「全て遠き理想郷」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

全て遠き理想郷」(2015/08/25 (火) 05:08:21) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

    ▽   <新宿>。   復興後の経過も目覚ましい街。   その繁栄を彩るように、夜の街には数々のネオンライトが踊り、さながら不夜の様相を呈していた。   特に<新宿>区内の歌舞伎町は眠らないという形容が似合う街であった。   昼間と同じ程の光量。眩みそうな看板の数々。   行き交う人の波は昼間と変わらず。いや、来客も含めれば昼よりも活発であるのではなかろうか。   どの店もこの店も活気に溢れ。   嬌声と、歓声と、罵声と、脳を揺さぶるような音楽とが綯い交ぜになって飛び交っている。   その眠らない街歌舞伎町で、今まさに立たんとする影が一つ。   その男は、歌舞伎町最大のランジェリー・ショップのネオン看板を背負って立っていた。   眼下に広がる世界を見ながら、ため息を一つこぼす。 「やはり、美しい……」   影は笑い、手元の『白ワイン』を煽る。   水のうちに漂う布地が揺れ、布地に合わせてネオンの作った影が踊る。   ワイングラスから口を離し、布地を取り上げて、体に貼り付けた。   ベチョォと音を立てて、男の身体に一枚の白布が増える。   よくよく見ればその体は、真っ白な女性用下着が無数に貼り付けられている。   遠目には全身に包帯を巻いているようにも見えるその姿。   無数の女性用下着以外は一糸まとわぬその姿。   『変態』としか形容できないその姿。   しかしその姿は。   世界の未来の一端を背負ったその男の姿は。   ネオンライトに照らされて。   神々しいほどの白さで輝いていた。 ―――   ざ、ざざざ。   歌舞伎町内の全てのテレビに同日、同時刻、ノイズが走る。   テレビだけではない。公共の電波を使っている全てのものにノイズが走った。   そして、全ての電波に同じ映像・音声が流れ始める。 『やあ、未だ欲望の寄る辺を持たぬ諸君』   テレビにでかでかと映し出されたのは、体中いたるところに真っ白な女性用下着(しかもパンツ)を貼り付けた変態だった。   歌舞伎町のすべての視線が男の身体に、すべての心が男の声に向けられる。   す、と一息。   呼吸を置いて。   男は朗々と語りだす。   自身の夢を世界に向けて。   それは奇しくも。   あの日、宿敵である『雪原の青』がやったように。   人々の心を動かすにふさわしい『心』から『心』への果たし状。   男は、世界の心を惹きつけてやまない言葉を綴りあげる。 『吾輩は……今まさにこの街で願いを掴むために戦っている者だ』 『我らが掲げる願いはすなわち、理想郷の創造』   視る者。聴く者。   すべての視聴者の心が男に釘付けになる。 『すべての性癖が、すべての人の元にあり』 『すべての人が、すべての性癖の元にある』 『そして広く世界が、すべての性癖を受け入れる』   一人、女性用下着を身に付けた男が席を立つ。   一人、ボンテージを着こなした女性が店を出る。 『理想郷とはすなわち、理解ある世界だ』 『全ての者が、全ての者として受け入れられる世界だ』   あるいは激情。   あるいは劣情。   あるいは、あるいは、あるいは。様々な『感』情が激しく『動』く。様々な人物が『感動』する。   一部の人間にとって、その放送をあえて陳腐に敬称するならば―――『感動的』な放送だった。 『吾輩は戦う、理解を得るために。再び世界と』 『集え、世間に打ち捨てられし理想たちよ』 『我こそは理想を切り拓き理解に手を伸ばす者『群れた布地』の首魁』                   『―――『頂の白』!!』   男―――『頂の白』と名乗った変質者は、天を仰ぐように両手を広げて高らかに鬨の声を上げる。 『さあ、その手に未来と下着を掴め!!』   映像が切り替わる。   変質者が公共の電波に乗っていたのはきっかり三分。   三分間で、世界は変わっていく。 ―――   ざ、ざざざ、ざざ。   ノイズが走り、世界への交信が終わる。   男―――『頂の白』は大きく息を吐いて、そして振り返った。 「やあ、よく来た。放送ジャックを見て来てくれたということは、我らと道を同じくするということかな」   やおら振り返った男の向こう、一人の男が立っていた。   甲冑に身を纏い剣を携えたその男は、まさに英雄と言うべき姿。   変質者は英雄と向き合う。両者、姿は異質だがその目に一切の陰りはない。 「最初に聞いておこう。―――なんのつもりだ?」   剣士が構える。いつでもと斬りかかれるように、『頂の白』をその剣の先に捉えて。   『頂の白』はその様を見てしばし考える。   剣士は放送の途中ですぐに『頂の白』の元まで辿り着いていた。だが、殊勝なことに放送が終わるまでは襲いかかってこなかった。   ということは、好戦的ではあるが協力者も探している。