従は多い。油断していればこちらが食い物にされる。
だから、襲われれば殺す。徹底的にぶちのめしたあとぶち殺す。
この点については、セイバーも「記憶を取り戻していない相手を殺すようなやつの願いを叶えたくない」と同意権だった。
「願いなんて、そんなもん、戦ってる内に思いつくだろ。それよりもセイバー、お前スシは作れねぇのか」
「……調べておきます」
二人は、あまり互いを快く思っていないが、それでもそれなりに仲良くやれていた。
----
【クラス】
セイバー
【真名】
橘清音@ガッチャマンクラウズ
【パラメーター】
橘清音 筋力:E- 耐力:E 敏捷:E 魔力:C 幸運:A 宝具:B
ガッチャマン 筋力:B- 耐力:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:A 宝具:B
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
騎乗:―
【保有スキル】
正義の味方:―
正義の味方である。
悪を見過ごすことが出来ず、自身のメリット度外視で被害者を助ける。
弱者や善人を攻撃する際筋力が下降する。
そして、自身のマスターが悪であるならば、自身のマスターさえも敵とみなす。
また、英霊として呼び出された際にこの部分が強く再現され、他者を虐げる悪に対しては(原作中MESSに対してそうだったように)非情に徹することが可能となっている。
候補作中で敵マスターを斬り捨てられたのは「記憶の戻っていない者を一方的にいたぶる悪人」だったため。
気配遮断(偽):―(B)
ガッチャマン変身中に使用可能。
アムネジア・エフェクトを用いて気配を完全に遮断出来る。
ただしサーヴァントからは隠れることができない。
正体秘匿:C
ガッチャマンのメンバーとしてバレることなく数年間生活を続けていたことに起因するスキル。
橘清音状態ではサーヴァントであると気づかれにくい。
ただし逸話を知っている相手や勘のいい相手には気づかれる。
縦横無尽の立ち回り:―(C)
ガッチャマン変身中に使用可能。
壁や天上を足場にすることが出来る。
Cランクでは走り回る以外に壁や天井での直立不動も可能。
【宝具】
『目覚めた自由の翼(むげんまあいのNOTE)』
ランク:A 種別:― レンジ:― 最大捕捉:―
セイバーの魂が具現化したもの。
この宝具を使うことにより、セイバーはガッチャマン状態に変身する。
ステータスを向上、他の宝具の使用条件を開放する。
更に、NOTE経由でマスターとどれだけ距離が離れても念話が可能となる。これに関しては開放せずとも使用可能。
この宝具は魂の具現化したものであるため、破壊された場合セイバーは消滅する。
『音叉刀 疾風』
ランク:C 種別:対人 レンジ:10 最大捕捉:30
音叉刀疾風を振るうことで清めの音で敵に攻撃する。
斬撃ではなく音撃であるため振動による特殊攻撃を無効化出来ない場合、相手はダメージ判定を得る。
『無限刀 嵐』
ランク:C 種別:対人 レンジ:99 最大捕捉:1
感知できている場所ならばどんな場所にでも手裏剣型の斬撃を飛ばし、切り裂くことが出来る。威力は加減が可能。
マスターの視覚越しに認知しても『感知した』と判断し、斬撃が飛ばせる。
真正面からの不意打ちであり、相手の耐久が筋力以下である場合防御されなければ両断が可能。
『燃え上がる正義、大きな手のひら。私の始まりはあなたの背(ジョーさん)』
ランク:C 種別:ジョーさん レンジ:1 最大捕捉:1
セイバーの心のなかに強く残っているジョーさんこと枇々木丈を再現する。戦力が単純に倍になる。
・そもそもがセイバーの宝具であり、彼の魔力でも再現の補助を行っていること
・呼び出されたジョーさんが再現された爆炎のNOTEから魔力をある程度供給していること
・ワンポイントで呼び出せ、通常契約のように常に魔力を供給する必要がないこと
などから魔力消費は他のサーヴァントと契約するよりは格段に安上がり。だがそれでも、魔力適性のない者では呼び出せないほど負荷がかかる。
かなりの練度のカラテを使えるソニックブーム=サンが呼び出すとすれば、令呪による魔力ブーストなしでは1分が限界。
なお、この宝具は枇々木丈を召喚する宝具ではなくセイバーの心の中のジョーさんを再現する宝具であるため、実際の枇々木丈とは性能が少し違うことがある。
【weapon】
音叉刀 疾風
刀。セイバーが変身前に持っている刀。銃刀法の関係から模造刀かも知れないが切れ味は鋭い。
【人物背景】
その風貌!その戦闘!
