夏の期末テストが終わったのは、午前十二時を回ってから十五分程経過した時であった。
テスト用紙の回収、数の確認、そして、帰りのホームルーム。それらの時間を諸々込みで、この時間に今日の学校の時間は終わった。
元々テスト期間の為、学校が終わる時間も早い。拘束時間はせいぜい四時間程度だ。それもあるのだが、此処最近は教師、と言うより学校側が、
生徒をやけに早く帰らせたがる。それどころか教師ですらも、早く帰りたそうな雰囲気を見せている。学生は子供ではあるが、そう言った感情の機微に疎い訳ではない。
理由は解る。聖杯戦争と言うイベントが開催された事による、<新宿>で起る異変の数々だろう。
代表的な物で、バーサーカー黒贄礼太郎の手による大量殺人があり、次に上げられるのが、<新宿>の住民或いは区外から足を運んだ住人の失踪事件。
世にもおぞましい、人間をミンチにして殺害する数々の事件等。聖杯戦争が本開催になる前からして、これなのだ。
実際開催されてからは、もっと酷い。落合方面で起ったマンションの事件、<新宿>二丁目で起った巨大な鬼と、アングロサクソン系の外人達の大立ち回り。
そして、早稲田・神楽坂方面で起った謎の大爆発など。今日だけでこれだけの大事件が起きているのだ。子供についての責任を負う学校が、警戒をしない筈がなかった。

 雪村あかりが学校に着いたのは、午前十時を回ろうかと言う時間であった。
試験開始時刻は八時半からである。それを考えると、大遅刻とすら言えるし、実際試験科目のうち一科目は既に終わってしまっていたのだ。
しかしこの大遅刻を受けても、教師はあかりの事を全く怒らなかったし、寧ろ「無事だったか」と安堵の様子すら見せていた始末だ。
その理由を、試験中の教室に足を運んで、納得した。一クラス三十人の教室に、生徒が十人近くもいないのだ。
恐らくは、<新宿>で起った聖杯戦争の余波で遅延を蒙っているか、最悪の場合は――と言う事なのだろう。
この世界の教師からすれば気が気ではないとは言え、あかりからすればどうでも良い事柄ではある。そもそもこの世界の人々はNPCであり、
仮にあかりと知り合いの人物がいたとしても、それは元居た世界の人物では断じてない。だから、消えようが消えまいが、如何でも良い事なのだ。

 椚ヶ丘中学<新宿>校。それが、あかりが<新宿>で通う事になっている学校の名前だ。つまり、元の世界のそれと同じである。
如何やらこの世界では理事長である浅野學峯は見事、その手腕を全国規模で発揮する事が出来たらしく、全国の主要都市に中学や高校を設置する事に成功した。
但し、元の世界で言う所のエンドのE組と言ったような、いわばカーストの最底辺のようなクラスを一つだけ設置し、見世物にすると言う狂気じみた制度は、
流石にこの世界では存在しないらしい。椚ヶ丘は中高一貫校だが、中高全てに共通して、全学年A組が所謂『特進クラス』で、それ以外は普通のクラス、
と言うマイルドな調整になっていた。この世界では、浅野學峯理事長は普通に教師として大成したようであるらしい。
尤も、元の世界の椚ヶ丘中学とは違うとは言っても、テストの難易度は相変わらず難しい。国内最難関の難関中高として君臨しているだけの事はある。
しかし、今のあかりにはテストの問題は簡単だった。――癪だが――殺せんせーの指導がとても上手い、と言う事もそうだが、そもそもあかりのいた元の世界では、
年の瀬の二学期であった。<新宿>は今は七月の半ばだが、実に五か月先の時間からやって来たのだ。今更、一学期のテスト内容に手こずる筈がない。
これでも復習はしっかりとしている。NPCが主催する学校のテストである事を差し引いても、テスト自体は正直茶番も良いとこだった。

