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「不律&ランサー」(2016/05/30 (月) 00:41:25) の最新版変更点
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聖杯によって再現された<新宿>は、<魔震>での被害から立ち直ろうとしている。
それは魔界都市と呼ばれている都市ではなく、現実世界、東京の内の一都市として一般的にイメージされる新宿の姿へと近づこうとしていた。
しかしその<新宿>にも、魔界都市の片鱗ともとれる怪異は少なからず存在する。
ある時は資格を得た者のサーヴァント同士が戦った痕跡。
ある時はサーヴァントが魂喰いをした際に打ち捨てられたNPCの死骸。
そして、何の手続きも経ずに新宿に現れ、創立一ヶ月も経っていないのに住民どころか行政にも受け入れられている『メフィスト病院』だ。
その病院で、塵一つ無い小奇麗な廊下を白衣を着た老人が歩く。
聴診器を首にかけていることからメフィスト病院に勤務する医師だとわかる。
しかし、その老人とすれ違ったある患者は少しおびえた表情で彼を見る。
しわがれた肌に、電灯の光を反射して銀色に光る白髪が不気味にみえるといえばそうだが、
何よりも目を合わせると今にもメスで叩き斬られそうな鋭い眼光が人を寄せ付けないでいた。
だが、老人は腐ってもかのメフィスト病院の医師。
メフィスト病院の医師はみな、院長ほどではなくとも他の街では極上の名医と呼ばれるほどの腕を持っている。
この老人もその例に漏れず、数々の難病を完治させてきた実績を持つベテランだ。
一方で、老人はある研究で欠損器官の再生を実現させた経歴を持つのだが、その技術を否が応でも実用化しようとしないという頑固頭の持ち主としても有名であった。
老人はある病室の前で止まり、引き戸式の入り口を開ける。
病室の中にはカルテを懐に準備して待っていた看護婦と、ベッドの上で寝ころんでいる老人の担当する患者がいた。
患者はテレビをつけっぱなしにしながら看護婦と談笑していた。
「ふ、不律先生!」
患者は不律と呼ばれた医師に気づくとビクついて上半身を急いで起き上がらせ、こわばった表情で迎えた。
老人医師・不律の回診の時間だった。
看護婦が不律に患者のカルテを渡す。
「経過はどうじゃ」
不律はベッドの隣に置かれていた丸椅子に座り、カルテと患者の間で目線だけを行き来させながら言う。
「り、良好です。特に痛みもありません」
「様態が急変することもありませんでした」
まるで上官に向かって話す一兵卒のようにはきはきと話す患者に看護婦が付け加える。
不律はふむ、と顎に手を当てながら考えるしぐさを取る。
「…とにかく、基本的な検査をしてみんと何ともいえぬ」
そう言って、回診で毎度のようにしている健康状態の確認を行う。
しかし聴診器を使って検査をしても、血圧を測っても特に異常は見当たらない。
不律がその患者は近い日に退院できるという判断に至るまで時間はかからなかった。
◆ ◆ ◆
深夜の新宿某所の路地。夜天は雲で覆われており湿度が高く、どこか蒸し暑い。
道路やその両脇にある建造物は薄汚く、所々が老朽化しているようだ。
歩道ではガタイのいい男が店の前に立ってゲイクラブの客引きをしている。
この<新宿>が裏の顔を見せている時間帯だった。
その夜の街を時代遅れにも古風な着物とマントを着用し、銃刀法など何処吹く風といわんばかりに刀を腰に隠し持っている老人が歩く。
そこらへんの若い盛りの者や、弱いものから金を巻き上げようとするチンピラもゲイクラブの客引きも、老人とは目を合わせずにすれ違う。
不律はその凍てついた目を光らせながら夜の<新宿>を往く。
その老人の目の届かぬ場所から、老人を睨む視線があった。
廃ビルの一室、割れた窓、そこから黒い一本の銃身が伸びる。
音も立てず、着物を身に着ける老人の頭を撃ち抜かんと、その視線を放つ者はスナイパーの引き金を引く。
気付かれた様子はない。位置取りも完璧。スコープの中心点は老人の頭ど真ん中を捉えていた。
――必中。
契約者の鍵を得た者の一人は銃声を聞いてそれを疑わなかった。
「こっちじゃ!」
老人が廃ビルの中まで届く声を発するまでは。
有り得ない。完全に捉えたと思っていた老人が銃を引いた途端、声を上げて忽然と姿を消した。
そのマスターは慌ててスナイパーを持ち直し、老人をスコープ越しに探す。
時折スコープから目を離して肉眼で探しても老人は見つからない。
完全に死角に入られた。
混乱するマスターに次々と異変が襲いかかる。
まず、気配の乱れを感じた。
急いで念話を試みるが、彼のサーヴァントは念話の届かない範囲にいるので何が起こっているか分からない。
老人のサーヴァントに襲われて窮地に陥っていることだけは推測できた。
そして――。
チャキン。
小気味よい金属音が、マスターの背後で静かに音を立てる。
マスターの額に玉の汗がにじみ出る。動悸が激しくなり、呼吸が荒くなる。
バカな。そんなハズはない。あの一瞬でこちらの場所を感じ取り、気配を悟られずに背後を取るなど――。
