今、そこにあるのは墓標の群れであった。
灰色の巨石群――かつては、あの“魔震”が起こるまではここいらに立ち並んだそれらを人々は副都心と称していた。
空が澄んでいる日であれば遠くに富士を背景とし、その威容を見せる巨大ビル群。
王はいつの時代であっても天に近い所に座を欲する。副都心に連なる無数の塔もまたその為の、権力の象徴としての存在であった。

今、そこに残っているのは墓標の群れだ。
確かに今現在の新宿はあの“魔震”から復興したように見える。事実、人の営みは九割方は以前の姿へと戻っている。
副都心に立ち並ぶビル群にしても倒壊したものなどひとつもなく、その姿は以前と変わらないように見えるだろう。
あれほどの地震であったにも関わらずである。さすがは日本の耐震技術だと賞賛せずにはいられない。

とはいえ、なんら一切の傷がなかったと言えばそうではない。
近づいて目を凝らせば、そこかしこに細かい罅割れが走っているのがわかるだろう。
見えないところにはもっと傷が、それも致命的な損傷があるかもしれず、ひょっとすれば明日にも倒壊するかもしれない。
かもしれない――という理由で副都心のビル群は使われてはいけないことが決定した。

臆病な判断だと言われるだろうか。あるいは勿体無いと?
そんなことはない。ひとつのビルには千近くの人が入り、全てのビルを合わせれば万を越す人がそこで働くのだ。
万が一などという“高確率”にそれほどの人間の命を賭けられるはずもない。

ビル群がどれも巨大すぎることも問題だった。解体するにもそれから建て直すにも費用がかかりすぎる。
加えて“魔震”後の新宿を取り囲む“亀裂”の存在もある。
外との行き来が著しく制限されるということは、この場所から副都心としての価値を全くの皆無とするまでに奪った。
なにより“魔震”が普通の地震でないことは明白だ。あまりにも不気味、不明解――ここを都心とし続ける心理的な理由もまた皆無だろう。

近く予定されていた新都庁建設の話も流れた。
それから今まで、高額な予算を投じてまで手をつける理由を遂に誰も思いつかなかった為にこの元副都心は墓標なのである。

そんな、かつて呼ばれた副都心という名の為の墓石。その一角にその男の姿はあった。








  - Ж - Ж - Ж -


その晩は雲が厚く、星の瞬きはおろか月の光さえも満足に届かない陰鬱とした夜であった。
男は風すらも吹かぬその夜に、あるビルの屋上の更にその端に立って遠く遠く目が眩むくらいに遠い地上を見下ろしていた。

男は考えていた。困惑しているからだ。巻き込まれてしまった“聖杯戦争”に対して、まだ飲み込みきれていない部分があるからだ。
この男は聖杯戦争を知っていた。その最中に身を置き、死闘を演じたこともある。
かつて冬木と呼ばれる地で魔術師達が起こした“聖杯戦争”――それをこの男はすでに体験している。

だからこその混乱だ。それ故にの当惑である。
ではこの“新宿の聖杯戦争”の何にこの男は戸惑っているのだろうか?

冬木以外の聖杯戦争が存在したことにだろうか? ――否、誰かがそれを望めば難度の差はあれどどこでも行えるはずだ。
目の前の新宿が自分の知らない新宿だからか? ――否、男はもとより並行世界の存在を肯定する。
聖杯戦争を監督している者が不明だからか? ――否、正式な参加者でなければそれを知れないのは当然のことだ。
どうやらサーヴァントの数が七騎程度ではないことか? ――否、聖杯戦争の規模に大小があっても驚きはしない。
では、何に戸惑う?

その浅黒い肌をした男は、かつて冬木の地で“アーチャー”として召喚された男だった。
遠坂凛という名の魔術に長けた、それでいて縁の浅からぬ少女の僕として幾度となく死闘を演じたサーヴァントだった。
ならば、何故? なおさらに、どこに戸惑う理由があるというのか?