 今に至る。
月曜から続くテスト期間も今日この日で終わりを告げたが、それであるのに、あかりのクラスには未だ五名が欠席状態。
余程の大遅延を貰ったか、最悪生きてはいないかのどっちかだろう。特に後者は冗談では済ませられない。
先程金髪のバーサーカーと、自身の引き当てたサーヴァントであるバージルの、激し過ぎる戦闘を見た後だと、死んだ可能性も捨てきれない。
今頃は学校の側も戦々恐々としている事だろう。昨今はモンスターペアレンツと言うものが増えていると言う。
生徒に死なれ、学校の責任問題と称して親に責任の追及をされてしまう可能性を考えたら、気が気ではないだろう。尤もそんな事、あかりにとってはどうでも良い事ではあるが。

 ――憂鬱だわ……――

 胸中で心底の思いを吐露するあかり。
あかりは今回の遅刻を、早稲田鶴巻町で起ったあの戦闘を目撃していた為に、証人として警察の事情聴取をされていたから遅れたと弁解した。
無論それは大嘘も良い所で、実際はあかりはその戦闘の当事者であったのだが、そんな事を言うメリットはないので黙っておいた。
だがその一言で、余計なイベントを追加されてしまった。当然、あかりが遅れたのは学校側からしたらやむにやまれぬ事情と言う事になる。
であるのならば、そんな仕方のない理由で送れた人物に、テスト科目を受けさせないままそのまま、と言うのは公平さに欠ける。
故に、明日の土曜日、受け損なったテスト問題をもう一度受ける事になってしまったのだ。しかも問題は、前とは違う物を出すと言うではないか。

【出るのか?】

【出ないわよ】

 と、バージルが念話で聞いて来たので、あかりは即答した。
正直このテストですら、サボってしまおうかと思っていた程だ。結局は、此処から足が出て自分達の正体が露見する可能性を危惧し受けはしたが、次は受けない。
先の金髪のバーサーカーとの戦いで、あかりもバージルも聖杯戦争が一筋縄ではいかない物であると理解した。尚の事、聖杯戦争に専念したいと思うのは、無理からぬ事だろう。

【この後は如何するつもりだ】

【サーヴァントとの接触をしたい所だけど、会えるのかしら】

 先の戦いであかりとバージルも思った事だが、聖杯戦争に集ったサーヴァントは、皆一癖も二癖もあるらしい。
あかりは自分が引き当てたサーヴァントであるバージルが一番強いサーヴァントとすら思っていたが、如何やらそうと言う訳でもないらしい。
バージルがあの戦いで負った手傷は、未だに治っていない。悪魔の再生力ですら、治癒が遅れるレベルなのだ。直撃を貰い続けていたら、どうなっていたか。

 二名の方針は変わる事はない。
敵と認識すれば斬る。利用出来ると思った奴がいれば、同盟と言う体裁で利用する。
先の戦いで聖杯戦争の過酷さを骨身に沁みて認識した二人は、同盟と言う物の重要性も理解した。
サーヴァント二人で一人のサーヴァントを叩く。単純な足し算だがそれ故に、有用性は明白だ。今後はこう言った柔軟性も発揮するべきだろう。
しかしその為にはサーヴァントとも出会わねばならない。その機会を、何処で見つけるかだが――。

「雪村さん」

 と、自分の事を呼ぶ声が後ろから聞こえて来たので、その方向を振り返る。
ブルーブラックの髪を後ろに伸ばした可愛らしい少女だった。演技力を磨けば、子役としても活躍する事だろう。

「? 大石さん? 何か用かな?」

 大石泉。この世界に於ける椚ヶ丘中学のクラスメイトであり、この世界であかりがよく話す人物と言う事になっている。
頭脳明晰な少女であると、あかりは思っている。このクラスにおいても頭一つ抜けた成績の持ち主だ。
高校に進学したら、特進クラスであるA組に編入される事は間違いない。だがそれ以上に、彼女を彼女足らしめているのは、彼女がアイドルであると言う事だろう。
今日の午後二時に大規模なライブコンサートを行うと言う、346プロダクションに所属するアイドルだったか、とあかりは記憶していた。