震えながら恐る恐る後ろを振り向くと、そこには。
刀の柄に手をかけた不律が殺気を纏って立っていた。
「斬る…!」
「……っ!」
マスターは咄嗟に懐に忍ばせていたハンドガンに武器を持ち替え、乱射する。
刀を己が身に近づけまいと弾切れなる心配をよそに無我夢中に打ち続ける。
銃声が連続で部屋の中に響き渡り、不律を貫かんと弾丸が迫る。
「こっちじゃ!」
不律の動きを見たマスターは目を疑った。
まばたきをしてから終えるまでに不律は別の場所に移動しており、肉眼で捉えきれないスピードであった。
テレポートの類を習得しているのかと思いたくなる速さで動いていた。
これほど瞬間移動という言葉が似合うものは存在しないといえるほどの転移術であった。
「こっちじゃ!」
すかさず移動した不律へ再度発砲するが、
「こっちじゃ!」
避けられる。
「こっちじゃ!」
また避けられる。
「こっちじゃ!」
「こっちじゃ!」
「こっちじゃ!」
避けられて避けられて避けられて避けられて避けられて。
カチッ。
最後には弾切れを示す音があっけなくマスターの耳に届いた。
「弾雨をくぐり生き延びた儂にそんな玩具は効かぬ」
それがマスターの聞いた最期の言葉であった。
◆ ◆ ◆
メフィスト病院に勤める医師・不律。それはあくまで表向きの顔だ。
その正体は契約の鍵を得た者、聖杯を手に入れる資格を持つ者の一人。
血に濡れた刀を一振りし、鞘に収める。
「儂の近辺を嗅ぎ回る者がおると思えば…マスターじゃったか。あの患者ではないようじゃな」
不律の前に血を大量に流して倒れる者の顔を見て、斬ったマスターが病院で退院を言い渡した患者とは別人であることを確認する。
最近不律は周囲を執拗に調べている者の存在を感知しており、もしや担当している患者が、とも勘繰ったがそうでもなかったようだ。
「こちらも、終わりましたよ」
不律の耳に突如声が響く。
同時に虚空からドアが湧いたように現れ、ギィと軋む音を立てて独りでに開いた。
まるで某ネコ型ロボットのどこでもドアのようだ。
その中から、紙袋を被った背丈3mほどもある不律のサーヴァントが現れる。
その体格は長身に反して細身で、シルエットだけならばスレンダーマンに見えなくもない。
頭と四肢がついていることから辛うじて人間であることが判断できる。
片手には巨大なメスが握られており、身に着けている白衣も合わせるとその容姿は医者を連想させる。
サーヴァント同士の戦闘を終えて戻ってきたようだ。
「返り血がついておらぬ…『殺さなかった』ようじゃな、ランサー」
ランサーと呼ばれた紙袋を被ったサーヴァントは「ええ」と不律の言葉に肯定の意を返す。
ランサーの裏にあったドアはいつの間にか消えている。
彼も転移術を使って不律のもとへ一瞬で戻ってきたらしい。
不律のそれとは違う、本物のテレポートに分類される物質転移の術だ。
「マスターが死んだのを察知して、潔く負けを認めてくださいました。こちらが直接手を下すことにならなくてよかった」
「…敵は葬った。もうここに用はない」
「不律さん」
傍らに転がる遺体を尻目に去ろうとする不律をランサーが呼び止めた。
「今回は向こうから仕掛けてきたケースですから、殺すのもやむを得ないかもしれません」
声色は先ほどより少し重い。
まるで末期ガンの患者と今後を決める時のように背を向けたままの不律にランサーは語りかける。
「しかし、あなたは――」
「わかっておる。儂は聖杯を欲する身…。そのために犯さねばならぬ業ははかり知れぬ」
不律は振り返ってランサーと向き合い、自身の思いを述べる。
大戦時、当時軍医であった不律がドイツにて進めていたある研究。
契約者の鍵を手に入れた不律は、聖杯の力でその成果を抹消するべく刀と旧式電光被服を携えて動き出した。
しかし、ランサーが言うには聖杯戦争には巻き込まれた命も少なからず存在するという。
聖杯を獲るということはそんな巻き込まれた者達をも敵に回すことを意味していた。
「じゃが、儂はかの技術を生み出したことにけじめをつけねばならぬ。複製體に転生の器、果てには命の泉(レーベンスボルン)計画への転用、神を作る行為…
あれを悪用されてはいずれ人類の破滅を招く。今となっては進むところまで進んでしもうた…。どんな手段を取っても心を阿修羅にして抹殺せねばならぬ」
元々は欠損器官再生を目的とした研究。
しかし、それは徐々にその姿を悪魔へと変えていった。
人造兵士計画へと――秘密結社ゲゼルシャフトで用いられていたエレクトロゾルダートがその成果の最たる例だ。
不律は探求心からこの計画に参加していたが、戦後その危険性に気付き、研究成果の抹殺に明け暮れることになった。
アドラー、ムラクモ、そして完全者。
不律の技術は悪用され、災厄の種はその予想をはるかに超えて成長していた。
「…あなたの胸中、お察しします。私も過去の罪に苛まれ、狂った者ですから」
ランサー――否、どんな奇病でも無償で治してしまう凄腕の闇医者【ファウスト】。
かつてファウストは起こるはずのない治療ミスで患者の少女を死なせ、罪の意識から発狂して殺人鬼へ身も心も堕としたことがある。
