山のあなたの空遠く

   幸(さいわい)住むと人のいう

   噫(ああ)、われひとと尋めゆきて

   涙さしぐみ、かえりきぬ

   山のあなたになお遠く

   幸住むと人のいう


               ――カール・ブッセ、山のあなた




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 人口総数と人口密度と、犯罪数の関係は、当然のように比例の関係にあると言っても良い。
無論、住んでいる人間の年齢だとか、職業の傾向だとか、『質』、と言った物も加味されて然るべきである。
だが、人口総数と人口密度が、犯罪の発生数と関係が深い。理由は単純明快、人の数が多いと言う事は、色々な奴がいると言う事に他ならないからだ。
善良な性格の人間もいれば、そうでもない人間もいる。理屈としては馬鹿みたいに単純だが、結局はこれが全てである。

 では、人口総数と人口密度が共に平均よりも高く、かつ職業が堅気のそれではない人物が多く、人間の質も悪い人間が集う街の犯罪数は、多いのか? 低いのか?
……小学生でも結論は導き出せる。低い筈が、ないのである。

 <魔震>から完全復興した後も、歌舞伎町は<魔震>前の、アジア屈指の歓楽街として返り咲いていた。
家電量販店もあれば、パチンコ店もフランチャイズの飲食店もある。仕事に疲れたサラリーマンが鬱憤を晴らす居酒屋もあれば、バッティングセンターもある。
だが、歌舞伎町にあるのはそんな健全な施設だけではない。欲望産業の花形とも言えるキャバクラやホストクラブ、性風俗店も、この街を彩る役者の一員だ。
この街の夜を往く人達は、サラリーマンもいればOLもいるし、サークルの飲み会の大学生だっている。彼らは皆、歌舞伎町の表面の主役である。
裏の主役は、誰なのか。それは暴力団や極道者……俗的な言い方をすれば、『ヤクザ』と言った者達である。

 欲望産業の裏には、必ずと言っても良い程ヤクザの存在が関わっている。
風俗、キャバクラ、ホストクラブ。公営ギャンブルのパチンコにだって、彼らの姿はチラついている。
歌舞伎町の闇と影とに跳梁するアウトサイダー達は、何も日本の街であるからと言って日本人しかいないと言う訳ではない。
ヤクザの他にも、中国や韓国系のマフィアも跋扈しているし、タイやフィリピン、ロシア系のマフィアの姿だって見る事が出来る。
近年は時代の流れもあって、昔のような血生臭い、何人もの人間の命に係わる大事件などは減ってはいるが、それでもヤクザ者の本質は、暴力及び、
違法スレスレの稼業やビジネスで利益を喰らう事である。トラブルの発生数は、減りこそすれど、ゼロになるわけでなかった。

 彼らの存在は歌舞伎町、ひいては<新宿>全体の犯罪発生数の多さを担う、言わば癌であった。
組構成員の、学も何もない不良や暴走族上がりのチンピラが起こすトラブルもそうだが、経営のイロハも無い経営者が運営するぼったくりバーやキャバクラ。
そう言った店への客引きを行う外国人との面倒事。ヤクザ自体が問題を起こさなくなったと言っても、組織の末端が問題を起こさないとは、限らないのである。<新宿>は今日も、トラブルが絶えない街であった。

 そんな、闇社会の凝縮体と呼べる街に、一つのマンションが建てられている。
ラブホテル街のど真ん中に建てられたそのマンションを警察関係者や事情を知っている情報通は、ヤクザマンションと言う直球の名前で呼んでいる。
その名前が指し示す通り、このマンションはヤクザの巣窟とも言える建物であった。ヤクザ以外の人間、所謂カタギの人間など、総部屋数の二割程度しか住んでいない。
残りの住民は、皆ヤクザ及び彼らの関係者だ。外観は一見すると<新宿>に相応しい、モダンチックで洒落たマンションだが、その中は異界も同然。
このマンションの一室を組事務所や組長の住処にしているような弱小組織もいれば、末端組員複数人を住居一つにルームシェアの要領で住まわせている所もある。
組長や組の幹部の愛人の住まいにさせている者もいれば、タコ部屋にしている所もある。組のシノギを担当する者や企業舎弟もいれば、秘密のSMクラブや賭博場をしている所も。
宛ら、ニ十世紀の末に取り壊された九龍城塞を思わせる様な魔窟ぶりだった。事実此処は、真っ当に生きる人間にしてみれば魔界も同然の建造物だ。
三十弱の組が犇めき合うようなマンションなど、普通の感性の人間から見たら、近寄りたくもない場所であろう。

 ――斯様な魑魅魍魎の伏魔殿を、長らく見上げる女性がいた。
線の細い、華奢そうな身体つきをした、茶髪女性であった。幼さの名残を残しつつ、大人の色香を香らせる、その顔立ちと身体つき。
歌舞伎町の繁華街を歩けば、ナンパや客引きから声を幾度もかけられる事は必定だろう。