そして『頂の白』程度ならば一瞬で殺せるということだろう。   あとは、もしかしたら『騎士道精神』なんていう下らない精神を持ち合わせているのかもしれない。   『頂の白』は一度だけ鼻で笑い、怪訝な表情の剣士に口だけで謝罪を述べた。 「すまない……しかし……なんのつもり、か」   一切動揺せず、自身のペースを崩さずに語り続けた。その言葉はやはり淀みない。 「なんのつもりかというならば……吾輩はこの世界を拒絶するつもりだ。それだけだ」 「性に対する寛容さは確かに、我輩が過ごしてきた日本よりも格段に高い。  PMなどというお粗末な首輪もなく、人間はより人間らしく生きていける。  だが、それにしても、世界は未だに我らを嘲り笑っているのだ!」   『頂の白』の目に浮かぶのは、彼の元いた世界。   あの世界が特殊なだけだと思っていた。   性に対する規制があまりにも進みすぎた世界だったからこそ、『頂の白』も受け入れられることがなかったのだと。   しかしそれは彼の思いあがりだった。   世界は、ところが変わっても、彼を受け入れなかった。   その事実が、あまりにも、あまりにも、悔しくて悔しくて仕方がなかった。   だから彼は拒絶する。この世界を、全ての世界を、すべての世界に敷かれたこの『性への抑圧』を拒絶する。   それが、先の放送に込めた心のたけの全てだ。 「君にも問おう」   『頂の白』が一歩進む。剣士の剣が揺れる。 「性とはなんだ!」 「吾輩の掴んだ『性癖(リアル)』は、笑われるものなのか! 我らは―――」 「もういい」   『頂の白』の言葉を剣士が遮る。   その言葉には怒気を感じさせ、その身体の隅々、その切っ先まで殺意を込めて。 「貴様が度し難い変態だというのは理解できた。一切の容赦なく、この場で切り捨てよう」   その答えを聞き、『頂の白』は再び、今度は声を上げて大きく笑った。 「―――所詮、相容れぬか」   『頂の白』は笑う。声を上げて、たか笑う。   そしてゆっくりと手を天に振り上げる。 「来い、赤道斎!」   ベチョォ!と身体に貼り付けた白パンを叩く。   剣士が踏みだそうとして、攻撃を察知して大きく飛び退る。 「『赤道の血よ、来たレ』」   呪文とともに赤黒い衝撃波が走ったのは、飛び退ったその直後であった。   衝撃波が遠いビルにぶち当たり、向かいのビルを打ち壊す。   まさに魔術の粋と呼ぶにふさわしい威力で放たれた『それ』を確認して、剣士はその切っ先に捉える敵を改めた。 「相容れぬ……ならば貴様らは、この赤道斎の敵となるわけだ」   攻撃を放った人物の方に向き直る。   そこに立っていたのは……やはり、『変質者』だった。   要所要所だけ見れば貴族と言って差し障りない。   整った顔立ちにオールバックで纏められた白髪。豪奢なマントに同じく気品漂う上着。   しかし、下半身には何も付けず、逆に顔には女性用の下着(パンツ)を装着している。総合点で言えば確実にマイナスで『変質者』だ。   剣士が一瞬そのトンチキな様相に面食らう。その一瞬を『赤道斎』と名乗った男は見逃さない。 「先に行け、『頂の白』」 「そうさせてもらうよ」   赤道斎の魔力の放出による後押しを受けて、『頂の白』は飛び上がり闇夜に消える。   『頂の白』が見えなくなったのを確認し、赤道斎は優雅な立ち姿のまま空に浮かび上がった。   剣士の方も、『頂の白』ではなく彼より強大な力を持った赤道斎に目を向けている。 「さぁ、しばらく付き合ってもらおうか。異国の剣士よ」 「だが、貴様は―――」   剣士の言葉は、赤道斎の魔術によってかき消された。   そして、剣士の剣と赤道斎の大魔術が交わる。   その日の新宿・歌舞伎町の夜はひときわ輝いていた。 ▽ 赤道斎 「無事だったかね。『頂の白』」 「赤道斎か」   新宿区、歌舞伎町の萎びたバーの中。   夜の闇すら届かぬ闇の中で、再び二人の変態が邂逅する。   かたや下半身丸出し。   かたや全身に女性用下着貼り付け。   見た目からもう奇々怪々な二人だが、その話口だけは真面目この上ない。 「剣士(セイバー)相手に立ちまわって無傷で生還とは、成程、大魔術師の名は伊達ではないようだな」 「幸い、『対魔力』が低かったようでな。如何に大魔術師とは言え、相手によっては苦戦も強いられるだろう」   謙虚な物言いだが、実際赤道斎の身体には傷ひとつついていない。   一介の魔術師が、三騎士と言われている『セイバー』を相手取ったと考えれば勲一等以上の働きだ。 「そちらの方はどうかね」 「現在、『群れた布地』メンバーには<新宿>区内に存在する全てのランジェリーショップの全てのマネキンの顔面パーツにパンツを装着させる任務に付かせている。  そのテロ行為や先ほどの放送ジャックの甲斐もあり、NPC内に『群れた布地』の構成員は増え続けている。更に構成員とまでは行かないものの、無自覚な協力者も現れ始めたほどだ。  世界は既に動き出している。より素晴らしき理解ある世界へ」 「そうか……上々だ」   赤道斎もまた、『頂の白』の成果を聞き、満心を得る。   やっていることは傍から見れば下らないいたずら。   