あからさまにニンジャなのだ!
クラウズ時代の先輩として再現されているのでわりと直角定規な部分がある。
インサイトみたいに素で調子に乗ってないのでこちらの方が御しやすいのかもしれない。
今回の聖杯戦争では「最も適した願いを届ける」という方針で動くつもりでいる。
【マスター】
ソニックブーム@ニンジャスレイヤー
【マスターとしての願い】
特になし。
【能力・技能】
ソニックカラテ
【人物背景】
◆忍◆ ニンジャ名鑑#114 【ソニックブーム】 ◆殺◆
ソウカイ・シックスゲイツのニンジャで、元ヤクザ・バウンサー。
ソニックカラテやジェットカラテの訓練を積んでおり、格闘能力は高い。
気が短く凶暴であるが、同時に、冷静な判断力をあわせ持つ。
参戦時期は死亡前。
ショーゴー=サンと面識があるかどうかの頃でヤモト=サンとの面識はない。
【方針】
この世界にソウカイヤがない以上ただのフーテン。フマトニ時代の仕事はあるし住む場所もあるが記憶が戻った以上どうするかは考えもの。
襲ってくる相手は容赦せずに叩き潰す。叩き潰してぶち殺す。慈悲はない。
願いが見つかったならば攻勢に転じるが、それまではぶらぶらするつもり。
ただ、元来腕で相手を屈服させるのが好きなタチなので、みずから戦闘に向かうこともあるだろう。
セイバーは近接戦闘にも長けるが、一番の長所はマスター越しに知覚しても攻撃が可能な『無限刀 嵐』。
この技を起点にして攻めるのが基本の立ち回りになる。
マスター自身もわりと色々できるが、追い詰められた時にジョーさんを呼べるように余力は残しておきたい。
ジョーさんは足止め要員。焼き加減レアにしといてください。
**時系列順
Back:[[葛葉ライドウ&セイバー]] Next:[[日出ずるところの天子]]
**投下順
Back:[[葛葉ライドウ&セイバー]] Next:[[日出ずるところの天子]]
|CENTER:Character name|CENTER:Next→|
|CENTER:ソニックブーム(フマトニ)|[[全ての人の魂の夜想曲]]|
|CENTER:セイバー(橘清音)|~|
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男性にしては珍しいさらさらと艶めく肩口までの長さの髪に、笑顔が似合う甘いマスク。朗らかな笑みは女性受けもよく、本人の人当たりもまた悪くない。
上背は高く、ガタイもいい。特にスポーツをしているわけではないが鍛えるのが趣味ということもあり、引き締まった身体は人目を引いた。
白いスーツを着こなし、それなりの業績を上げ、可もなく不可もなくな扱いで会社に通っていた。
男・フマトニは多少目立つ見た目をしているが、ある一点を除けばどこにでも居る商社マンだった。
そう、ある一点。右手のミミズ腫れを除けば。
「はぁっ、はぁっ、クッソ、なんだってんだよ……!!!」
フマトニはとある催し事に強制的に参加させられていた。
その催し事こそ聖杯戦争。願いを持つ者達が椅子を求めて蹴落とし合う戦争だ。
フマトニは記憶も取り戻さぬ内に、彼の英霊であるというセイバーと出会い、戦場に放り出された。
そして今、逃げている。小雨の降りしきる中、街で突然繰り広げられた戦闘から、そして無慈悲な追撃者から。
ぱあん。
火薬の爆ぜる音で空気が揺れる。
フマトニの顔が苦痛にゆがむ。スーツの脹脛の側部に焦げ跡と、真っ赤なシミが広がる。
襲われるのは、今回で三度目だった。
一度目はビビって動けないところをセイバーに助けられた。
二度目は襲いかかってきた相手をセイバーにまかせて逃げた。
そして三度目、今回は勝手が違う。
二度目のようにサーヴァントが襲ってきたので、セイバーにその場を任せてフマトニは戦場から離脱した。
だが、逃げ出したフマトニを待っていたのは敵マスターだった。
フマトニと同じく戦場に放り込まれたマスターが、拳銃を持ってフマトニを殺しに来たのだ。