現在こそ正気を取り戻せてはいるが、殺人鬼として犯した罪は償おうにも償えない。
過去の治療ミスが何物かによる少女の謀殺だと判明し、ファウストがその真相を確かめるために奔走したように、
不律も過去の罪に決着をつけようとしているのだろう。
不律はサーヴァントとは違う、今を生きる人間。
しかし大戦終結からかなりの年月が経っており、まだ戦える程度には健康だがあと何年生きられるかわからない。
目の黒い内に終わらせると眼光の中で光るその心を、ファウストもよく理解している。
が、ファウストは「ただ、」と付け加えて紙袋の中で口を開いた。
「医者として一つ言わせてください。医者は斬るのではなく、治すのが仕事です。
あなたの中に全てを犠牲にする覚悟の他に医者としての僅かな良心でも残っているのであれば…
どうか、皆殺しにするのではなく救える命を可能な限り救ってみてはいかがですか?」
ファウストが不律に向けたのは、このままでは巻き込まれた者をも切り伏せかねないマスターへの提言だった。
外見に反する丁寧かつ穏やかな物腰からも、ファウストの持つ優しさが嘘偽りでないことがわかる。
「無論、強制するつもりは毛頭ございません。自己決定権というものがありますから」
その過去から、かつて軍医であったという不律には聖杯を狙うにしても皆殺しの道には堕ちてほしくないことを心のどこかで思っていた。
あくまで決定権はマスターにあるので提言という形で済ませたが、その思いは本当だ。
もし、この聖杯戦争に巻き込まれたマスターが年端もいかぬ少女で、斬り殺されたとなれば――。
そこから先を考えようとして、やめた。
ファウストにはサーヴァントとなった今でも殺人鬼であった頃の後遺症が少なからず残っている。
精神が不安定な時にトラウマを抉られでもしたら、正気を保てる自信がない。
「…儂も好きで斬っているわけではない」
ファウストの言葉を聞いて、不律は僅かにその表情を動かす。
「かの技術に関わる者、かの技術で生み出された者、そして儂の行く手を阻む者…儂が斬るのはこの3者のみよ」
特に最後に関しては<新宿>に来る前は復活した高級技官アカツキの電光機関、そして世界侵略を開始した新聖堂騎士団を巡って、
かつての同僚や上海のマフィアなど多数の強敵と死闘を繰り広げたことは記憶に新しい。
「サーヴァントさえ消滅させればマスターは斬らぬ。…我が道を塞がねば、じゃがな」
「では、巻き込まれた方々は殺すつもりはない、と?」
声が明るくなったファウストに対して不律は首を縦に振る。
「儂もこの心身をアイゼン(鉄)へと変えても元は医者じゃ。そういった子らが怪我をしているならば放っておくわけにはいかぬ」
不律は自身の研究に関わる事には決して容赦はしない。
それでも不律は大戦を終えてから時の流れに任せて老いた『人』であり、厳しくも優しい性格は鉄の心にもまだ残っていた。
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【クラス】
ランサー
【真名】
ファウスト@GUILTY GEARシリーズ
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C+ 魔力A 幸運D 宝具E
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
法術:A+
人類が理論化する事に成功した法力を使い行使する、『無限にエネルギーを生産する』限りなく万能に近い力。
ファンタジーでいう「魔法」に近い。
無から有を生み出せるという点で魔術よりも応用範囲が広く使いやすいが、
人類に理論化されていることからその神秘の位は低く、サーヴァントに傷をつけることはできない。
あくまで補助的に運用するかマスターへの攻撃に留めておくべきだろう。
ランサーの場合、習得が困難とされる物質転移、空間歪曲を主に使用する。
特に物質転移の術はランサーの敏捷を補強することもできる強力な法術。
医術:A+
医学の才能。
ランサーは世界最高とまで呼ばれるほどの外科医と呼ばれていた。
例え対象が瀕死に至るほどの外傷を負っていても、その傷を治すことができる。
何が出るかな?:EX
ランダムでアイテムを懐から取り出す、「道具作成」の変質スキル。
「道具作成」とは違って瞬時にアイテムを作成できるが、取り出すアイテムを指定することができずランダム性がある。
出せるアイテムはちびファウストやドーナツから、隕石、爆弾、ヘリウムガス、ブラックホールと幅広い。
自己改造:B
自身の肉体を改造し、如何様にも変態できる。
ランサーは便利なので手術で首を伸ばせるようにしたり、腕を四本生やせるようにしている。
某釜爺もびっくりである。
精神汚染:E-
かつて患者である少女を死なせてしまったことによる、気が触れた恐怖の殺人鬼としての一面。
しかし生前に善良な記憶を取り戻して正気に戻ったことでこのスキルはほぼ失われており、
現在はその後遺症として支離滅裂な言動や仕草が表れる程度で済んでいる。
【宝具】