だが、この行為の意味するところはキャスターの『陣地作成』だ。   ランジェリーショップに設置された顔にパンツを装着したマネキンを見たものは、その下着越しにキャスターのカリスマに触れて無自覚のうちに『群れた布地』の構成員となる。   また、走り回る『群れた布地』構成員を見たものも同じだ。その頭部に装着された色とりどりの下着の神秘に触れ、自らの欲望を取り戻し、『群れた布地』の支援者となる。   今もなお、この<新宿>の地に陣地は広がり続けている。   白ワインが飲み干され、ベチョォと音を立てて『頂の白』の身体に新たな下着が貼り付けられる。   並んで置かれていた飴色の影をバーカウンターに落とす高級な酒の水面が揺れる。   赤道斎の脳裏によぎるのは、『抑圧された世界』の記憶。   人間を否定する世界。   息苦しい世界。   人間が人間らしく最低限度に文化的な生活すら送れない(少なくとも赤道斎はそう思っていた)世界。   抑圧された感情は、いつだって出口を求めて彷徨っている。   赤道斎は『頂の白』の夢を通して彼の世界を知った。   まさにディストピアと呼ぶべきその世界では、全ての性を否定したが故に人類は間違った方向へ歩み続けていた。   世界を、あんな『下らない世界』に変えてはならない。   世界を、今は遠き理想郷へと導かなければならない。   幸いにして、この戦争の先には『聖杯』がある。あれは『大殺界』と同じく運命を塗り替える力がある。   それを手にし、理想郷を作り上げるのは大前提。その前に赤道斎らは戦争を生き抜かなければならない。   戦争に向かうのは、一人の魔術師(ヘンタイ)と一人の革命家(ヘンタイ)。そしてこの新宿の地も差別と欺瞞に溢れている。   ならば――― 「さぁ、すべての欲望に光を授けようではないか」       ―――手始めに、この地を抑圧の開放地区にするまで。   まずはこの<新宿>を全ての変態願望を肯定する『理想郷』へと作り変える。   遍く世界で虐げられてきた同志を募り、永久の安寧を得る。   そしてその先で、輝かしいばかりの栄光を掴み、世に本当の自由を与える。 「征くぞ、キャスター……『理想郷』をこの地に築くのだ。  赤道斎の名のもとに、作戦名『全て遠き理想郷(アヴァローン)』を開始する」   下半身を隠すことを過去にしたマスター、現代に蘇りし大魔術師・赤道斎。   下着を愛でることに未来を見たサーヴァント、『群れた布地』首魁、キャスター(一ノ瀬琢磨/『頂の白』)。   世にもお下劣な紅白が新宿の夜の闇に跳梁する。   彼ら二人がいる限り、変態達の未来は明るい。 ---- 【クラス】 キャスター 【真名】 一ノ瀬琢磨/『頂の白』@下ネタという概念が存在しない退屈な世界 【パラメーター】 筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:D 幸運:E 宝具:D 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 陣地作成:E 同志を募り、彼の陣地であり宝具である『群れた布地』を展開できる。 陣地というが形はなく、ただ趣味嗜好を同じくするもの同士での心の共有である。 が、心の共有であるがゆえに強固であり、性癖干渉以外のすべての対陣地スキル・宝具を無効化する。 道具作成:― 他人の使用済み下着にしか欲情できないので自分で作ったりはしない。 白ワインとかなら作れるけどあれは違うでしょ。 【保有スキル】 神秘付与(下着):D キャスターの秘術中の秘術。『頂の白』状態で発動可能。 このスキルを持つものが物体に触れると、実在のものでも神秘を纏い、宝具としての活用やサーヴァントへの干渉が可能な武器として使用できるようになる。 キャスターはすべての下着に神秘を与えることが可能。 更に下着を『顔に装着』している者は同ランクの神秘とサーヴァントへの干渉能力を得る。 カリスマ:E++++ 志を同じくした者、つまりは同志を導くカリスマ。 彼のカリスマは範囲は狭く相手を選ぶが、同志ならば深く・広く受け入れることが出来る。 また、性に対して憧れや倒錯した感情を逆手に取ったカリスマであるため、そういった点で付け入れた個人に対しては絶大な効果を及ぼす。 このカリスマは彼及び彼の神秘を纏った『群れた布地』が触れた下着越しにも拡散される。 情報拡散(偽):A 情報を世間にばらまくスキル。 ただしバッドスキルではなく彼が望んでばら撒くという性質からランク表記がある。 彼及び『群れた布地』が行動を起こすたびに彼らの情報は拡散され、志を同じくする者達への吸引力となる。 このスキルとカリスマがあるから陣地の作成が出来る。 審美眼(下着):A- 下着を見、嗅ぎ、味わい、判別する能力。 数十メートル先のパンツの元所有者を判別できる、匂いでパンツの所持を判別できるなどこと下着に関しては超一流の審美眼を持つ。 マスターのパンツを被れば彼/彼女の人となりが、英霊のパンツをかぶれば真名・逸話・宝具が判別可能。 ただし本職はパンツであり、他の下着だと効果が下がる。 