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本戦SSその11

☆本文

「てめえら風紀委員がいなけりゃ校則違反しようとバレねえ!よって全員死ねええ!!!」
始業前、天雷テスラが自らの教室に入ろうとした瞬間、彼女は廊下の両サイドからバールのようなものによる襲撃を受けた。
モヒカン十傑の一人ネクローシス芹澤とシラット宝田の恐るべきコンビ。
校則違反を咎められないためにまずそれを注意する風紀委員を始末してしまえばいい。実に短絡的発想だ!

テスラは襲撃者達の一撃をしゃがんで回避。
そのまま襲撃者に対して電撃を放つ!
「「グギャアアアアア」」
「全く」
焼きそばパン入荷が決まってからこういう輩が増えた。
そのせいでこの前からお姉様との至福の時間が邪魔をされる。
本当に迷惑だ。
そう思ったので、腹いせに倒れてる二人をもう一度蹴った。
◆◆◆◆◆◆
一之瀬進がその場に脚を踏み入れたとき、彼の目の間にはおぞましき光景が広がっていた。
尻を抑え、倒れた男子生徒たちの死屍累々の光景。
中にはズボンとパンツをずり下ろされ生尻を剥き出しにしているものの姿も見える。
「アナルパッケージホールド!」
「アッー!」
そしてまたひとり犠牲者の悲鳴が木霊した。
(今やられたあいつは一年の霊能力者 雲水、向こうで倒れているのは同じ1年の性帝SEX衛門。さらにあいつは校則違反四天王の全中男(チェン・ジュンナム)
名の知れた実力者達がこうも簡単に)
そして、ロッカーの前で尻を丸出しにして倒れている男は。
(笹目……!?)
一ノ瀬の友人の笹目だった。彼は伝説の焼きそばパンの効果を都市伝説と考えていたはずだった。ほかならぬ一ノ瀬がそう教えた。
だから、彼が伝説の焼きそばパン争奪戦に参加するわけがないと予想していた。
そんな彼がなぜ―――
そして沢山の犠牲者の中、聳え立つひとりの筋骨隆々のブリーフ姿の男に一ノ瀬は目をやった。
アナルが大きく書かれた白覆面。
先ほどからアナルパッケージホールドとだけしか喋らない謎の男。
変質者であることをこれでもかというぐらいアピールしてくる恐るべき魔人。
焼きそばパン参加者をコイツもライバルなのか。
執拗に敵対者の尻だけを狙う恐るべき魔人を目の前にして一瞬一ノ瀬の足が竦む。
いや、三年前の悲劇を繰り返してはならない。ならば逃げるわけには行かない。
覚悟は決めたのだ。やつを倒し、購買部へ向かう。
相手は見るからにアナルに固執する変態魔人。周囲の犠牲者が尻にダメージを受けていることからもそれは明らかだ。
ならば最も気をつけるべきはアナルへの攻撃。
(いや……)
最近、薄々と感じていたことだが、一ノ瀬の予想は当たらない。
焼きそばパンの入荷の時もそうだった。おかげで全く準備ができなかった。
だから、あえて逆をつく。そうすればうまくいくはず。
一ノ瀬はアナルパッケージホールドに向かっていった。

こうして、この日一之瀬進は後ろの処女を失ったのだった。
◆◆◆◆◆◆

渡り廊下では目を見張るようなプラチナブロンドの美女がなぜか僧侶に話しかけられていた。
「私は御仏聖徳(みほとけしょうとく)。祈っているのです。焼きそばパン争奪戦が無事に終わるようにあなたも祈りませんか。」
御仏聖徳は僧衣をまとった糸目の男。手には数珠。頭は禿げ上がっている。
「そんな暇はないでヤンス」
ヤスは僧侶の勧誘を拒絶した。
「そうですか。それなら仕方がありませんね」
聖徳の目が開かれる。
「それでは今すぐ極楽浄土へ送って差し上げますよ~~~~~!」
この男は敬虔な仏教僧侶などではない。絲芽社が発行する週間糸目通信が選ぶ期待の糸目ランキング287位御仏聖徳。恐るべき<<糸目>>の使い手の一人だ。
合わせた手から炎が伸びる。
「ブッダファイア!汚物は消毒でげあぼお」
次の瞬間聖徳は周囲にいた人間たちを巻き添えにして遥か彼方に吹っ飛んでいた。
「邪魔でヤンス!」
一瞬で接近したヤスによって殴り飛ばされたのだ。