逃げる敵を想定し、戦力を割いた上で相手を殺す。実際、見事としか言い様がない。
「おい、セイバー、セイバーどうなってんだ! 早くしてくれ!」
『敵の宝具の相手で精一杯なんです! あと十数秒でなんとかするから逃げ切ってください!』
「なっ、お前っ!」
文句を続けられない。再び火薬の爆ぜる音。鮮烈な痛みがフマトニの右大腿部を襲う。
どくりどくりと脈打つ音が聞こえる。音と一緒に命が貫通痕からこぼれ出す。
だが、立ち止まってはいられない。立ち止まれば死だ。逃げ場のない死しかない。
痛みをこらえて曲がり角を曲がって暗がりの中を逃げていく。
数十秒後、フマトニは自身の運の無さを呪った。暗がりの奥に待っていたのは行き止まりだった。
相手を巻くために路地に逃げたが、それが思い切り裏目に出た。
「はあい、ゲーム・オーバー」
きざったらしい台詞とともに女性が現れる。
かちゃりかちゃりという金属音が路地裏に反響する。
死がやって来た。
十数秒まであと何秒ある。念話を飛ばす余裕もない。
ならば令呪で呼び出すか。令呪を使えばこの窮地を脱することも出来るかもしれない。
「早打ちでこの私に勝てると思うかい? 思うんだったら、やってみなよ」
どうも、世の中はそんなに甘くないようだ。
ガンマン風の女性は拳銃を降ろさず、視野を広く取るためにテンガロンハットのつばを指で持ちあげている。
少しでも動けば、あの銃口から弾丸が飛び出し、フマトニの頭蓋骨を割り中身をくちゃぐちゃにかき回すだろう。
そう遠くない未来を思いフマトニの心に到来したのは死の恐怖でも焦燥感でもない。怒りだった。
ここで死ぬのか。自身が何者だったのか、そんな単純なことすら終ぞ思い出すことも出来ずに死ぬのか。
他のマスターからは獲物として見られ、ガンマンの女にいいように踊らされ、ここで無残な死体に変わるのか。
「……こ、の……ふざ、けるなよ……」
怒りに任せ、己の境遇に思わずぼやく。かりりと頭の内側に小さなヒビが入る音。
何かが違う。何かが間違っている。何故かそう分かった。
違和感の正体を探ってすぐに思い当たる。言葉だ。フマトニが口にするのはこんな丁寧な言葉じゃなかった気がする。
「ふざけんじゃねえ……」
まだ遠い。もっと叩きつけるような粗野さだったはずだ。
「……っざけんな……」
だんだんだんだん近づいていく。
ぐるぐるとかき混ぜられた記憶たちから元の記憶を取り戻していく。
向けられた銃口。
さらさらと降り注ぐ小雨。
重金属の輝きと雨の音が重なる瞬間、すべての記憶が蘇る。
重金属の雨。
ネオンライト。
飛び交う怒号。
マグロ粉末。
バリキドリンク
スシを喰らい。カニを喰らい。
スモトリが、ヤクザが、無法者共が笑う世界。
一般人にとっては全てが敵。奪い、奪われ、響く笑い声。
クローン技術で複製された、ヤクザ、ヤクザ、ヤクザ、
彼らが口々に吐き出していたヤクザスラングの数々。
その全てを切り裂く、拳銃よりも鋭い一閃。
「ざっ……ッ!!!」
ガンマン風の女の人差し指の筋肉が収縮する様が網膜に焼きつく。
瞳孔拡大。インパルスが走る。ニューロンが伝達され、電気信号が遺伝子に刻まれた魂を叫ぶ。
記憶が重なり、未知と既知とをつなぎ合わせる。魂に刻まれた疾風の拳が蘇る。
―――鍵は、開いた。
◆◆◆
「ザッケンナコラァァァァ―――――――――――!!!!!」
◆◆◆
トリガーが引かれる瞬間、クロスカウンターのように突き出した拳。
拳銃の射程に対して拳撃を放っても距離が遠すぎる。当たるわけがない。
だが、フマトニには確信があった。この一撃で敵の拳銃を無効化する、その確信が。
放たれた拳撃が、衝撃波を巻き起こす。
撃ちだされ、フマトニの頭を撃ちぬくはずだった弾丸が、衝撃波で止まり、ひしゃげ、あらぬ方向へ弾き飛ぶ。
衝撃波は止まらない。
そのまま直進し、拳銃を構えていた敵マスターの拳を砕く!