性癖解放:EX 彼の神秘を受けたものは自身の性癖に正直になる。 カリスマと合わせて陣地作成の補助スキルとなる。 マスターやサーヴァントでも対象にすることが可能。 【宝具】 『群れた布地』 ランク:E 種別:陣地作成/対人 レンジ:愛が届く場所 最大捕捉:999 陣地作成を担う宝具。 彼が下ネタテロを起こすたびに理解者は増えていき、理解者は皆『群れた布地』のメンバーとなる。 陣地は際限なく広がり続け、陣地を心に宿した同志は彼の招集の声で作戦決行場所に集まる。 この宝具はNPCだけでなくマスターやサーヴァントにも効果を及ぼすが、彼らの強い意志をねじ曲げてまでこの陣地が彼らの心に蔓延ることが出来る思えない。 『頂の白』 ランク:D 種別:変態 レンジ:99 最大捕捉:999 ムレムレの白パンが数十枚集まることでキャスターが自身の欲望を開放した姿。 その身体に貼り付けた下着の一枚一枚が神秘の塊。 この姿になった時、彼が触れたすべての下着とその下着を頭に装着している人物にこの宝具と同程度の神秘を授ける。 さらに自身の身体に貼り付けた白パンをベチョオッ!と叩くことによって精鋭を呼び出せる。 呼び出す精鋭は彼の心次第。大体はマスターを呼び出すことになる。 ただしこの宝具を発動するには少なくとも一枚は鮮度の最も良い下着(半日程度身に付けられていて脱がれてから一日以内のもの)が必要。 そしてこの宝具の解放を終えると、下着に付与された神秘は消え失せる。 神秘を持続させたいならば、凄く目立つ『頂の白』でいつづけなければならない。 『下ネタテロは我が為に』 ランク:E 種別:固有結界 レンジ:99 最大捕捉:42 42の交通機関をハイジャックして、その中に居る人物から下着を奪うという完全にアレな宝具。 ただしこの宝具の解放が終わればキャスターは刑務所に連行される。 脱獄は可能だが『頂の白』の逮捕は『群れた布地』の壊滅と彼の失墜を意味するため発動したら負けと思った方がいい。 【weapon】 なし。 強いて言うなら精神攻撃と感染力。 【人物背景】 『SOX』を世界の悪に仕立てあげた男。 【マスター】 赤道斎@いぬかみっ! 【マスターとしての願い】 すべての欲望が肯定される世界へ。 【能力・技能】 ・大魔術師 稀代の大魔術師。 攻撃・防御だけでなく幻術・催眠術・捕縛術・監視術なども使えるオールラウンド魔術師であり、因果律を操る妖狐おして「人間という枠を超えた化け物」と称された。 主に攻撃・防御に応用の効く衝撃波発生魔法『赤道の血よ、来たレ』『赤道の血よ、アレ』を主に使う。 『アレ』は己の使う呪文に対して魔術基板を用意してそこにアクセスすることで呪文の省略を行っている(スキルで言う『高速神言』)。 呪文は短いがれっきとした二節の呪文であるため『アレ』でも対魔力Cまでなら対応が可能。 長い詠唱の魔法も存在するが、こちらは『アレ』より一段階威力は高くなる。 対魔力Aは貫けないが、それでも並のサーヴァント相手なら(神秘さえ纏えれば)相手になる。 そして、魔力量は桁外れ。基礎霊力の放出だけでも漬物石を10000個は吹っ飛ばせるらしい。 魔力による戦闘能力の補助でも行っているのか、ビルを壊す攻撃に耐えたり同程度の攻撃を繰り出したりも可能。 『月と3人の娘』シリーズはすべてあちら側の世界においてきたので使用不可となる。 ソクラテスやクサンチッペも居ない。大殺界も当然存在しない。 だが、時間と魔力を割けばこの地でも新しく魔具を作ることは可能。今回の聖杯戦争では既に『公共の電波を三分間だけジャックできる魔具』を作り上げている。 ・露出癖 上半身は高価なマントと貴族のような服を、下半身にはプライドという名の服を着ている。 つまり下は全裸。パンツもないから恥ずかしくないもん! 神すらひるませるその素っ頓狂な行動は、相手によっては隙を作ることが可能。 【人物背景】 神仙に最も近づいた人間。齢数百歳の魔法使い。 個人の魔力による運用が可能な大殺界という『陣地作成』。 月と3人の娘シリーズという変態魔装具を作る『道具作成』。 更に二節以上の呪文の他に『月と3人の娘』を介せば儀式呪文の単独での使用も可能というどう見ても彼のほうが正統派キャスターである。 その力の強さと歪んだ倫理・理想故に世界から放逐されてしまった。 時間軸としては復活直前からの参加となる。 【方針】 新宿に眠るすべての欲望を肯定する。 そのために、手始めにNPCたちを全て『群れた布地』に覚醒させてマスターを炙り出す。 戦闘は赤道斎任せ。赤道斎に使用済み下着をかぶせて戦わせて勝ちを狙いに行く。 赤道斎は素の殴り合いも強く、魔法も多種多様で強い。サーヴァントとして呼んだらキャスター最優レベルの人物。ただし変態。 弱点はキャスターの存在、と断言していい。 キャスターが『頂の白』として顕現していなければ赤道斎の魔法も通用しないが、『頂の白』はあまりに目立つ。 そのため、肉壁代わりの同志を用意し続けて、撹乱のために彼らにも神秘の宿ったパンツをかぶらせる必要がある。 幸い、キャスターは『頂の白』でも常人並の魔力反応しか発生しないため、パンツを被った赤道斎がサーヴァントと誤認してくれる可能性も高い。 『下ネタテロは我が為に』はデメリットしかないため使ってはいけない。