「急ぐでヤンス」
無駄な時間を使ってしまった。焼きそばパンの購入に失敗したらオヤブンに怒られてしまう。気を取り直して購買部に向かった。

◆◆◆◆◆◆

「待ちなさい!」
「待てと言われて待つ人はいないよ」
廊下では二人の少女が追いかけっこをしていた。
逃げる少女はシルクハットに目を覆うマスク、ドレスという特徴的な風貌。
追う少女の腕には風紀委員の腕章。
逃げる少女は言わずと知れた怪盗ミルキーウェイこと天ノ川浅葱である。
浅葱が予告(偽物だが)を完遂するためミルキーウェイの衣装に着替えるとばったり風紀委員と出くわしてしまった。
こんなところで捕まるわけには行かない。全力で逃走する。
なお二人は校則違反にならないように全速力で歩いているのでパンの購入には特に問題はないのだ。
ミルキーウェイは追いかけてきている見覚えがあった。
あれは確かクラスメイトの車口文華によく会いに来ている少女。
たしか天雷―――

「おとなしくテスラに捕まってください」
「やだ」
そう天雷テスラだ。ミルキーウェイは思い出す。
催涙弾や閃光弾を投げつけて怯ませた隙に振り切っても良いのだが、まだまだライバルは多い。
先に備えてとっておこう。
さらに追いかけっこを続けたその時!
「獲物が来たようじゃのう。弟よ」
「そうじゃのう兄者」
扉の両端に腕を組んだ屈強なモヒカンの男二人が立っていた。
「あれは怪盗ミルキーウェイか。わしもついておるのう」
「わしはあちらの金髪も捨てがいたのう」
「な……なんなんですかあなたたちは!?」
二人から目をそらしながらテスラが言った。
なぜ目をそらしたのか
異様なのはその風体だ。二人共下半身を露出している。
純真な乙女としてはそこからは目をそらさざるを得ない。
「わしは尾名護郷冠(おなごごうかん)
「わしは尾名護林冠(おなごりんかん)。人呼んでレイプ兄弟よ」
レイプ兄弟!モヒカン十傑にも数えられる恐るべき魔人ではないか。
「伝説の焼きそばパンには興味はないが、それに釣られてここを通る獲物を待ち伏せしておったところよ。のう兄弟」
「そうだ兄者。貴様ら肉便器にしてやっても良いぞ」
「なるわけないでしょう!」
テスラが怒りをあらわにする。
「ここは協力すべきじゃないかな?」
ミルキーウェイがテスラに提案する
「怪盗と協力するのは不本意ですがそうするしかないですね!」
「ほお、わしらに勝てるつもりか」
「面白いおなごじゃのう兄者」
そう言いながら、林冠がどんどん増殖していく。
これが一人で輪姦を可能にする林冠の魔人能力『モブインフィニティ』だ。
「さあいっちょもんでやろうかのう」
「テスラが返り討ちしてあげます!」

テスラが電撃を放った!

◆◆◆◆◆◆
久留米杜莉子は囲まれていた。
ゴリラが胸を叩きドラミング。他にも巨大な牙を持つヒョウ、3m近くある蟹。
そのほかにも無数の猛獣たち。周囲には犠牲者たちの骸。
生物部の特殊生物隔離塔から脱走したバイオ生物だ!
なお後の調査委員会で生物部は偶発的事故を主張していたが、焼きそばパン争奪戦のどさくさに紛れた故意であると認定された。

「杜莉子さん!」
小松が叫んだ。
「……捕獲レベル10といったところね」
普段の調達部の任務と比べれば大したことではない。
「……強引に突破しましょう」
腕をナイフに変形。そのまま振るう!蟹がバラバラになった。

◆◆◆◆◆◆

「ば、馬鹿なあ!?この俺様がしこたま金属バットで殴ってやったっていうのになぜコイツ死なねえ~~!」
モヒカン十傑集の一人スプリング欧佐田は目の前の少女に恐怖を感じ始めていた。
金属バットでぶん殴ったのに死ぬ様子がない。何度も、何度も。
少女は頭部こそフルフェイスのヘルメットで守られているが、身体はそうではない。
なぜだ。
「お、俺は暗殺野球のジョッグなんだぞ、こんなはずが」
「だめですよ。今日は野球で遊んでいる暇はないんですから」
フルフェイスのヘルメットメアリがバットを奪い取る。バットを持っていた欧佐田の手が一緒にちぎれた。
「ア、アバーッ!」
「めっですよ」
欧佐田がぺちゃんこに潰れる。
「どうしてみんな寝ちゃうんでしょうね。せっかく伝説のやきそばパンの販売日なのに」
ぐううううううう
少しお腹がすいた。
周囲には血が滴る新鮮な生肉。
だが、今日は焼きそばパンを買いに行くのだ。
「でも……」
新鮮な生肉をそのまま捨ててしまうのはやはりもったいない。
男を(女も)食い物にするホスト安出堂メアリ。
エコ精神に溢れたこの少女が無視するには魅力的すぎた。
「……少しぐらいいよね」
そう呟くと生肉に手を出した。
◆◆◆◆◆◆