ゴウランガ! ソニックカラテだ!!
「イヤー!」
「グワー!」
二発目、一歩踏み出しアッパーめいた拳撃! ソニックカラテアッパーだ!!
衝撃波が地面をえぐり、数瞬後に敵マスターの顎をえぐる。天高く舞い上がる的に対して、フマトニは三歩踏み出す。
「イヤー! イヤー! イヤー!!」
「グワー! グワー! グワー!!」
三発目、空中の敵めがけて拳を突き出す! ソニックカラテ対空ポムポムパンチだ!!
敵マスターの身体に衝撃波が何度も、何度も、何度もめり込む!
「イヤー!」
「グワー!」
宙を舞っていた敵マスターを、今度は上空からの衝撃波が襲う! ソニックカラテニ段浴びせ蹴りだ!
「イヤー!」
「グワー!」
地面に叩きつけられた敵マスターを、今度は地面すれすれの衝撃波が襲う! ソニックカラテ足払いだ!
「イヤー!」
「グワー!」
そして最後は全体重を込めた右拳の一撃が無防備な背中に突き刺さる! ジェット・ツキだ!
敵マスターは曲がり角の奥のコンクリート壁に背中をしたたかに打ち付け、悲鳴をあげる事もできず昏倒! ワザマエ!
「ようやく思い出せたぜ」
コンクリートの壁に叩きつけられた敵マスターが、まるで変身でも解けたかのようにガンマン風の格好から惨めな量販店のシャツにジーンズ姿になる。
数秒の空白の後女が目覚めると、そこにもうフマトニは居なかった。
すでに髪のセッティングは終わっていた。
いつものフマトニからは予想ができないほどに奇抜な、天をつくポンパドール・ヘア。
スーツを脱ぎ捨て、ネクタイをほどき、ガラモノのシャツのボタンを上から三つ開ける。
かばんの中にいつも入れていた特注のメンポを装着する。メカニカルでシャープなメンポ、あちらの世界で使っていたものとは別物のはずだが見た目は同一。更に実際よく馴染む。
折りたたみ式の櫛をポケットに戻し、胸の前で乱暴に手のひらを合わせ、オジギをする。
「ドーモ、エネミーマスター=サン。ソニックブームです」
合わせた右手、甲に浮かぶのは赤いミミズ腫れめいたクロスカタナのエンブレムとGのマーク。
ポンパドールが雨に濡れてしとやかに輝く。
パッパパッパというクラクションの音。
ガソリンを喰らってマフラーが唸る声。
酒を浴びた男や女の叫声。
全てがまぜこぜになった音の波が、遥か遠くから響いてくる。まるで蘇った男とひれ伏す女の二人だけ、世界から切り離されたようだ。
記憶の復活と、現実から隔離されたような状況は、大トロの粉末もないのにソニックブームに非常な高揚感を与えた。
「記憶が戻ってねえのをいいことに、俺様に好き勝手やってくれたなぁ。エエッ?」
敵のマスターは何も喋らない。ほぼほぼ死んでいる。
だが、まだ完全に死んではいないらしく、時折ぴくぴくと身体を動かし声にならない声をあげている。
フマトニ……いや、ソニックブームはその大きな手で敵マスターの頭を掴み、らくらく持ち上げる。
ニンジャ身体能力を使えばこのまま頭を握りつぶすことも可能だ。
しかし、それは叶わない。
マスターの危機を察知して、ワニの足に獅子の身体を持つキメラめいた奇妙な生物に乗ったサーヴァントが現れたのだ。
敵マスターのサーヴァント、騎乗兵・ライダーだ。
獅子は牙をがちゃがちゃならしている。あれに噛み付かれればさすがのソニックブームも五体無事には済まない。
ならば如何にしてこの窮地を切り抜けるのか。
その秘策は、ソニックブームのサーヴァントが握っている。
「オイオイオイオイ。始末も出来ねえ上に、足止めもろくに出来ねえのか」
『すみません、向かおうとしたら2つ目の宝具を解放されてしまって』
「チッ、まあいい。さっさと終わらせるぞ」
ソニックブームは右手に持っていた敵マスターをキメラの方に放り投げる。
キメラの動きがやや遅くなるのを見逃しはしなかった。
バッファローめいた力強い眼光を携えていた目を伏せ、意識をセイバーに向ける。
セイバーの宝具を通して、ソニックブームとセイバーの意識がつながる。
「やれ、セイバー」
ソニックブームが目を開く。
視線の先に映るのはライダーのサーヴァントと、未だ前後不覚で彼に抱きとめられている敵マスター。
その瞬間、空間を切り裂いて煌めく流星が飛び出す!