    ▽   <新宿>。   復興後の経過も目覚ましい街。   その繁栄を彩るように、夜の街には数々のネオンライトが踊り、さながら不夜の様相を呈していた。   特に<新宿>区内の歌舞伎町は眠らないという形容が似合う街であった。   昼間と同じ程の光量。眩みそうな看板の数々。   行き交う人の波は昼間と変わらず。いや、来客も含めれば昼よりも活発であるのではなかろうか。   どの店もこの店も活気に溢れ。   嬌声と、歓声と、罵声と、脳を揺さぶるような音楽とが綯い交ぜになって飛び交っている。   その眠らない街歌舞伎町で、今まさに立たんとする影が一つ。   その男は、歌舞伎町最大のランジェリー・ショップのネオン看板を背負って立っていた。   眼下に広がる世界を見ながら、ため息を一つこぼす。 「やはり、美しい……」   影は笑い、手に持った『白ワイン』を煽る。   水のうちに漂う布地が揺れ、布地に合わせてネオンの作った影が踊る。   ワイングラスから口を離し、布地を取り上げて、体に貼り付けた。   ベチョォと音を立てて、男の身体に一枚の白布が増える。   よくよく見ればその体は、真っ白な女性用下着が無数に貼り付けられている。   遠目には全身に包帯を巻いているようにも見えるその姿。   無数の女性用下着以外は一糸まとわぬその姿。   『変態』としか形容できないその姿。   しかしその姿は。   世界の未来の一端を背負ったその男の姿は。   ネオンライトに照らされて。   神々しいほどの白さで輝いていた。 ―――   ざ、ざざざ。   歌舞伎町内の全てのテレビに同日、同時刻、ノイズが走る。   テレビだけではない。公共の電波を使っている全てのものにノイズが走った。   そして、全ての電波に同じ映像・音声が流れ始める。 『やあ、未だ欲望の寄る辺を持たぬ諸君』   テレビにでかでかと映し出されたのは、体中いたるところに真っ白な女性用下着(しかもパンツ)を貼り付けた変態だった。   歌舞伎町のすべての視線が男の身体に、すべての心が男の声に向けられる。   す、と一息。   呼吸を置いて。   男は朗々と語りだす。   自身の夢を世界に向けて。   それは奇しくも。   あの日、宿敵である『雪原の青』がやったように。   人々の心を動かすにふさわしい『心』から『心』への果たし状。   男は、世界の心を惹きつけてやまない言葉を綴りあげる。 『吾輩は……今まさにこの街で願いを掴むために戦っている者だ』 『我らが掲げる願いはすなわち、理想郷の創造』   視る者。聴く者。   すべての視聴者の心が男に釘付けになる。 『すべての性癖が、すべての人の元にあり』 『すべての人が、すべての性癖の元にある』 『そして広く世界が、すべての性癖を受け入れる』   一人、女性用下着を身に付けた男が席を立つ。   一人、ボンテージを着こなした女性が店を出る。 『理想郷とはすなわち、理解ある世界だ』 『全ての者が、全ての者として受け入れられる世界だ』   あるいは激情。   あるいは劣情。   あるいは、あるいは、あるいは。様々な『感』情が激しく『動』く。様々な人物が『感動』する。   一部の人間にとって、その放送をあえて陳腐に敬称するならば―――『感動的』な放送だった。 『吾輩は戦う、理解を得るために。再び世界と』 『集え、世間に打ち捨てられし理想たちよ』 『我こそは理想を切り拓き理解に手を伸ばす者』 『下ネタテロ組織、『群れた布地』頭目』                   『―――『頂の白』!!』   男―――『頂の白』と名乗った変質者は、天を仰ぐように両手を広げて高らかに鬨の声を上げる。 『さあ、その手に未来と下着を掴め!!』   映像が切り替わる。   変質者が公共の電波に乗っていたのはきっかり三分。   三分間で、世界は変わっていく。 ―――   ざ、ざざざ、ざざ。   ノイズが走り、世界への交信が終わる。   男―――『頂の白』は大きく息を吐いて、そして振り返った。 「やあ、よく来た。放送ジャックを見て来てくれたということは、我らと道を同じくするということかな」   やおら振り返った男の向こう、一人の男が立っていた。   甲冑に身を纏い剣を携えたその男は、まさに英雄と言うべき姿。   変質者は英雄と向き合う。両者、姿は異質だがその目に一切の陰りはない。 「最初に聞いておこう。―――なんのつもりだ?」   剣士が構える。いつでもと斬りかかれるように、『頂の白』をその剣の先に捉えて。   『頂の白』はその様を見てしばし考える。   剣士は放送の途中ですぐに『頂の白』の元まで辿り着いていた。だが、殊勝なことに放送が終わるまでは襲いかかってこなかった。   ということは、好戦的ではあるが協力者も探している。そして『頂の白』程度ならば一瞬で殺せるということだろう。   あとは、もしかしたら『騎士道精神』なんていう下らない精神を持ち合わせているのかもしれない。   『頂の白』は一度だけ鼻で笑い、怪訝な表情の剣士に口だけで謝罪を述べた。 