焼きそばパン争奪戦にすべての生徒が向かい、無人となった二年生の教室。
「さて……そろそろやきそばパンを買いにいかなくては……」
よく見ると席にまだ一人の少女が座っていた。
「ふあああああああ……」
少女――須楼望紫苑が伸びをし始める。

「ばかっ、やっぱりぼんやりしてるじゃない」
知恵が彼女の手を取り、
「大丈夫ですよぉ……」
紫苑はまだのんびりしている。
すでにみんな出発しているのだ。全く大丈夫じゃない。
やっぱりダメなのではと知恵が思ったとき!
突如教室の外で爆音が鳴り響いた。

「なっ、何?」
「なんでしょうか……」
慌てて窓の外を見に行く。ゆっくりと紫苑が続く。
二人が窓から外を見るとそこには巨大なロブスターが鎮座していた。
本当になんだろう。

「諦めようか」
「はい……」
二人はお互いの顔を突き合わせるととりあえず自分の席に戻った。

◆◆◆◆◆◆
「天誅!」「大政ーーー!」「奉還ーーー!」
希望崎学園に乱入した維新志士の集団が妨害する警備員や通りすがりの教師や生徒を次々と殺傷していく。
彼らの目的は購買部伝説のやきそばパンただ一つ。
事前の襲撃は失敗したが、新規編成した武装集団を当日希望崎に送り込んだ。
ショットガン、投げナイフ、サブマシンガン。様々な武器で武装している。
その行く手を阻むように突如巨大なロブスターが現れた。
全長10mはあろうかと機械でできた身体はけたたましいモーター音を周囲に響かせている。
「邪魔だーーー!」「やきそばパンをよこせーーー!」「ごわっそ」
維新志士たちは襲いかかるがロブスターの身体に傷ひとつ付けられない。
逆に機械ロブスターは巨大な鋏脚で維新志士たちを薙ぎ払った。
「うぎゃああああああああ」
これが希望崎学園ロボット研究会が開発した恐るべき超甲殻型決戦兵器『ローヴスターZ』である。
「先輩。みんなやっちゃっていいんですよね」
ローヴスターZのパイロット、ロボ研部員―――伊瀬英美は通信機に向かって話しかける。
《先輩ではない、英美君。私のことはプロフェッサーCと呼び給え。》
プロフェッサーC。ロボ研部員にして校則違反四天王のひとりである。
数ヶ月前、新型ロボの実験中、誤って購買部のプレハブ小屋を標的にしてしまい、砲撃。爆発炎上。
奇跡的に死亡者こそでなかった出なかったものの、多くの負傷者が保健室に運ばれることとなった。
そして、それまでも似たようなことを繰り返していたため、遂に購買部の使用を永久に停止されてしまったのだ。
《そして、英美君。その答えはYESだ。》
購買部の使用を停止された結果、考えられたのが今回のやきそばパン購入妨害計画。
極秘裏に開発した超兵器を投入することにより、学園すべての生徒・線sネイの購入を妨害し、誰にもやきそばパンを購入させない。

《我々からやきそばパン購入権を奪った奴らに目にものを見せてやるのだ。いけ!甲殻類の恐ろしさを見せてやれ》
「了解です、先輩」
《だから先輩ではないと……》
まだ通信機から声が聞こえてきたが英美は無視する。
英美の魔人能力『エースドライバー』はあらゆる乗り物を完璧に運転することができる能力である。
いかなる無茶も可能にし、完璧に乗りこなすことが可能である。。
ちなみに今回の計画に駆り出されたのは、魔人能力が理由ではなく、伊勢海老に名前が似ているからというそれだけの理由なのだが。
プロフェッサーCは好きなのだ。甲殻類が。
ローヴスターは鋏脚で次々とプレハブ小屋に群がろうとする人間たちを蹴散らしていく。
今回入荷されたやきそばパンはこのまま誰にも購入されることもなく終わってしまうのだろうか。

するとプレハブ小屋に向かって飛行する少女の姿が見えた。新たな購入者のエントリーだ。
「楽しませてくれそうな相手ですね」
英美は舌舐りをすると少女に照準を定めた。
◆◆◆◆◆◆
メリー・ジョエルが購買部に向けて飛行していると、突如ロブスター型機械の右鋏脚に襲撃を受けた。
回避を選択。問題なく実行する。
あれも焼きそばパンを狙うライバルか。それともプレハブ小屋に向かわないあたり、別の意図をもったものか。
関係ない。大切なリリアへのお返し。障害は全て排除する。