『刺激的絶命拳(エネマン・ルーレット)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1~15 最大捕捉:1
地面を泳ぐようにして敵に肉薄し、敵の括約筋に存在する体内に直接続いている1点の穴に向かって貫手を突き刺すランサーの絶命奥義。
その鍛えられない秘孔を突かれた者は耐久のランクに関わらず、ある者は痛み、ある者は快感に悶えて各々のリアクションを取るであろう。
ただし、ランサーが貫手を入れる前の一瞬の間に相手は4つのカップから1つを選ぶ4択問題に挑戦させられる。
その中の3つに入っている「悪魔」を選ぶと貫手をヒットさせるが、1つだけ入っている「天使」を選ぶと逆にランサーがダメージを受けて吹き飛んでしまう。
天使を選ぶか悪魔を選ぶかは敵の幸運判定で左右される。
なお、悪魔にも種類があり、その色によって与えるダメージが変動する。
…ここではあくまで貫手と記述したが、有体に言えば単なるカンチョーを食らわせる宝具である。
『今週の山場(デストラクティヴ・グッドウィル)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
神業の如き腕を持つ闇医者・ファウストの暴力的かつ見事な荒療治を診察台の上に寝かせた相手に無理矢理施す。
治療(?)の内容は様々だが、診察台の下に設置した爆弾を起爆したり、相手に顔面整形を施したりと効果にバラつきがある。
そもそも、敵に対して行う治療など碌なものではないことは当たり前である。
【weapon】
丸刈太(マルガリータ)
ファウストが武器に使う巨大なメス。
【サーヴァントとしての願い】
可能な限り多くの命を救う
【人物背景】
かつて名医と呼ばれていたファウスト。
だがある時、起こるはずの無い医療ミスによって一人の少女を死なせてしまう。
必ず救えるはずだった命を殺してしまった罪の意識に苛まれ、発狂した彼は、
ありとあらゆる残虐な方法で殺人を犯す恐怖の殺人鬼へと変貌。のちに逮捕され、次元牢へ投獄された。
その後、第二次聖騎士団選考武道会に出場。
集まった観客全てを皆殺しにしようとするも、自分に向けられる歓声を受けたことで、
かつて名医と呼ばれていた頃の記憶、そして死なせてしまった少女の声を思い出し、パニックになり逃走。
ショックにより正気を取り戻し、自分の犯した罪を償うために自殺を考えたが、
彼は「今の自分にとって、自殺とは背負った罪から逃げることだ」と判断し、可能な限り多くの命を救って生きることを決意した。
その一方で、あの医療ミスが何者かによる謀殺であるということが判明し、真相を確かめるために奔走する。
性格はいたって良識人。
一度は精神崩壊にまで陥った影響はまだ残っており、突飛な言動でギャグに走ったりシリアスに殺戮の快感を忘れ切れないことを自虐したりと情緒不安定気味な一面もあるが、
物腰はとても穏やかで、患者の病気に対しては真剣に立ち会える人物である。
【マスター】
不律@エヌアイン完全世界
【マスターとしての願い】
自分の関わった研究の成果を全て抹殺する。
【weapon】
電光被服
電力を供給することで、使用者に超人的な身体能力を与える装備。
不律の場合、外部バッテリーなどの電光機関以外の電源で電力を送り、身体能力を瞬間的に増強している。
日本刀
仕事中でなければ常に帯刀している。
【能力・技能】
無骸流
不律のマスターしている居合い流派の一つ。
強化された肉体から振るわれる斬撃はリーチが長く、戦車の強化装甲をも一刀の元に両断する。
不律は研究に関わってきた者をその剣術で次々と切り伏せてきた。
前駆、後躯、天駆
強化された肉体で敵に肉薄する縮地、あるいは距離を取るために退避する、いわゆる瞬間移動。
そのスピードは並のサーヴァントでも見切ることができないほど速い。
医術
軍医として活躍していた他、負傷兵の欠損器官再生に端を発した研究に携わっていたため、特に生物学及び人体構造に明るい。
【人物背景】
元は帝国陸軍の軍医であり、大戦時は軍事視察団の一員となり渡独しある研究に携わった。
戦後行方不明となっていたが、アカツキ復活と共に姿を現し、研究の関係者を次々と抹殺していく。
本作のキャラクターの中で、唯一冬眠制御などを経ず正常に老いた戦時の人間。日本刀を携え、無骸流という居合い流派を修めている。
彼が関わった戦時の研究とは、欠損器官再生に端を発し戦況の悪化と共に人造兵士計画、すなわち複製體(クローン)技術へと発展したもの。
そのためか、エレクトロゾルダートとの会話において自らを「お主の親みたいなもの」と称しており、ムラクモとの会話においては「(未だ生きているのは)お前のお陰」と言われている。
またこれらから察するに、上述の研究においてある程度中心的な人物であったと思われる。
厳格な性格で、特に自身の研究に関わる事に対しては容赦がないが、
試製一號(アカツキ)やゾルダート・電光戦車などとの会話の端々から、本来は厳しくも優しい性格であることがうかがわれる。
【方針】
聖杯を獲る。
ただし、無力な者や自分の障害に成り得ないマスターに対してはサーヴァント殺害に留めておく。