「すまない……しかし……なんのつもり、か」   一切動揺せず、自身のペースを崩さずに語り続けた。その言葉はやはり淀みない。 「なんのつもりかというならば……吾輩はこの世界を拒絶するつもりだ。それだけだ」 「性に対する寛容さは確かに、我輩が過ごしてきた日本よりも格段に高い。  PMなどというお粗末な首輪もなく、人間はより人間らしく生きていける。  だが、それにしても、世界は未だに我らを嘲り笑っているのだ!」   『頂の白』の目に浮かぶのは、彼の元いた世界。   あの世界が特殊なだけだと思っていた。   性に対する規制があまりにも進みすぎた世界だったからこそ、『頂の白』も受け入れられることがなかったのだと。   しかしそれは彼の思いあがりだった。   世界は、ところが変わっても、彼を受け入れなかった。   その事実が、あまりにも、あまりにも、悔しくて悔しくて仕方がなかった。   だから彼は拒絶する。この世界を、全ての世界を、すべての世界に敷かれたこの『性への抑圧』を拒絶する。   それが、先の放送に込めた心のたけの全てだ。 「君にも問おう」   『頂の白』が一歩進む。剣士の剣が揺れる。 「性とはなんだ!」 「吾輩の掴んだ『性癖(リアル)』は、笑われるものなのか! 我らは―――」 「もういい」   『頂の白』の言葉を剣士が遮る。   その言葉には怒気を感じさせ、その身体の隅々、その切っ先まで殺意を込めて。 「貴様が度し難い変態だというのは理解できた。一切の容赦なく、この場で切り捨てよう」   その答えを聞き、『頂の白』は再び、今度は声を上げて大きく笑った。 「―――所詮、相容れぬか」   『頂の白』は笑う。声を上げて、たか笑う。   そしてゆっくりと手を天に振り上げる。 「来い、赤道斎!」   ベチョォ!と身体に貼り付けた白パンを叩く。   剣士が踏みだそうとして、攻撃を察知して大きく飛び退る。 「『赤道の血よ、来たレ』」   呪文とともに赤黒い衝撃波が走ったのは、飛び退ったその直後であった。   衝撃波が遠いビルにぶち当たり、向かいのビルを打ち壊す。   まさに魔術の粋と呼ぶにふさわしい威力で放たれた『それ』を確認して、剣士はその切っ先に捉える敵を改めた。 「相容れぬ……ならば貴様らは、この赤道斎の敵となるわけだ」   攻撃を放った人物の方に向き直る。   そこに立っていたのは……やはり、『変質者』だった。   要所要所だけ見れば貴族と言って差し障りない。   整った顔立ちにオールバックで纏められた白髪。豪奢なマントに同じく気品漂う上着。   しかし、下半身には何も付けず、逆に顔には女性用の下着(パンツ)を装着している。総合点で言えば確実にマイナスで『変質者』だ。   剣士が一瞬そのトンチキな様相に面食らう。その一瞬を『赤道斎』と名乗った男は見逃さない。 「先に行け、『頂の白』」 「そうさせてもらうよ」   赤道斎の魔力の放出による後押しを受けて、『頂の白』は飛び上がり闇夜に消える。   『頂の白』が見えなくなったのを確認し、赤道斎は優雅な立ち姿のまま空に浮かび上がった。   剣士の方も、『頂の白』ではなく彼より強大な力を持った赤道斎に目を向けている。 「さぁ、しばらく付き合ってもらおうか。異国の剣士よ」 「だが、貴様は―――」   剣士の言葉は、赤道斎の魔術によってかき消された。   そして、剣士の剣と赤道斎の大魔術が交わる。   その日の新宿・歌舞伎町の夜はひときわ輝いていた。 ▽ 赤道斎 「無事だったかね。『頂の白』」 「赤道斎か」   新宿区、歌舞伎町の萎びたバーの中。   夜の闇すら届かぬ闇の中で、再び二人の変態が邂逅する。   かたや下半身丸出し。   かたや全身に女性用下着貼り付け。   見た目からもう奇々怪々な二人だが、その話口だけは真面目この上ない。 「剣士(セイバー)相手に立ちまわって無傷で生還とは、成程、大魔術師の名は伊達ではないようだな」 「幸い、『対魔力』が低かったようでな。如何に大魔術師とは言え、相手によっては苦戦も強いられるだろう」   謙虚な物言いだが、実際赤道斎の身体には傷ひとつついていない。   一介の魔術師が、三騎士と言われている『セイバー』を相手取ったと考えれば勲一等以上の働きだ。 「そちらの方はどうかね」 「現在、『群れた布地』メンバーには<新宿>区内に存在する全てのランジェリーショップの全てのマネキンの顔面パーツにパンツを装着させる任務に付かせている。  そのテロ行為や先ほどの放送ジャックの甲斐もあり、NPC内に『群れた布地』の構成員は増え続けている。更に構成員とまでは行かないものの、無自覚な協力者も現れ始めたほどだ。  世界は既に動き出している。より素晴らしき理解ある世界へ」 「そうか……上々だ」   赤道斎もまた、『頂の白』の成果を聞き、満心を得る。   やっていることは傍から見れば下らないいたずら。   だが、この行為の意味するところはキャスターの『陣地作成』だ。   ランジェリーショップに設置された顔にパンツを装着したマネキンを見たものは、その下着越しにキャスターのカリスマに触れて無自覚のうちに『群れた布地』の構成員となる。   