 女性はそんな恵まれた顔を、怒りに歪ませていた。
今の彼女の表情には、平時のようなやや童顔の愛らしい顔の面影が欠片も無い。もしも、般若と言う存在が実在するのであれば、きっと彼女のような表情をしているに違いない。
そう思わせるに足る、怒りの顔相だった。今にも火花が飛び散りそうな程、その瞳には激しい怒りが燃え上がっている。視線だけで、人が発火しかねない。

 スタスタと女性は、我が家にでも入る様な気楽さを以て、ヤクザマンションの中へと入って行く。
が、本当に入口に入れただけで、ガラスの自動ドアに阻まれエントランスには入れない。
それはそうだろう、今日日のマンションは、入り口に設置されたインターホンパネルで、入りたい部屋の住民番号を入力し部屋主の了承を取るか、
専用のキーがなければ入れない仕組みになっている。このマンションの住民でもない彼女が、入れる訳がない。

 その女性――『セリュー・ユビキタス』は、舌打ちをした後で、目にも留まらぬ速度で右腕を横薙ぎに、一閃。
薄氷のような脆さで、ガラスの自動ドアは粉砕される。ジリリリリリリ!!! とけたたましい非常ベルの音が鳴り響く。
セリューの右手には、ある物が握られていた。武術に精通した者であれば、彼女の握るそれが沖縄武術におけるトンファーに酷似した代物であると、即座に看破出来た事であろう。
非常ベルの音を聞き、即座にエントランスの警備室から、四名の警備員が警杖を握ってやって来た。
このマンションにおいては警備員達ですら、ヤクザの息のかかった者……いや。むしろヤクザそのものと言うべきか。彼らはヤクザの配下企業の警備員であった。

「何をしているお前!!」

 警備員の一人で大喝する。目の前にウザったらしく飛ぶ蠅を見る様な、イラついた表情でセリューが口を開いた。

「お前達の方こそ何をしている」

 と。「何だと」、と四人の警備員の内最も歳をくった男が言った。

「このマンションの住民が、皆人間の屑と解っていて、何でお前達はこんな所の警備などしている?」

「馬鹿かお前、金さえ貰えば警備するのがプロじゃねぇかよ!!」

「そうか。だが、お前達はここに住んでいるヤクザ者とグルだろう?」

「こんなマンションの警備してるんだから、誰だってそれ位解るだろうが。おいたが過ぎたな嬢ちゃん、何処の極道の敵討かは知らねぇが……此処にカチコミ来る奴は生きてかえさねぇぞ」 

 ドスの効いた、低い声。カタギの人間には、出そうと思って出せる声ではない。彼らが闇の世界に生きる住民である事の何よりの証拠である。
四人が警杖を構えたのを見てセリューは、手に持ったトンファーを交差させる様に構えた。
警備員達が怪訝そうな表情を浮かべる。彼女の手に持った武器の異様な風体を訝しんだ為か? それとも、彼女のトンファーに、奇妙な、銃口めいた孔が空いていると言う事にか?

「正・義・執・行」

 警備員達が、トンファー状の武器の正体に感付く前に、セリューがそう口にした。
警備員達のドスの効かせた声よりも尚低く、そして、無慈悲さすら感じられる冷たさを宿した声。
氷山の如く冷たく重い声を聞き、四人の大の大人達が、震えた。声もそうだが、セリューの顔が――余りにも、狂的過ぎて……。

 ――警備員達が次の行動に移るよりも速く、火薬の炸裂音が、エントランスに響き渡った。十数回程だった。
硝煙のような物が、セリューのトンファーの孔部分から煙っている。無感動な瞳で、彼女は目の前の四人の男達を見ていた。
彼らは額に、眼球に、鼻に、喉に、胸部に、腹部に、四肢に。向こう側の風景が見える程見事な穴が空いていた。
その穴が、一秒と掛からない短い時間で、血色の穴に変貌する。苦悶の絶叫を上げて、二名の警備員が蹲る。残りの二人は、その黒点が穿たれた瞬間に死亡していた。
セリューが彼らに空けた穴は、銃弾による弾痕に他ならない。彼女の持っていた武器は、事実トンファーである。
但し、ただのトンファーではない。武器の内部に、銃の構造を隠し持たせた、トンファーガンと呼ばれる武器だった。

