「クレイグさーん…」

彼女は学生としての日常を送る裏で今まで共にいた仲間を探していた。

「アイシャさーん…」

しかし、彼女の知る人物は1人としていなかった。

「ネギ先生ー?ゆえー?ハルナー?」

魔法世界の遺跡で出会ってから冒険者として共に旅をした仲間も、魔法世界に来る前からのクラスメートも、想い人の先生も、大切な友人も。
宮崎のどかが<新宿>のあちこちを探しても、彼女を知る人物は見つからない。

「どうしてこんなことにー…」

のどかは公園のベンチに力なく腰掛けて、溜め息を吐いた。
長い前髪の奥に隠れている目には陰鬱さが浮かんでおり、とても心細そうだった。

魔法世界に来た途端、謎の敵から襲撃を受けたと思ったら転移魔法で飛ばされ、気付けばのどかは遺跡の中に独りぼっちになっていた。
傍にはネギ先生も夕映もハルナもおらず、現状を嘆くしかなかったが、
幸いなことにクレイグが率いる冒険者集団に拾ってもらい、なんとか生きながらえることができた。
冒険する遺跡の先々で「鬼神の童謡」と「読み上げ耳」も手に入れ、図書館探検部でいつしか身に着けたスキルを生かしてチームに貢献できたこともあって順調だった。

しかしオスティアでネギ先生と合流するための旅費を稼ぐべく、新たに入った遺跡で見つけた宝の中に『それ』はあった。
「契約者の鍵」。今現在ものどかが所有しているそれを、財宝の山から初めて拾い上げるまでの瞬間で記憶は途切れている。
のどかはまた飛ばされ、この<新宿>で独りぼっちになってしまった。

「ウジウジしてたって何も進まないわよ、ノドカ」

不意にのどかは背中を何者かに叩かれ、「ひゃー」と間の抜けた声を出しながら前のめりにこけた。
地面に手をついて振り向くと、そこには緑色の肌をした長身の女性が立っていた。その背丈は2mを超えている。
女性は背中をポンと軽く叩いたつもりだったが、のどかにとってはかなりの強打となったようで、痛そうに背中を撫でている。

厳密には<新宿>に来たのどかは最初から独りぼっちではない。
サーヴァントを従えて聖杯という万能の願望機を巡って殺し合う戦争――聖杯戦争で共に戦うこととなったサーヴァントが傍にいた。
バーサーカーのサーヴァント、シーハルクが現界していた。

「で、でも、聖杯戦争なんてー…私、人殺したくないしー…でもここから出ようとしても出られないしー…」

服に付いた塵を払いながらのどかはこぼした。
のどかは仲間を探す過程で新宿の外に出ようともしたのだが、橋を渡ることはできても<亀裂>の向こう側へ行くことは透明な壁に阻まれてできなかった。
そもそも、新宿が20年程前に<魔震>が起きて<亀裂>によって外と隔絶された街になってしまったなど聞いたことがない。
のどかは今いる<新宿>も、魔法世界のように別世界なのではないか、と考えていた。

「あなたを見てると昔の私を思い出すわ」

のどかを見ていたシーハルクはため息交じりに言う。
シーハルク――ジェニファー・ウォルターズはブルースから輸血を受けてシーハルクに変身できるようになるまではおどおどした性格だった。
しかし、後に変身自体を楽しむようになって自分に自信が持てるようになり、明るく奔放な女性になったという経緯がある。

「けどー、バーサーカーさん――」
「けど、じゃない!」

弱音を吐こうとするのどかを遮ってシーハルクは強い口調で言う。
その巨大な体躯に圧倒され、のどかは思わず一歩後ずさってしまう。
腰に手を当て、真剣な目でのどかと向き合っていた。

「あなたはこれから何をしなくちゃいけないの?」
「えっとー、ネギ先生やみんな…クレイグさん達と合流することですー…」
「その人達と合流するにはどうしたらいいと思う?」
「この世界から誰とも戦わずに魔法世界に帰るのが一番平和かなーって…」
「じゃあどうやったらその魔法世界とかに帰れると思う?」
「で、できないですよそんなのー…私はネギ先生やゆえみたいに魔法上手じゃないですしー…」