聖杯によって再現された<新宿>は、<魔震>での被害から立ち直ろうとしている。
それは魔界都市と呼ばれている都市ではなく、現実世界、東京の内の一都市として一般的にイメージされる新宿の姿へと近づこうとしていた。
しかしその<新宿>にも、魔界都市の片鱗ともとれる怪異は少なからず存在する。
ある時は資格を得た者のサーヴァント同士が戦った痕跡。
ある時はサーヴァントが魂喰いをした際に打ち捨てられたNPCの死骸。
そして、何の手続きも経ずに新宿に現れ、創立一ヶ月も経っていないのに住民どころか行政にも受け入れられている『メフィスト病院』だ。
その病院で、塵一つ無い小奇麗な廊下を白衣を着た老人が歩く。
聴診器を首にかけていることからメフィスト病院に勤務する医師だとわかる。
しかし、その老人とすれ違ったある患者は少しおびえた表情で彼を見る。
しわがれた肌に、電灯の光を反射して銀色に光る白髪が不気味にみえるといえばそうだが、
何よりも目を合わせると今にもメスで叩き斬られそうな鋭い眼光が人を寄せ付けないでいた。
だが、老人は腐ってもかのメフィスト病院の医師。
メフィスト病院の医師はみな、院長ほどではなくとも他の街では極上の名医と呼ばれるほどの腕を持っている。
この老人もその例に漏れず、数々の難病を完治させてきた実績を持つベテランだ。
一方で、老人はある研究で欠損器官の再生を実現させた経歴を持つのだが、その技術を否が応でも実用化しようとしないという頑固頭の持ち主としても有名であった。
老人はある病室の前で止まり、引き戸式の入り口を開ける。
病室の中にはカルテを懐に準備して待っていた看護婦と、ベッドの上で寝ころんでいる老人の担当する患者がいた。
患者はテレビをつけっぱなしにしながら看護婦と談笑していた。
「ふ、不律先生!」
患者は不律と呼ばれた医師に気づくとビクついて上半身を急いで起き上がらせ、こわばった表情で迎えた。
老人医師・不律の回診の時間だった。
看護婦が不律に患者のカルテを渡す。
「経過はどうじゃ」
不律はベッドの隣に置かれていた丸椅子に座り、カルテと患者の間で目線だけを行き来させながら言う。
「り、良好です。特に痛みもありません」
「様態が急変することもありませんでした」
まるで上官に向かって話す一兵卒のようにはきはきと話す患者に看護婦が付け加える。
不律はふむ、と顎に手を当てながら考えるしぐさを取る。
「…とにかく、基本的な検査をしてみんと何ともいえぬ」
そう言って、回診で毎度のようにしている健康状態の確認を行う。
しかし聴診器を使って検査をしても、血圧を測っても特に異常は見当たらない。
不律がその患者は近い日に退院できるという判断に至るまで時間はかからなかった。
◆ ◆ ◆
深夜の新宿某所の路地。夜天は雲で覆われており湿度が高く、どこか蒸し暑い。
道路やその両脇にある建造物は薄汚く、所々が老朽化しているようだ。
歩道ではガタイのいい男が店の前に立ってゲイクラブの客引きをしている。
この<新宿>が裏の顔を見せている時間帯だった。
その夜の街を時代遅れにも古風な着物とマントを着用し、銃刀法など何処吹く風といわんばかりに刀を腰に隠し持っている老人が歩く。
そこらへんの若い盛りの者や、弱いものから金を巻き上げようとするチンピラもゲイクラブの客引きも、老人とは目を合わせずにすれ違う。
不律はその凍てついた目を光らせながら夜の<新宿>を往く。
その老人の目の届かぬ場所から、老人を睨む視線があった。
廃ビルの一室、割れた窓、そこから黒い一本の銃身が伸びる。
音も立てず、着物を身に着ける老人の頭を撃ち抜かんと、その視線を放つ者はスナイパーの引き金を引く。
気付かれた様子はない。位置取りも完璧。スコープの中心点は老人の頭ど真ん中を捉えていた。
――必中。
契約者の鍵を得た者の一人は銃声を聞いてそれを疑わなかった。
「こっちじゃ!」
老人が廃ビルの中まで届く声を発するまでは。
有り得ない。完全に捉えたと思っていた老人が銃を引いた途端、声を上げて忽然と姿を消した。
そのマスターは慌ててスナイパーを持ち直し、老人をスコープ越しに探す。
時折スコープから目を離して肉眼で探しても老人は見つからない。
完全に死角に入られた。
混乱するマスターに次々と異変が襲いかかる。
まず、気配の乱れを感じた。
急いで念話を試みるが、彼のサーヴァントは念話の届かない範囲にいるので何が起こっているか分からない。
老人のサーヴァントに襲われて窮地に陥っていることだけは推測できた。
そして――。
チャキン。
小気味よい金属音が、マスターの背後で静かに音を立てる。
マスターの額に玉の汗がにじみ出る。動悸が激しくなり、呼吸が荒くなる。
バカな。そんなハズはない。あの一瞬でこちらの場所を感じ取り、気配を悟られずに背後を取るなど――。
震えながら恐る恐る後ろを振り向くと、そこには。
刀の柄に手をかけた不律が殺気を纏って立っていた。
「斬る…!」
「……っ!」
マスターは咄嗟に懐に忍ばせていたハンドガンに武器を持ち替え、乱射する。
刀を己が身に近づけまいと弾切れなる心配をよそに無我夢中に打ち続ける。