その菱型の流星、高速回転する致死の刃、明らかにスリケン!
「なッ―――」
ライダーが気づいた時には既にそのスリケンの必殺の間合い。
空間についでマスターとライダーの身体を真っ二つに切り裂いたスリケンは、他の何物も傷つけずに消える。
「もう一発だ」
再び異次元からスリケンが飛び出す。今度は縦に、ライダーとマスターとキメラを同時に切り裂く。
もはや三者はどいつも動けない。
「サヨナラァァァァァ――――――――!!!!」
ナムサン! ライダーはしめやかに爆発四散!
したように見えたがなんてことはない、ただ消滅しただけだった。
その場には、四分割された敵マスターと、ライダーの呼び出したキメラの足あとだけ。
『終わりましたか?』
「あぁ、もう帰る」
『分かりました。食事の用意はしておきます』
簡単な念話を済ませて、ソニックブームはスーツのジャケットを拾って歩き出す。
しかし、記憶喪失以前に嗜んでいたタバコを持っていないことに気づき、そのまま、血塗れの格好でコンビニを目指した。
【ガンマン風の女性マスター 四分割】
【キメラを操るライダー 爆発四散】
◆◆◆
「お帰りなさい……って、すごいイメチェンですね」
「アァ……思い出したんだよ、全部な」
セイバー―――金髪の青年、橘清音は作った料理をテーブルに並べていた手を止めて、ソニックブームに向き直った。
今朝ぶりにソニックブームと彼のサーヴァント・セイバーが顔を合わせる。
時間にして12時間も空いてない。だが、見た目は大きく変わっていた。
ソニックブームはあの時整えたままの格好で帰宅した。理由などない。もともとこの格好が正装なんだから着替える必要がない。
多少人目は引いたようだが、それでもフマトニ時代のように絡まれることはなくなった。
「今日も狙われましたね」
「それだけ、やる気のやつが多いってことだろ」
望むところだが、と付け加え、椅子に腰掛ける。
食卓に並ぶのは白飯、味噌汁、漬物、きのこと野菜と鮭のバターソテー。
見た目青年なセイバーが作った食事とは思えない、なんともしょっぱいメニューだ。
ソニックブームは食事作法など知った事かというような味噌汁を飲み下し、他のすべてをかっこんでいく。
セイバーは食事がわりに湯のみに注いだ緑茶を飲み、ソニックブームはタバコを吸う。
セイバーが後片付けをしている間、ソニックブームはようやく傷の手当を行う。
ソニックブームが傷を庇いながら風呂に入っている間、セイバーは日課の座禅を行う。
各々一息ついて、セイバーがつぶやく。
「記憶が戻ったってことは、何を願うかも思い出したんですか?」
「願い……アァー……なんだろうな」
はぐらかすわけではない。
単純に、思いつかなかった。
他人を支配したいと思っているし、物欲だって人並み以上にある。ニンジャとして暴れ回りたいというのも願いといえば願いだ。
ただ、どれもこれも無限の願望器へ届けるほどの願いではない。元の世界で十分に叶っていた願いだ。
「そんなこと聞いてどうするんだ?」
「……貴方の願いが他人を害するようなら、俺は貴方を殺さなきゃなりません」
「言うじゃねえか、餓鬼のくせに。エエッ?」
「餓鬼じゃない。これでも立派な英霊です」
物騒なことを口走る。
ソニックブームの眼光が鋭くなる。
セイバーがNOTEに手をかける。
だが、どちらも動かない。
ポーズだけ、自身の意志を示すための威嚇と言った方がいいかもしれない。
二人組は急造ではあったが、三度の戦闘を経てお互いとの呼吸の合わせ方を知っていた。
相方がどんな人間かを知っている。
ソニックブームはセイバーのバカ真面目さを知っているし、セイバーはフマトニ時代からソニックブームの身の振り方を知っている。
そして、相方との距離感の保ち方も知っていた。
特にソニックブームは冷静に立ち回りが行えるニンジャだ。
争っても特に意味が無いと分かれば、身を引く潔さも持ち合わせている。