それは、男の、かつては“アーチャー”と呼ばれた男の手の甲に三画の“令呪”が浮かんでいたからであった。

かつての“アーチャー”は、此度の聖杯戦争において、一人の魔術師エミヤとしてこの地に立たされているのだ。



赤錆色の荒野から守護者として新宿に降り立った時、エミヤはここが日本であることに僅かな郷愁を覚え、
そして同時に流れ込んできた聖杯戦争の認識にひどく驚いた。
あくまで世界から世界を渡る転移は守護者としてのものだったはずなのに、どうして聖杯戦争の召喚なのか?
地面に足がつくまでの僅かな間での困惑。
それは手の甲に浮かび上がった令呪により瞬く間に氷解し、更に新しくより大きな困惑をこの男に与える。

守護者が、守護者となった者が偶然に出向いた先で聖杯戦争のマスターに選ばれるということがあるのだろうか?
ありうるのかもしれない。冬木の聖杯戦争への参加にしてもそれは星の数に対してひとつほどの奇跡だったのだから。
いやそれよりも、これこそが今回の守護者としての仕事なのだと考えるのが合理的か。
つまり、この聖杯戦争は人類に対し酷く危険を及ぼす可能性があるので、守護者として儀式を破壊せよ、と。
しかし、そうは考えられても答えは不明瞭だった。そもそも、守護者としての仕事が判然としないというのが初めてのことだった。

そんな、彼にとっての聖杯戦争の開始より一週間後の今、未だ答えは得られてはおらず、男は墓石の上で佇むだけであった。








  - Ж - Ж - Ж -


不意に風がエミヤの頬を撫でる。夢魔の舌のようにじっとりとした不快な風だった。

「あれもサーヴァントか……」

見下ろす先に、ビルの壁面に四つん這いで張り付き奇妙に滑らかな動きで駆け登ってくる異形の姿があった。
果たしていかなサーヴァントかというのはエミヤには判らない。
かつてはこれも英霊と呼ばれるに相応しい行いを果たした者なのか、あるいは神の半身か魔の権化か。
その一瞬の思考の内に異形はエミヤの前へと辿りついていた。

「醜悪だな」

どれほどの呪いをその身に受ければこの様な姿になるのか。
それは全身に黒い泥を被り、その上に油を浴び、この世のあらゆる毒を呷り、知られる全ての病を発したような姿をしていた。
爛々と輝く対の瞳から読み取れる感情は激しい後悔と自分以外の存在に対するそれ以上の嫉妬。煮凝りとなった不の感情。

異形が細長い前脚を持ち上げ黒い粘液の滴る爪をエミヤへと振り下ろす。

エミヤにはまだひとつ些細な疑問があった。
それはどうして自分がマスターの側なのか? という疑問だ。
確かに自分は英霊と呼ばれるにはおこがましいただの奴隷闘士でしかない。世界にこき使われる掃除夫の一人に過ぎない。
英霊と呼ばれるサーヴァント達と並べれば実力が一段も二段も劣るのは認めよう。
だがそれでもただの人間との間には厳然とした実力差がある。それは自身と英霊の間にあるものよりも遥かに圧倒的な差だ。
つまり、サーヴァントに匹敵する存在がマスターとして存在することへの疑問。それは些かバランスに欠くのではないかという疑問。

異形の爪はエミヤへとは届かなかった。そう、“彼”がいる限り、何者の害意もエミヤには永遠に届かないだろう。

「ルルタ、俺をひやりとさせるな」

エミヤの冗談めいた言葉に、彼と異形との間に現れた少年は柔らかく笑みを浮かべ言葉を返す。

「エミヤこそ自殺志願めいた言動は控えてほしいな。いつ飛び降りるのか気が気ではなかったよ」

異形との間に立ちはだかり、難なくその呪撃を受け止めてみせたのはまだ年若く見え、エミヤよりも一回り背の低い少年であった。
少年はまた美しい存在でもあった。
鍛え上げられ均整の取れた肢体。染みひとつない白い肌。神による造詣だと疑いようもない美貌。
裸の上に簡素な腰布だけを纏ったその姿からは神話の時代の人間だということが伺い知れた。
そして何よりも目を引くのが少年の真っ白な髪の毛だ。
エミヤも白髪であるが、しかし少年の髪は正しくは白ではない。少年の髪の色は硝子のような透明なのである。
これはこの少年の強さの根幹を表しその証明である色であるが、ともかくとして少年は人知の外側にある美しき存在なのである。