「随分テスト遅れちゃってた見たいだけど……無事で良かったね、って」

「ああ、ただ少し警察の人に話聞かれただけだから。特に何もないよ」

 実際に、あかりの姿に何の異常も見られない事を確認したらしく、泉は少しだけ安心したような表情を浮かべた。

「大石さん、確か今日コンサートイベントなんでしょ? 今<新宿>は物騒だから、警戒はしておいた方が良いと思うよ。それじゃ、また来週――」

「あ、待って雪村さん。実はちょっと話が……」

「話?」

 疑問気な表情を浮かべるあかり。

「今日のコンサートについてなんだけどね、どう? その……見てかない?」

「私が……?」

 少し考え込む様子を見せるあかり。
泉は何故、このような手段に出たのだろうかと考えたが、直にその理由を推察出来た。
向こうも、と言うよりこのクラスの全員が、あかりが現在オフシーズン中である有名な子役女優と言う事を知っている。
恐らく泉は、プロダクションの偉い方から、あかりの事を引き抜いて欲しいと言われているに相違ない。つまり、自分をアイドルにしようと画策しているのだ。
但し、直接アイドルになる為の交渉をやると、あかりの所属している事務所が黙ってない。だからこそ、先ずは遠回しに、自分達の活動を見せる事で、印象と憧れを植え付ける算段なのだろう。

 この手の誘いは元の世界でもあった。女優として名が売れ始めた頃、アイドルをして見ないかとも別プロダクションから言われた事がある。
女優としての特訓と、アイドルとしての特訓は通じる物がある。腹式呼吸、声の訓練、度胸の鍛え方。唯一の違いは歌唱レッスンだが、
あかりは自分の事を音痴ではないと思っている。アイドルとしての下地は出来ている。素人を一からトップアイドルに鍛えるのと、
予め下地が整っている人間にスターダムを駆けあがらせるのとでは、掛かる時間と費用が違う。それを考えると、あかりはまさに、アイドルに勧誘する上ではこの上ない優良物件と言う事になるのだろう。

 そう言う下心を見抜いたあかり。アイドルになるつもりなど、更々なかった。
今が聖杯戦争であると言う事もそうだが、プロデューサーや向こうの事務所のスカウトマンが足を運ばず、よりにもよってクラスメイトを使って勧誘させる、
と言う性根が好きじゃない。楽をし過ぎである。曲りなりにも自分を引き抜こうと言うのだから、自らが出向くなどして誠意を見せて欲しいものである。
だが、アイドルに成るつもりはないだけであって、コンサートに興味がないと言う訳ではない。純粋に、人が集まるからだ。
346プロが主催の今回のライブコンサートは、正にプロダクションの社運を賭けた一大プロジェクトであるらしく、かつ、346プロ自体も国内で特に有名なプロダクションだけあって、相当数の観客が動員される事が予測出来る。ならば、方々からやって来るであろう。様々な打算を胸に秘めた、聖杯戦争の参加者達が。

「大石さんも確か、アイドルユニット組んでたんだよね? 今日出るんだっけ?」

「うっ……あ、ハハ。私達のユニットはちょっと選考漏れちゃってて……」

 痛い所を突いたらしく、苦々しい笑みを浮かべて泉が言った。
そう言う事もあるだろう。346プロダクションはアイドル部門だけでも、人員とユニット数が膨大だ。あかり自身、どれがどれだか解ってない位多い。
今回の346プロのイベントは一世一代の大イベントだ。しくじれない。ならば、肝入りのメンバーとユニットで構成するのが自然な流れと言える。
当然其処には、コンサートからあぶれたメンバーやユニットもいる訳で。残念ながら泉達のグループユニットは、コンサートの参加がお流れになってしまったのだろう。

「そっか、残念だね。見たかったな、大石さんのライブでの姿」

「そう言われると緊張しちゃうし、何だか少し……恥ずかしい。それで、雪村さん」

「イベントって確か、今日から三日間やるんだよね?」

「うん。今日が疲れてるなら、次の日でも、最終日でも良いからさ」

「いや、今日行くね。折角だし、テストの疲れも吹っ飛ばしたいもん」

「解った。それじゃ、これがコンサートのチケットね」

 と言って泉は、バッグからコンサートのチケットを三枚分取り出し、それを手渡した。
ご丁寧にチケットには『優待券』と書いてある。これは一般に販売されているチケットではなく、ファンクラブのトップ会員や、
プロダクションの株主や役員の関係者にしか配られない物だろう。相当、此方を引き抜きたいと言う思いが言葉を交わさずとも伝わってくるようだった。