ロブスターが鋏脚の鋏が開く。サブマシンガン。
BATATATATATATATA。メリーに向けて弾丸が放たれる。
弾丸の機動を計算。問題なく回避。
ロブスターから右鋏脚が射出。これも回避を選択。成功。
が、何かに身体を拘束される。
鋏脚と右脚をつなぐワイヤーと認識。こちらが本命か。
そのままロブスターがメリーを振り回そうとする。
右義肢の竜紋機構からプラズマ粒子を発生。高熱ワイヤーを焼き切る。
拘束から脱出。
そのまま上空へ浮かび上がる。そしてそのまま急降下。
そのまま全速力でロブスターに突撃槍を突きさす。
その一撃はエンジンを破壊。そしてロブスターは機能を停止した。
◆◆◆◆◆◆
そしてその後も、進撃のMACHI、怒りのカレーパン先輩、可憐塚みらいと白狼の騎士の背徳的エスカレーション、メリー突然の体調不良によるリタイア、焼きそばパン派探偵黒天真言爆誕!、ドキッ!水着だらけの血みどろバトルロイヤルなどのイベントを経て、ミルキーウェイとテスラの追いかけっこは購買部のプレハブ小屋にたどり着いていた。
するとそこにはもうひとりミルキーウェイがいた。
「あなたが予告状を送った偽物だったのね」
「そうだ。バレてしまっては仕方がない。死ね」
偽ミルキーウェイが二人に襲い掛かってきた。
偽ミルキーウェイは非公式応援歌を完璧に踊る恐るべき敵だが、二人で協力することでナントカ倒した。
「あなたの正体は誰なの?」
ミルキーウェイが偽ミルキーウェイの衣装を剥ぐ。
偽ミルキーウェイの正体は夜魔口悪童だった。
彼の計画はこうだ。
部下の片がアナルパッケージホールドに扮し、悪童がミルキーウェイに扮装し、二人のどちらかが伝説のやきそばパンを頂く。
そのためにミルキーウェイの名を騙って予告状も出した。
いざとなれば全裸になりミルキーウェイは男であったというデマでショックを与え脱出する予定だったという(彼はこれをミルキーショック作戦と呼んでいた)
そしてすべてを告白した悪童は購買部から連行されいった。
「……悲しい物語でしたね」
いつの間にかその場にいた文華が感想を漏らす。
「そうですねお姉様」

◆◆◆◆◆◆
「さて、本物もテスラのお縄についてもらいましょうか」
テスラがとなりを見るといつの間にか怪盗ミルキーウェイの姿は消えていた。
ついさっきまでそこにいたはずなのに。
ついでに棚においてあった伝説の焼きそばパンも。
残されていたのは
『伝説のやきそばパン確かに戴きました』
と書かれたメッセージカードだけ。
「いつの間に」
驚愕するテスラ。これには怪盗ミルキーウェイによる驚くべき壮大なトリックが存在するのだが、それを書くにはここに記すには余白が狭すぎる。
するとそこへプレハブ小屋の扉から天ノ川浅葱が入ってきた。
「おー、文っち!」
「……委員長」
「文っちたちがいるってことはやきそばパンも売れちゃった?」
「……ミルキーウェイに取られてしまったわ」
「残念だねえ。まあ仕方ないか」
「風紀委員会が捉える予定だったのだから仕方なくなどありません!」
テスラが抗議するようにいった
「おーよしよし」
浅葱がテスラの頭を撫でる。
まあ自分のせいだし、後でフォローしてあげないとなあ。
浅葱はそう思った。
彼女は人付き合いの良い学級委員長なのだ。
◆◆◆◆◆◆
放課後×屋上。
昼までの喧騒が嘘であるかのように静まり返った希望崎。所々壁に穴があいていたりするが犯人から徴収した修繕費ですぐに修復されるだろう。
校則違反の検挙者の取り調べなどを行ったあと、天雷テスラと車口文華は一休みも兼ねて屋上に来ていた。
壁にもたれかかるテスラの手にはなぜかやきそばパン。
文華は購買部で購入した紙パックのジュース(パッケージには新発売あんこ入りパスタライス味と書かれている)にストローを刺して飲んでいる。
あのあとテスラがクラスに戻ると何故か机の中にミルキーウェイが持っていったはずのやきそばパンが残されていた。
やきそばパンにはカードが挟まっていた。
「私は特に欲しいわけではなかったので、やきそばパンはテスラさんにあげます。怪盗ミルキーウェイ」
テスラがカードの文面を読み上げる。

「……よかったじゃない……欲しかったんでしょうやきそばパン」
「全くよくありませんよお姉様」
ミルキーウェイは結局逃してしまった。その上その怪盗からお情けでやきそばパンをもらうようでは風紀委員として屈辱的である。
「絶対に次はテスラが捕まえてあげますからね」
「……ふふ頼もしいわね」
文華が笑った。

この人とずっと一緒にいたい。テスラはそう思った。
夕日は眩しく、屋上を吹き抜ける風は今日も爽やかだった。

☆劇終