 まだ息のある警備員に、トンファーガンを発砲。橙色のマズルファイアが、銃口で太陽のコロナめいて燃え上がった。
二発の弾丸が、寸分の互いもなく二人の脳幹を貫いた。即死である。苦悶の表情を浮かべる四人の警備員を確認するや、セリューは急いで一階廊下へと駆け出した。
事態を察知したヤクザが数名、廊下に出ていた。非常ベルの音もそうだが、このマンションでは拳銃、即ちチャカの発砲はタブーである。
<新宿>に限らず、日本の社会と言うのは今も昔も銃には非常に神経質な国。裏の社会でもそれは変わりはない。
このマンションで銃を用いようものなら、即座に所謂村八分の状態にあう。暴力で飯を食う男達だからこそ、拳銃にはより一層カリカリしているのだ。
そんな男達だ、セリューのトンファーガンから響き渡る銃声を聞いて、慌てて廊下に飛び出すのも、自然な事と言えた。

 此方に向かって来るセリューに気付いた男達。
眼鏡をかけた痩せぎすのヤクザの額を、トンファーで突き抜いた。頭蓋を粉々にされ、即死する。
事を認識しきれていない残りの男達に対して、セリューはトンファーガンを発砲。小太りのヤクザの心臓を打ち抜いた弾丸は、勢いをまだ失っておらず、
人を殺しうる推進力を保ったまま、彼の背後にいた中肉中背の男の肺を穿った。

「ッのアマぁ!!」

 漸く事態を呑み込めたヤクザ達が、懐から匕首を取り出した。
一番先頭にいた、髭面の中年の顎に、セリューは目にも留まらぬ速度でトンファーを振り抜く。顎を破壊され、彼は前のめりに倒れ込む。
後ろにいたヤクザ達が此方に向かって来る前に、セリューはトンファーガンを発砲し、彼らの急所を撃ち抜く。最小限度の弾丸の消費で殺す為だ。

 前に立ちはだかる男の眼球をピンポイントでトンファーで殴打するセリュー。
その男が倒れると同時に、彼女から見て前の方の部屋から、慌ててヤクザ者が飛び出してくる。
倒れ伏すヤクザの上に立つセリューの姿は、彼らから見たら、地獄の釜底から這いあがって来た悪鬼羅刹の類にしか、見えなかった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 経済ヤクザ、と言う言葉が一般にも浸透して来てしまった今日において、来生組と言う組織は、教科書に載る程のステロタイプなヤクザと言っても良かった。
今日の暴力団と言う者は、一見してそれと関係している人間であると解り難いものだ。昔と違い、代紋をひけびらかして夜の街を肩で風切って、と言う時代は終わった。
今日日ヤクザも外行きの時はスーツを着、堅気の人間にも敬語を使う、と言うのが殆どである。
そう言った時代の流れに逆らうような風体、言葉遣い、そして稼ぎ方をしているのが、ヤクザマンションの六階を事務所としている来生組だ。
組員全員が、一目見て『そっちの筋』と解る様な凶悪そうな人相をしており、誰に対しても伝法な口調を使う。
そして極め付けが、そのシノギの上げ方。暴力団の名に恥じず、拳と匕首、チャカを用いて利益を上げるのである。
好意的な言葉を使えば、武闘派集団。悪意的な言葉を使えば、時代遅れの荒くれ者。どちらかと言えばヤクザマンションでの彼らの評判は後者の方だった。

 組長、来生健介は五十にもなる中年のヤクザだった。拳と匕首捌きだけで今の地位にまで駆けのぼった、暴力団の鑑のような男である。
人を殺して刑務所に入った事もあるし、銃弾を腹に受けて本当に死に掛けた事だってある。
並の人間ならば、数度は死んでいる程の暴力の嵐と死線を潜り抜けて来たこの男を慕う極道者も、少なくはない。寧ろ多い方だった。実際組員も相当数に上る。
どんなに理性で取り繕おうとも、人は強い人間と言うものに惹かれる傾向にある。腕っぷしや喧嘩の強さ、これに男気等が加われば、それはある種のカリスマとなる。
二十一世紀の今日になっても、それは古の昔から何ら変わっていないのだった。

 人を殺し、銃弾を喰らった事すらある男が、誰が信じられようか。震えていた。
左手に、匕首を握っている。ドスを持たせたら<新宿>は愚か日本でこの男の右に出る男はいないとすら言われたこの男が。
恐怖から来る震えで、目の前の存在を見上げていた。

 風のようそのバケモノは、来生組の事務所に現れた。侵入した事に誰もが気付かない。意識した時には、それはいたのである。
その存在を認知し、誰だお前は、と誰何した瞬間には、腕を一薙ぎ。
たったそれだけで、組結成当時の部下である幹部数名の身体が挽肉と化し、惨劇に気付きそのバケモノへと向かって行った若手の組衆が全員、正体不明の力で『爆ぜた』。
比喩抜きで、身体の内側から爆弾でも発破したように、弾け飛んだのだ。