「甘い!!」

再度のどかに対してシーハルクは喝を入れた。

「できるできないじゃなくて、やるのよ!手段が見つからなかったら探せばいい!
裁判だって証拠がないと勝てないから、弁護士は必死にそれを見つけようと努力するのよ!
それとも、ノドカの戦いは裁判が始まる前から敗訴してるのかしら?」
「私はー…」

「私はもう一度…ネギ先生やみんなに会いたいです!」

ネギ・スプリングフィールド。もはやただの担任の子供先生ではなく、魔法使いであり、自分の想い人。
辛い過去を背負いながらも偉大な父を追ってめげずに頑張る姿を見て、のどかは何度も勇気をもらった。
引っ込み思案な自分でも、できることがあるかもしれない。
今も魔法世界でネギも、夕映も、皆も頑張っているはずなのに、こんなところで弱音を吐いて立ち止まってなんていられない。

「バーサーカーさん…あなたの力を貸してくれますかー…?」
「もっちろん!私は弁護士でアメリカンヒロインだからね!前衛は任せといて!」

シーハルクはウィンクをしながら、筋肉の詰まった腕をみせつけるように親指を上に突き立てた。






【クラス】
バーサーカー

【真名】
シーハルク@ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3

【パラメータ】
筋力A+ 耐久A+ 敏捷B+ 魔力D 幸運B 宝具A

【属性】
秩序・善

【クラス別スキル】
狂化:E
通常時は狂化の恩恵を受けない。
その代わり、正常な思考力を保つ。
外交的で激しい性格が表に出ている。

【保有スキル】
怪力:A+
一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
筋力のランクが上がり、持続時間は「怪力のランク」による。
真名解放すると強化され、筋力の上昇量2倍かつ効果が永続するようになる。

弁護人:A
依頼を受けて法律事務を処理する弁護士。弁論、口述に長けている。
交渉・コネクション形成から口論・罪科の回避まで幅広く有利な補正が与えられる。
さらに、敵に異議を申し立てることで敵の直前の行動を低確率でキャンセルすることがある。

フォースウォール・スマッシュ:E-
たまにバーサーカーの言動がとある次元を認識したものになる。
能力の詳細は不明であるが、知ってはならない次元への干渉、
世界のあらゆる存在にとってのタブーとされるものらしい。
似たような能力を持つ者にデッドプール@X-MENがいるが、
こちらは重度の精神汚染の結果として発現して宝具『第四の壁の破壊』として扱われている。
シーハルクのそれは宝具ではなくスキルでランクも低く、運命干渉、現実改変といった効果もないためほぼ死にスキルである。
知り得ぬ情報の知覚こそできるが役に立たないものが殆ど。

【宝具】
『不慮の事故にご注意(テリブルアクシデント)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:? 最大捕捉:?
敵が不慮の事故に遭いやすくなる、いわば敵に降りかかる不幸。
戦闘時に自動で発動する。
戦闘中、敵は幸運をE-ランクにまで下げられ、市街地での戦闘中において不慮の事故(主に交通事故)に低確率で巻き込まれる。
道路上に立っていれば、そこに車が突っ込んでくるかもしれない。
過信は禁物だが、下手をすれば逆転への糸口となる可能性も秘める宝具。

『これが新しいわたし(センセーショナル・シーハルク)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
従兄弟のブルース(ハルク)からの輸血を受け、シーハルクへ変身した自分をエンジョイする様になったジェニファー・ウォルターズの肉体そのものが宝具。
ハルクに匹敵し得る非常に高い筋力と耐久を持ち、ウルヴァリンほどではないがダメージ回復が速い。
さらに、真名解放することでその身体能力をさらに強化することができ、
筋力耐久敏捷にプラス補正がかかる上に怪力の筋力上昇効果が倍増して永続するようになる。
その分、魔力消費量も倍増するのでマスターへの負担を念頭に置かなければならない。

『巨人血液γ型(インクレディブル・ブラッド-TYPEγ)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1
ブルースから輸血を受けた結果、シーハルクへ変身できるようになった逸話からくる宝具。
バーサーカーの体内を流れる血液そのものが宝具。
輸血などでバーサーカーの血が体内入った人間は、バーサーカーと同じように肌が変色して超人的な腕力、強靭な皮膚と回復力を持つ身体へと変身できるようになる。
理論上バーサーカーを利用すれば超人を量産できるが、聖杯戦争による制限で変身している間はその人間から魔力が消費されていくという難点がある。
乱用すればその人間は命の危機に直面するだろう。

【weapon】
たまに街灯などの公共物を鈍器に扱うことがある

【人物背景】
本名ジェニファー・ウォルターズ。
重症を負った際に従兄弟のブルース(ハルク)から輸血を受け、その影響で変身できるようになった弁護士。
ハルクと同様に、超人的な怪力や回復力を持つ。
ハルクと違い、変身後も理性を持つことが出来るが、その反面、抑圧されていた彼女本来の外向的で激しい性格が表に出るようになった。
変化は体だけでなく性格にも及び、以前のおどおどした所はなくなって自分に自信を持てるようになった。
シーハルクになった時の自分が好きらしく、平時もシーハルクのままでいる事が多い。明るく奔放な、力と知性を兼ね備えたヒロイン。

【サーヴァントとしての願い】
基本的にはノドカの力になりたいけど、せっかく現界したんだからエンジョイしたい




【マスター】
宮崎のどか@魔法先生ネギま!(漫画)

【マスターとしての願い】
魔法世界へ帰還し、ネギ先生やクレイグさんと合流する

【weapon】
鬼神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)
相手の名前を見破る魔法具。
名前を見破るときは相手が自分の存在を認識した状態で「我 汝の真名を問う(アナタノオナマエナンデスカ)」と言う必要がある。
ただし聖杯からの制限により、サーヴァントの真名まで看破することはできない。あくまでマスターに向けて使うべき。
『いどのえにっき』の名前が判らない相手には使えない弱点を補っている。

読み上げ耳(アウリス・レキタンス)
文字を読み上げる魔法具。
『いどのえにっき』の内容を自動で持ち主に伝え、絵日記を見るために相手から視線を外す必要がある弱点を補っている。

仮契約カード
ネギと仮契約を結んでおり、「アデアット」と唱えるとアーティファクト『いどのえにっき』が顕現する。
『いどのえにっき』は本のアーティファクトで、対象となる人物の名前を呼んでから開くとその人物の表層意識を読むことができる。
有効範囲は半径約7.4m。
対象者に質問するとその質問に対する回答が現れる。
また名前を呼ばずに開くと使用者本人の表層意識が現れることになる。
複数の相手に縮刷版を一冊ずつ割り当て、リアルタイムで思考をトレースすることも可能。
戦闘支援や尋問においては、名前さえ判れば敵の思考や情報を引き出す事が出来る。

【能力・技能】
罠発見能力
図書館探検部で培った能力。
クレイグ達からも一目置かれていた。

読心能力
「いどのえにっき」「鬼神の童謡」「読み上げ耳」を駆使して相手の心を読む。
それぞれのアイテムのシナジーは抜群で、一瞬で周囲の人間関係が把握できるほど強力。
今回の聖杯戦争では、バーサーカーに前衛を任せるとともに敵の思考や情報を引き出して援護するのが主な戦法。
鬼神の童謡の制限の関係上、敵サーヴァントの真名を知ることができれば優位に立てる。

【人物背景】
ヒロインの一人で、主人公ネギ・スプリングフィールドのパートナーの一人である。
前髪で目を隠しているのが特徴。
過度の恥ずかしがり屋であり、男が苦手なので最初にネギに抱かれたときは抵抗感があったのだが、
ネギの優しさに触れることがきっかけで、ネギのことが好きになる。その想いはクラスでトップになるほど。
同じ図書館探検部に所属する綾瀬夕映とは親友であり、ネギ先生との仲を応援し合う仲。
また、本好きからみんなからは「本屋」の愛称で呼ばれている。勉強が得意なのだが運動が苦手で、よく転ぶ。

参戦時期は、魔法世界にてネギと合流する前(24巻)。
遺跡の探検で見つけた宝の中に契約者の鍵があった。

【方針】
脱出の糸口を探す