「開催は今日の二時からだよね。それまでに準備とかしなくちゃ」

 そう言ってあかりは、自分の学生鞄を開き、チケットをしまおうとして――一瞬だけ、慄然の表情を浮かべた。
その様子を見た泉が、ただならぬものを感じたらしく、「どうしたの?」と心配そうに声を掛けて来た。

「あ、あはは!! 何でもない何でもない、中に入れてたペットボトルの水が零れてただけだから」

「フフ、意外と間が抜けてるね」

「私の悪い癖。じゃ、今日は絶対に向かうね。それじゃっ」

 と言って足早に、あかりは教室から退散する。
まさかNPCに言える筈もなかったし、聖杯戦争の関係者にも内密にして置きたかった。契約者の鍵が、群青色に光り輝いていたなど。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 誰もいない女子トイレの個室で確認した、契約者の鍵を通じて投影されたプログラムの内容を要約すると、新しい指名手配者が増えたと言う事である。
聖杯戦争の本開催からまだ一日と経っていないのに、この風雲急振りには驚かされるばかりだが、真に驚いたのは指名手配がされたと言う事実よりも、その指名手配を喰らった塔の人物の事である。

【……Foolishness(馬鹿め)】

 と、心底呆れた様な語調でバージルが呟いた。使う言葉のニュアンスも、相当強い。本気で指名手配された人物を馬鹿と言っている。
実際あかりとしても、本当にその通りとしか言いようがなかった。何せ指名手配をされている人物は、ほんの数時間前に熾烈な戦いをバージルと繰り広げた張本人。そう、あの金髪のバーサーカーであるのだから

【元々、何時かは集団で叩かれそうなサーヴァントだとは思っていた。だが、此処まで早くマークされるとはな】

 早稲田鶴巻町で戦ったバーサーカー。真名を、『クリストファー・ヴァルゼライド』と言うらしい。
其処で得られたデータは、実際に剣を交えたバージル達だからこそ、余計に貴重な物だった。目を瞠るのは、放射能光を超高速で放つ宝具だろう。
つまりあのバーサーカーは、放射能が残留するリスクなど全く勘案せずそれを撃ち放ちまくっていたと言う事になる。馬鹿である。
だがそれ以上に重要な事は、このバーサーカー達が、聖杯戦争の主催者によりにもよって喧嘩を売ったと言う事だ。
著しいフィールドの破壊も、放射能の散布もまだ理解が出来る。戦闘の余波の結果だからだ。だが、ルーラー達に喧嘩を売るその理由が、あかりもバージルも理解出来ずにいた。
此処で理解出来る事があるとすれば、この主従は、条件が重なれば、『現状のお上』にすら牙を向く人物達であると言う事だ。馬鹿である。

【次に会った時は、絶対に殺すと決めていた男だったが……これでもう、遠慮は無用になった。殺す事に最早正義がある程の愚か者になったのだからな】

 そう、この二名が会話の通じない狂人達である事を、バージル達は知っている。
この上に、倒せば令呪すら貰える、正真正銘の賞金首になったとすら来ている。極め付けに、この二人は同情の余地も救いもない愚か者だ。何の気兼ねもなく、殺してしまえると言う物だった。

【この馬鹿の事もそうだが、もう一つ。重要な点がある】

【何それ】

【他ならぬルーラーの事だ】

【ルーラー?】

【今回の通達で確信した。一つ、ルーラーは聖杯戦争の運営をかなり重視している事】

 遠坂凛とセリュー・ユビキタスの通達の時もそうだったが、聖杯戦争の舞台である<新宿>を破壊しかねないサーヴァントに対し、
ルーラーの側はかなり厳しい。今回のクリストファー・ヴァルゼライドとそのマスターであるザ・ヒーローの件に至っては、真名や宝具の性質すら掲示している程だ。
無論、この措置はルーラー達に明白に反旗を翻した故の物である可能性も捨てきれないが、どちらにしても、言える事は一つ。
彼らは信賞必罰を旨としていると言う事だ。つまり、此方が下手を打たない限り、敵対する可能性も低いと言う事である。