「ただ退屈していただけだよ。あまりにも手応えがないんでな」

少年に対しマスターであるエミヤは軽口を叩く。
これは事実だ。この聖杯戦争の開始よりエミヤはすでに4回の戦闘を経験しているが、その中で危機を覚えたことは一切ない。

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――!!!」

まるで午後のお茶会で語らう風に和やかな二人の前で存在を無視されていた異形が雄叫びを上げる。
再び振り下ろされる魔素に満ちた爪はルルタと呼ばれる少年に向けられるが、やはりそれは届かない。
まるで見えない壁があるのか、あるいはそこで時が止まってしまうのか、少年の目の前までゆくとそこでピタリと止まってしまうのだ。

そして少年が涼しげな視線をやるだけで爪は木っ端微塵に砕けた。
おそらくは聖剣に匹敵するほどの強固さと霊的な剛性を持つそれが、ただのひと睨みで繊細な硝子細工のように飛散する。

「■■■■■■、■■■■■■…………■■■■■■■!!!」

異形は慄き、逃げ出すように身を宙へと投げる。
ばたばたと手足をもがくように振る様はその異形が空を飛ぶ力を持たないことを悟らせたが、それほどに異形は恐怖したのだろう。
だが、少年が指差せばその動きはまたピタリと静止する。
いつの間にやら地上から伸びてきた一本の針が、まるで羽虫を留めるように異形を刺し貫いていたからだ。

「これは燃やしてしまったほうがいい」

少年の指先に白い火が点る。
それを見てエミヤは言葉を発さず背筋だけを震わせた。
触れるだけで魂が汚染されかねない異形を見た時でもこれほどの恐怖は覚えなかった彼が、ただの指先に点る火に震える。

その熱量だけでこの新宿を100回焼き払っても足りる火が少年の指から異形へと飛ぶ。触れた瞬間、異形は激しくスパークした。
異形の断末魔はエミヤに届かない。届くのは光だけで僅かな熱すらもエミヤは感じなかった。
少年は尋常ではない威力の核熱魔法を使いながら、同時にその熱量を全て相殺する冷気魔法も使用しているのだ。
故にエミヤの肌に熱気は届かない。冷気も感じない。ただ、異形が燃える光景だけが目の中に届く。

自分がマスターでよいのかというエミヤの疑問は己のサーヴァントを認識した瞬間に霧散した。
『ルルタ=クーザンクーナ』――セイバーのサーヴァントとして彼に宛がわれたその少年は、まさに神に等しい実力の持ち主だったからだ。
これほどの存在が、これに匹敵する存在がこの聖杯戦争に犇めいているというのなら、所詮エミヤ如きの存在など誤差でしかない。








  - Ж - Ж - Ж -


「相手側のマスターはどうした?」

異形を退け、二人は空虚な時間を潰すための語らいを始める。
聖杯戦争に巻き込まれてより、ずっとそうしてきたことだ。
エミヤにはまだ聖杯を得ようとする目的が見えない。サーヴァントであるルルタもあまり聖杯には“期待”をしていない。
なので、二人は互いのことを語らい、時折襲い来る他の主従を撃退する、それだけで時間を進めていた。

「切り裂いたよ。くだらない男だった」

ルルタは異形を燃やし尽くすと同時に、そのマスターをも始末していた。
異形のマスターはこのビルの立つ地面より更に地下の下水道の中に身を潜めていたが、そんなことはルルタにとっては意味を成さない。
その気になれば世界中のどこでもを千里眼で見通せるのだ。ルルタを相手にして隠れるという行為は全くの無意味である。