 そうして現在に至る。
フローリングは、浸水でもしたかのように組員達の血で溢れている。酸鼻を極る、とはこの事を言うのだろう。
血の上に、筋肉や内臓、無数の骨片が浮いているのだ。さしもの来生も、この光景には震駭せずにはいられない。
バケモノの目が、来生の方に向いた。残るは、彼一人だった。

「な、何者じゃ貴様(きさん)!!」

 精一杯の虚勢を以て、ドスの効いた声を張り上げる来生。
無論の事、来生組を七秒弱で壊滅に追い込んだ怪物には、そんなこけおどしが通用する筈もなく。
来生の問いに答える事もなく、右手を下から振り上げた。来生の身体が、股間から頭頂部まで、根野菜のように真っ二つになった。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「お前は、お前の夫が何をして日銭を稼いでいたのか、知っていただろう?」

 トンファーガンの銃口を突き付けながら、心底威圧的な声音でセリューが言った。
彼女の低い声を受けるのは、透けたネグリジェを身に纏った、二十代前半の女性である。
茶がかった髪、部屋に並ぶブランド物のバッグや調度品。どうやらキャバクラ嬢に類する職業の女性であるようだった。

「や、や……ヤクザに決まってるでしょ……それの、何が悪いのよ!!

 流石に極道の女である。肝は据わっている。股間から黄色い小水を垂れ流し、恐怖に震えながらと言えど、この狂気の闖入者に食って掛かる度胸は見事であった。
……彼女を極道の女足らしめている夫が、寝室の床で、頭蓋をトンファーで破壊され即死している、と言う事も考慮に入れれば、実に凄まじい肝っ玉だ。

「詐欺、暴力、恐喝……何だっていい。違法な方法で市民から金を巻き上げて生活している男と結婚して、恥かしい女だなお前は」

 実に悪辣な笑みを浮かべて、セリューがネグリジェの女をせせら笑った。
それまで震えを隠し切れなかった女性が、その一言にカッとなって、手元の電気スタンドをセリューの顔面に投げつけた。
迫り来るガラスの凶器を身体を屈ませる事で回避。バリンッ、と後ろで鼓膜が裂ける様なガラスの破砕音が鳴り響いた。

「恥かしい女ですって!? アンタに言われたくないわよこの殺人鬼!! アンタ、ウチの隣の夫婦、アレが誰だか解ってるの!?」

「何?」

「あれはねぇ、本当にただの夫婦!! ヤクザと何の接点もないし関わりもない、安月給だから訳あり物件で安いこのマンションに住むしかなかった奴!!
ヤクザを殺すならいざ知らず、そんな無関係なカタギの人間まで殺して、アンタは何も思わないの、このキチガイ!!」

「その夫婦、お前達が何をやっているのか知っていたのだろう?」 

「当たり前でしょ、知ってて此処に住んでるんだから。知ってても、普通の近所付き合いをするんだったら、アタシ達だって迷惑かけないわよ、暇じゃないんだから!!」

「なら死んで当然だな」

 淀みも迷いもなくそう言い切ったセリューを、ネグリジェの女は狂人を見る様な目で見ていた。

「この世で一番の罪は、それが悪だと解っていながら目を瞑ると言う事だ。それは、正義が執行されるに値する」

「……狂ってるわ。アンタ、ヤクザ以下の屑ね!!」

 怒りに身を任せ、ベッドのスプリングを利用しセリューに飛び掛かる女だったが、カウンターの要領でトンファーガンで額を撃ち抜かれてしまう。
身体を半身にし、飛び掛かって来た女を躱すセリュー。フローリングの上に女が落下、頽れた血が、水たまりのように床に浸透して行く。

「次は二階……」

「もう終わったぞ」

 セリューが寝室へと入るのに利用したドアから、そんな男の声が聞こえて来た。二十代前半ごろの、若い男の声だった。
その声の主の方に、「あっ」と言った表情を浮かべて向き直るセリュー。人が――いや、バケモノがいた。
野球帽を被り、野球のユニフォームを身に纏った、まるでワニの様な頭を持った怪物が。猛禽の爪の如き鋭さを持った両手指には、血と肉、血管が纏わりついていた。

「あっ、『バッター』さん!!」

 それまで浮かべていた狂相がなりを潜め、年の割には幼い、可愛らしい表情を浮かべ始めるセリュー。
先程殺した女性が生きていれば、心底驚いたであろう。この女に、このような柔らかな表情が出来るのか、と。

「上階を俺が、下階をお前が……。と言う事だったのに、俺が結局一階以外の全ての階の人間を浄化し尽くしてしまっているのは、どう言う了見だ?」

「うっ……そ、それは……その」

 自分が悪人に対して口にする口上よりも、ずっと威圧的な口調で、そのバケモノ――バッターは詰問して来る。
目の前の怪物に対してセリューが抱く感情は、恐れや怒りよりも、寧ろ敬服と畏怖だ。バッターに対して、否定的な感情の一切を抱いていない。
教師や親に叱られる子供のような態度で、彼女はバッターの次の言葉を待った。