「それじゃあ、英霊さんに迷惑をかけねえように願いの内容も考えねえとなあ」
ソニックブームはからからと笑う。
その笑いは、どちらかといえば嘲笑に近い。
セイバーは少し眉を潜めるが、特になんと言い返すこともなかった。
ソニックブームの性格を考慮した上で、言い返しても堂々巡りだと分かっていたからだろう。
「まあ、願いがどうなるにしろ、黙って殺されるのはごめんだがな」
先に記したとおり、ソニックブームたちが襲われたのは今回で三回目だった。
フマトニがマスターとして目立っていたのか、図体ばかりの弱い男と思われたのか、それとも単に星のめぐり合わせか。
はっきりとしたことは言えないが、それでもこの戦争のなんたるかを理解するには十分だった。
やる気の主従は多い。油断していればこちらが食い物にされる。
だから、襲われれば殺す。徹底的にぶちのめしたあとぶち殺す。
この点については、セイバーも「記憶を取り戻していない相手を殺すようなやつの願いを叶えたくない」と同意権だった。
「願いなんて、そんなもん、戦ってる内に思いつくだろ。それよりもセイバー、お前スシは作れねぇのか」
「……調べておきます」
二人は、あまり互いを快く思っていないが、それでもそれなりに仲良くやれていた。
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【クラス】
セイバー
【真名】
橘清音@ガッチャマンクラウズ
【パラメーター】
橘清音 筋力:E- 耐力:E 敏捷:E 魔力:C 幸運:A 宝具:B
ガッチャマン 筋力:B- 耐力:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:A 宝具:B
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
騎乗:―
【保有スキル】
正義の味方:―
正義の味方である。
悪を見過ごすことが出来ず、自身のメリット度外視で被害者を助ける。
弱者や善人を攻撃する際筋力が下降する。
そして、自身のマスターが悪であるならば、自身のマスターさえも敵とみなす。
また、英霊として呼び出された際にこの部分が強く再現され、他者を虐げる悪に対しては(原作中MESSに対してそうだったように)非情に徹することが可能となっている。
候補作中で敵マスターを斬り捨てられたのは「記憶の戻っていない者を一方的にいたぶる悪人」だったため。
気配遮断(偽):―(B)
ガッチャマン変身中に使用可能。
アムネジア・エフェクトを用いて気配を完全に遮断出来る。
ただしサーヴァントからは隠れることができない。
正体秘匿:C
ガッチャマンのメンバーとしてバレることなく数年間生活を続けていたことに起因するスキル。
橘清音状態ではサーヴァントであると気づかれにくい。
ただし逸話を知っている相手や勘のいい相手には気づかれる。
縦横無尽の立ち回り:―(C)
ガッチャマン変身中に使用可能。
壁や天上を足場にすることが出来る。
Cランクでは走り回る以外に壁や天井での直立不動も可能。
【宝具】
『目覚めた自由の翼(むげんまあいのNOTE)』
ランク:A 種別:― レンジ:― 最大捕捉:―
セイバーの魂が具現化したもの。
この宝具を使うことにより、セイバーはガッチャマン状態に変身する。
ステータスを向上、他の宝具の使用条件を開放する。
更に、NOTE経由でマスターとどれだけ距離が離れても念話が可能となる。これに関しては開放せずとも使用可能。
この宝具は魂の具現化したものであるため、破壊された場合セイバーは消滅する。
『音叉刀 疾風』
ランク:C 種別:対人 レンジ:10 最大捕捉:30
音叉刀疾風を振るうことで清めの音で敵に攻撃する。
斬撃ではなく音撃であるため振動による特殊攻撃を無効化出来ない場合、相手はダメージ判定を得る。