そしてルルタは異形を焼き払う中で相手のマスターを見極め、その身を千の肉片へと細切れにした。
男は小癪にも魔術による防壁を張っていたがそれもまたルルタの前には無意味だ。
因果抹消攻撃――途中経過を発生させず、切り裂いたという結果だけを現すその攻撃に対し防御は身を守る術にならない。

「ふっ、君ほどの存在からすれば誰もが取るに足らない存在だろうさ」

エミヤの皮肉めいた言葉にルルタはそうでないと首を振る。

「いいや、そんなことはない。確かに、そう……この世の中にはくだらない人間は多い。守るに値しない人間はいる。
 だが、尊い人間もまた多い。
 家族を大事にできる者、友人の為に力を振るえる者、他人の痛みを知れる者、未来の為に身を投げ打つことができる者。
 皆、くだらなくはないし、その中には僕にはできないことして僕を驚かせる者もいる」

ルルタは顔を上げてエミヤの目を見つめる。

「君はこの世界に満ちる人間が等しく価値のないものだと思うかい? この世界はもう滅んでもかまわないと?
 そうではないはずだ。だから僕は君に召喚された。“似たもの同士”としてね」

エミヤはルルタに言葉を返せなかった。
その通りだと言い返したかったが、それを素直に口にするにはエミヤはもう疲れきって、枯れ果ててしまっていたのだ。

「わかるよ。意味がないと知りながら、いつかはどこかに辿りつくという願望だけを胸に果て無き道を歩き続ける辛さは。
 僕も同じだ。今すぐに投げ出したいといつも思ってる。自殺すれば楽になると何度も考えた。
 世界を滅ぼさないのはただ躊躇っているだけにすぎないとも自覚している」

ルルタは空を見上げる。相変わらず雲は厚く、その先の光は見通せない。それは彼らの生きる道そのもののようだ。

「……この聖杯戦争はいい“機会”だと思ってる」
「“機会”?」

ルルタは目を瞑り、小さくて、それでいて染み入るような声で言った。

「“幸福”を探そう」

言葉とは裏腹に、ルルタがそれを信じているような気配は少しも感じられなかった。
しかし、そこにしか追い縋るものがないのだともエミヤには理解できた。

「可能性はゼロだろう。だが、せっかく知らない世界で僕と君が出会えたんだ。“奇跡”を探すふりくらいはしてもいい」

そしてルルタはその言葉を発する。


「――世界を救う方法(解答)を見つけるんだ」


それはまさに、エミヤ――かつての衛宮士郎にとっても最終命題であった。






【クラス】 セイバー
【真名】 ルルタ=クーザンクーナ
【属性】 中立・善

【ステータス】
 筋力:EX 耐久:EX 敏捷:EX 魔力:EX 幸運:EX 宝具:EX

【クラススキル】
 ※自身の能力がクラススキルを内包しつつそれを凌駕しているのでここにスキルは記載されない。

【保有スキル】
 十万の魔法権利:EX
  楽園時代の戦士達がそれぞれに生涯をかけて磨き上げ、ルルタ=クーザンクーナへと捧げた十万種の魔法権利。
  これによりルルタはありとあらゆる魔法を自在に操り、また同属性の魔法を重ね合わせて使うことで
  人一人の身では到達し得ない領域――単身で神と戦う戦闘力を得ている。
  そして、この十万の魔法の中に存在する無数の強化魔法によりルルタのステータスは常時最大値(EX)で固定される。

 因果抹消攻撃/防御:A
  十万の魔法権利の中に存在する一種。
  因果の過程を発生させないことによる結果だけが現れる攻撃、
  または相手の攻撃の途中から先の因果を消し去り攻撃そのものを否定する能力。

 超再生:A
  十万の魔法権利の中に存在する一種。
  ルルタ=クーザンクーナの肉体は例え細胞の一片までに破壊されようが次の瞬間には完全に元通りとなる。

 小惑星落下:A
  十万の魔法権利の中に存在する一種。
  地球の周辺に存在する小惑星を呼び寄せ大地へと叩きつける超大規模破壊攻撃。
  あくまで地球の周辺から小惑星を引き寄せるものなので、その小惑星が近くになければ使用することはできない。