「俺の方が強いんだ、お前より殺すのが早いのは当然として、お前は一々浄化する時に口にする口上が心底無駄だ。省け」

「は、はい……」

 目に見えて覇気を失うセリュー。虎か獅子を思わせる様な、先程の気魄が嘘のよう。
今の彼女は、借りて来た猫のように大人しく、それでいて、目の前のバッターと名乗る化物に従順だった。

「戻るぞ、セリュー」

「はい……」

 落ち込む様子を見かねたのか、バッターは言葉を続けた。

「反省しているのなら、次に活かせば良いだろう。お前の悪い所は逆に言えばそれだけだ。浄化の手腕は、見事なものだったぞ」

「!! ほ、本当ですか!?」

 余程褒められたのが嬉しかったらしい、身体から、光の粉が舞い散りかねない程、今のセリューの態度と表情は、キラキラとしたものであった。

「お前とならば、浄化に差し支えはない。今一度言う、戻るぞ、セリュー」

「はい!!」

 ビシッ、と敬礼しながら、セリューは力一杯バッターに対してそう言い放った。
嗚呼、何と奇妙ながらも、微笑ましい光景なのだろうか。……床に、二人の死骸が転がっていなければ、の話なのだが。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 目が覚めた時には、セリューは上落合の安アパートで仰向けになっていた。
警察官を目指して試験勉強を続ける、帰化外国人。それが、此処<新宿>の聖杯戦争において、セリュー・ユビキタスと言う女性に与えられた役割(ロール)だった。
畳六畳程の、ボロくて、狭い部屋の真ん中で目覚めた彼女は、急いで窓を開け、周りの風景を見渡した。夜の星が、全く見えない街。それが<新宿>である。

 知らない街だった。彼女が住んでいた、見慣れた帝都の風景とは、全く違う未知の街、いや、未知の世界。
周りの建物も道路も、道行く人の雰囲気も、全てが全て別物。解っているのに、自分はこの光景について何も疑問を覚えていない。
この世界に呼ばれたその時点で、聖杯戦争及びその舞台となる世界の常識を、大体の範囲で教えられているせいであった。

 何故、こんな場所にいる。敬服するオーガ隊長を卑怯な手段で暗殺した、殺し屋集団ナイトレイド。
憎き彼らを探しだし、正義を叩き付けんが為に、相棒の帝具であるヘカトンケイルことコロを引き摺って、帝都中を駆け巡っていた筈だった。
しかし、警備隊の業務を全て投げ出してまで、ナイトレイドの捜索は出来ない。酔漢どうしのトラブルを解決させた時の事だったか。
拘置所に送られた、喧嘩をしていた酔漢の一人が落としたと思しき、群青色に透き通った鍵を、手にしたその瞬間だった。
自分が、<新宿>と言う未知の、それでいて帝都よりも発達した大都市へと転送されたのは。

「ッ、コロ!?」

 辺りを見回すセリュー。自らの半身であり、大事な相棒である、生物型の帝具であるコロが、いないのだ。
あの帝具までは、群青色の鍵――契約者の鍵と呼ばれるアイテムの転送の対象外だったらしい。
警備隊であった父を凶賊の襲撃で亡くし、天涯孤独の身となったセリューにとって唯一の家族と言っても良いコロが、この世界にいないのだ。
不安で不安で、押し潰されそうな。そんな時であった。傍に落ちていた契約者の鍵が激しく揮発、それに呼応するが如く、目の前の空間に、完全な球状をした光の球が現れ始めたのだ。

「な、何……!?」

 いや、理解している。予感ではない、確信だ。まるで太陽のようなその白色の光球は、きっと、おそらく。
この<新宿>に於いて、コロに代わる相棒――サーヴァントが現れる、予兆なのだ、と。

 光球に、ヒビが入り始める。
まるで卵の殻を破り、雛が出てくるようだと、セリューが思ったのもつかの間。ヒビは亀裂になり、亀裂から、球が剥がれてゆく。
光る剥片が、狭いアパートを蛍の光のように照らして行く。幾百もの光片の最中に立つ雛――サーヴァント――は、異形の怪物であった。
野球帽を被った、ワニと言うべきだろう。信仰心に篤い者ならば、きっと彼を見て、リヴァイアサンが現れたと言ったかも知れない。
野球帽を被り、野球のユニフォームに身を包んだ、ワニの様な頭を持った亜人。それが、セリューの引き当てたサーヴァントである。

