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 無音の世界…  思い出したくない記憶…  壊れた世界…    あの時、僕の世界は壊れた。       幼いころ、人を諦めた時に…    火事で燃えた家の跡で見上げた夜空…   僕をあざ笑う様に見下ろす月…    ……ああ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ・・・              うあ!!!!!!    「うあーーーー!!!」  蒼樹は、自分の声で眼が覚めた。   毎日の様に見た夢     僕の永遠の罪の拘束の証  死神にも見放された体   今一度それをかみ締め、自分の今の状況を確認した。  見慣れない和式の部屋   障子から部屋に降り注ぐ月の光   何時ものアパートとは違っている。  「・・・・つーか・・・何所だよ・・・ここ」   学校をさぼって、雨の日に街を歩いていて何時もの様な魔力衝動が起こり、眩暈と苦しみで倒れたのは覚えているが、あとは意識が途切れて覚えていない。  しばらく辺りを見回していたが、ふと、影の横の襖から気配がした。  「誰かいるのか?」  襖から気配しかしない  「助けてくれたなら、ありがとう…」  襖から気配が消えた。  襖の気配が消えて、少し時間がたって縁側があるのだろう、障子の向こうからいくつもの足音が聞こえて来た。  そして障子が開かれた。  「・・・・・」  開かれた障子のところに、いたのは自分と同じくらいの少女と中年の男、そして和服姿の女性だった。  「気分はどうですか?」  和服の女が蒼樹に聞いた。         「良くなりました。ありがとうございました」  蒼樹は和服の女に頭を下げた。  「起きてすぐですが、お一つお聞きになってよろしいでしょうか?」  蒼樹は尋常でない雰囲気で背筋が冷たくなった。  「ああ、聞いてかまわない」  和服の女は、隣の少女と男と顔を見合わせて頷くと再び蒼樹の方を向いた。  「あなたは何者ですか?」  蒼樹は今度こそ背筋がぞっとした。

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