 全人類の希望:EX
  神により滅亡の判決を言い渡された時、人類は滅亡への対抗としてルルタ=クーザンクーナを生み出した。
  全ての力はルルタ=クーザンクーナへと捧げられ、人の世の全ては彼を強くするためだけの存在へと体制を変化させた。
  完全な絶望へ対抗する希望としてルルタ=クーザンクーナ自身も含めた全人類が味わった絶望こそが神殺しの力の根源である。

 未来管理者オルントーラの能力:EX
  世界を救った際、神の一柱であるオルントーラから取り上げた世界を滅亡させる力。
  この力を振るえば、ルルタ=クーザンクーナはいつでもすぐに人類世界を滅亡させることができる。

 涙なき結末:B
  世界を滅亡させる能力の一種。
  触れた相手からなにかをしたいという意思を剥奪し、死んでもいいと思わせながら安らかな眠りにつかせることができる。
  これは強靭な意志があればなにかしらの外部からの刺激や、強烈な痛みと合わさることで抵抗することも可能。

【宝具】
 『終章の獣(今日この日、人類は滅びる)』
 ランク:EX 種別:対人類宝具 レンジ:地球上~成層圏内 最大捕捉:全人類
 世界を滅亡させる能力の一種。
 自身の足元を発生源に、人類のみを殺害する魔獣を無限に召喚し、世界をこの獣で埋め尽くすことで人類史に終止符を打つ。
 終章の獣は多種多様な姿を持つが、どれもが黒色をしており、一流の戦士や魔術師でも容易には太刀打ちできない強さを持つ。

 また終章の獣の鳴き声は涙なき結末と同じ効果がある。
 しかもこれは聴覚ではなく魂に直接届くために回避できず、更に一瞬で地球上全体に響き渡る。

【weapon】
 『追憶の戦器』
 神が作り出した七種の兵器を人類が夥しい犠牲の果てに奪取したもの。
 どれもが常世の呪いをかけられており、いかなる方法、どれだけの時間を持っても兵器そのものを破壊することはできない。

 ・「常笑いの魔刀シュラムッフェン」
  ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:50人
  柄が蜘蛛の形をした細剣。
  振らずとも意識するだけで因果抹消攻撃により空間を断裂させることができ、その際の音により常笑いの魔刀と呼ばれている。
  また持ち手に攻撃が及んだ場合に、自動的にそれを迎撃する機能も備わっている。
  ただ、攻撃の発生までにコンマ数秒のタイムラグがあり、戦器としてはやや不完全である。

 ・「常泣きの魔剣アッハライ」
  ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:100人
  持ち手が芋虫の姿をした短剣。
  常笑いの魔刀からより精度と威力を高めた魔剣。
  能力は同じく因果抹消攻撃による空間の断裂だが、その性能は全ての点において常笑いの魔刀を上回る。

 ・「大冥棍グモルク」
  ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人
  常に黒い霧に覆われておりその実際の姿を見ることができない棍棒。
  叩きつけることで尋常ではない破壊力を発揮し、地面に叩きつければ大地を割り砕くことができる。

 ・「彩なる砂戦艦グラオーグラマーン」
  ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:100人
  虹色に輝く宙に浮かぶ船。
  その船体は、無数の鉄片が集合してできたものであり、これを並び替えることで自由な形を取ることができる。
  また上に乗って高速飛行するだけでなく、鉄片を分散させ射出すれば攻撃にもなる。

 ・「韻律結界ウユララ」
  ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:1 最大捕捉:自分自身
  複雑な蔦の模様をした紋様。
  自身に攻撃の意思がない時に限り、いかなる攻撃も因果抹消防御により遮断するという個人用の結界。
  ルルタ=クーザンクーナは常時、これを刺青のように左肩に刻んでいる。

 ・「虚構抹殺杯アーガックス」及び「自転人形ユックユック」
  これらをルルア=クーザンクーナ自身は所持していない。

  ※追憶の戦器はどれも強力であるが、あくまでこれらがルルタにとっては自身を補助する装備にすぎず、
    彼自身はこれらと同じかそれ以上の効果を発揮する魔法権利をその身に備えている。