 そのサーヴァントを見た時、セリューは、自分達の世界における普遍的な動物、所謂危険種を連想した。
だが、違う。本能がそう告げる。このサーヴァントは危険種でもなければ、野生に生きる凶獣の類でもなく、況してや魔物ですらない。
身体から漂う、理知的で、厳かな雰囲気。オーラとも言うべきか。それをこのサーヴァントは醸し出している。そんな物、獣には放てる訳がない。
セリューは、思ったのだ。この存在は、怪物の頭こそ持っているが……、本当は、天使に等しい存在なのではないか、と。

「身体の内に、己が身をも焼き尽くす程の灼熱の魂を持つ者よ。問おう――お前が俺のマスターか」

 そのサーヴァントは、纏う光に相応しい厳かで、高圧的な口調でセリューに語り掛ける。
人間の声帯など持って居るとは思えない風貌なのに、そのサーヴァントは喋る事が出来るのだ!! それに、何と淀みのない、闊達な喋り方!! ある種の感動すら、セリューは憶える有様であった。 

「そ、そうです!!」

 目の前の存在が放つ森厳たる空気に怯みかけるも、セリューは何とか己が意思を口にする事が出来た。今も冷や汗が止まらない。
この存在が現れた事で、六畳の部屋一つとキッチンしかないこの安アパートが、千年以上の歴史を誇る大教会の礼拝堂のような雰囲気に変貌してしまった。

「この聖杯戦争の汚れた地において、『バーサーカー』のクラスにて見参した、『バッター』だ。今よりお前の障害を引き裂く顎(あぎと)となり、腕(かいな)となろう」

 バーサーカー、バッター。セリューが認識出来た情報は、これだけだ。この時述べたバッターの口上など、彼女には頭に入っていない。 
聞きたい事が、このリヴァイアサンの頭を持ったサーヴァントにあったからである。それを、彼女は聞きたかった。

「あの!!」

「何だ」

「バッターさんは、一体何者なのですか!?」

 目の前の存在が放つ、匂い立つ香気のような、浄化された空気。人には絶対醸し出しえない、混じりけのない神々しさ。
それを、ともすれば邪悪な風貌としか受け取られかねない存在が放出しているとは、信じられないのだ。
「そんな事か」、バッターと名乗ったバーサーカーは、セリューの疑問に答えるべく、言った。

「俺は“浄化者”だ」

「浄化者……」

 その言葉を、口の中でセリューは転がした。不思議な響きの、言葉だった。

「俺は果たさなければならない神聖な任務を負っている。俺は、この世界を浄化しなければならない」

「その任務とは……?」

「この世界に蔓延り、やがて跳梁するであろう、堕落した悪魔の子らと、その裏に隠れ潜んでいるであろう聖杯戦争を仕組んだ者に裁きを与えるのだ」

 雷に打たれたような衝撃を覚えるセリュー。瞼は限度一杯まで開かれ、今にもその眼球が零れ落ちんばかりだった。

「俺は、この堕落した戦争に馳せ参じた、痛ましき霊を滅ぼす許しの代弁者。この世界は――浄化されねばならない」

 確信した。目の前の存在は、自分の正義を愛する魂と、正義の光で世界を照らしたいと言う気持ち。
そして、この世の悪を全て裁きたいと言う自らの願いに導かれてやって来た救世主なのだと!!
コロと言う半身を失った喪失感が、風に吹かれて崩れ去る砂の城のように跡形もなくなるセリュー。
目の前の存在は、彼女にとってはサーヴァントでもなければ、帝具でもない。自らを導いてくれる、『天使』であった。

 ガシッ、と、鷹の爪の如くに尖った指を持つバッターの手を両手で掴むセリュー。
手の甲に指が食い込み、血が流れ、畳の赤い雫が零れて行く。しかし、神経に伝わる、痛いと言う感覚を脳が受け取る事を拒否していた。
今の彼女の頭には、感動以外の感情と感覚を、受け入れる事を拒否していた。

「バッターさん!! 私と一緒に、世界を――!!」

「解っている」

 人間など忽ち磨り潰せるであろう鋭い牙の生え揃った牙を見つめるセリューを見下ろして、バッターは言葉を続ける。

「堕落した魂に聖なる怒りを喰らわせるのだ」

 セリューは喜びの涙を流しながらバッターに抱き着いた。
漸く、自分の理想を理解してくれる者に出会えた感動と、コロの不安を払拭してくれる存在に対する依存感が爆発した結果の行動であった。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







   汝ら、人を裁くな。裁かれざらん為なり

   己が裁く審判(さばき)にて、己も裁かれ、

   己がはかる量(はか)りにて、己も量らるべし

                     ――新約聖書









【クラス】

バーサーカー

【真名】

バッター@OFF

【ステータス】

筋力B 耐久C 敏捷C 魔力B 幸運C 宝具EX

【属性】

浄化者・狂

【クラススキル】

狂化:E-
正常な判断力を持つ。が、バーサーカーの行動原理の根底には、世界を浄化すると言う思想が根付いており、それを成す為なら彼は妥協はしない。

【保有スキル】

浄化者:EX
世界を浄化する、と言う神聖な使命を負っている者。
バーサーカーは例えその浄化行動の先に如何なる結末が待ち受けていようが、迷う事無くその使命を果たそうと行動する。
バーサーカーの場合は、同ランクの信仰の加護と同じ効果を発揮する。