【そしてもう一つ。これが特に重要かもしれんが、少なくともルーラーは『三画より多い画数の令呪を持っている可能性が高い』と言う事だ】

【あぁ、そっか。討伐令を仮に全部達成済みにしたら、令呪は三画ルーラー達の側から消えるよね】

【そうだ。ルーラーと言うサーヴァントの性質を知らない俺では憶測でしか物を語れないが、ルーラーが俺達と同じ様なサーヴァントだと仮定した場合、手持ちの令呪を全部くれてやる、等と言う狂行には出ないだろう】

【……何処かに、令呪のストックを、別に持ってるって可能性は?】

【ルーラーと言うより、主催者だ。それ位の特権を有している可能性も高いだろうな。どちらにしても、今回の通達で言える事は、ルーラー側にとって令呪は『俺達程大して意味を持たない』と言う事だ。今後また、新しい討伐令が下る可能性も視野に入れておかねばなるまい】

 もしも、ルーラー達が令呪を無尽蔵に有しているとしたら、それは最早インチキとか言うレベルではない。ゲーマー風に言えば、チートだ。
そんな存在を相手に、何らの予備情報もなしに喧嘩を売るのは愚の骨頂である。しかし、ルーラーと敵対する可能性も、一応は視野に入れておくべきだ。
どちらにせよ今は、敵対するべき相手じゃない。それだけは、確実であった。

【……所で、マスター。お前は先程の女から貰ったイベントには、向かうのか?】

【一応。サーヴァントも集まりそうだし、ね。……いやだったりする?】

【うるさい所は好きではない】

 まぁ、確かにそんな感じはする、と思うあかりであった。
元々が寡黙な男だ、アイドルのライブコンサートなど好きそうでない事は明らかだったが、案の定だったらしい。

【お前が向かうと言うのなら俺も向かう。人自体は、集まりそうだからな】

【じゃ、その方針で行こう】

 其処で念話を打ち切り、契約者の鍵をカバンの中にしまってから、あかりは個室から出た。向うは霞ヶ丘、新国立競技場。






【西新宿方面(椚ヶ丘中学新宿校)/1日目 午前12:20】

【雪村あかり(茅野カエデ)@暗殺教室】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[契約者の鍵]有
[装備]なし
[道具]携帯電話
[所持金]何とか暮らしていける程度
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を絶対に手に入れる。
1.なるべく普通を装う
2.コンサート会場へ向かう
[備考]
  • 遠坂凛とセリュー・ユビキタスの討伐クエストを認識しました
  • 遠坂凛の住所を把握しましたが、信憑性はありません
  • セリュー・ユビキタスが相手を選んで殺人を行っていると推測しました
  • バーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)とザ・ヒーローの存在を認識、その後通達で真名と宝具とステータスを知りました
  • ランサー(高城絶斗)の存在を認識しましたが、マスターの事は知りません
  • 現在霞ヶ丘の新国立競技場へ向っています


【アーチャー(バージル)@デビルメイクライシリーズ】
[状態]肉体的損傷(小)、魔力消費(小)、放射能残留による肉体の内部破壊(回復進度:中)、全身に放射能による激痛
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れ、力を得る。
1.敵に出会ったら斬る
2.何の為に、此処に、か
[備考]
  • バーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)とザ・ヒーローの存在を認識、その後通達で真名と宝具とステータスを知りました
  • ランサー(高城絶斗)の存在を認識しましたが、マスターの事は知りません
  • 宝具『天霆の轟く地平に、闇はなく』を纏わせた刀の直撃により、体内で放射能による細胞破壊が進行しています。悪魔としての再生能力で治癒可能ですが、通常の傷よりも大幅に時間がかかります






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 通っている、麻帆良学園女子中等部に桜咲刹那が着いたのは、今週初めから続いた期末テスト期間、その最後の科目が終わる十分前の十一時五十分だった。
つまるところ、大遅刻も良い所である。何せ今日のテスト科目を全てすっぽかしたに等しいのだから。普段真面目な生徒で通っている刹那からは信じられない事だ。
しかしこれには理由がある。一つに、先程戦った、燃え盛る剣を操るマスター達との戦いで負った手傷の回復に時間が掛かった事。
そしてもう一つ、退避場所に選んだBIGBOX高田馬場から、市ヶ谷方面まで徒歩で向かった為に、時間を食ってしまった事。
前者は兎も角、何故後者、公共交通機関を使わなかったかと言うと、バス停に向かう最中に、<新宿>二丁目で起ったとされるサーヴァントどうしの戦いと思しき、
大事件を街頭ニュースで知ったからだ。公共の交通機関を使うのは、かえって危ないと刹那もタカジョーも思った故に、徒歩を選んだと言う訳だ。
元々刹那は健脚の持ち主。高田馬場から市ヶ谷方面の学校まで、大した距離もない。この程度で疲労は溜まらない。

 今更行っても、もう無理じゃないか、と念話でタカジョーが伝えて来た事もある。
正直いけ好かないタカジョーの言葉とは言え、こればかりは少し同意する。しかし、一応の義理は通しておきたい。
<新宿>二丁目で起きた大事件、その発生から数時間は経過している現在では、当然教師もその事を理解しているだろう。
こんな事件の後に自分が学校をサボってしまえば、自分の身に大事が起きてしまったと学校側は考えるだろう。そうなると、いらない風評が立つ。
この風評が問題だ。もしもそんな噂が立てば、其処から聖杯戦争の参加主従が自分達の事を嗅ぎ付ける可能性も否定は出来ない。
そんなリスクがあるからこそ、学校に向かう。その説明に納得したか、一応はタカジョーも小言もなく、刹那の意向を認めてくれた。

「――桜咲!! 無事だったか!?」

 と言って、麻帆良学園の女子中等部の校門前に立っていた、ジャージ姿をした茶髪の年長女性が、心底心配そうな顔で此方に言葉を投げ掛けて来た。
芦角花恵(あしずみはなえ)、この学校の体育教師であり生徒指導、そして刹那達のクラスの担任である。御年二十六歳独身だ。

「すいません、芦角先生。<新宿>二丁目の事件に巻き込まれて、警察の事情聴取を受けてまして……」

 この言葉は学校に通う過程で適当に捻出した嘘である。まさか事実を言う訳にも行くまい。

「そうか……何にしても、無事で良かった。それで、そのジャージは?」

「火の粉を貰って焦げ付きまして……仕方なく、ジャージに着替えたんです」

 先の戦いでボロボロになった制服を着用すると、目立ってしまう。当然の配慮だった。

「ところで、テストの方ですが……」

「あぁ、もういい。いや、よかないんだが、今日はお前みたいに学校に遅刻したり、未だこれなかったりしてる奴が多いんだ。そいつらの処遇は後で考える、今日はホームルームだけ受けて帰れ」

 と言って刹那を教室に案内しようとする花恵だったが、一瞬刹那は、花恵が足に履いているサンダルに目線をやってしまった。
その事に気付いた花恵が、「おっ、気付いちゃったか~、あの剣道一筋で色気のない桜咲がな~」と得意げな言葉を投げ掛けて来たが、色気のないのはお前も同じだろとは口が裂けても刹那は言わない。

「いやさ~、これでも私だって気にしてんだぞ、男にモテないの。ファッションなんか全然わかんねーし、化粧の仕方もよーわからんし。でもこのままだとまた実家に戻ったら、家の親父達から「まだ結婚しないのか」と詰られるしさ。だからアレだ、何時も履いてる便所サンダルから、これに変えたわけよ。社会人にとって靴は顔だからな」

 芦角花恵は、素材自体は美人であるが、だらしのない服装と化粧っ気のなさ、何よりもその性格から、男とは無縁の女性だった。
無理もない、だらしなく着崩したジャージに、履物が便所サンダルと来れば、男の方も寄って来るまい。その事を散々、クラスの女子達に花恵はネタにされていた。
流石にそれでは拙いと思ったのか、一念発起し、変えられる所から彼女は変えようと努力したらしい。その方針は褒められるべきそれだが……。

「あの、そのサンダル……」

「これさ、何でも流行り物らしいんだな。カリガって言ってさ、ローマの剣闘士……グラディエーターって言うんだっけ? そいつらが掃いてたサンダルを現代風にアレンジした奴らしいんだな」

 花恵の言う通り、カリガ、またの名をグラディエーターサンダルは、現代でもアレンジされ、靴の一種類、ファッションの一つとして大衆から受け入れられている。
成程、確かに花恵の言う通り、自分を変えようと言う努力はしているらしい。それで選ぶのが、古代の剣闘士が着用していた物をルーツとするサンダルな辺りが、
実に彼女らしいと言うべきだが。しかし、刹那は何故か、その靴に違和感を覚えていた。それを言葉として表現するのは骨だが……。
敢えて言えば、如何もファッション性よりも、軍靴と言うか、『機能性を重視した』ように見えるのだ。

「そのサンダル、何処で?」

「ん~? ほら、最近麻帆良のジャリ共が、アルケアだ何だの話題をする事が多いだろ? 教師だって生徒の間で話題になってる奴は知ってんだぞ? んで、このサンダルは、新進気鋭のデザイナーがそのアルケアをモチーフにして作った奴らしい。ま、若いに倣うのが良いと思ったのさ」

 ――アルケア。
<新宿>にやって来てから、余り生徒と接点を持たずに生活して来た刹那だったが、如何やら今はそんな物が流行っているらしい。
当初刹那はそれが、この世界で有名なファッションブランドの会社かと思っていた。実際花恵の言葉からは、そうとしか思えない。
その会社の事を、花恵に聞くのはお門違いだろう。実際彼女も、よく解ってなさそうな事が、口ぶりからも推察出来るからだ。

「――っと、そうだよ桜咲。早く教室行け教室!! テストの時間もそろそろ終わりだからさ」

「あ、そうですね。解りました」

 と言って刹那は急いで、麻帆良の校舎へと走って向って行く。
霊体化したタカジョーが、怪訝そうな瞳で、花恵と、彼女の履くカリガに目線を送っている事も知らずに。






【市ヶ谷、河田町方面(市ヶ谷本村町、麻帆良学園女子中等部<新宿>校)/1日目 午前11:55】

【桜咲刹那@魔法先生ネギま!(漫画版)】
[状態]魔力消費(中)、左脇腹に裂傷(回復)、廃都物語(影響度:極小)
[令呪]残り三画
[契約者の鍵]有
[装備]某女子中学指定のジャージ(<新宿>の某女子中学の制服はカバンに仕舞いました)
[道具]夕凪
[所持金]学生相応のそれ
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争からの帰還
1.人は殺したくない。可能ならサーヴァントだけを狙う
2.傷をなんとかしたい
[備考]
  • 睦月がビースト(パスカル)のマスターだと認識しました
  • ザ・ヒーローがバーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)のマスターだと認識しました。
  • まだ人を殺すと言う決心がついていません
  • アルケアについて名前だけを知りました


【ランサー(高城絶斗)@真・女神転生デビルチルドレン(漫画版)】
[状態]魔力消費(中) 放射能残留による肉体の内部破壊が進行(現在八割方回復済み)、全身に放射能による軽度の痛み
[装備]
[道具]
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争を楽しむ
1.聖杯には興味がないが、負けたくはない
2.何で魔王である僕が此処にいるんだろうね
3.マスターほんと使えないなぁ
4.いったいなぁ、これ
[備考]
  • ビースト(パスカル)、バーサーカー(クリストファー・ヴァルゼライド)と交戦。睦月をマスターと認識しました
  • ビーストがケルベロスに縁のある、或いはそれそのものだと見抜きました
  • ビーストの動物会話スキルには、まだ気付いていません
  • 宝具『天霆の轟く地平に、闇はなく』が掠ったことにより、体内で放射能による細胞破壊が進行しています。再生スキルにより治癒可能ですが、通常の傷よりも大幅に時間がかかります
  • 雪村あかりとアーチャー(バージル)の主従の存在を認識しました
  • アルケアの事を訝しんでいます



時系列順


投下順



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26:戦乱 剣を掲げ誇りを胸に 桜咲刹那
ランサー(高城絶斗)
26:戦乱 剣を掲げ誇りを胸に 雪村あかり
アーチャー(バージル)