【人物背景】
 出展は「戦う司書シリーズ」
 楽園時代と呼ばれるまだ神が人類を見捨てていない時代の、その終わりに生まれた見目麗しき少年。
 人類滅亡が宣告され絶望が世界を包む中、予言により救世主足るとされた彼は生まれてよりずっと、その日が来るまで
 過酷な、到底並の人類にはなし得ない修練の日々を送らされた。

 彼自身が生来持つ能力はその透明な髪が象徴する『本喰らい』というもので、
 これは死んだ人間から生まれた『本(=魂)』をその身に取り込むことで、その人間の魔法権利を自身のものにするという力である。
 この能力によりルルタ=クーザンクーナは無限に強くなり、彼を強くする為に10万の戦士がその命を捨てた。

 命を捨てたのは直接本を喰われた者達だけでなく、追憶の戦器を懲罰天使より奪うためにも無数の兵が死に、
 ルルタに捧げる有用な魔法権利を生み出す研究の為に幾人もがその命を犠牲にし、それらを支える者らはその身を礎とした。

 ルルタ=クーザンクーナだけを信奉する国家が生まれ、全人類はそれに隷属することを強いられ、歯向かうものは悉く粛清された。
 世は絶望に満ち、ルルタはその全人類の絶望に後押しされ、それだけでなく体内に取り込んだ10万の戦士からも
 彼自身が絶望することを許されず、人類を救うことだけを強いられそれ以外の全部を否定された。

 そして、救世の大英雄ルルタ=クーザンクーナは15歳という幼さで神殺しを果たし人類を滅亡より救い、
 その最後に彼自身が愛したひとりの少女を救えなかったことを知る。

 その後、神に見放された世界をルルタ=クーザンクーナは支配し、以後約2000年、少女を救う方法を探し続けている。

【サーヴァントとしての願い】
 もし見つかるのならば「完全なる幸福」を。

【基本戦術、方針、運用法】
 無闇に力を振るって聖杯戦争そのものを破壊するようなことはせず、この世界でゆっくりと「世界を救う方法」を探す。

 戦闘が不可避であり、相手が殺してもかまわない者であれば一瞬で終わらせる。
 もしそうでなく興味を引く点があればコミュニケーションを取るか、または遠くからその様子を観察する。




【マスター】 エミヤ

【参加方法】
 『契約者の鍵』の鍵は新宿についた時には所持していた。
 いつどこでこの鍵を手に入れたのか、あるいは所持していた何かがこの鍵に変化したのか、今現在エミヤ自身にはわかっていない。

【マスターとしての願い】
 現状を打破するなんらかの解答、それがもし得られるのならば……。

【weapon】
 『干将・莫耶』
 エミヤが基本装備とする一対の怪異殺しである剣――の複製品。
 その他、エミヤは彼自身が取り込んだ宝具の記憶からその複製品を投影し、それを武器/防具として戦う。

【能力・技能】
 『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』
 錬鉄の固有結界。
 自らの心象風景の中に相手を誘い込む大魔術であり、彼の場合、そこには彼の記憶に蓄えられた無数の剣(複製品)が存在する。
 また彼は複製品を投影する際、その武器に篭められた記憶をも同時に再現するため、その武器に応じた持ち主の戦闘経験を発揮できる。

【人物背景】
 出展は「Fateシリーズより」 ※細かい出展時期は現時点では不明、あるいは本編に関わらない並行世界よりの登場。
 ある並行世界において誰かを救う為に世界と契約し、その死後に守護者となった衛宮士郎本人である。

 結局、正義の味方として誰を彼も救うなどという理想が現実に沿うものであるはずはなく、
 人を救うことで救われない人を生み出し、その矛盾に魂を磨耗させてあげくの果てに絶望し、ただの守護者と成り果てようとしている。

【方針】
 自分がなにを目的とすればよいのか、今一度理想を抱いてよいのか、まずはそこから考える。


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