対霊・概念:B
霊的な存在、または魔的、概念的な存在に対する攻撃の適性及び、それらの存在を感じ取る知覚能力。
バーサーカーはこれらそのもの、あるいはその因子を持った相手と敵対した場合、全てのステータスがワンランクアップする。
霊的な存在である事は確かだが、実体化したサーヴァントにはステータスアップの恩恵は発動しない。
但し、サーヴァントが霊体化した場合、または、実体化してもそのサーヴァント自体が霊的・魔的・概念的な因子を有しているのならば、ステータスアップは発動する。
セイヴァーのクラスで召喚された場合は規格外の対霊・概念スキルを誇るようになるが、バーサーカーとしての召喚で、破壊者としての側面が強く押し出されてしまった為に、ランクが下がっている。

記号使役:A
使い魔使役の延長線上にあるスキル。バーサーカーは『アドオン球体』と呼ばれる、三位一体を成すリング状の記号生命体を3体行使する事が出来る。

真名看破:D
バーサーカー自身が使う事が出来る技、ワイド・アングルと呼ばれる技術によるアナライズ能力。
同ランクの秘匿スキルを持たないサーヴァントであれば、真名を看破する事が出来る。

【宝具】

『アドオン球体(Spherical Add-Ons)』
ランク:A+ 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~20
バーサーカーが使役する三体の記号生命体、通称アドオン球体と呼ばれる存在が宝具となったもの。
白色のリングとも言うべき姿をした彼らが何者なのかは解っておらず、使役するバーサーカー自身も、彼らが何処から来て何の為にいるのか理解していない。
解っている事は、三体にはそれぞれアルファ、オメガ、エプシロンと言う名前がある事。彼らは三位一体を表している事。
そしてそれぞれ、アルファが父なる者、オメガが子なる者、エプシロンが聖霊なる者を表している、と言う事だけであり、それ以上の事は詳細不明。
彼らは意思を持っているのか、そもそも生命体なのかすらも疑わしい存在だが、独自の行動原理を持っている事は確かであり、バーサーカーが敵と認識した存在に対して、バーサーカーと共に戦闘を行う事が可能。

アルファは高い威力の攻撃と状態異常の付着攻撃を、オメガは種々様々な状態異常の回復と敵のステータスを一時的に下げる攻撃を、
エプシロンは範囲攻撃とバーサーカー及び他のアドオン達のステータスアップを、それぞれ担当している。
3体がそれぞれ豊富な魔力を持っている為に、宝具を発動、維持させたとしてもバーサーカーやマスターに掛かる魔力消費は少なくて済むが、
長時間動かし続ける、或いはそれぞれのアドオン達が保有している魔力が底を尽きた場合には、バーサーカーあるいはマスターから魔力を徴収する。
また彼らは非常に強い霊的、及び概念的性質を有した存在であり、生身の人間は強い霊感が備わってなければ感知も視認も不可能。
サーヴァントは視認こそ出来るが、アドオン球体に攻撃を仕掛けたとしても、対霊・概念属性の備わった攻撃でなければ、行動を鈍らせる事も出来ない程の耐久性を発揮する。

『Demented Purificatory Incarnation(The Batter)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:自身
何者かによって世界の浄化を任命され、其処に蔓延る悪性存在を粛正する為に生まれたバーサーカーそのもの。つまりこの宝具はバーサーカー自身を指す。
バーサーカーの攻撃には本来備わっている物理的な干渉力とは別に、強い浄化の属性が宿っており、吸血鬼や食屍鬼、悪魔の属性を持つ者や、
霊的・概念的な存在に対して、絶大なダメージを与える事が可能。いわば行動の1つ1つが、高ランクの洗礼詠唱のようなもの。
バーサーカーはまた、既存の魔術や奇跡ともアプローチの違う、『保守』と呼ばれる回復手段を持ち、癒しの技術にも造詣が深い。
霊的・概念的・魔的な存在が統治する領域や世界の統治者をバーサーカーが倒した場合、その世界から肉体を持つ全存在は消滅。
霊魂だけが浮遊する、一面真っ白の浄化された世界だけが広がるようになる。バーサーカーの究極の理想は、<新宿>を含めた、世界全土をこの境地にする事。