また、走り回る『群れた布地』構成員を見たものも同じだ。その頭部に装着された色とりどりの下着の神秘に触れ、自らの欲望を取り戻し、『群れた布地』の支援者となる。   今もなお、この<新宿>の地に陣地は広がり続けている。   白ワインが飲み干され、ベチョォと音を立てて『頂の白』の身体に新たな下着が貼り付けられる。   並んで置かれていた飴色の影をバーカウンターに落とす高級な酒の水面が揺れる。   赤道斎の脳裏によぎるのは、『抑圧された世界』の記憶。   人間を否定する世界。   息苦しい世界。   人間が人間らしく最低限度に文化的な生活すら送れない(少なくとも赤道斎はそう思っていた)世界。   抑圧された感情は、いつだって出口を求めて彷徨っている。   赤道斎は『頂の白』の夢を通して彼の世界を知った。   まさにディストピアと呼ぶべきその世界では、全ての性を否定したが故に人類は間違った方向へ歩み続けていた。   世界を、あんな『退屈な世界』に変えてはならない。   世界を、今は遠き理想郷へと導かなければならない。   幸いにして、この戦争の先には『聖杯』がある。あれは『大殺界』と同じく運命を塗り替える力がある。   それを手にし、理想郷を作り上げるのは大前提。その前に赤道斎らは戦争を生き抜かなければならない。   戦争に向かうのは、一人の魔術師(ヘンタイ)と一人の革命家(ヘンタイ)。そしてこの新宿の地も差別と欺瞞に溢れている。   ならば――― 「さぁ、すべての欲望に光を授けようではないか」       ―――手始めに、この地を抑圧の開放地区にするまで。   まずはこの<新宿>を全ての変態願望を肯定する『理想郷』へと作り変える。   遍く世界で虐げられてきた同志を募り、永久の安寧を得る。   そしてその先で、輝かしいばかりの栄光を掴み、世に本当の自由を与える。 「征くぞ、キャスター……『理想郷』をこの地に築くのだ。  赤道斎の名のもとに、作戦名『全て遠き理想郷(アヴァローン)』を開始する」   下半身を隠すことを過去にしたマスター、現代に蘇りし大魔術師・赤道斎。   下着を愛でることに未来を見たサーヴァント、『群れた布地』頭目、キャスター(一ノ瀬琢磨/『頂の白』)。   世にもお下劣な紅白が新宿の夜の闇に跳梁する。   彼ら二人がいる限り、変態達の未来は明るい。 ---- 【クラス】 キャスター 【真名】 一ノ瀬琢磨/『頂の白』@下ネタという概念が存在しない退屈な世界 【パラメーター】 筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:D 幸運:E 宝具:D 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 陣地作成:E 同志を募り、彼の陣地であり宝具である『群れた布地』を展開できる。 陣地というが形はなく、ただ趣味嗜好を同じくするもの同士での心の共有である。 が、心の共有であるがゆえに強固であり、性癖干渉以外のすべての対陣地スキル・宝具を無効化する。 道具作成:― 他人の使用済み下着にしか欲情できないので自分で作ったりはしない。 白ワインとかなら作れるけどあれは違うでしょ。 【保有スキル】 神秘付与(下着):D キャスターの秘術中の秘術。『頂の白』状態で発動可能。 このスキルを持つものが物体に触れると、実在のものでも神秘を纏い、宝具としての活用やサーヴァントへの干渉が可能な武器として使用できるようになる。 キャスターはすべての下着に神秘を与えることが可能。 更に下着を『顔に装着』している者は同ランクの神秘とサーヴァントへの干渉能力を得る。 カリスマ:E++++ 志を同じくした者、つまりは同志を導くカリスマ。 彼のカリスマは範囲は狭く相手を選ぶが、同志ならば深く・広く受け入れることが出来る。 また、性に対して憧れや倒錯した感情を逆手に取ったカリスマであるため、そういった点で付け入れた個人に対しては絶大な効果を及ぼす。 このカリスマは彼及び彼の神秘を纏った『群れた布地』が触れた下着越しにも拡散される。 情報拡散(偽):A 情報を世間にばらまくスキル。 ただしバッドスキルではなく彼が望んでばら撒くという性質からランク表記がある。 彼及び『群れた布地』が行動を起こすたびに彼らの情報は拡散され、志を同じくする者達への吸引力となる。 このスキルとカリスマがあるから陣地の作成が出来る。 審美眼(下着):A- 下着を見、嗅ぎ、味わい、判別する能力。 数十メートル先のパンツの元所有者を判別できる、匂いでパンツの所持を判別できるなどこと下着に関しては超一流の審美眼を持つ。 マスターのパンツを被れば彼/彼女の人となりが、英霊のパンツをかぶれば真名・逸話・宝具が判別可能。 ただし本職はパンツであり、他の下着だと効果が下がる。 性癖解放:EX 彼の神秘を受けたものは自身の性癖に正直になる。 カリスマと合わせて陣地作成の補助スキルとなる。 マスターやサーヴァントでも対象にすることが可能。 