銃声が連続で部屋の中に響き渡り、不律を貫かんと弾丸が迫る。
「こっちじゃ!」
不律の動きを見たマスターは目を疑った。
まばたきをしてから終えるまでに不律は別の場所に移動しており、肉眼で捉えきれないスピードであった。
テレポートの類を習得しているのかと思いたくなる速さで動いていた。
これほど瞬間移動という言葉が似合うものは存在しないといえるほどの転移術であった。
「こっちじゃ!」
すかさず移動した不律へ再度発砲するが、
「こっちじゃ!」
避けられる。
「こっちじゃ!」
また避けられる。
「こっちじゃ!」
「こっちじゃ!」
「こっちじゃ!」
避けられて避けられて避けられて避けられて避けられて。
カチッ。
最後には弾切れを示す音があっけなくマスターの耳に届いた。
「弾雨をくぐり生き延びた儂にそんな玩具は効かぬ」
それがマスターの聞いた最期の言葉であった。
◆ ◆ ◆
メフィスト病院に勤める医師・不律。それはあくまで表向きの顔だ。
その正体は契約の鍵を得た者、聖杯を手に入れる資格を持つ者の一人。
血に濡れた刀を一振りし、鞘に収める。
「儂の近辺を嗅ぎ回る者がおると思えば…マスターじゃったか。あの患者ではないようじゃな」
不律の前に血を大量に流して倒れる者の顔を見て、斬ったマスターが病院で退院を言い渡した患者とは別人であることを確認する。
最近不律は周囲を執拗に調べている者の存在を感知しており、もしや担当している患者が、とも勘繰ったがそうでもなかったようだ。
「こちらも、終わりましたよ」
不律の耳に突如声が響く。
同時に虚空からドアが湧いたように現れ、ギィと軋む音を立てて独りでに開いた。
まるで某ネコ型ロボットのどこでもドアのようだ。
その中から、紙袋を被った背丈3mほどもある不律のサーヴァントが現れる。
その体格は長身に反して細身で、シルエットだけならばスレンダーマンに見えなくもない。
頭と四肢がついていることから辛うじて人間であることが判断できる。
片手には巨大なメスが握られており、身に着けている白衣も合わせるとその容姿は医者を連想させる。
サーヴァント同士の戦闘を終えて戻ってきたようだ。
「返り血がついておらぬ…『殺さなかった』ようじゃな、ランサー」
ランサーと呼ばれた紙袋を被ったサーヴァントは「ええ」と不律の言葉に肯定の意を返す。
ランサーの裏にあったドアはいつの間にか消えている。
彼も転移術を使って不律のもとへ一瞬で戻ってきたらしい。
不律のそれとは違う、本物のテレポートに分類される物質転移の術だ。
「マスターが死んだのを察知して、潔く負けを認めてくださいました。こちらが直接手を下すことにならなくてよかった」
「…敵は葬った。もうここに用はない」
「不律さん」
傍らに転がる遺体を尻目に去ろうとする不律をランサーが呼び止めた。
「今回は向こうから仕掛けてきたケースですから、殺すのもやむを得ないかもしれません」
声色は先ほどより少し重い。
まるで末期ガンの患者と今後を決める時のように背を向けたままの不律にランサーは語りかける。
「しかし、あなたは――」
「わかっておる。儂は聖杯を欲する身…。そのために犯さねばならぬ業ははかり知れぬ」
不律は振り返ってランサーと向き合い、自身の思いを述べる。
大戦時、当時軍医であった不律がドイツにて進めていたある研究。
契約者の鍵を手に入れた不律は、聖杯の力でその成果を抹消するべく刀と旧式電光被服を携えて動き出した。
しかし、ランサーが言うには聖杯戦争には巻き込まれた命も少なからず存在するという。
聖杯を獲るということはそんな巻き込まれた者達をも敵に回すことを意味していた。
「じゃが、儂はかの技術を生み出したことにけじめをつけねばならぬ。複製體に転生の器、果てには命の泉(レーベンスボルン)計画への転用、神を作る行為…
あれを悪用されてはいずれ人類の破滅を招く。今となっては進むところまで進んでしもうた…。どんな手段を取っても心を阿修羅にして抹殺せねばならぬ」
元々は欠損器官再生を目的とした研究。
しかし、それは徐々にその姿を悪魔へと変えていった。
人造兵士計画へと――秘密結社ゲゼルシャフトで用いられていたエレクトロゾルダートがその成果の最たる例だ。
不律は探求心からこの計画に参加していたが、戦後その危険性に気付き、研究成果の抹殺に明け暮れることになった。
アドラー、ムラクモ、そして完全者。
不律の技術は悪用され、災厄の種はその予想をはるかに超えて成長していた。
「…あなたの胸中、お察しします。私も過去の罪に苛まれ、狂った者ですから」
ランサー――否、どんな奇病でも無償で治してしまう凄腕の闇医者【ファウスト】。
かつてファウストは起こるはずのない治療ミスで患者の少女を死なせ、罪の意識から発狂して殺人鬼へ身も心も堕としたことがある。
現在こそ正気を取り戻せてはいるが、殺人鬼として犯した罪は償おうにも償えない。
過去の治療ミスが何物かによる少女の謀殺だと判明し、ファウストがその真相を確かめるために奔走したように、
不律も過去の罪に決着をつけようとしているのだろう。
不律はサーヴァントとは違う、今を生きる人間。
しかし大戦終結からかなりの年月が経っており、まだ戦える程度には健康だがあと何年生きられるかわからない。
目の黒い内に終わらせると眼光の中で光るその心を、ファウストもよく理解している。
が、ファウストは「ただ、」と付け加えて紙袋の中で口を開いた。
「医者として一つ言わせてください。医者は斬るのではなく、治すのが仕事です。
あなたの中に全てを犠牲にする覚悟の他に医者としての僅かな良心でも残っているのであれば…
どうか、皆殺しにするのではなく救える命を可能な限り救ってみてはいかがですか?」
ファウストが不律に向けたのは、このままでは巻き込まれた者をも切り伏せかねないマスターへの提言だった。
外見に反する丁寧かつ穏やかな物腰からも、ファウストの持つ優しさが嘘偽りでないことがわかる。
「無論、強制するつもりは毛頭ございません。自己決定権というものがありますから」
その過去から、かつて軍医であったという不律には聖杯を狙うにしても皆殺しの道には堕ちてほしくないことを心のどこかで思っていた。
あくまで決定権はマスターにあるので提言という形で済ませたが、その思いは本当だ。
もし、この聖杯戦争に巻き込まれたマスターが年端もいかぬ少女で、斬り殺されたとなれば――。
そこから先を考えようとして、やめた。
ファウストにはサーヴァントとなった今でも殺人鬼であった頃の後遺症が少なからず残っている。
精神が不安定な時にトラウマを抉られでもしたら、正気を保てる自信がない。
「…儂も好きで斬っているわけではない」
ファウストの言葉を聞いて、不律は僅かにその表情を動かす。
「かの技術に関わる者、かの技術で生み出された者、そして儂の行く手を阻む者…儂が斬るのはこの3者のみよ」
特に最後に関しては<新宿>に来る前は復活した高級技官アカツキの電光機関、そして世界侵略を開始した新聖堂騎士団を巡って、
かつての同僚や上海のマフィアなど多数の強敵と死闘を繰り広げたことは記憶に新しい。
「サーヴァントさえ消滅させればマスターは斬らぬ。…我が道を塞がねば、じゃがな」
「では、巻き込まれた方々は殺すつもりはない、と?」
声が明るくなったファウストに対して不律は首を縦に振る。
「儂もこの心身をアイゼン(鉄)へと変えても元は医者じゃ。そういった子らが怪我をしているならば放っておくわけにはいかぬ」
不律は自身の研究に関わる事には決して容赦はしない。
それでも不律は大戦を終えてから時の流れに任せて老いた『人』であり、厳しくも優しい性格は鉄の心にもまだ残っていた。
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【クラス】
ランサー
【真名】
ファウスト@GUILTY GEARシリーズ
【パラメーター】
筋力B 耐久B 敏捷C+ 魔力A 幸運D 宝具E
【属性】
秩序・善
【クラススキル】
対魔力:C
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
【保有スキル】
法術:A+
人類が理論化する事に成功した法力を使い行使する、『無限にエネルギーを生産する』限りなく万能に近い力。
ファンタジーでいう「魔法」に近い。
無から有を生み出せるという点で魔術よりも応用範囲が広く使いやすいが、
人類に理論化されていることからその神秘の位は低く、サーヴァントに傷をつけることはできない。
あくまで補助的に運用するかマスターへの攻撃に留めておくべきだろう。
ランサーの場合、習得が困難とされる物質転移、空間歪曲を主に使用する。
特に物質転移の術はランサーの敏捷を補強することもできる強力な法術。
医術:A+
医学の才能。
ランサーは世界最高とまで呼ばれるほどの外科医と呼ばれていた。
例え対象が瀕死に至るほどの外傷を負っていても、その傷を治すことができる。
何が出るかな?:EX
ランダムでアイテムを懐から取り出す、「道具作成」の変質スキル。
「道具作成」とは違って瞬時にアイテムを作成できるが、取り出すアイテムを指定することができずランダム性がある。
出せるアイテムはちびファウストやドーナツから、隕石、爆弾、ヘリウムガス、ブラックホールと幅広い。
自己改造:B
自身の肉体を改造し、如何様にも変態できる。
ランサーは便利なので手術で首を伸ばせるようにしたり、腕を四本生やせるようにしている。
某釜爺もびっくりである。
精神汚染:E-
かつて患者である少女を死なせてしまったことによる、気が触れた恐怖の殺人鬼としての一面。
しかし生前に善良な記憶を取り戻して正気に戻ったことでこのスキルはほぼ失われており、
現在はその後遺症として支離滅裂な言動や仕草が表れる程度で済んでいる。
【宝具】
『刺激的絶命拳(エネマン・ルーレット)』
ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1~15 最大捕捉:1
地面を泳ぐようにして敵に肉薄し、敵の括約筋に存在する体内に直接続いている1点の穴に向かって貫手を突き刺すランサーの絶命奥義。
その鍛えられない秘孔を突かれた者は耐久のランクに関わらず、ある者は痛み、ある者は快感に悶えて各々のリアクションを取るであろう。
ただし、ランサーが貫手を入れる前の一瞬の間に相手は4つのカップから1つを選ぶ4択問題に挑戦させられる。
その中の3つに入っている「悪魔」を選ぶと貫手をヒットさせるが、1つだけ入っている「天使」を選ぶと逆にランサーがダメージを受けて吹き飛んでしまう。
天使を選ぶか悪魔を選ぶかは敵の幸運判定で左右される。
なお、悪魔にも種類があり、その色によって与えるダメージが変動する。
…ここではあくまで貫手と記述したが、有体に言えば単なるカンチョーを食らわせる宝具である。
『今週の山場(デストラクティヴ・グッドウィル)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1
神業の如き腕を持つ闇医者・ファウストの暴力的かつ見事な荒療治を診察台の上に寝かせた相手に無理矢理施す。
治療(?)の内容は様々だが、診察台の下に設置した爆弾を起爆したり、相手に顔面整形を施したりと効果にバラつきがある。
そもそも、敵に対して行う治療など碌なものではないことは当たり前である。
【weapon】
丸刈太(マルガリータ)
ファウストが武器に使う巨大なメス。
【サーヴァントとしての願い】
可能な限り多くの命を救う
【人物背景】
かつて名医と呼ばれていたファウスト。
だがある時、起こるはずの無い医療ミスによって一人の少女を死なせてしまう。
必ず救えるはずだった命を殺してしまった罪の意識に苛まれ、発狂した彼は、
ありとあらゆる残虐な方法で殺人を犯す恐怖の殺人鬼へと変貌。のちに逮捕され、次元牢へ投獄された。
その後、第二次聖騎士団選考武道会に出場。
集まった観客全てを皆殺しにしようとするも、自分に向けられる歓声を受けたことで、
かつて名医と呼ばれていた頃の記憶、そして死なせてしまった少女の声を思い出し、パニックになり逃走。
ショックにより正気を取り戻し、自分の犯した罪を償うために自殺を考えたが、
彼は「今の自分にとって、自殺とは背負った罪から逃げることだ」と判断し、可能な限り多くの命を救って生きることを決意した。
その一方で、あの医療ミスが何者かによる謀殺であるということが判明し、真相を確かめるために奔走する。
性格はいたって良識人。
一度は精神崩壊にまで陥った影響はまだ残っており、突飛な言動でギャグに走ったりシリアスに殺戮の快感を忘れ切れないことを自虐したりと情緒不安定気味な一面もあるが、
物腰はとても穏やかで、患者の病気に対しては真剣に立ち会える人物である。
【マスター】
不律@エヌアイン完全世界
【マスターとしての願い】
自分の関わった研究の成果を全て抹殺する。
【weapon】
電光被服
電力を供給することで、使用者に超人的な身体能力を与える装備。
不律の場合、外部バッテリーなどの電光機関以外の電源で電力を送り、身体能力を瞬間的に増強している。
日本刀
仕事中でなければ常に帯刀している。
【能力・技能】
無骸流
不律のマスターしている居合い流派の一つ。
強化された肉体から振るわれる斬撃はリーチが長く、戦車の強化装甲をも一刀の元に両断する。
不律は研究に関わってきた者をその剣術で次々と切り伏せてきた。
前駆、後躯、天駆
強化された肉体で敵に肉薄する縮地、あるいは距離を取るために退避する、いわゆる瞬間移動。
そのスピードは並のサーヴァントでも見切ることができないほど速い。
医術
軍医として活躍していた他、負傷兵の欠損器官再生に端を発した研究に携わっていたため、特に生物学及び人体構造に明るい。
【人物背景】
元は帝国陸軍の軍医であり、大戦時は軍事視察団の一員となり渡独しある研究に携わった。
戦後行方不明となっていたが、アカツキ復活と共に姿を現し、研究の関係者を次々と抹殺していく。
本作のキャラクターの中で、唯一冬眠制御などを経ず正常に老いた戦時の人間。日本刀を携え、無骸流という居合い流派を修めている。
彼が関わった戦時の研究とは、欠損器官再生に端を発し戦況の悪化と共に人造兵士計画、すなわち複製體(クローン)技術へと発展したもの。
そのためか、エレクトロゾルダートとの会話において自らを「お主の親みたいなもの」と称しており、ムラクモとの会話においては「(未だ生きているのは)お前のお陰」と言われている。
またこれらから察するに、上述の研究においてある程度中心的な人物であったと思われる。
厳格な性格で、特に自身の研究に関わる事に対しては容赦がないが、
試製一號(アカツキ)やゾルダート・電光戦車などとの会話の端々から、本来は厳しくも優しい性格であることがうかがわれる。
【方針】
聖杯を獲る。
ただし、無力な者や自分の障害に成り得ないマスターに対してはサーヴァント殺害に留めておく。
**時系列順
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**投下順
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