バーサーカーはセイヴァーとしての適性も持ち、セイヴァークラスで召喚された場合は上記の宝具は『Purifier(The Batter)』となる

【weapon】

尖った両手:
指先が異様に尖った両手を持つ。これを持って相手を引き裂く。が、本来のバーサーカーはバットを用いて撲殺する戦い方を好む所とする。

【人物背景】

この男の根幹を成しているであろう諸々の要素を語るに相応しい者は、この私の他には存在しないようだ。親愛なる君達の為に一肌脱ぐ事としよう。
私の猫のまなこから見た、このバッターと言う男は途方もない愚か者だ。盲目的な確信と確固とした期待、そして誠実極る信頼を裏切ったペテン師だ。
世界を浄化する、と言う人類の歴史の中で大体1千万の人間は抱いたであろう陳腐な大義名分の下に、聖母の如き女性と無抵抗の子供を殴り殺した狂人だ。
彼は世界を浄化などしなかった。彼は世界を破壊し、一切の生命を根絶やしにし、1つの世界を無の水底へ沈めてしまった罪人だ。
だが、今回のこの男はセイヴァーではなくバーサーカーとして呼び出されたらしい。因果応報だな、この愚物を表現するのにこれ以上と無い皮肉だ。

 さて、私はこの【人物背景】と言う小狭なパラグラフの冒頭で、バッターと言う男を語るに相応しいと比類ない自信を以て口にした。
事実私は、この男が我々の世界に現われてから世界を滅ぼした軌跡を目の当たりにして来た証人だからね。それを雄弁に語れる資格がある。
そんな私でも、バッターについて解らない事柄が多い。いや、訂正するべきか、我々はバッターの殆ど全てを理解していない。
我々はバッターと言う狂人が、我々の世界で何を成したかと言う事柄には君達の先を行く知識を持っているが、バッターが何者で、何処から来て、
そもそも誰から世界の浄化を任命されたのか、これらの事柄について我々は甚だ無知であると言わざるを得ないだろう。
確かなのは、バッターは女性と子供を撲殺し、許し難い彼の蛮行を止めようと現れた、誰もが愛してやまない無垢な猫であるこの私をも撲殺し、1つの世界をOFFにするレバーを倒したと言う事だけだ。

 恐らく、君達の知的器官、つまり、そのだらしない頭蓋の中でたゆたっているプティングよりも柔らかい物体で考えたとしても、
私がこの【人物背景】と言うパラグラフで、何処ぞの誰より説明せよと言われ、言われるがまま語った事柄について、全く理解を示せていないだろうに思える。
無理もない。我々の辿った道程は非常に多角的な解釈が可能であり、1つの枠に当てはめた説明は、かえって危険だろうと考えたのだ。
故に、私が語れるバッターの軌跡は此処までとし、彼に対する解釈も此処で打ち切るとしよう。
しかしそれではあまりにも不親切であり、この【人物背景】と言うパラグラフを此処まで読んでくれた君達に対して猫の糞を砂ごと飛ばすが如くに失礼だ。
そこで、私の方から提案がある。良いかね、それは、この男の軌跡を体験する……即ち、OFFと言うゲームをプレイすると言う事だ。
此処にURLを張って置く。この世界の流儀に則って、頭文字のhは抜いて置く。是非ともプレイし、バッターの狂人ぶりと、この私ジャッジの愛くるしさを堪能して貰いたい。

                          『ttps://offjptranslation.wordpress.com/』

【サーヴァントとしての願い】

神聖な任務を、ただ果たすだけ。





【マスター】

セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!!

【マスターとしての願い】

この世界から、自らが認識する所の悪全ての消滅。

【weapon】

トンファーガン:
トンファーの形をした銃。トンファーとしても使えるし、銃としても使える。

口と腕に仕込んだ銃:
殉職した警備隊隊長であるオーガの友人である、Mr.スタイリッシュから人体改造をうけており、両手と口に銃が組み込まれている

【能力・技能】

帝都警備隊に所属する人物として、優れた格闘術と運動能力を持つ。
その実力は、非常に優れた戦闘能力を持ったナイトレイドの腕利きの殺し屋が身の危険を感じる程。

【人物背景】

帝都警備隊に所属する女性隊員。警備隊の父がいたが、凶賊との戦いで殉職する。
可憐で親切な女性だが、そう言った過去の経験から、狂的とも言える程の正義に傾倒し、悪を裁く事を無上の悦びとしている。
敵対者に対する情は持たず、自身が『悪』であると断定すれば容赦なく処刑する。非常に独り善がりな性格。

ナイトレイドに隊長であるオーガを殺され、ナイトレイドに強い憎悪を抱きつつも出会えていなかった頃からの参戦。
契約者の鍵の転送の際に、コロを元の世界に置いて来てしまった。

【方針】

バッターと共に『正義』を示す。



時系列順


投下順



Character name Next→
セリュー・ユビキタス 全ての人の魂の夜想曲
バーサーカー(バッター)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年05月30日 01:03