【宝具】 『群れた布地』 ランク:E 種別:陣地作成/対人 レンジ:愛が届く場所 最大捕捉:999 陣地作成を担う宝具。 彼が下ネタテロを起こすたびに理解者は増えていき、理解者は皆『群れた布地』のメンバーとなる。 陣地は際限なく広がり続け、陣地を心に宿した同志は彼の招集の声で作戦決行場所に集まる。 この宝具はNPCだけでなくマスターやサーヴァントにも効果を及ぼすが、彼らの強い意志をねじ曲げてまでこの陣地が彼らの心に蔓延ることが出来る思えない。 『頂の白』 ランク:D 種別:変態 レンジ:99 最大捕捉:999 ムレムレの白パンが数十枚集まることでキャスターが自身の欲望を開放した姿。 その身体に貼り付けた下着の一枚一枚が神秘の塊。 この姿になった時、彼が触れたすべての下着とその下着を頭に装着している人物にこの宝具と同程度の神秘を授ける。 さらに自身の身体に貼り付けた白パンをベチョオッ!と叩くことによって精鋭を呼び出せる。 呼び出す精鋭は彼の心次第。大体はマスターを呼び出すことになる。 ただしこの宝具を発動するには少なくとも一枚は鮮度の最も良い下着(半日程度身に付けられていて脱がれてから一日以内のもの)が必要。 そしてこの宝具の解放を終えると、下着に付与された神秘は消え失せる。 神秘を持続させたいならば、凄く目立つ『頂の白』でいつづけなければならない。 『下ネタテロは我が為に』 ランク:E 種別:固有結界 レンジ:99 最大捕捉:42 42の交通機関をハイジャックして、その中に居る人物から下着を奪うという完全にアレな宝具。 ただしこの宝具の解放が終わればキャスターは刑務所に連行される。 脱獄は可能だが『頂の白』の逮捕は『群れた布地』の壊滅と彼の失墜を意味するため発動したら負けと思った方がいい。 【weapon】 なし。 強いて言うなら精神攻撃と感染力。 【人物背景】 『SOX』を世界の悪に仕立てあげた男。 【マスター】 赤道斎@いぬかみっ! 【マスターとしての願い】 すべての欲望が肯定される世界へ。 【能力・技能】 ・大魔術師 稀代の大魔術師。 攻撃・防御だけでなく幻術・催眠術・捕縛術・監視術なども使えるオールラウンド魔術師であり、因果律を操る妖狐おして「人間という枠を超えた化け物」と称された。 主に攻撃・防御に応用の効く衝撃波発生魔法『赤道の血よ、来たレ』『赤道の血よ、アレ』を主に使う。 『アレ』は己の使う呪文に対して魔術基板を用意してそこにアクセスすることで呪文の省略を行っている(スキルで言う『高速神言』)。 呪文は短いがれっきとした二節の呪文であるため『アレ』でも対魔力Cまでなら対応が可能。 長い詠唱の魔法も存在するが、こちらは『アレ』より一段階威力は高くなる。 対魔力Aは貫けないが、それでも並のサーヴァント相手なら(神秘さえ纏えれば)相手になる。 そして、魔力量は桁外れ。基礎霊力の放出だけでも漬物石を10000個は吹っ飛ばせるらしい。 魔力による戦闘能力の補助でも行っているのか、ビルを壊す攻撃に耐えたり同程度の攻撃を繰り出したりも可能。 『月と3人の娘』シリーズはすべてあちら側の世界においてきたので使用不可となる。 ソクラテスやクサンチッペも居ない。大殺界も当然存在しない。 だが、時間と魔力を割けばこの地でも新しく魔具を作ることは可能。今回の聖杯戦争では既に『公共の電波を三分間だけジャックできる魔具』を作り上げている。 ・露出癖 上半身は高価なマントと貴族のような服を、下半身にはプライドという名の服を着ている。 つまり下は全裸。パンツもないから恥ずかしくないもん! 神すらひるませるその素っ頓狂な行動は、相手によっては隙を作ることが可能。 【人物背景】 神仙に最も近づいた人間。齢数百歳の魔法使い。 個人の魔力による運用が可能な大殺界という『陣地作成』。 月と3人の娘シリーズという変態魔装具を作る『道具作成』。 更に二節以上の呪文の他に『月と3人の娘』を介せば儀式呪文の単独での使用も可能というどう見ても彼のほうが正統派キャスターである。 その力の強さと歪んだ倫理・理想故に世界から放逐されてしまった。 時間軸としては復活直前からの参加となる。 【方針】 新宿に眠るすべての欲望を肯定する。 そのために、手始めにNPCたちを全て『群れた布地』に覚醒させてマスターを炙り出す。 戦闘は赤道斎任せ。赤道斎に使用済み下着をかぶせて戦わせて勝ちを狙いに行く。 赤道斎は素の殴り合いも強く、魔法も多種多様で強い。サーヴァントとして呼んだらキャスター最優レベルの人物。ただし変態。 弱点はキャスターの存在、と断言していい。 キャスターが『頂の白』として顕現していなければ赤道斎の魔法も通用しないが、『頂の白』はあまりに目立つ。 そのため、肉壁代わりの同志を用意し続けて、撹乱のために彼らにも神秘の宿ったパンツをかぶらせる必要がある。 幸い、キャスターは『頂の白』でも常人並の魔力反応しか発生しないため、パンツを被った赤道斎がサーヴァントと誤認してくれる可能性も高い。 『下ネタテロは我が為に』はデメリットしかないため使ってはいけない。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: