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 『あなたは何者ですか?』  母さんのその言葉を聞いて蒼樹の顔は本人は気づいていないと思うけど驚愕していた。  私はそんな蒼樹を見た。  学校での彼はまるで限界まで磨がれた剣の様に、周りに人を寄せ付けない様な雰囲気を出していたけど・・・・  今の彼は、まるで小さな蝋燭の様に今にも消えそうな、泣きそうな顔をしていた。    母は、黙っている蒼樹をじっと見ている。  父さんは母をじっと見ている。  蒼樹は顔をうつむいていたけど、ふと顔を上げた。  「僕は人間だ」  彼は一言だけ言った。    でも、その一言には私では解からない様な・・・寂しげな、自分自身への戒めの様な、いや、自虐的な言葉だった。  「なら、あなたのその異常な力は何ですか?人が持てる様な物ではありません」  母さんは、鋭い言葉で私も気にかかってたことを聞いた。  裏地で倒れていた彼を見つけて電話をした後、声をかけようと思ったけど、彼の体に触ったとき、彼の体から異常なほどの強い魔力が満ちてきたのだ。  私は反射的に手を引いた。    手を引いたのに、未だに手が痺れている。  その場で私は車が来るまで待っていた。  そして、蒼気を家で保護をして、彼の異常な・・・いや、人外の力を母に話して、今に至っていた。  「僕の力か・・・なんとな気づいてるんあろ?」  彼の眼が鋭くなった。  「呪…いや、呪物それとも魔術のリスクでしょう」  「ああ、その通りだ・・・だがこうなったか理由はいえない」  蒼樹はそれ以降何も言わなくなった。  しばらくして母は声を出した。  「そうですか、では食事にしましょうか」    その言葉に、私も蒼樹、そして父さんも目がてんになった。

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