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プロローグ


オープニング

「う゛あ゛ー、遅刻遅刻ゥ」

(私の名前は安出堂メアリ、花も恥じらう女子高生。)

少女は血の滴る生肉を咥えながらいつもの通学路を走る。

(でも今日は朝からトキメキの予感。)

星占いもウルトララッキー、目覚めろTVのゾンビ座は大吉だった。

(きっとあの角を曲がると素敵な出会いがあるんだ)

そんな事を考えながら安出堂メアリは交差点に飛び出した、彼女は夢見がちな女の子だった。

ぷぷーッ!!クラクション!!
キキーッ!!急ブレーキ!!
どぎゃ~ん!!衝突音!!
どばしゃーッ!!飛び散る血液!!
ぐちゃーッ!!はみ出る内蔵!!
すぽーん!!バラバラになる肉体!!

「て、てめーコラ!!いきなり飛び出したら危ねえじゃねえか!!死にてえのか!?オラー!!」

大型トラックから運転手が怒鳴る。
バタン!!とドアを閉めて様子を見に降りてくる。

「オイオイ、大丈夫かァ!?ってぎゃあああああ!!」

絶叫!!
当然である、バラバラになった女子高生!!
スプラッタオブスプラッタ!!
控えめに見てグロい!!
控えめに見なくてもメッチャグロい!!

「いやー、うっかりうっかり。危なく死ぬところでした~」

バラバラになった体を拾い集めながら少女、安出堂メアリは自分の頭をコツンと叩いた。
とは言ってもその頭はフルフェイスのヘルメットでガードされている。

「ヘルメットがなければ死んでましたね、コレ」
「そんなわけねーだろ!!」

ズビシ!!と思わずトラック運転手はツッコミを入れる。
確かにヘルメットのおかげで頭部は無傷ではあるが、きっとそういう問題じゃない!!

「やだなあ、おじさん。漫画とかでもよくあるでしょ、もう少しで死ぬところだったとか?」
「ヒィ!!」

ぐちゃぐちゃと体をくっつけながら歩いてくる少女に対して運転手の顔は恐怖に引きつった。

「テレビとかでも九死に一生スペシャルとかあるじゃあないですかあ、それですよ」
「よ、よるなー!!くるんじぇねええええ!!」

バキューン!!
思わず拳銃で少女を撃ち抜く。
なんで拳銃を持ってるのか。
たぶんヤバめの運転手だったんだろうね。
なんで撃ったのか。
だって怖いんだもん。
弾丸は少女の心臓を正確に撃ち抜く。

「あ、急所は外れたみたいですよ。良かったあ。ビックリしたからって人を撃ったら犯罪ですよう。それに撃つならちゃんと狙わないとダメですよう。というか女子高生を撃っちゃダメだと思うんで…」
「心臓撃ち抜いてんのに急所外れるわけねーだろ!!って。う、うわあああああああああああああ!!」

バキューン、バキューン!!カキーン!!
弾丸は命中、だけど死なない。
ヘルメットに当たった銃弾は弾かれる。

「あ、わかりました。玩具か何かなんですね。おじさんもお茶目さんですねえ」
「ひぎゃあああああ」
「もう、ダメですよ。朝から女子高生と遊んでちゃ、メッ」

安出堂メアリはコツンと運転手の頭を軽く、本人的には軽く叩いた。
ホスト神拳奥義“ようこそジュリエット”!!
片手を胸に当て「ようこそ!!」の気持ちを込めて片手を差し出す。
ホストとしては“できそこない”だがメアリも有名ホストの一族。
身に付いた動き、本人は意識せずとも体は動いてしまうのだろう。

メキャア!!

結果として運転手の頭は半分くらいのサイズになってしまったが。
メアリは自分の体をつなぎ合わせてから運転手が動かなくなっている事に気づく。

「あれえ?おじさん?おーい」
「朝から寝てるなんて、ひょっとして酔っ払い?酔っ払い運転ですね。じゃあ私は悪くないですよね」

返事はない。
だってタダの屍なんだから。

「じゃあ、私行きますね、遅刻しちゃうんで」

ぐぅ~。
歩きだそうとしたときお腹が鳴った。
メアリは顔を赤らめる。
だって女子高生だもん、恥ずかしい事は恥ずかしい。
花も恥じらう女子高生にも恥じらいの心はあるのだから。

「お腹、空いたなあ」

そういえばトラックにぶつかった時に生肉を落としてしまった。
3秒ルールでももうダメだろう。
拾い食いは女子高生的にダメだ。
でもお腹は空く。
女子高生は成長期、よく食べるのは大事だ。

「じゅるり…」

でも大丈夫。
新鮮なお肉が目の前にあるよ。
国産のおにく。
日本人っぽいから国産のおにく。
日本人だからジャポネスク。

「捨てちゃうと…もったいないよね…」

安出堂メアリ、エコ精神を持つ少女であった。
しかし男を(女も)食い物にする。
ホストとしての規律には違反する。
メアリが一流のホスト足りえないのは、このエコ精神が原因である。
地球に優しくても、ホストとしては三流。

べちゃり、ぐちゃり、ばきん。

「う゛あ゛ー、遅刻遅刻ゥ」

そうして血の滴る生肉を咥えながら。
少女はいつもの通学路を走る。
多分もう遅刻は確定だろう。

「そういえば、今日は焼きそばパンが入荷するんだっけえ?」

とても美味しい焼きそばパン。

(食べてみたいな)

と安出堂メアリは思った。

終わり