『無限刀 嵐』
ランク:C 種別:対人 レンジ:99 最大捕捉:1
感知できている場所ならばどんな場所にでも手裏剣型の斬撃を飛ばし、切り裂くことが出来る。威力は加減が可能。
マスターの視覚越しに認知しても『感知した』と判断し、斬撃が飛ばせる。
真正面からの不意打ちであり、相手の耐久が筋力以下である場合防御されなければ両断が可能。
『燃え上がる正義、大きな手のひら。私の始まりはあなたの背(ジョーさん)』
ランク:C 種別:ジョーさん レンジ:1 最大捕捉:1
セイバーの心のなかに強く残っているジョーさんこと枇々木丈を再現する。戦力が単純に倍になる。
・そもそもがセイバーの宝具であり、彼の魔力でも再現の補助を行っていること
・呼び出されたジョーさんが再現された爆炎のNOTEから魔力をある程度供給していること
・ワンポイントで呼び出せ、通常契約のように常に魔力を供給する必要がないこと
などから魔力消費は他のサーヴァントと契約するよりは格段に安上がり。だがそれでも、魔力適性のない者では呼び出せないほど負荷がかかる。
かなりの練度のカラテを使えるソニックブーム=サンが呼び出すとすれば、令呪による魔力ブーストなしでは1分が限界。
なお、この宝具は枇々木丈を召喚する宝具ではなくセイバーの心の中のジョーさんを再現する宝具であるため、実際の枇々木丈とは性能が少し違うことがある。
【weapon】
音叉刀 疾風
刀。セイバーが変身前に持っている刀。銃刀法の関係から模造刀かも知れないが切れ味は鋭い。
【人物背景】
その風貌!その戦闘!
あからさまにニンジャなのだ!
クラウズ時代の先輩として再現されているのでわりと直角定規な部分がある。
インサイトみたいに素で調子に乗ってないのでこちらの方が御しやすいのかもしれない。
今回の聖杯戦争では「最も適した願いを届ける」という方針で動くつもりでいる。
【マスター】
ソニックブーム@ニンジャスレイヤー
【マスターとしての願い】
特になし。
【能力・技能】
ソニックカラテ
【人物背景】
◆忍◆ ニンジャ名鑑#114 【ソニックブーム】 ◆殺◆
ソウカイ・シックスゲイツのニンジャで、元ヤクザ・バウンサー。
ソニックカラテやジェットカラテの訓練を積んでおり、格闘能力は高い。
気が短く凶暴であるが、同時に、冷静な判断力をあわせ持つ。
参戦時期は死亡前。
ショーゴー=サンと面識があるかどうかの頃でヤモト=サンとの面識はない。
【方針】
この世界にソウカイヤがない以上ただのフーテン。フマトニ時代の仕事はあるし住む場所もあるが記憶が戻った以上どうするかは考えもの。
襲ってくる相手は容赦せずに叩き潰す。叩き潰してぶち殺す。慈悲はない。
願いが見つかったならば攻勢に転じるが、それまではぶらぶらするつもり。
ただ、元来腕で相手を屈服させるのが好きなタチなので、みずから戦闘に向かうこともあるだろう。
セイバーは近接戦闘にも長けるが、一番の長所はマスター越しに知覚しても攻撃が可能な『無限刀 嵐』。
この技を起点にして攻めるのが基本の立ち回りになる。
マスター自身もわりと色々できるが、追い詰められた時にジョーさんを呼べるように余力は残しておきたい。
ジョーさんは足止め要員。焼き加減レアにしといてください。
**時系列順
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**投下順
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|CENTER:Character name|CENTER:Next→|
|CENTER:ソニックブーム(フマトニ)|[[全ての人の魂の夜想曲]]|
|CENTER:セイバー(橘清音)|~|
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